悪しき組織判断にはNOを。「モビリティから社会を変える」に宿る、強い想い 

2023/08/02

「多くの開発プロジェクトが、メンバーアサイン、社内政治、資金繰りを要因として品質を下げ、失敗しています。悪しき組織的判断に惑わされることなく、品質のために強い意志をもちつづけたいんです」 

 力強い言葉を発したのは、モビリティサービスグループのO.K.です。 

 ウェブアプリケーションの開発SEからPMをこなし、ジャカルタでの拠点たちあげなどを経てSHIFTにやってきたO.K.。入社後はPMとしての成果を評価され、別職への昇進も打診された人物です。しかし彼は現場にいつづけることを選びました。

 O.K.は一体、何を追求したいと考えているのでしょうか。そこには「品質」に対する想いがあふれていました。 

  • サービス&テクノロジー本部 品質サービス統括部 産業流通・通信サービス部 モビリティサービスグループ O.K.

    前職はSIerにおいて、製造業やエネルギー産業でのシステム開発のプロジェクトマネージャーや海外のプロジェクトでテクニカルエンジニアやシステムコンサルタントとしてプロセス改善を担当。2021年にSHIFT入社後、大手製造業の開発案件やトラブル案件の火消しなどを担う。現在は製造業において部署全体で扱う複数プロジェクトを横串管理する上位PMOを担当しながら、品質保証の仕組みを企画し、開発マネジメントも担当している。 

目次

ジャカルタに移住した私。SHIFTとの出会い 

プログラマーとしてこの世界に入り、製造業やエネルギー業界のWebアプリケーション開発やPMを担いました。

PMを経験した方なら共感いただけると思うのですが、メンバーアサインや社内政治、資金繰りなど、組織判断を要因としてプロジェクトがうまく進まなくなるケースが多くあるんです。 

そうした状況において、「目的達成や課題解決のためには、こうしたほうがいい」とハッキリといえる立場になりたい。

そう思うと同時に、品質に対する思いがいっそう強くなりましたね。課題解決としてのよりよいサービスやプロダクトは、品質と切り離せませんから。

品質のコンサルタントに憧れた私は、「公認情報システム監査人」という国際資格を短期間で取得しました。 

そんななか前職で、ジャカルタのプロジェクトが炎上しているということで現地入り。

資格取得のために得た知識がどこまで通用するのか取り組む一方で、伸び盛りのジャカルタを魅力に感じ、思いきって移住することにしたんです。 

現地では自動車の販売管理システムの新規構築案件で、テクニカルコンサルタント・PMとして活動しました。

しかしコロナ禍となって……医療レベルや現地政府からの保護に対して不安を覚えて帰国を決め、転職活動をするなかでSHIFTに出会いました。

品質、という私のなかで大事にしているテーマがSHIFTの事業とまさにぴったりだったわけです。 

特に大手自動車メーカーもSHIFTのお客様であるという点が、モビリティ領域でスキルアップしたい私にとっては魅力に映りました。 

自動車メーカーの実証実験にPMOとして参画 

現在はある自動車メーカーのお客様が取り組んでいる、未来のDXをつくるためのPoC(実証実験)にPMOとして携わっています。 

全社的なシステムのデータ基盤を構築する取り組みが進むなか、私のいるチームはあらゆるデータや人工知能を活用して、将来に向けたサービス推進のためのDX企画を行っています。 

このチームは、お客様のグループ会社からシステムの経験が豊富な方だけでなく、ビジネス領域からもエースメンバーが集結しているんですよ。

データを商品企画に役立てる方法や、お客様へライフサイクルにあわせ情報提供をするためのレコメンドシステム構築など、さまざまなアイデアがあがりますね。 

実は、SHIFTに入社後すぐに担当した別案件がありました。そこでの成果が評価されて、別のポジションを打診されたんです。

でも私は現場にいて、もっと品質を追求したいと。それでアサインしてもらったのが、現在の案件なんです。 

コンセプト、企画、デザイン、製造、販売、サービスというバリューチェーンにおいて、どのタイミングでどんな品質保証が必要であり、それをどう実現するのか。 

外部監査としてではなく、生きた現場を動かすための品質保証でなくてはならない。自工程完結で品質を保ちながら、バリューチェーンを改善するためにPDCAが働く仕組みの企画・開発マネジメントをしています。 

例えばデータ品質。特にデータサイエンスを活用したDXを考えたとき、データは最上流工程において重要な意味をもちます。

ある世界をミニマムに表現しようとしたとき、その世界の構成データの品質が悪いと、現実離れした世界をつくってしまい、間違ったシミュレーション結果・判断につながります。またそのことに気づかないことさえあります。 

品質が判断・決定に作用し、企業の業績、経営を左右するのです。 

私はお客様と同じ熱量をもち、同じ目線で意見をいえるポジションで現在の案件に関わっています。 

移動すること自体がサービスとなっていく今後の社会において、そのサービスの利便性だけでなく、安全性も保障されなくてはならない。その安全を支えるテクノロジーの開発に貢献したい。 

品質保証の仕組みを構想し開発することは、人々の生活を支え、便利で豊かな社会をつくることに貢献している。つまり未来の世界を創っているのだという想いで取り組んでいます。 

品質のために、確固たる考えを提示できる人材を育成していきたい 

プロジェクトの遂行が危ぶまれる状況においても、本質を見極めた意見を述べ、高い品質を追求したい。それが私の根強い想いです。 

本来あるべき品質を実現するためには、ときにお客様と真正面から議論を交わさないとけないこともあるはず。

自分自身が、組織的判断に惑わされることなく、品質のために戦っていくことに加え、そうした人材をモビリティサービスグループ、さらには全社的にも育成したいと思っています。 

そのために、モビリティサービスのプロジェクト全体を見渡せるリスクマネージャーのようなポジションについてみたいなと考えています。 

私はずっと「あるべき品質」について疑問をもってやっていました。だからこそ、同じように「品質」に疑問をもちつづけた方や、品質に対して何か取り組もうとしている方といっしょに働きたいと思っています。 

単なる理想論ではなくて、「実効性」がなければお客様からの信頼は得られません。品質について熟知し、施策を実行して、課題を解決するまでやり遂げる。そんなサイクルを、仲間とともに日々創り出していきたいですね。 

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)

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