ここにERPコンサルティング業界で名を馳せる、ある男性がいます。
2025年9月、SHIFTに入社した半田です。
彼はグローバル総合コンサルティングファームからキャリアをスタートし、グローバルITコンサルティング企業の日本法人立ちあげ、事業会社社長、外資系ITベンダーのアプリケーション統括といった重責を経て、さらにはグローバルテクノロジー企業や戦略コンサルファームも渡り歩いた人物。
大規模案件や200名以上のマネジメントといったスケール感のある仕事、やりがいも手に入れていたはずの半田は、なぜSHIFTにやってきたのでしょうか。ERP業界の課題やERPコンサルタントのあるべき姿とは―――。
本記事では半田のキャリアを追いかけながら、お客様企業の変革にSHIFTが貢献できる理由にも迫ります。
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エンタープライズコンサルティング本部 半田
アクセンチュアでテクノロジーアーキテクトとして業務改革・基幹システム刷新を推進。Microsoft系ソリューションの専門性を活かし、アバナードの立ちあげにも参画。福祉サービス事業会社の代表も担った後、日本オラクル、日本IBM、ガートナージャパン、それぞれのコンサルティング部門で大規模変革プロジェクトの企画・実行支援を数多く手がけた。2025年9月、SHIFT入社。
目次
「新しいことへの挑戦」を重ねた30年という月日
――まず、半田さんのキャリアの変遷を紐解いていきたいと思います。大手ファームだけでなく外資系ベンダー、事業会社の代表など多様な経験をされていますが、そのなかでご自身の想いはどのように変遷してきたのでしょうか。
半田:もう30年ほど前になるのですが、新卒でグローバル総合コンサルティングファームに入社しました。そこで早々に私が目指したのが“テクノロジーアーキテクト”というロールでした。
自分が一番貢献できるのは、「論理的に考え、仕組み(システム)を提供することでお客様のビジネスに貢献する」という点だと考えたからです。お客様がAからBへと変容する、そんな大きな変革をテクノロジーで支援しようと。
最新の技術であるかどうかに関わらず適したシステムを選択し、スムーズに導入し活用してもらう。そのためにお客様にとっての本質的な課題を解きほぐしていくことを大切に10年間走りつづけました。
――テクノロジーで課題を解くという軸を早期にもたれたんですね。そして10年という節目で、次のステップに進まれたと。
半田:はい。そのころMicrosoft系の仕事が強みになっていたこともあり、Microsoft特化のグローバルなITコンサルティング・システム開発会社の日本法人立ちあげに参画しました。
CTO、デリバリー統括、APACモビリティ統括やデジタル統括といったポジションを担いました。
ゼロからの立ちあげでしたが、当時は「エンジニアを幸せにする会社にしたい」という一心でした。
無駄な経費は削減し、その分をエンジニアの教育や成長に投資したい。会社をイチからつくる意義や使命を定義しながら奔走しました。
こうしてふりかえると、私は「新しいことに挑戦したい」という想いでキャリアを選んできたと思います。
――福祉サービス事業会社の社長も経験されたのも、新しいことに挑戦したいという想いから?
半田:ええ。コンサル業ではないですが、経営の現場を知るいい機会とも思って。
グループホームなどの施設を展開していたのですが、障がい者の方向けの旅行事業や、採用力強化のために地域向けに開放したスペースもある社内保育園など、新規事業も立ちあげました。
ここでの経験で、中小企業の社長が抱える生々しい悩みを痛感したんですよ。それを解決したいという気持ちはその後のキャリアにもつながっています。
――経営の当事者としての悩みを実際に経験されたんですね。そして再びIT業界に戻られます。
半田:はい。自分の役割を果たしたと感じてコンサル業界に戻ろうというときに、外資系ITベンダーが最初に声をかけてくれたんです。今後SaaS時代には、「製品を抱えたコンサルが主流になるのでは」という当時の考えもあって入社しました。
すでに得ていたマーケティングや会計の知識も活かせられるだろうと。
200名以上をマネジメントしていたのですが、「Fit to Standard」がお客様にとってのベネフィットになると信じて、事業展開することに意義を感じていました。
ただこれは想像に易いと思いますが、自社製品しかお客様に提案できないという壁に直面しまして。
―――自社製品だけで課題をすべては解決できない、でも自社の売上のためには売る必要があって、というジレンマはよく聞きます。
半田:そうです。それでさまざまな製品やソリューションを組み合わせて提案する、コンサル的な立ち位置のグローバルテクノロジー企業へ転職しました。
ただそこではお客様の意思決定に関わる機会が少なかったこともあり、中期計画やIT戦略の策定に関わり課題解決したいという気持ちが募りまして。
もう一度、戦略コンサルタントになろうと別のファームへのチャレンジを決めました。
シニアマネージングパートナーとして、数十億円規模の費用削減プロジェクト推進や、公共部門の事業立ちあげに携わり、新たな市場開拓を中心に取り組ませてもらいました。
SHIFTは「痛みを知る企業」だからこそ、お客様の変革に寄り添える
――スケールも大きくやりがいもあったと想像しますが、そのうえでなぜSHIFTへ入社を?
半田:実は「そろそろ引退してもいいかな」とも思っていたんですよ。でも、国際情勢は不安定だし、隠居している場合でもないなと。
それにキャリアが終末に近づくなかで、会社を変えることで新しいチャレンジができるならそうしようと、考えも変わってきたんです。
フラットな目で、これからのキャリアをいっしょに歩める会社を探そう。そう思って転職活動を進めてSHIFTに出会いました。
SHIFTを選んだ理由は、「社内に多様な可能性を感じたから」です。この歳になっても「新しいチャレンジ」ができる環境がある。それが一番の理由ですね。
――キャリアの軸が一貫していますね。現在はERPコンサルティングを展開する本部に所属して、ある事業の立ちあげ中とか。日本のERP業界の課題をどう捉えていますか?
