製造や契約に関わるシステムから、アプリ開発まで──。モビリティと一口に言っても、SHIFTが支援する領域は幅広く、その事業がもつ可能性は技術革新とともに伸展しつづけています。
「モビリティのシステムは、人命にかかわるものがほとんど。より慎重な品質管理が必要になります」
こう語るのは、モビリティグループに在籍するK.J.。前職で自動車の製造システムにおける品質管理に関わり、「さらに専門性を高めたい」と2019年にSHIFTへ入社しました。
もともと大の自動車好きだという彼。どのようなモチベーションでモビリティに関わり、どんなところに仕事の楽しさを見出しているのでしょうか。
いま、部内で特に期待される若手リーダーのひとり、K.J.に直撃します。
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サービス&テクノロジー本部 産業流通サービス部 モビリティサービスグループ K.J.
テストエンジニアとして約5年間SI企業に勤務したのち、より専門性を高めるため2019年2月にSHIFT 入社。入社後はテスト設計、テスト実行の計画・進捗管理、テスト設計者の育成などを担当し、テスト実行者からテストの管理者まで徐々に経験の幅を広げた点を活かし、さまざまな視点から、業務対応をしている。
目次
カーライフを安全・快適にするアプリを担当。求められるのは“リアルタイム性”
──最初に、K.J.さんの現在の担当業務について教えてください。
K.J.:自動車とスマホを“接続”して、ドライブに関するさまざまな情報をユーザーへ配信するアプリの、品質管理業務を担当しています。これはコネクティッドサービスの一環として大手自動車メーカーが提供しているもので、私たちはユーザーのレビューコメントを基に改善ポイントを検討し、追加開発や品質テストを支援しています。
──アプリが提供する「ドライブに関するさまざまな情報」とは、具体的にどんな内容なんですか?
K.J.:カーライフを安全かつ快適にするためのさまざまな情報が適宜配信されています。例えば、外出先の大型駐車場などでどこに車を停めたかわからなくなった場合でも、アプリ上で駐車位置を特定できたり、ドライブ後は走行距離やガソリンの残量を確認できます。
離れた場所にある車の位置や運転状況なども瞬時に把握できるため、ご両親の見守りツールとしても活用できます。
事故や故障が起こったときには、自動車会社が運営するセンターに素早くつなぎ、迅速な対応を促せます。
リアルタイム性が求められるうえ、人命にかかわるサービスなので、アプリの品質管理はより慎重にならざるを得ません。ユーザーの操作力や通信環境など外的要因でも使いやすさは変化するため、考え得るパターンを可能な限り洗い出し、テストを実施しています。
──モビリティグループ全体では、このようなコネクティッド案件が多いんですか。
K.J.:モビリティの領域は広範囲にわたりますのでメインとは言えませんが、比較的多いとは思います。
私自身、コネクティッド案件に関わる前は、製造工場内にあるシステムの品質管理を担当していました。そのほか、サブスクリプションサービスの契約システムに関わっているメンバーもいるし、案件はさまざまですね。
未経験者は徹底的にフォロー。「思い」があれば、成長ははやい
──K.J.さんは、前職でもモビリティに関わっていたと聞きました。具体的にはどのような業務を?
K.J.:自動車本体に搭載されているエンジン制御システムの品質管理業務に4年半ほど従事していました。業界特有の構造や車そのものの仕組みはこの時期に一通り学びました。
例えば、いまはボタン1つでエンジンをかけられますよね。でも実は一昔前の自動車のような「キーを回す動作」と似た動きが内部で行われ、そのあとエンジンがかかる仕組みになっている。表面上ではわからない基本構造を知っているのは、いまでも自分の強みになっています。
──やはり経験者でないと、モビリティの仕事に就くのはむずかしいですか?
K.J.:いえ、そんなことはないと思います。私のチームメンバーは全員モビリティ・品質テストともに未経験で入社しましたが、みるみる成長しています。これは推測ですが、3人とも、品質のことで何らか悩んだり納得できなかった経験があるから、いまこの会社にいるし、品質に対する意識が高いから、成長もはやいんだと思います。
リーダーとして日々意識しているのは、フォローの徹底です。
特にはじめは専門用語だらけで、わからないことがほとんど。例えば、お客様との打ち合わせの後に別途時間を設けて個別に説明していますし、同様の内容をチャットで送り直しています。口頭だけだと聞き漏れもありますからね。
同席しなかったメンバーにも打ち合わせの内容を共有して、適宜質問を受けながら、チーム全員の知識量を増やすよう努めています。
最近うれしかったのは、1年前に入社したメンバーのひとりがお客様と直接やりとりできるようになったこと。相談を受けたり、提案するうえで一定以上の知識は必要ですから、本人もかなり努力したと思います。現場に関してはある程度、彼にお任せできるようになり、私も気が楽になりました。
上司のバックアップや社内の教育制度に、自分自身も助けられた
──お話を聞いていると、SHIFTに入られてからとても順調に歩まれてきた印象なのですが、何か苦労はありましたか?
K.J.:実は、入社から数ヶ月間については、すこしも苦労がなかったわけではありません。
最初の配属先は産業流通・通信サービス部。流通メーカーの生産管理システムの品質管理担当となったのですが、システムの考え方や使うツールが自動車業界とは180度違い、完全なフリーズ状態になってしまって。
そんな私を導いてくれたのは、上司のバックアップでした。業界に精通するプロフェッショナルに手取り足取り教えてもらいながら、情報をキャッチアップしつつ、実践を積む……やがて「どんな業界でも、品質管理の根本は一緒」だということがわかり、前を見て進めるようになりました。
──K.J.さんは、入社してまもないころから社内キャリアUP制度「トップガン」の勉強をはじめ、テスト設計分野のトップガン検定にすべて合格されたとか。こうした学びもモチベーションにつながったのでしょうか。
K.J.:そうですね。「トップガン検定」がはじまった2020年1月から勉強しはじめたのですが、3つの受検科目のうち、2つが未経験分野だったので、知識量を増やせたきっかけになったと思います。それまで力技でやっていたことも理論立てて考えられるようになりました。
いまは、「トップガン検定」に向けた勉強会を不定期で開催しています。メンバーのモチベーションも高まりますし、私自身も教えることでさらに知識が身につくので一石二鳥ですね。
「交通事故ゼロ」に向けて、テクノロジーの発展を品質面からサポートしたい
──あらためて、いまの仕事のやりがいと、目指すキャリア像について聞かせてください。
K.J.:もともと大の車好きなこともあって、自動車を使った最先端技術、暮らしを豊かにできるようなアプリを品質の面から関われていること自体が私のやりがいです。
さらに街中で担当するアプリを使っている人を見かけると、うれしさがさらに倍増しますね(笑)。「あぁ、役に立てているんだな」って。
今後は、ひとつの現場ではなく複数の現場を見れる、一段上の立場を目指したいです。いろんなケースを把握して、知見を培って、お客様により適切なアドバイスや提案ができるようになりたい。
「マネジメント職に就く」のが、SHIFT入社当時の目標のひとつでもあったので、これは早期に実現したいですね。
──最後に。モビリティ×コネクティッド領域に関わりながら、どんな世界を目指していますか。
K.J.:操作ミスによる事故やあおり運転、飲酒運転など、自動車にまつわる問題はつねに山積しています。こうした課題を、制御側のシステムによって解決できたら理想的だな、と。交通事故ゼロにつなげるべく、引きつづき、品質向上支援にまい進していきたいです。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)
※キャリアUP制度 「トップガン」およびトップガン検定はSHIFTグループ従業員を対象とした社内制度