SHIFTにはさまざまなシステム開発案件のご相談が寄せられますが、そのなかでも最近特に熱いのが「アジャイル」案件です。
お客様が抱える課題に対してアジャイルが有効だと判断されたら、専門チームがアサインされ、これまで培ってきたノウハウをベースにアジャイル式のアプローチで課題解決していきます。
そんなアジャイルサービス部で、「アジャイル開発支援PM※(以下、アジャイルPM)」として活躍しているのが髙橋です。
スクラムの推進や、テスト計画書の作成、既存のアジャイルプロセスの改善など、その役割は多岐にわたるとのこと。
これまでどんなキャリアを歩み、どのような思いをもってアジャイルの普及を推進しているのかについて、じっくりとお話を聞いてきました。
※アジャイル開発支援PM…SHIFTチームがご支援するアジャイル開発およびハイブリッド開発支援サービスにおける、チームメンバーおよびサービス管理・推進・お客様向きあいなど、サービス全体をリードする役割。
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アジャイルサービス2グループ 髙橋
エンジニアやPM、サービスマネージャー※として、さまざまなシステム開発案件などに携わった後、アジャイルを専門的に扱うために、3社目として2023年3月SHIFTに転職。現在はアジャイルPMとして、SHIFTの「アジャイル」にまつわるさまざまな案件に入り、プロジェクトマネジメントからテスト計画書の作成まで、幅広い領域でアジャイルサービスの浸透/普及に従事している。
※複数案件を管理し、滞りなくサービス提供ができるよう責任を担う立場。
目次
アジャイルを用いて、お客様の要望を叶えていく船頭の役割
――まずは髙橋さんの肩書きである「アジャイルPM」の仕事内容について教えてください。
髙橋:私が所属するアジャイルサービスグループというところは、基本的には「お客様からの受注案件」を取り扱います。
そのなかでも我々の取り扱う案件は「アジャイルに関連したお客様の改題解決やご要望の実現」を目的に、PMは実現に向けた管理・推進の役割を担っています。
具体的には、アジャイルプロセスの改善やテーラリング、テスト計画書の作成、スクラムの実施など、お客様ごとのアジャイルに関連した要望に対して、我々SHIFTがもっている知見/ノウハウを使いながら「どう実現していくか」を設計しマネジメントしています。
――髙橋さんがSHIFTのアジャイルPMになるまでのご経歴についても教えてください。
髙橋:SHIFTが3社目になるのですが、基本的にずっとシステム開発に携わってきました。
最初の会社にいたころは、まだアジャイルとかスクラムといった手法が全然普及していない時代だったので、とにかくウォーターフォールで詳細設計や実装、単体テストなど、個別レイヤー担当のプログラマーとして働いていました。
年次が進むにつれてリーディングを行う役割も担うようになったのですが、3次請け/4次請けの案件が多かったので、将来性を考えてプライム案件(1次請け)をメインに扱う会社に転職しました。
――2社目ではどんな業務を?
髙橋:2社目ではプロジェクト単位ではなくお客様単位でアサインされるようになったので、活動や裁量の幅も広がって楽しく、そこではじめてスクラム体制でのプロジェクトも経験しました。
ただ、自身で案件種別を選ぶことはできず、スクラムプロジェクトの後は基幹システム刷新のゴリゴリのウォーターフォールプロジェクトを担当し、さらにその次は、とあるシステムのサービスレベルを維持するためのマネージャーとして配置されました。
そのどれもが魅力的な業務体験ではありましたが、自分自身に軸をもちたく、もっと腰を据えてアジャイルやスクラム、品質特化といった「強み」をもてるようなキャリアを歩んでいきたいと思い、2023年3月にSHIFTへ転職しました。
――SHIFTに入社されてちょうど1年ということで、これまでに携わった案件内容を教えてください。
髙橋:大きく3つの案件に入りました。最初は、お客様の開発手法をウォーターフォールからアジャイルへとシフトさせるテーラリングのご支援を担い、お客様社内でのシステム開発プロセスについてのアジャイルガイドラインを策定していきました。
その次は、すでにアジャイルで開発をしているお客様のテスト計画書作成のご支援に入りました。
――テスト計画書? どういうことでしょうか?
