「モビリティ×コネクティッド」を目標に掲げ、躍進するモビリティサービスグループ。
リーダーのひとりとして同グループを率いているのが、入社6年目のH.M. です。
前職の外資系メーカーでは、主にPMとして製薬メーカーや流通向けのシステム開発に従事していたH.M.。IoT、つまりコネクティッドの領域には携わった経験があるものの、モビリティについては門外漢でした。グループ発足とほぼ同時期に、未経験者としてアサインされましたが、いまでは組織に欠かすことのできない人物です。
SHIFTへの入社とともに、開発から品質保証へ専門が移り、仕事のやりがいはどのように変化したのでしょうか。そして、未来への可能性を秘めるモビリティに関わる醍醐味は──H.M.に詳しく話を聞きました。
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サービス&テクノロジー本部 産業流通サービス部 モビリティサービスグループ H.M.
前職では総合コンピュータメーカーにて小~大規模システムのPM/PL/PMOとして企画・提案・開発・運用を経験。2018年にSHIFTに入社し、運輸系IT企業様の開発プロジェクトにてPMOを経験後、現在は自動車製造系IT企業様にSMG(Service Manager、SHIFTのお客様向けデリバリー活動の統括役)として参画中。お客様の期待に応えることはもちろんのこと、全プロジェクトの全メンバーが最良のパフォーマンスを発揮できるように心がけている。
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22歳
新卒で外資系総合IT企業に入社
合併によって消滅したが、技術に対する自信とお客様とユーザーに対する誠実さを兼ね備えた企業に入社。ここで仕事への姿勢を習得。
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24歳
製薬業界のパッケージシステム開発に参画
24歳から約10年間プログラマーからはじめてPMまですべての開発フェーズと役割を経験。ITエンジニアとしての基礎を習得。
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32歳
製薬業界の文書管理コンサルに従事
コンサルタントとしてお客様の期待に直接的に応えるやりがいとシビアさを経験
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35歳
流通業界の業務プロジェクトのPM/PMOを経験
開発期間1年間100~300人月程度のプロジェクトのPM/PMOを歴任。計画的に品質をつくりこむことの困難さを痛感。
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49歳
SHIFT入社
運輸業界の業務システムのPMOに従事。プロジェクトチームのコミュニケーションの適正化・活性化に寄与。
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52歳
モビリティサービスグループに異動
サービスマネージャーとして配下のメンバーをリードして自動車業界の業務システムの品質保証に従事。
目次
「品質を劇的に向上させるベンダー」に興味が湧き、初の転職へ
──最初に、前職での業務内容と転職に至った経緯について教えてください。
H.M.:新卒で外資系メーカーに入社し、27年間ソフトウェア開発に携わってきました。転職した一番の理由は、会社の開発スタイルが内製型からアウトソース型へと徐々に移行していったことです。それは、私の役割の変化を見ていただければおわかりいただけると思います。
最初の15年間は製薬企業向けのシステム開発や保守を担当し、自ら手を動かしていました。しかしその後の10年は流通システム開発のPMやPMO、品質管理者といった立場で、開発ベンダーやオフショアの管理業務に従事。
求められる技量の重心が「プロジェクトを管理すること」になり、特にQCDのうちの品質について期待通りの結果を出すことができない場合が多く仕事がままならなくなってしまったんです。
いま思えば、自分のやり方や考え方、姿勢にも問題があったと思います。でも当時はそこを直視できずに「IT企業として、どうしたらクライアントの期待を満たせるんだろう」などとひたすら悩んでいました。
ここでいう‟期待“とは、クオリティの高いシステムやプロダクトがリリースできて、その先のユーザーにも喜ばれることなんですが、なかなかそのレベルに到達できなかったんです。
そんなときに、出会ったのがSHIFTでした。「品質を劇的に向上させるITベンダーがいる」と同僚から評判を聞いて興味が湧いて。一度転職を視野に入れて動いてみようと応募しました。
──あらためて、SHIFT入社後の担当業務について教えてください。
H.M.:2018年に入社してはじめの2年間は、流通業界のお客様を相手とする部署に在籍。大手運輸企業の案件に品質PMOとして関わりました。当時としては画期的かつ大がかりなシステムだったゆえに、開発ベンダー3~4社の連携が難航していて。会社間のコミュニケーションをとりもち、テストへと駒を進めることにもっとも尽力しました。
その後、2020年にモビリティサービスグループに異動しました。現在は大手自動車メーカーの複数案件で、サービスマネージャーをしています。これとは別に、クライアントとコネクティッドに関する協議も進めていますね。
モビリティ未経験可。必要なのは課題や意図を理解し、解決策を見出せる力
──H.M.さんは流通が経験分野で、モビリティは未経験分野だったと思うのですが、異動してから苦労したことはありましたか。
H.M.:モビリティだから、という理由で苦労したことはないですね。
