SHIFTグループだからできる「お客様主導型」のERPサービス──新会社SECが切り拓く新境地 

2024/05/22

基幹システムパッケージの代表格「SAP ERP6.0」が2027年に保守サポート終了期限を迎えるため、ユーザー企業は新バージョンに移行せざるを得ない──ERP業界では、「2027年問題」が話題となっています。 

移行支援ニーズが見込める空前のビジネスチャンス。SHIFTグループではERP導入・活用支援を強化するべく、2023年10月、新会社SHIFT Enterprise Consulting(以下、SEC)を設立しました。 

起案したのは顧問(事業戦略領域) を務める波多野徹です。30年にわたって第一線のコンサルタントとして活躍した経験を活かし、グループ全体のERP事業推進支援しています  

SECの代表を務めるのは、長谷川哲也。新卒から定年まで大手Slerに勤務し、海外でのERP事業立ち上げや国内のSAP事業をリードしてきた実績があります。

SHIFTに入社後、社長就任のオファーを受けたのは「ERP業界を変えていきたい」という気持ちから。過去にどんな原体験があったのでしょうか。 

今回はSECの設立背景や狙いから、SHIFTに参画した理由まで、エキスパートのふたりに幅広く話を聞いていきます。

  • 顧問(事業戦略領域) 波多野 徹

    野村総合研究所に入社し、FA・ロボット・機械産業の調査・コンサルティング業務に従事。NY駐在を経て、アクセンチュアに転職。前半はチェンジマネジメント、後半は自動車・産業機械分野のAPACリードとして、コンサル、SI、BPOに取り組む。九州大学で心理学の先生方とチーム力開発の研究を実施し、商品化。その後、沖電気工業のSI事業責任者、プリンター事業を担当する沖データの社長を経て2022年4月SHIFT入社。 

  • SEC 代表取締役社長 長谷川 哲也

    富士通入社以降、中国駐在、シンガポール駐在を含め長年IT業界に携わる。2022年4月にSHIFT入社後、ERP領域のビジネスをリード。2023年 9月より ADX Consulting代表取締役社長も務める。

目次

SHIFTにしかできない「次代のERPサービス」をつくる  

──はじめに、SECの事業と組織体制について教えてください

長谷川:ERP導入・活用支援を専門とするコンサルティング会社です。会社設立と同時にグループ内に点在していたERP関連3社を配下に集約させました。 

SECの傘下に入ったのは、導入支援やシステム開発を提供するホープス社、ERPの上流工程からコンサルティング・導入事業を展開しているADX Consulting社、導入から開発、保守、運用までトータルに支援を行うクレイトソリューションズ社の3社です。 

体制を整えた目的は主に二つ。お客様に対して上流から下流工程まで「ONE-SHIFT」でのソリューション提供を可能にすること。

SHIFTグループとして、ERP事業の意思決定の迅速化、顧客基盤の相互拡充、技術力の強化といったシナジー効果を生みだすことです。 

──そもそも新会社設立を起案したきっかけは何だったのですか。 

波多野:1年ほど前、SECの傘下となったホープス、ADX Consultingの社外役員となったことが、この体制を構想する契機となりました。 

SAPの移行支援ニーズが高まる2027年に向けて、SHIFTグループとして何ができるのか。あらためてERP事業の勝ち筋を考えてみたんです。 

SAP導入支援を得意とする大手コンサルティングファームやベンダーがひしめきあうなか、後発のSHIFTが同じやり方で挑んでも太刀打ちできません。

私自身、SAP導入支援を得意とする外資系コンサルティングファームに在籍していたことがあり、彼らがある意味で完成されたスキームでサービス展開しているのは熟知しています。 

しかし、SHIFT独自の発想で“次代のERP支援サービス”をつくるという気概でやれば、大成できる可能性はゼロではない。 

2023年のうちに新会社を設立してERPのリソースを1ヶ所に固めることができれば、例えば、SAP/パブリッククラウドの拡大が見込まれる3年後に向けて対応でき、SHIFTにとっても売上3,000億円に向けた成長エンジンになりうる──そう考え、経営陣に提案しました。 

ニーズに応え、品質を守る──ベンダーではなく“お客様主導型”サービスにする意義  

──SECでこれからつくろうとしている“次代のERPサービス”のイメージについて教えてください

波多野:エンドユーザーにとって最適なERP支援を展開する。この言葉に尽きると思っています。 

国内企業がERPパッケージを使いはじめてから約30年以上。年々需要が供給を上回っていき、気がつけば、ベンダー主導の高額なサービスになっていました。

導入企業は増えつづけていますが、システムを使いこなせているエンドユーザーがどれだけいるかは疑問が残ります。 

実際、中堅企業が運用に困っているという声をよく耳にします。いま業界にはびこっている課題を払拭し、お客様主導型のサービスに転換していきたいんです。

──新たなERPサービスを構築するためのポイントは? 

