全社ミッションを体現した組織。多重下請け構造を変革する EPFサービス部で腕力がつく理由

2024/11/15

「IT業界の多重下請け構造の変革」を掲げている私たちSHIFT。その大義をソリューションで体現しているのが、エンジニアプラットフォーム (以下、EPF)サービス部です。

同部は世の中のエンジニアが、実力に見合った報酬で、プライム案件に従事することが可能な世界をつくることを目指しています。

ビジネスパートナーは、SIer、SES、そしてフリーランスエンジニア。お客様から依頼される開発案件をベストな形で進めるべく、会社の枠を超えたチームを結成。質の高い開発を実現してきました。

このサービスに不可欠なのが、SHIFTメンバーである開発/統括PMの存在です。

案件に適したメンバーをアサインし、最上流からチームにコミットしながら、プロジェクトの品質を担保するという、非常に大きな役割を担っています。

今回は、立ち上げ時からサービスをリードしてきたEPFサービス部部長の伊藤隆介に“この場所でしか味わえない” 開発/統括PM としての醍醐味や部として目指すことなど、幅広く話を聞きました。

  • EPFサービス部 部長 伊藤 隆介

    1979年生まれ。独立系大手SIerでキャリアを開始。PG、SE、PMを経験し、海外事業企画・海外拠点責任者を務めた後、2017年にSHIFTに入社。品質保証PMを数案件担当後、EPF前身のBP推進部長を拝命。エンジニアプラットフォーム事業を企画・推進し、現在はEPFサービスを推進している。1児の父。

目次

お客様、パートナー企業の声から生まれたサービス。4年で“1億円超え案件”を受注するフェーズに

──はじめに、EPFサービスの体制についてお聞かせください。

伊藤:SHIFTメンバーである開発/統括PM が15人、グループ会社、SIerなどのパートナー企業は約1,600社。エンジニアの総数は、SHIFTが展開する「toiroフリーランス」登録者も含めると8万人にのぼります。

そもそもEPFサービスは、事業会社のお客様からの「開発をまるっとお願いしたい」、パートナー企業の「エンジニアに開発案件を経験させたい」という双方の声から生まれました。

私たちがマッチングのほかに開発PMの機能ももつようになったのは、パートナー企業の人材不足から。各社、手を動かせるエンジニアが豊富な一方で、PMはほとんど在籍していませんでした。

意識して心がけているのは、パートナー企業へのケアです。少なくとも半年に1度、打ちあわせを実施して状況や意向を把握しながら、よりよいマッチングを目指しています。

──サービス開始から4年がたったいま、どのようなフェーズにありますか?

伊藤:はじめは2~3人の少人数チームで行う「分散配置型」、10人以上のメンバーからなる「チーム型」からスタートしました。

その後、徐々に「描いているゴールはあるので、詳細は随時提案しながらプロジェクトをやり切ってください」というような、開発のほとんどを一任される「プロジェクト型」まで依頼内容が拡大。

売上2,000万円以上はS、5,000万以上はM、1億円以上はL、と規模ごとにわけて案件管理しています。

──具体的にはどのようなプロジェクトを受注しているんですか?

伊藤:お客様の業種や企業規模はさまざまで、案件も多種多様なのですが。例えばいま進行しているのが、車両の二酸化炭素排出量を測定するためのシステム開発です。

お客様は部品メーカーで、調査地はアフリカの某国。いわゆる脱炭素に向けた取り組みの一環ですね。

役割としては、私たちがPM、IoT機器から生データを取得するまでをベンダー、データを加工して分析できる状態にし、システムに流し込むまでの作業をベトナムにあるSHIFT ASIAが担っています。

データサイエンティストに向けて、理想的な形でデータをお渡しするのが私たちのミッション。

流し込めるデータ量が限られているなか、どのようにデータとデータを結合させるか、加工するか、など想像力を働かせながら、パートナー企業と連携しながら進めています。

そのほか、詳細は控えますが、とある業界のリーディングカンパニーと呼ばれる超大手企業のお客様の大型案件や金融系システムなどの開発も。

ときにグループ会社が一丸となって行う「ONE-SHIFT」を体現しながら、プロジェクトに取り組んでいます。

「ゼネラリストが集まるスペシャリスト集団」を標榜したワケ

──伊藤さんはEPFサービス部について「ゼネラリストが集まるスペシャリスト集団」を標榜しています。どういう経緯からこの言葉が生まれたのでしょう?

伊藤:そもそも私自身がゼネラリストで「スペシャリストには絶対に勝てない」という悩みをつねに抱えている人間なんです。

一方でいまの仕事はお客様の業種が幅広いため、広い知識が必要となってくる。どの業界に対しても高いレベル感でPMやチームビルディングを担うには、そうしたスキルの深度が求められるということでもあります。

たまたまですが、EPFの開発/統括PMはそんな深いスキルをもったゼネラリストが揃っています。「部署として、ほかの追随を許さないほどのゼネラリストを極めるのもありなんじゃないか」と。

もし“ゼネラリストワングランプリ”という団体で戦う大会があったら1位を獲れるような(笑)。こうした妄想がきっかけで、ゼネラリストとスペシャリストという、相反した言葉をつなげ、目指したいことを表現してみたんです。

──では、今後仲間になる“未来のPM”にも、ゼネラリストを求めている?

