SAP導入を上流工程から支援する意味。事業を立ち上げ躍進させたリーダーが語るこれまでとこれから 

2023/12/19

「はやめはやめに手を打つことで、SAPプロジェクトを円滑に進めたい──これは前職から変わらず抱いている思いです」 

こう語るのはSHIFTにおけるSAP事業立ち上げに大きく貢献した、エンタープライズサービス部のF.A.です。 

新卒入社した総合系コンサルティングファームでは会計領域のSAPコンサルタントとして5年勤務。2016年SHIFTへ入社してから2年後、前職での経験が買われSAP事業の立ち上げメンバーとなりました。 

スタートから5年、約250名のメンバーを抱える大所帯となったSAPサービスグループ。 

グループ長、グループ長補佐として、サービスや人材を育て上げ、2023年12月から産休に入るF.A.に、これまでの歩みとこれからについて話を聞きました。 

  • サービス&テクノロジー本部 エンタープライズサービス部 SAPサービスグループ グループ長補佐 F.A.

    新卒から総合系コンサルティングファームにて、会計領域担当のコンサルタントとしてSAP導入プロジェクトに参画。2016年よりSHIFTに入社し、ERPパッケージ開発企業様案件にて、プロジェクトマネージャーとして人事給与パッケージの品質保証体制構築、標準化を推進。アカウントマネージャーを経験したのちに、SAP事業立ち上げに携わる。 

    2019年よりグループ長として組織運営・新規顧客開拓・サービス開発、人材育成などを推進したのち、現在は複数のSAPプロジェクトのテスト・インスペクション支援におけるPMを担当。

目次

入社時の不安は杞憂だった。現在は品質向上に向け上流工程から支援   

──最初に、いま担当している案件についてお聞かせいただけますか? 

F.A.大手総合不動産会社様と開発ベンダーの間に立って、SAP導入の品質向上支援をしています。上流工程のドキュメントを細かく確認しながら、品質面での懸念点や改善施策をお客様、ベンダー双方に提案するのが主な役目です。SHIFTでは「インスペクション支援」と呼んでいます。 

依頼されたきっかけは、もともと取引関係にあったお客様から「思い描いているようなシステム導入ができるよう、サポートしてもらえないか」とSHIFTに相談があったこと。 

開発ベンダーと二人三脚で基幹システムの導入に取り組んでいるものの、要件定義から基本設計へしっかり落とし込めるのか、このまま進めると品質が悪くなるんじゃないか、というような“漠然とした”懸念を抱えていらっしゃいました。 

下流工程でテストを担うのも私たちの大事な役目ですが、本質的な品質向上のためには、上流工程から関わり、課題を明確にして対策しながら開発を進めるのがベスト。とても理想的な関わり方なので、私も他のメンバーも前のめりで支援しています。 

──今回のような超大手企業の場合、どんな立場の方とやりとりされているんですか。 

F.A.DX推進を取り仕切っているお客様側のPMと、日々コミュニケーションしながら進めています。ちなみにお客様企業によっては、経営層と直接お話する機会もありますね。 

こうした交渉や自分主体で合意形成するようになるまでにはかなりの年数を経て、上位の役職についてから、というのが一般的かもしれません。 

実はSHIFTに入社する前は、前職より会社規模が劣るという面で、正直いって不安もありました。でも入ってすぐに「意志があれば、チャンスがつかめる環境」だということがわかって。 

実際、2年目からマネジメント職に就きましたし、目標だった新しい事業の立ち上げもはやい時期に実現しました。経営層など要職に就く方たちと直接やりとりをしながら、炎上を防ぎ、システムの品質向上を目指せる。 

もともとベンダー側にいたので「私ならこうする」と思う場面では、第三者的な立場だからこそ、的確に問題点を伝えられると感じています。 

「新しい事業を立ち上げたい」わずか2年で実現した、転職時の思い  

──あらためて、前職の総合系コンサルティングファームから転職を決意した理由について教えてください。 

F.A.入社から5年がたち、会計領域のSAPコンサルタントとして成長の機会を十分いただきました。 

プロジェクトの上流から下流まですべての工程に関わり、チームリーダーにも就いて、「いま、この会社でできることはひととおり経験させてもらえた」というある種の達成感がありました。ただ一方で「これから先も同じことを繰り返していくかもしれない」とも感じてしまって。 

いざ転職を考えたときに、わきあがってきたのが「新たな場所で、新しい事業を立ち上げたい」という思いでした。外部の支援者という立場ではなく、事業の当事者になってみたい、と。 

また前職では、数々の案件を担当しながら「品質課題を早期に回避・解決する方法」をずっと模索していましたし、どんな事業にも「品質」は欠かせません。 

SHIFTを選んだのは、品質保証を軸にしていることに加え、新しい挑戦をするのにうってつけの場所だと思えたから。いまでもSHIFTはベンチャー的なスピード感や裁量の大きさはありますが、2016年当時のSHIFTは、さらにベンチャー感があって。成長の可能性が無限大に感じられました。 

──SHIFTに入社した後はどのような経験を? 

