凡事徹底でエンタメ組織をもっと強く。ふたりのリーダーが描く、福岡オフィスの「明日」

2023/12/13

製造業、自動車、金融、ITサービス、エネルギーなど、あらゆる国内産業を品質テストの面から支えてきたSHIFT。日本が世界に誇るゲームの領域は、エンターテインメントサービス部が担っており、その売上・規模は年々拡大しています。

主力拠点のひとつ、福岡オフィスでは150名超のメンバーがゲームアプリの品質保証・テスト業務に従事しています。統括するのは、エンターテインメント2グループ のI.T.です。

「入社した当時はエンターテインメントサービス部の福岡拠点をこれからさらに発展させていこうという組織フェーズ。まだまだ組織が安定しないうえに、ゲーム業界未経験の私には想像を絶する出来事が勃発。これまでのマネジメント経験だけでは歯が立たず、しばらく先の見えない状態がつづきました」

ようやく組織が軌道に乗りはじめた2020年、メンバーに加わったのがA.R.です。前職の中堅ゲーム会社では品質管理に10年間携わっていたA.R。I.T.にとって彗星のごとく現れた理想の“パートナー”でした。

両名の強力なタッグやメンバーの協力によって、躍進をつづけるエンターテインメント2グループ。二人にグループとしてのこれまでの歩みや強み、今後目指すものなど、幅広く話を聞きました。

  • エンターテインメントサービス部 エンターテインメント2グループ I.T.

    前職は、コンテンツ制作会社にてソリューション部門や社内インフラ部門の責任者を経験。エンジニアやプロジェクトマネージャー、チームの立ち上げ、事業推進、部門運営などさまざまな業務に従事。いままでの経験を活かしつつ、福岡でさらなる組織マネジメントができる環境をもとめて2018年にSHIFTに入社。

  • エンターテインメントサービス部 エンターテインメント2グループ A.R.

    第三者検証、ゲームソフト開発会社を経て直近は事業会社の品質管理部門にて稼働プロジェクトのスケジュール作成と管理、開発スタッフとの折衝やコストコントロールなどを担当。前職でのゲームタイトルの売上の伸び悩みなど先行きに不安を感じていたなか、SHIFTの成長性に魅力を感じ、2020年に入社。

目次

「組織を強くするには、人がすべて」─ほぼゼロの状態から改革スタート

──はじめに、おふたりの業務内容について教えてください。

I.T.エンターテインメント2グループの組織長として、福岡オフィス約150名、東京本社約50名、総勢200名ほど(2023年12月時点)ほどのマネジメントと福岡オフィスの拠点運営をしています。危機管理やトラブル対応、採用、人材育成など、組織を正常に運営するためのあらゆる業務をカバーしています。

A.R.:私はI.T.さんより現場に近い立場で、福岡にいるメンバーのうち50名ほどのメンバーのマネジメントをしています。各案件がスムーズに進められるよう、人材を確保したり、機材の手配をしたり、より生産性を高める取り組みをしたり。現場に必要な「ヒト・モノ・カネ・情報」を投じる役割ですね。

──I.T.さんがSHIFTに入社した2018年は、ちょうどエンターテインメントサービス部の福岡拠点を盛り上げていこうというタイミングでしたよね。当時のグループはどんな雰囲気でしたか?

I.T.すべてにおいて想像を超えていましたね(笑)。私自身がゲーム業界未経験だったということもありますが……。

エンタメ領域では、マイスター(※SHIFTにおけるアルバイト社員に対する尊称)や契約社員の割合が他部署に比べて圧倒的に高いんです。特に私が入社してのころは正社員1名に対して、マイスターが20名というかなり極端な構成でした。メンバーとは視点も話す言語も違い、それまで培ってきた自分にとっての「当たり前」が一切通用しませんでした。

組織を強くするには、人がすべて。このままではグループとしての成長は難しい、と危機感を覚え、早々に改革に着手しました。

「凡事徹底」が、成長可能性を高める

──具体的には、どのようにして組織改革をスタートさせたのですか?

I.T.まず、メンバー一人ひとりと面談し、現状の悩みについてヒアリングをしました。気がついたら2時間ぐらい話し込んでしまったケースもありましたね。

残念ながらこのタイミングで何人か離職者が出たのですが、残ってくれたメンバーとは同じ方向に向かって成長していきたい。そう思い、次の段階では「今後どういう組織になっていきたいか」を具体的な数字も用いて明確に示しました。

さらに「凡事徹底」をキーワードに、毎日いってまわりながら現場に浸透させることに。実は私自身がずっと大切にしてきた言葉で、中学時代からつづけているバスケットボールも、凡事徹底を心の拠りどころにしてがんばってきました。

──どうして「凡事徹底」を組織にも浸透させようと思ったのでしょうか。

I.T.特別ではない当たり前のことを徹底してやり抜くことこそ、新しい何かが見えてくる。ずっとそう信じてきましたし、実感もあったんです。

普段から決められた手順を守れないようでは、さらに一歩踏み出して「属人化を脱して標準化させる」のは到底無理な話。例えば、「わからないことを聞く」のは仕事の基本ですし、「テストで不具合が出たのにOKにしてしまう」のは、絶対にあってはならないこと。

