自動化を手がけるDevOps推進1グループに所属するのがA.Y.です。いまはお客様のアーキチームに入り、大分からリモートで、要件定義からシステムの開発案件を手がけています。
A.Y.は新卒で某大手SIerに入社し、自動化技術の開発・実装を18年間経験。その後、スタートアップ、中小企業を経てSHIFTにジョインした、ユニークな経歴のもち主です。
「地方にいながら、エンジニアとして責任とやりがいのある仕事が手がけられる。だからいま、私はここにいる」と彼はいいます。
A.Y.のこれまでの紆余曲折と、彼の視点から見るSHIFTについて聞きました。
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サービス&テクノロジー本部 ITソリューション部 DevOps推進1グループ A.Y.
2022年9月入社。新卒で大手SIerに就職。スクラッチはもちろんパッケージソフトの開発なども手がける。同時にプロセス改善の一貫として自動化技術を開発、実装してきた。R&Dでの研究職などを経て、妻の実家がある大分に移住。2018年に地元のスタートアップ、中小企業を経て、現職。「テレワークでどこにながらも大きな案件を任されること、また現場の開発者をリスペクトするビジョンに魅かれた」という。大分市在住、4児の父。
目次
「そんなことできる?」を変える醍醐味
――はやくから自動化技術を手がけてこられてきたそうですね。
A.Y.:はい。新卒で入った大手SIerでは、主にアーキテクトをしていました。
要件定義からソフトウェア全体の枠組みを考えるのが仕事。スクラッチ開発だけではなく、パッケージソフトの開発も手がけていました。
そのなかで業務改善のプロセスとして「自動化」を積極的に提案、導入していたんですよ。
――具体的にはどんな工程の自動化を?
A.Y.:ほぼ全工程ですね。開発段階でのドキュメント作成や、データベース管理をするためのシステムなど、本当に多くの工程で自動化や標準化を進めてきました。
とはいえ、当時は2000年代前半でしたからね。いまでこそRPAやAIが一般的で「省力化のために積極的に使おう」と機運も高まっていますが、まったく違った。
「自動化なんてできる?」「本当にそれで工数、減るかな?」と、誰しも懐疑的でしたね。
――理解されにくいなかで、自動化を進めるは大変だったのでは?
A.Y.:楽ではありませんでした。ただ、その分、感じる痛快さや楽しさのほうが勝りましたね。
利用者が実際に自動化ツールを触ると、利便性を実感して、工数も減る。すると、反応がガラリと変わるんです。「こういうことはできないか?」とか「この作業って自動化できるかな」と、ほうぼうから積極的に要望が出る。
多くの人の業務を改善するとともに、価値観をポジティブに変えられるのは、単純に喜びだし、やりがいを感じられました。
――R&D(研究開発部門)に在籍された期間もあったとか。
A.Y.:私がいた部署は事業部と研究開発部を行き来しながら、会社全体の技術をブラッシュアップする役割を担っていましたからね。
自動化技術も含めて、ソフトウェア開発を研究職として手がけるのは、いま振り返っても、恵まれた環境だったと思います。
――ただ2018年には、その恵まれた環境を飛び出します。
A.Y.:そうですね。その頃から、少し働き方に関して違和感が出てきた。ひらたくいうと“楽しくなくなった”んですよ。
「誰も幸せにならないのではないか?」
――“楽しくなくなった”とはどういうことでしょうか?
A.Y.:2016年に先ほどいったR&Dから事業部門に戻ったんですね。
2人目の子どもが生まれてしばらくした頃。私が宮崎の田舎で産まれ育ったこともあり、「子どもは自然の近くで、のびのび育てたい」と考えていました。
そこで上の子が小学校に入る前に、妻の実家である大分の事業部門に異動願いを出し、移住したのです。
仕事はシステム開発を上流工程から手がけるので、かつてと変わりませんでした。
ただ現場の空気は変わっていました。私が異動する前年に派遣法改正があって、その影響もあったのかなと記憶しています。
――特定派遣が廃止された頃ですね。
A.Y.:はい。ほかにも要因はあると思いますが、私が記憶していたものから大きく現場が変わった。
かつては仕事をお願いするパートナーのエンジニアの方々と、依頼する我々がワンチームとしてプロジェクトにあたる雰囲気が強かった。
私自身もパートナーさんと長期的な関係を築くことを前提に、別け隔てなく接している実感がありました。
しかし2015年以降は社内の人間と、パートナーの方々が完全に分断されました。制度上、依頼主とパートナーは距離をとらざるを得なくなり、分業化せざるを得なくなりましたからね。
我々は「調整やマネジメント」が仕事になり、パートナーの方々も「いわれたことをやればいい」といった雰囲気が強くなった。ドライというか、楽しさが薄れた感があったのです。
――現場の雰囲気と熱量が変わって、そこがA.Y.さんにはフィットしなかったわけですね。
A.Y.:ええ。大分に移ったので、なお感じたのかもしれません。東京と地方は給料水準に差がありますからね。
そんななかで大きなコミットを求めたりプレッシャーを課したりするのは、酷だと思った。モチベーションを下げるし、結果としてプロダクトの質も下げることすらありえます。
大げさにいうと「誰も幸せにならないのではないか」と。
――そこで大きな企業から離れてスタートアップという選択肢を選びました。
A.Y.:はい。地方で働くエンジニアとして、もっと幸せに働けるスタイルがあるのではないかと模索しました。
ちょうどサブスクリプションサービスの開発を行う大分発のスタートアップがあったので、そこに開発担当者として入らせていただいたのです。
――転職後は、前職で感じたような違和感やジレンマはなかった?