髙橋:プロジェクトとしては、お客様と別企業の“協業案件”だったのですが、アジャイルで開発したプロダクトに対する「品質担保」の言語化に苦労されていました。
まさにここはSHIFTが得意とするところなので、まずは既存の品質保証プロセスをヒアリングしていき、不足事項の有無を明瞭化したうえで、テスト計画書という形でプロセスを見える化するようにしました。
ここまではそれぞれ1〜2ヶ月程度で終わる短期プロジェクトでした。
――なるほど。
髙橋:それが終わって、いま入っているプロジェクトが、新規Webシステムの開発案件です。基本設計、詳細設計から結合試験までの2つのプロセスをスクラムを組んで進めたいということで、2023年中ごろからアジャイルPMとして担当しています。
――それぞれタイプが違うプロジェクトだと思うのですが、アジャイルPMとしてどんなことに苦労されていますか?
髙橋:いままでのキャリアはシステム開発に専念していたので、開発知識というものはあるのですが、それをどう活用するか、最初は手探りでしたね。
一方で役割としてはアジャイルPMということで、アジャイルの専門家としてとにかく「お客様が何を実現したいのか」をしっかりと確認し、方向性がぶれないように小さなすりあわせを重ねながら、スプリントごとに最善のアジャイルプロセスで成果物を出すことをつねに心がけています。
――PMとして、お客様に対するフラットな目線を維持することはとても大事だと思っていますが、そのためには何がポイントだとお考えですか?
髙橋:やはりコミュニケーションですね。ここはいままでの経験が活きていると感じていて、1社目での多様な案件に入ったことでさまざまな価値観に触れたこと、2社目での開発現場以外の業務運用等の視点を学べたことが、結果としてアジャイルPMとして必要な「フラットな目線」に繋がっていると感じます。
組織として「サービスをどう普及させていくか」に主眼が置かれているところが面白い
――アジャイルPMのやりがいや楽しさについて教えてください。
髙橋:なんといっても、手法として決まりきっていないところが面白さであり、むずしさでもあると感じています。
それこそプロジェクト標準が定義されているPMBOKでも、以前はプロジェクト成功のための技術集のような側面を強く感じていたのですが、最新版になったことで、より価値を高めるための手法論や、よりフレキシブルに進めるための方法について記載されるようになりました。
このような考え方のシフトが生まれている時代背景も相まって、個人的にすごくやりがいを感じています。
――アジャイルPMをやるうえで、SHIFTという環境のいいところはいかがでしょう?
髙橋:所属しているアジャイルグループは、冒頭にお伝えしたようにお客様からの受注案件を担う組織なのですが、売上だけを追い求めるのではなく、「サービスをどう普及させていくか」に主眼が置かれているところが面白いなと感じています。
ここはまさに、一般的な売上至上主義と一線を画するところで、アジャイルを必要としているところにどう提供できるかが至上命題になっているんです。
その意味で、とことんアジャイルに向きあえる環境がすばらしいと感じています。
――SHIFTのカルチャーで特に好きなところはいかがでしょうか?
髙橋:品質がバックボーンにあることですね。前職までは、品質保証は開発エンジニアがやるもので、そのときどきで正解を探してやっていくようなイメージだったのですが、SHIFTでは長年蓄積したノウハウをベースにした「俯瞰的な正解」をもっているので、その強みは非常に大きいと日々感じています。
アジャイルを扱うエンジニアとして尊敬できる方が多いのも、SHIFTならではと感じますね。
直属の上司は、とにかく人との接し方が非常に柔軟性に富んでいて壁をつくらず、かつスキルも非常に高いため、日々いろんな面で学ばせてもらっています。
品質保証に強みがある「アジャイル開発エンジニア」を増やすために
――SHIFTのアジャイルPMは、どんな経験の方が活躍できるポジションだとお考えですか?
髙橋:状況に応じてフレキシブルに価値判断ができる人ですね。いままでPMの経験があるか否かは、そこまで重要ではないと思います。あと、アジャイルという手法に興味があることも、前提として重要だと思います。
――今後、髙橋さんがSHIFTで目指していきたいことを教えてください。
髙橋:短期目線では、いま入っているシステム開発案件をしっかりと「ONE-SHIFT」でご支援し、リリースはもちろん、プロダクトの成長にもしっかりと伴走していけたらと考えています。そのうえで中期的には、組織としての開発サービスを強化していきたいと考えています。
――というと?
髙橋:自分自身、これまでのキャリアでずっと開発をやってきたことがあって、やはり開発も好きなんですよね。
だからこそ、品質保証に強みがあるアジャイル開発エンジニアという非常に魅力的な仕事を増やすためにも、サービスとしての標準化に貢献し、組織としてアジャイル開発案件の受け皿を広げていきたいと考えています。
そのためにも、アジャイルPMとしてお客様プロジェクトのコントロールはもちろん、現場のチームメンバーがより活躍できるようにマネジメントしていくことにも、どんどん挑戦していきたいと思います。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)