業務に関するすべての言動において、凡事徹底は必要不可欠な考え方だと思いました。

──I.T.さんご自身が「組織に凡事徹底の考え方が浸透したな」と感じたのはいつごろでしたか。

I.T.ちょうどA.R.さんが入社した2020年ごろでしょうか。改革をスタートして2年たってから、組織が安定しはじめ、成長に向けて光が見えてきました。

基礎固めからレベルアップへ。ひとりの“経験者”がステージを引きあげた

──グループが安定しはじめて、さらにゲーム会社出身のA.R.さんがジョインしたとのことですが、実際にどんな変化がありましたか。

I.T.A.R.さんが入って劇的に変わったことを表すエピソードがあります。

当時、大きなプロジェクトがひとつ動いていたんですが、体制面でも品質の向上においても困難を極めていました。

そこで、入社したてのA.R.さんにメンバーとして加わってもらったんです。そうしたら、あっという間にチームを立て直してくれて、無事目標も達成できて……。経験者が入ると、こんなにも違うんだと感激しましたね。

A.R.いま振り返ると、何よりも馴染みやすい職場だったのが、成果を残せた最たる理由だったと思います。

I.T.さんが改革に奮闘されたこともあって、私自身はむしろ、「働きやすい職場だな」というのが第一印象でした。凡事徹底を実践しているし、情報セキュリティ対策も万全。何の違和感もなく、安心して現場に入れたんですよね。

業務をはじめ、人事評価や昇進について定量的な仕組みが用いられていたのも、私がイメージしていたSHIFTそのものでした。

──そもそもの話なんですが、A.R.さんはなぜSHIFTに転職を?

A.R.ゲーム会社の品質管理を10年やってきて、いろんな欲が出てきたんです。例えば「品質管理の業務に深く関わって、さらに専門性を高めたい」とか「他社のゲームも見てみたい」とか。

SHIFTを選んだのは、ある種のポテンシャルを感じたからです。品質保証については一流ですが、ゲーム業界への進出は後発。前職でちょっと関わりがあったときに「大手の競合他社に肉薄するためにも、力になりたい」と思いました。

また、毎年高い目標を掲げ、実現している点においてもシンパシーのようなものを感じて。この組織に入れば、必ず自己成長できると確信したんです。

常に「どうしたらみんなが楽しくなれるか」を考えたい

──実際に入社してみてA.R.さんが感じた「SHIFTの強み」があれば教えてください。

A.R.より高いパフォーマンスを発揮するために知恵を絞る。こうした文化が根づいているのが大きな強みだと感じました。ひとつの業務に対しての粗利が可視化されていますし、工数も1分単位で算出している。

自分がどれだけ組織にコミットしているかが一目瞭然なので、自ずと生産性を上げよう、効率化しようという気持ちが沸き上がってくるんですよね。

例えば、属人化されていた業務を誰でもできるようにして、工程を短縮させたり。「無駄を徹底的に排除していく」考えは、それまでの自分になかったので、新鮮でもありました。

I.T.A.R.さんは自分で考えて動ける人なので、本当に頼りになります。

SHIFTのルールや文化を尊重しつつ、これまでの経験やスキルを融合させながら、着実に結果を出していく。どのメンバーに対しても丁寧なコミュニケーションを重ねているし、安心して後進の育成をお任せしています。

──A.R.さんは、マイスターの方と接するときにどんなことを心がけていますか。

A.R.どんな状況にあっても「どうしたらみんなが楽しくなれるか」を考えてコミュニケーションしています。例えば、アニメとかゲームなど共通の趣味の話題で盛り上がったり、チャットのやりとりでもユーモアを交えたり。周囲が楽しそうだと、自分も楽しくなれる。だからいま、とてもハッピーです(笑)。

──人材育成については、エンターテインメント2グループとしてどのようなお考えをお持ちですか?

I.T.先ほどからお話ししているとおり、うちのメンバーの大半がマイスターや契約社員で、社会人経験が浅い人も少なからずいます。

仮に、彼らがSHIFTを離れたとしても、他の会社でも活躍できるように育てていきたい。本人のやる気次第では、正社員になる道も用意されています。意向を汲みながらできる限りキャリアサポートをして、最終的には「SHIFTで働いてよかった」と思える環境をつくりたいと思っています。

A.R.少し前に、社内でゲームプランナーになるための教育カリキュラムの受講募集をしたら、福岡オフィスからの希望者がとても多かったと聞きました。I.T.さんの取り組みがメンバーにもじわじわ伝わって、グループ全体にキャリア形成やスキルアップの意識が高まっているような気がします。

目指すは、「九州ナンバーワン」のエンタメ企業

──最後に、今後の展望についてそれぞれ聞かせてください。

I.T.2025年に、福岡オフィスだけで数倍規模の組織にしたい。代表の丹下も常々いっていますが、数は武器になります。ゆくゆくはSHIFTを福岡、九州においてエンタメ業界のナンバーワン企業にしたいです。

A.R.私はI.T.さんがつくってきた福岡オフィスの特長をさらに強化していきたいですね。SHIFTの他の拠点から「凡事徹底を実践しているのは福岡」「お客様に大きな価値を提供できているのは福岡」といわれるぐらいに成長させていきたいです。

──I.T.さん、A.R.さん、ありがとうございました!

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)