A.Y.:ありませんでしたね。しかも私が入った頃は、まだエンジニアが3人しかいませんでしたから。
同社の柱の事業となるサブスクリプションサービスの立ち上げから携り、自ら手を動かして事業そのものをつくるワクワク感がありました。
同時に日に日にエンジニアが増え、若手エンジニアの育成もやらせてもらい、地方で腕の立つエンジニアを育てることに意義を感じていました。
エンジニア人材の不足もまた、東京とは比べものにならないほど深刻ですからね。
――その後、もう1社、中小企業をはさんで、2021年にSHIFTに入社されました。きっかけは何だったのでしょうか?
A.Y.:2社めの中小企業は自治体向けサービスを展開する会社で、新規サービスの開発、既存サービスのリアーキテクチャ、分析基盤の構築、社内エンジニアの育成もできたので充実感はありました。
ただ、4人目の子どもができて「在宅で働ける環境につきたい」と考えたのです。
リモート勤務がOKで、かつこれまでのキャリアが存分に活かせる職場はないかと探したところ、SHIFTと出会いました。
――リモート勤務ができるという点以外で、SHIFTに魅かれた理由は?
A.Y.:まずは高い技術力です。
実は大手SIerにいた頃、SHIFTのテスト管理ツールである「CAT」の存在を知り、導入を検討したんですね。
「こんなレベルの高いツールをつくっている会社が、日本にあったのか!」と驚いたので、とても印象に残っていた。
転職を考えて、技術系のサイトを眺めていたときに、そのSHIFTが人材を募集していると知りました。しかも「自動化」に強い人間を求めていた。
あのCATを生み出した会社ならば、私が積み上げてきた経験も存分に活かせそうだと考えました。
加えてもうひとつ、大きかったのは、「不平等な多重下請け構造をなくしたい」「エンジニアが実力を存分に、フェアに発揮する環境をつくりたい」といった姿勢に共感したことですね。
――これまで、エンジニアをとりまく課題を体感してきたからこそ、より響いたのでしょうね。
A.Y.:だと思います。真正面からエンジニアのフェアネスを思考する姿勢に共感し、希望も感じました。
切磋琢磨できる仲間と機会が、ある
――SHIFTにジョインしてみて、印象はいかがでした?
A.Y.:優秀な人が多いなとまず感じましたね。話を聞くと前職は超大手で活躍していた方がそこかしこにいる。
まずみんな、技術レベルが高いんですよね。それでいて、自ら手を動かして「開発が楽しいよね!」といきいきとした目で、技術の話をずっとしている。
技術に対するレベルとロイヤルティが高い大人が多いのも、とても気に入っています。
――そうした従業員同士が参加する社内コンテストにも参加され、2位になられたとか。
A.Y.:はい。2022年11月に開催された「SHIFT CTF(Capture The Flag)pico」という、情報セキュリティに関する専門知識や技術力を競うイベントに参加しました。
入社して間もなかったので、腕試しな意味で挑戦したのですが、2位になって表彰されたので、うれしかったですね。
こうした技術系の社内イベントが多いんですよね。従業員が主体的に企画して開催している、スタートアップのようなノリはとても好みです。
――いま手がけているプロジェクトでは、自動化だけではなく、上流工程の要件定義から視座の高い立場でシステム開発を手がけているそうですね。
A.Y.:はい。お客様のアーキチームに所属するかたちです。認証基盤の構築や、マイグレーション支援など、本当に幅広に手がけています。
いまは自動化とは少し離れた場所ですが、フェーズが進めば、自動化も実装する予定。個人的にはドキュメント作成やコーディングなどで、一部に自動化を導入して仕事の速度をあげています。
地方にいながら、レベルの高い仕事に従事し、また切磋琢磨できる機会と仲間に触れあえているのは、幸せですね。
――いっしょに働く仲間としても、SHIFTを、どんな人に勧めたいですか?
A.Y.:先にも少し触れましたが、地方はとくに「エンジニアがいない」「優秀な人材が少ない」といわれがちです。
しかし、SHIFTにいると「違うのではないか」と感じる。よき仲間や機会が身近に存在しないため、本来のポテンシャルを発揮できず、くすぶっているだけの人が多い気がします。
ようするに日本中どこにいようが、興味と向上心をもって、技術に向き合える方、本当の自分の力を試したい方なら、ハッピーな働き方ができるのではないでしょうか。
個人的には、将来のライフワークとしても、地方の若手エンジニアを育成していきたい思いがある。そのノウハウをSHIFTで日々、得られているのもいい経験をさせてもらっているなと感じています。
――ちなみにリモート勤務のおかげで、育児や家事もやりやすくなりましたか?
A.Y.:ああ、もちろん。おかげで妻がストレスを感じずにいてくれることこそ、私にとって最大のハッピーかもしれません(笑)。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)
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