長谷川:SHIFTの強みを活かした「3つの特色」を出していきたいと考えています。 

一つ目は、ERPコンサルティング業務を属人的なものでなく、できるだけ標準化して、社内のコンサルタントを増やすこと。 

現在、日本ではSAPコンサルタントが危機的に枯渇しています。SHIFTはかつて属人性の高いソフトウェアテスト業務を徹底的に分解し、標準化することにより、誰でもテストができる方法論を構築し、事業を拡大してきました。 

同様の考え方をSAP導入コンサルの世界にも導入し、ある意味「民主化」してSAP人材の育成、拡大につなげていきたいと考えています。 

二つ目は、品質にこだわったコンサルティングサービスを提供することです。下流工程や本稼働後のシステム品質を意識したコンサルティングをご提供していきます。 

私も前職で、上流工程に起因する品質問題を抱えた大型プロジェクトに苦労したことがあります。こういうことを少しでも減らし、お客様と参画するメンバーの満足度を高めるERPビジネスを目指していきます。 

三つ目は、SHIFTグループがもつ豊富な人的リソースを活かすことです。SHIFTの強い採用力を活かし、さまざまなご経歴の優秀な方が多数入社されています。

ERPビジネスにおいてもそれらの方々を適材適所で活かしてビジネス拡大につなげていきます。 

波多野:SHIFTにはアジャイル開発の専門部署もありますので、今後、SAPの本流になるであろうSaaS型のソリューションも幅広く対応できます。こうした将来的な可能性も加味して事業を構想しました。

会社の成長、働く人の元気さが、入社の強い動機に

──そもそものお話なのですが……おふたりはなぜ、SHIFTに入社したんですか?

波多野:私は純粋に、SHIFTという会社に興味があったからです。 

日系大手シンクタンクや大手外資コンサルティングファームにトータルで30年ほど勤務したあと、企業のトップや役員、大学の客員教授などさまざまなポジションに就いてきました。次のキャリアを模索していたときにSHIFTを紹介されたんです。 

実はそれまで、SHIFTの社名すら知らなかったのですが、あとから急成長している国内の上場企業だとわかり、「なかに入って成功の秘密を知りたい」と思ったのが入社の一番の動機ですね。そのほか、上場企業の社外役員のポジションで内定をもらっていました。 

長谷川:私も社外役員でお声がけいただくことが多かったですが、最終的にはSHIFTを選びました。 

理由は、入社後に私の上司となる人物が面接官だったのですが、まだ若くてとても前向きで、楽しそうな会社だなと思いました。

前職でキャリアを一区切りつけた直後の転職活動でしたが、まだまだ元気だし「どうせならフルタイムで楽しく働きたい」と考え入社しました。 

──おふたりとも2022年4月に入社した‟同期“ですが、この2年を振り返っていかがですか? 

波多野:コンサルティング部やアカウントビジネス推進本部、グループ企業の役員などさまざまな立場で仕事をしてきましたが、SECの設立が決まってからは特に忙しくなりましたね。 

プライム案件を狙うためにもリソースの確保が急務。SHIFT本体の営業部門やテスト部門との連携を強めつつ、M&Aなど戦略的な検討が必要です。 

うれしいことに、このたびプライム案件を1件受注し、そのほか大口のお客様の引きあいも複数あります。リソース不足で対応しきれていない状況を何とか打破したい。 

長谷川:あっという間の2年でしたが、特にSEC設立後のこの4ヶ月間、私がもっとも注力していたのは採用活動です。

30~40人の候補者と面談してきましたが、みなさまが共通しておもちだったのは、ERPやSAPビジネスに対する問題意識ですね。 

さまざまな立場や場面で苦労してきたからこそ「ERP業界を変えていきたい」という思いを私と同様におもちであることを改めて感じました。

きっと3年後、5年後、10年後の未来を変える経験になる 

──“次代のERPサービス”をつくるにあたって、これからどんな人に仲間になってもらいたいですか。 

波多野:SAP経験者であることに加え、上流工程ができるコンサルタント、プロジェクト全体を統括するPMの2種類がいま一番必要としているポジションです。 

プライム案件を獲得するためには、事業会社のCIO(情報統括役員)の心をつかめるような、レベルの高い企画提案が必須となるからです。 

長谷川:また、事業規模拡大に向けて人材育成もひとつのポイントになると考えています。 

育成の観点において、シニアでSAPビジネスのご経験の深い方については、ぜひご自身の豊富なナレッジを説得力をもって次の世代の方々に継承いただきたいと考えています。 

また、教育体制を整えていきますので、経験が浅くとも好奇心旺盛でチャレンジ精神のある20代、30代の方にもぜひきてほしいです。

──最後に。採用候補者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。  

波多野:SECはまだはじまったばかりの企業ですが、大手コンサルティングファームとは違った自己成長やキャリアアップの場となるでしょう。自ら事業創出の核となる気概のある方であれば、きっと3年後、5年後、10年後のあなたの未来が変わるはずです。 

長谷川:次世代のERPサービスを共に創っていきませんか。そして国内だけでなくグローバル市場にも挑んでいくつもりです。日本を元気にするためにも、ぜひいっしょにチャレンジしませんか。 

──波多野さん、長谷川さん、本日はありがとうございました!  

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです) 

この記事のタグ