F.A.入社してすぐ、ERPパッケージ開発企業の案件にPMとしてアサインされました。社内でSAPの領域にもテスト・品質保証事業を拡大していこうという話が浮上したとき、私は人事給与パッケージの品質保証体制の構築や標準化に尽力していた最中。 

SAP経験者だった私に、プロジェクトのコアメンバーとしての白羽の矢が立ち、2018年前半からサービス立ち上げに奔走。2018年末年には事業のスタートにこぎ着けました。 

ということで、SHIFTに入社してわずか2年半で、新規事業立ち上げという目標に到達できたんです。 

はやめはやめの品質向上支援が、炎上を防ぐ 

──サービス立ち上げ当初、どんな苦労がありましたか?

F.A.SAPの世界では、大手コンサルティングファームやSIerが存在感を放っています。担当するコンサルタントにも、豊富な経験が求められるのが業界の常識です。SHIFTという新参者がいくら営業しても「本当にできるの?」というようなマイナスな反応が返ってくることは、容易に想像できました。 

そんななか、案件を受注し、成果をあげて、サービスを軌道に乗せる……その一連のプロセスがやはり一番苦労しましたね。スタート時からマネージャーとして採用活動もしていましたが、実績のないなかで経験者を募るのはやはり難しい。 

未経験者を採用しながら、人材育成をしつつ、いちメンバーとしても業務を行う、という感じで、何役もこなさないと現場がまわりませんでした。 

一方で、SAPの性質上、懸念点はどの案件もほぼ同一なので、仕組みでどう解決するかがカギに。SHIFTはSQF(SHIFT Quality Framework)という独自の品質保証標準を設けていますが、そのSAP版をあらかじめつくることで、お客様の安心感を醸成でき、かつ課題の解決にもつながりました。SHIFTの強みが活きた瞬間でしたね。 

──そもそもの話なんですが、SAPに炎上案件が多いのはどうしてなのでしょうか。 

F.A.SAPは、業種や職種ごとに“パッケージ”で販売されているERPソリューションです。標準機能にあわせて業務を変えていけば、導入プロジェクトはあまり炎上しないはずなんですが、日本企業は「自分たちの業務にシステムをあわせていく」志向が強い。 

追加開発のボリュームが増えると、バグが出たり、標準機能との整合性がつかなくなる可能性が高くなります。 

炎上案件をいくつか経験すると、大抵の場合、要件定義あたりでつまずいているのかがわかってきます。

開発ベンダーがお客様の業務にあわせようとするあまり、標準機能を活かす部分と追加開発をする部分の線引きがあいまいなまま、見切り発車してしまう。そうすると、課題が雪だるま式にどんどん大きくなっていってしまうんです。 

はやめはやめに手を打ちながら、SAPプロジェクトを円滑に進めたい──これは前職から変わらず抱いている思いです。 

メンバーの成長が何よりの励み。またここで、新しい事業をつくりたい 

──F.A.さんにとって、いまの仕事のやりがいや原動力は何でしょうか?  

F.A.「自分たちがいることによって、一定以上の品質が保たれている」「お客様から信頼されている」という実感が、やりがいにつながっているかと。特にお客様から意見を求められたり、提言をすんなり受け入れてもらえるときは「もっとがんばらなきゃ」と思いますね。 

加えて、今回のインスペクション支援は約10名のチームで取り組んでいるのですが、特に若手メンバーの成長過程に立ち会えると、このうえない喜びを感じます。 

自分自身で設計書を読み込んだうえで、あるべきを考えながらあるべきとの相違点を指摘する業務なので、懸命にやればやるほど、コンサルタントとしての基礎力が養えるんです。 

──最後に。今後やりたいこと、グループに期待していることについて教えてください。 

F.A.1年ほど産育休に入るので、復職後のお話になりますが。 

成長したメンバーに再会するのがいまからすごく楽しみです。つい2年ぐらい前までは「SAPサービスグループは自分がいなければ成り立たない」と思っていたんですが、最近は経験者も入社し、頼りになる人がどんどん増えてきているんです。 

業務においては、引きつづきSAP事業を担当するのであれば、サービスマネージャーやPMとしてお客様に伴走しながら品質向上を目指していきたいです。 

ゆくゆくは、また別の新しいサービスをつくれたらいいな、とも思っています。SHIFTは、思いがあれば叶えられる環境なので。 

──F.A.さん、本日はありがとうございました! 

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです) 

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