もちろん自動車業界のオープン系システムの基本構造を理解するのは大前提としてありますが、例えば、エンタープライズ系のシステム開発を経験していて、ITの裏側の仕組みに明るい人でしたらすぐに理解できると思いますし、そうでなくとも、エンジニア経験が何らか活かせるかと。
実際に、グループ内にはモビリティ未経験のメンバーが大勢いて、それぞれのやり方で活躍しています。
ただ、私の場合は、前職で流通システムのIoT領域、つまりコネクティッドに携わった経験があったので、それはすごく役に立ったかもしれません。
ある量販店の基幹系に保持している商品の基本情報を売場へ反映させるシステムの開発に関わっていたのでコネクティッドの背景や概念は理解できていましたので、クライアントからコネクティッドについて何か尋ねられても、すぐに答えられる素地はありました。
──経験とは別に、求められるスキルや素養はありますか。
H.M.:PMOの場合は、クライアントから本質的な課題をどれだけ引き出せるか、解決策を提示できるか、に尽きると思います。話し上手、聞き上手なだけではだめ。課題を整理して対策に結びつけないと、うちのソリューションにつながりませんから。
テスト担当者の場合もやはりコミュニケーション能力や情報収集力が試されます。座学で得た知識だけではなく、メンバーやリーダー、クライアントと密にコミュニケーションをとりながら、背景を拾いあげて、テスト仕様書の本質的な意図を理解することが肝要です。
そうしないと、テスト設計もピントがぼやけたものになってしまい、結果としてクライアントが求める成果を出せなくなってしまうんです。
クライアントワークもマネジメントも品質向上が起点。それが、一番のやりがい
──SHIFTに入社されてから専門が開発から品質保証を軸としたサービスが中心となりましたが、仕事への取り組み方はどのように変わりましたか。
H.M.:開発の管理業務では「納期までに完成させること」がゴール。スケジュールが押せば、最後のテストフェーズを縮めるしか手はなく、結果として意にそぐわない品質のものができあがる。その繰り返しでした。
いま振り返ると、代表的なプロジェクト管理技法である「PMBOK」を座学で学んだものの、実際にQCD(品質、コスト、納期)を最適化するためにはどうしたらいいのか、その実践方法がピンときていなかったんですよね。
でもSHIFTに入ってからは、すべてが品質ありき。開発工程を見つめ直し、適正化して、その後のテストフェーズをスムーズに進める考え方なので、絶対にクライアントの期待値からは外れない。当然といえば当然の流れなのですが、いまの役割そのものが仕事のやりがいにつながっています。
開発プロセスと切り離された場所でテストができる点にもメリットを感じています。クライアントとは「品質向上」という目線で各テストに取り組めますし、開発への提言もしやすい。
前職でもどかしく思っていたことが、一気に解消された感じです。
──チームのマネジメントについてはどうですか。
H.M.:特にモビリティサービスグループに入ってからは、メンバーをケアする大切さを実感するようになりましたね。
開発現場ではとにかくスケジュールに追われていたので、メンバーとコミュニケーションをとるといっても「何で遅れているの?」「課題は?」というような、プロジェクトの状況確認のみでした。
しかし、いまでは一人ひとりへのケアが欠かせません。メンバーのコンディションやチームの雰囲気が品質に大きく影響するからです。
経験者、未経験者問わず、さまざまなバックボーンの新入社員が毎月ジョインする環境なので、目的意識は重要視しています。例えば、「レンガを積む」にしても、ただ単に壁をつくるのか、家を建てるためのものなのか、どこまで先が見えてくるかでレンガの積み方は変わります。
どんな目的意識でテストを実施していくのかを、チームの隅々まで浸透させるように努めていますね。
急ぎリーダー人材を育成し、さらなる事業拡大を目指したい
──モビリティ×コネクティッドに関わる当事者として、SHIFTにおける事業可能性をどのように捉えていますか。
H.M.:この分野の技術開発が本格的にスタートしておよそ10年。いまはガソリン車からEVにシフトしていく転換点でもありますから、自動車には次々と最先端のITソリューションが組み込まれていくでしょう。
その流れに伴って、品質保証を起点にした事業のすそ野も広がっていくはず。展望は明るいと見ています。
IT業界と同じく、モビリティ×コネクティッドの開発現場もカオスな部分はまだまだ存在します。新しい領域だけに、誰も是正するための術がわからない。そうした状況のなか「品質向上」という目的のもとに明確な指針を示せるのが、我々SHIFTだと自負しています。
いまでは国内の一通りの自動車メーカー、OEM企業と取り引きできるようになりましたが、すべてのソリューションに私たちが入り込んでいるわけではありません。
ブルーオーシャンに飛び込んでいくには、社内の組織改革が必至です。具体的には文鎮型からピラミッド型組織へと変革すべく、リーダークラスの人材を育成していくことが急務だと考えています。
──最後に、モビリティ分野に挑戦したい人に向けて、メッセージをお願いします。
H.M.:うちのグループには、さまざまなバックグランドの人がいて、経験者・未経験者問わず活躍しています。それは、SHIFTならではのカルチャーに依るところが大きいと思っています。
人を大切にする土壌があるから、他のメンバーを進んでフォローしますし、がんばりに対して正当な評価をします。さまざまな要素が、おのおのの成長意欲を高めていると感じます。
「経験していないから、選択肢から外す」のではなく、少しでも興味をもたれたら、ぜひチャレンジしてみてください。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)