伊藤:ゼネラリストかスペシャリストかという観点で採用を決めてはいませんが、求めるスキル、素養は大きくわけて3つあると思っています。

1つは、PMBOKのようなプロジェクト管理の基礎を心得ていること。EPFサービスでは、特定の業種、業態に偏ることはなく「製造業の次に金融のお客様を担当する」というようなケースも多々あります。

開発PMとしてはどんな内容であっても正しくチームビルド、プロジェクトマネジメントできることが重要かと。

2つめは「ゴールを見失わず、責任をもってやり切る」強い意志とメンタル。毎回違うチームをつくり、リードするのは正直いって大変です。とはいえ、この点はやりがいと表裏一体になっていると思っていて。

例えば、SIerは基本同じメンバーで開発を進めますよね。当然チームは安定しますが、想定する以上の“何か”が生まれにくい側面もあります。

一方、EPFサービスでは、チームビルディングのむずかしさはありつつも、やり切ったときの達成感が桁違いなんです。

3つめは、成長意欲。私自身、メンバーの成長機会の創出を一番に考えているので、成長意欲や野心のあるひとは充足感を満たしていただけると自負しています。

開発PMの‟腕力”をあげるために。挑戦の場をつくり、メンバーの成長意欲を満たす

──メンバーに充足感を感じてもらうために、部長として、どんなことに意識して取り組んでいますか?

伊藤:プロジェクトを終えたときに、部員、パートナーに限らずメンバーには何かしらの成長実感が得られるようにしたいですね。

経験やスキルの切り売りではなく、新たな力がついたと実感できる瞬間はだれしも楽しいですし、組織としても大事な要素。成長できない場所では、ひとが定着しにくいので。

私の役目は、魅力的な案件の受注や勉強会の開催など、挑戦してもらえるような環境をつくり、成長意欲を奮い立たせるマインドセットを醸成すること。

うちのチームは30代から60代までさまざまな年代で構成されていますが、どのメンバーにもわけ隔てなく課題点を伝え、さらなる高みを目指してもらっています。

開発PMとして活躍が目覚ましい方には、さらに上位ポジションとして複数案件を管理する統括PMとしての役割を担っていただきたいとも思っています。

見なければいけない範囲が広がりますし、多種多様な案件の課題とフェーズにあわせて先手先手をうって推進させる力を身につけて、ご自身の市場価値を高めてもらいたいですね。

──総合的にみて、開発/統括PMとして腕力がつきそうな部署ですね。

伊藤:「EPF出身といえば即戦力人材」と思われるような組織を理想としています。メンバーには将来的に、案件や場所を選ばず、同じように成果を出せるPMになってほしい。

加えて、社外に対してはプライムベンダーだからこそ、できることがあると思っていて。

パートナー企業との連携を通じて、現場の若手エンジニアの成長機会創出に寄与していきたいですし、ソフトウェア開発業界に蔓延する多重下請け構造も改善していきたい。

業界特有の課題解決を促しながら、事業会社と現場エンジニアの距離を縮めることで、エンジニアのレベルアップが叶い、結果として日本のIT業界が躍進し、国力があがっていく──

こうした青写真については、プロジェクトのキックオフや月例会などで意識して伝えるようにしています。

「現場単位だと、エンジニア数人の変化かもしれないけれど、それが集合体になれば、社会が変わるきっかけになる。そう信じて前へ進んでいこう!」と。若干暑苦しいのは承知のうえで(笑)。

まずはメンバーを100人に。社会課題の解決に近づくためにもサービスを成長させたい

──これから部署として目指していきたいことをお聞かせください。

伊藤:まずは、2、3年のうちに開発PMの人数を100人まで増やしていきたいですね。

PMに対するお客様からのニーズは依然高いですし、EPFサービスの売上や認知度の向上、先ほどふれた社会課題の解決にも一歩ずつ近づけていきたいです。

──最後に、採用候補者の方に向けてメッセージをお願いします。

伊藤:「PMをやりたい、もしくはPMの素養はあっても出番がない」という若手の方には、私たちが機会を提供しますし、熟練メンバーも後支えしていきます。

私たちの部署は、基本はテレワークですが、週に1度の出社推奨日を設けています。ストレスをひとりで抱え込まないための、息抜きの場を想定しています。

PMBOKについてや現場で起こった課題をみんなで検討する勉強会を週次で開催するなど、みんなで学べる機会もあります。「あまり経験がないから」と尻込みせず、まずは応募していただけたらうれしいです。

また、「管理職ではなく、現場でお客様に貢献したい」というベテランやシニアの方も向いている職場だと思います。大型案件の推進や人材育成を担っていただきたい。

ぜひ一度、お話ししましょう。

※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです

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