半田:お客様側に「システムを導入しないとDXは進まない」という強い思い込みがあることです。
従来のシステムを使いつづけても構わないと思いますし、逆にいえば、新しいものにしたからといって簡単に変わるわけではありません。
費用対効果のよい“Fit to Standard”か、高額投資してカスタマイズするか。このように二分されるのが業界の傾向ですが、目的やビジョンも曖昧なままではいずれにしても本質的な解決にはつながりません。
――そうした課題に対して、SHIFTには解決力があると?
半田:いまの多くの国内企業に欠けているのは、成長のための原動力です。採用力、営業力、予実管理の徹底など、成長のための基盤をもっている企業は日本でも本当に少ない。
その特効薬が、SHIFT自身が急成長の過程で経験した「痛み」と「失敗と成功の実体験」だと思っています。成長の流儀、とでもいいましょうか。
SHIFTは高い成長目標を掲げ、東証プライム上場後いまや従業員数が1万人、売上も1,000億円を超える規模の会社に成長しました。
では他社でもパッケージを入れたら同じような事業成長が再現できるかというと、そんなことはありません。
これだけはやい成長の裏で湧きあがる課題にとことん向き合ってきたのがSHIFTであり、いまも生まれつづけるそれらと対峙しつづけるからこそ、SHIFT自身がリファレンスモデルになれる。
外資系ファームが「アメリカで流行っているから」とお客様にご提案する理論や、「いわれた通りつくります」という御用聞き的なベンダーとは違い、私たちは実体験による「成長の流儀」を共有し、お客様への施策に反映できるんです。
――なるほど。SHIFTの強みは、課題の当事者としての視点に立って、いっしょに悩めることともいえるかもしれませんね。一方で、カスタマイズが前提になっているERP業界に対しては、Fit to Standardへの価値観の転換も必要ではと思うのですが。
半田:Fit to Standardのほうが真に価値があるという場合に、それをお客様に理解いただくためにはコンサルタント側に圧倒的な知識量や経験値が必要です。
でももっと必要なことはお客様の立場になって考えるという工夫だと思っているんですよ。
例えば日本の建設業には「半金半手(代金の半分を現金、半分を手形で支払う)」という独自の商習慣がありますが、多くの海外製ERPパッケージには当然そんな標準機能はありません。
いままでは「アドオン開発しましょう」と対応してきましたが、主要なERP製品がSaaS化し、定期的にアップデートされるなか、つくり込みの運用保守は本当に大変になります。
しかし、「大変だから諦めましょう」とはいえません。なぜなら、半金半手は資金繰りにものすごいインパクトがあるからです。
私たちは、2026年度末を目途に紙の手形が廃止される背景も踏まえ、手形の問題一つにしても、多様な手段を提示します。
パッケージ機能の組み合わせ、「これを機にやめる」という変革、暫定期間中の低コストなつくり込みやツールの導入など、選択肢は山ほどありますが、重要なのは、お客様に成り代わって、それぞれの手段がもたらす運用コストやインパクトまで踏み込んでいっしょに考えることです。
真の落としどころをみつける、ともいえるでしょう。「カスタマイズしない場合にはどうするかはお客様側で考えて」と切り捨てるなんてもってのほか。
ユーザーのワークライフバランスや負荷はどうなるのか。その答えまでいっしょに考えるのがERPコンサルタントのあるべき姿だと私は考えています。
殻を打ち破ってほしい。「コンサルタント以上」の存在になれる、“うってつけの環境”だから
――半田さんがこれから実現したいビジョンをお聞かせください。
半田:個人的にはこの会社のなかで意義のある存在になりたいですし、できるだけマネジメントする範囲を広げたいと思っています。高いところに立たないとみえない景色や、やれないことがあるからです。
それから日本をよくしたいという思いもあります。日本にはまだ成長の余地があると信じています。
経済的成長ももちろん、それ以外の幸せといった文脈での成長もまだまだ可能性がある。ITに携わりながら、何らかの形で日本に貢献したいと思っています。
――そんな半田さんとともに働くメンバーを募っているのですが、採用の場面ではコンサルティングファームと比較されることも多くて。SHIFTで働く魅力を半田さんの視点で教えてください。
半田:私は外資系にいたので、その経験からすると本国のルールや制約に縛られないところでしょうね。
私自身、入社して間もないですがSHIFTは、「何でもやる」スタンスだと痛感しています。業界・業種を問わず、お客様のペインポイントがあれば迷わずトライできる。
お客様のためになるなら泥臭くてもやる。「型にはまらないアメーバのような柔軟性」こそが、SHIFTの最大の強みであり、コンサルタントとしての武器を増やせる環境だと思います。
――最後に、これから仲間になる方へメッセージをお願いします。
半田:SHIFTは、ERP「コンサルタント以上」の存在になりたい人には、うってつけの環境です。
既存の殻に閉じこもらず、お客様のために何ができるかを考え抜き、自分の限界を突破したい人。「これぐらいでいいや」とは思わずに、四六時中、移動中にも解決策を考えてしまう。
そんな人にとって、SHIFTは「うってつけの環境」になるはずです。
トライや失敗を許容してくれるSHIFTで、日本の未来のために、そしてお客様の真の成功のために、ともに新しいチャレンジをしましょう。
――「コンサルタント以上」、そして「日本のために」。非常に熱いお話をありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)