「最近、特に引き合いがあるのは生成AIですね。『まずは手法としてとり入れてみたい』というご相談も多いです」(白木)
SHIFTが提唱するものづくりの概念、DAAE(Design・Agility・Assembly・Economic quality)をベースに、DAAEテクノロジーグループはどのようなサービスを提供しているのでしょうか。
今回話を聞く、同グループ グループ長の田口修介は、大手総合ITベンダー出身。この道30年以上のベテランです。他方、グループ長補佐の白木翔也は、かつて事業会社のCTOを務めていました。いまは、フルスタックエンジニアとして現場をとりまとめています。
そんな二人に、DAAEテクノロジーグループに寄せられる案件例と、チームビルディングの考え方や若手育成に込める想いを聞きました。
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サービス&テクノロジー本部 ITソリューション部 DAAEテクノロジーグループ グループ長田口 修介
2020年1月入社。前職では大手ITベンダーで主に銀行系ビジネスに関わり、システム開発のプレイングマネージャーやアカウントSEとして、日本経済に関わるミッションクリティカルシステムなどのアプリケーション開発ならびにインフラ構築に従事。 現職では、さまざまな業界のお客様におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の課題解決に向けて、モダンな開発技術を活用したシステム提案と開発の推進を担う。
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サービス&テクノロジー本部 ITソリューション部 DAAEテクノロジーグループ グループ長補佐 白木 翔也
ソフトウェアエンジニアとしてソーシャルゲーム開発、スタートアップでの CTO 経験を経て SHIFT に入社。SHIFTでは「売れるサービスづくり」を実現するため、 DX推進の支援やDAAE開発標準の策定を行う。
目次
多種多様なものづくりをリード。迅速でありながら、本質を見抜く
──DAAEテクノロジーグループは、PoC開発やアジャイル開発を用いながら、お客様の依頼に応じたものづくりに携わっていると聞いています。具体的にはどのような案件に携わっているのですか。
田口:スマホやWebのアプリ開発をベースとしながら、業界・規模・テーマを問わない依頼が寄せられています。地方電力会社の案件や開発体制の改善コンサルタント、大手食品メーカーの会員基盤統合支援など実に多種多様です。
どんな案件においても意識して心がけているのは迅速性。DAAEでいうところの“Agility”ですね。レスポンスや開発スピードのはやさは、どこにも負けない自信があります。
例えば、システム画面を設計する場合。お客様とイメージをすり合わせたらすぐにデモをつくり、実際に動かしながらどんどん要件を固めていきます。やりとりのなかでは、ときに別の要件を引き出せることも。はやくて短いサイクルのなかで、具現化しながら完成形に近づけていく我々のスタイルが、多くのお客様から評価いただいています。
白木:お客様満足度を測るCS調査レポートにも「他社だと2日かかることが、SHIFTだと1時間でできる」と好意的なコメントが書かれてありましたね。たしかに私自身もお客様とはできるだけ多くコミュニケーションをとりながら、課題を拾い、解決のためのソリューションをその都度提示するようにしています。
もうひとつ、強く意識しているのは、どんなサービスやシステムも「一番大切なのは、使う人」であること。例えばお客様から「ここに、こういう機能をつくってほしい」と依頼されても、ただいわれた通りに動くのではなく、「どんな場面で、どうやって使われるんだろう?」と自分自身で一度咀嚼をします。
そこで違和感があれば「これは本当に必要な機能なのか」をお客様と協議します。深く掘り下げていくと、優先度が低くなるパターンもありますね。
──白木さんのユーザー視点はどのように培われてきたのでしょうか。
白木:前職の経験が大きいと思います。社員10名程度のスタートアップだったので「事業が軌道にならないと会社が潰れてしまう」という危機感がつねにあり、「どうしたら多くの企業・個人に使われるか」を必死に考えながら日々ものづくりをしていたんですよね。
田口:実際に白木さんが関わる案件はいつも顧客満足度が高く、次の仕事につながることがほとんどです。大手食品メーカーのアプリのUX改善支援でも、CS調査でこれまでにない高得点をマークし、新たなアプリ開発の依頼につながりました。
白木:どんなお客様でも、ともに汗をかきながら、開発からリリース、運用までをやり切ると、強固な信頼関係が生まれ、別の相談が舞い込むパターンは多いです。開発や品質テスト案件はもちろん、「SOC(セキュリティ運用監視)を導入・運用したい」「アジャイル開発について社員教育したい」など相談内容はさまざま。業務領域はぐんぐん広がっています。
生成AIサービス、セミオーダー型開発サービス……続々と生まれる自社サービス
──最近、DAAEテクノロジーグループには生成AI関連の引き合いが多いと聞きました。具体的にはどのような依頼があるんですか?
田口:「AIチャットボットをつくってほしい」という依頼もありますし、「BIツール上でユーザーからほしい情報を引き出したい」という意向を踏まえて、ユーザーがAIに対して入力する指示(プロンプト)するためのAPI作成をこちらから提案したり。具体的な相談がある一方で、明確な意向はなく「生成AIに触れてみたい」というお客様も少なくありません。
白木:今後も高まる生成AIへのニーズに応えられるよう、社内でもノウハウを蓄積し、サービスに活用する準備を進めています。
──SHIFTでは最新技術や品質向上の視点で新たなサービスを次々と生み出しています。グループとして2023年にリリースした「セミオーダー型開発サービス」の概要についても教えてください。
田口:依頼内容に応じてあらかじめ標準機能を準備し、基本開発ゼロで早期リリースを可能にするのが「セミオーダー型開発サービス」です。地方電力会社の案件で導入いただいています。
このプロジェクトにはほぼ白紙の状態から伴走し、事業企画、ブランディング、設計まで完了。いまは開発のフェーズに突入し、このサービスをフルで活用しているところです。
来春のリリースまで支援する一気通貫のプロセスのなかに、準備されたコンポーネントがあるとイメージのすり合わせがしやすく、開発スピードはますます向上します。今後、積極的に導入を促進していきたいサービスです。
“熱量の炎”のバトンを手渡しながら、後進を育てていく
白木:事業会社出身の私としては、この「セミオーダー型開発サービス」が社内のチームビルティングにもいい効果をもたらしていると思っていて。
クライアントワークだけだと、それぞれが別々の案件を担当しているため、どうしても組織に一体感が生まれにくい。そんななか、自分たちのノウハウを凝縮させた「セミオーダー型開発サービス」を売り出すことによって、メンバーが一丸となって同じ目標を向かっていける。その先には、文化醸成という副産物があると期待しています。
──組織活性化のために、普段心がけていることは何でしょう?
田口:勉強会を週に1回開催しています。テーマは白木さんが運営する「技術勉強会」「生成AI系ビジネス検討会」のほか、「UXデザイン勉強会」「PM経験共有会」の4つを週替わりで。
それぞれに盛り上がりを見せており、時間を延長することもしばしば。グループ内だけでなく、ITソリューション部のメンバーにも参加を呼び掛けながら、私たちの取り組みやスタンスを知ってもらう場としても活用しています。
若手から中堅、リーダークラスが入り混じって、技術に対して意見交換ができるのは、純粋に楽しいですよね。その楽しさを若手にも広げていけたらいいな、と。
白木:楽しさもそうですし、私たちがもつ“熱量の炎”を、バトンのように手渡していく育成スタイルが、個人的にはよいと思っていて。
例えば普段考えている“最新技術を駆使した妄想話”をしたり、質問に対して丁寧に答えたり、積極的にフィードバックをしたり。何かを指示してやってもらうというよりは、自分自身で楽しさや喜びを感じとってもらいながら、新しいチャレンジやスキルアップ、キャリアアップに向かってほしいですね。
「SHIFTにいて、DAAEテクノロジーグループにいてよかった」と思えるような環境をつくりたい
──最後に。今後やっていきたいことについて教えてください。
白木:繰り返しになりますが、「セミオーダー型開発サービス」以外にも、グループの一体感につながるような自社サービスをつくっていけたらいいな、と思っています。
そして将来的には、会社が掲げる「売れるサービスづくり」につなげていけたら最高ですね。
田口:グループ長としてまずはメンバーも、お客様も増やして、これまで以上に業務領域を広げていきたいです。
並行して、メンバー一人ひとりの成長を促せるような仕組みをつくり、「SHIFTにいて、DAAEテクノロジーグループにいてよかった」と思ってもらえるような、帰属意識の高い組織を目指す。それが、現時点での目標です。
──田口さん、白木さん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)