カーボンニュートラルな社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの生産強化だけでなく、需給バランスを意識した供給管理の重要性が叫ばれる昨今。
業界のプレイヤーたちは、伝統的な大企業を筆頭に新興企業、外資系企業と多岐に渡ります。
そんななか、電力系の新興企業との信頼関係を構築し、プロジェクトの拡大を叶えつづけるのは産業・流通サービス部のS.T。
彼は大手SIerや監査法人で幅広い業界の品質管理に関わったのち、「システムの品質やプロジェクトにたしかな変化をもたらす仕事がしたい」という想いから、2020年9月にSHIFTへ入社しました。
お客様の期待を超えるシステム品質の改善。その裏には一朝一夕ではなしえない、根気強いアプローチがあったといいます。
具体的なプロジェクトの事例をなぞりながら、SHIFTで働く醍醐味に迫ります。
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サービス&テクノロジー本部 産業流通サービス部 産業サービス1グループ S.T.
新卒で大手SIerの品質保証部門にて大規模プロジェクトの品質保証およびPMOを経験。2017年からは大手監査法人にて、プロジェクトアシュアランス、セキュリティリスクアセスメントなどのアドバイザリー業務に従事。 2020年9月にSHIFT入社後は、エネルギー業界を中心にPMを複数担当し、現在はサービスマネージャーとして活躍。
目次
電力系の実証事業プロジェクトに、入社時から加わる
──いまの担当業務について教えてください。
S.T:エネルギー領域担当のサービスマネージャー(※複数案件を管理し、滞りなくサービス提供ができるよう責任を担う立場)として、15以上のプロジェクトをマネジメントしています。
売上や人員配置など全体の管理が主な業務ではありますが、各プロジェクトで起こっている課題をいちはやくキャッチするために、PMとの定例会のほか、朝会にも参加するようにして正確な状況把握に努めています。案件によってはPMとして現場に立つこともありますね。
──入社されて3年になりますが、これまで関わってきたなかで印象的なプロジェクトは何でしょう。
S.T:特に思い入れが強いのは、入社当初から担当している電力系の大手新興企業のプロジェクトですね。太陽光発電と蓄電池を用いた実証事業の一端を担っており、SHIFTは最大10名体制で、テストとデータ分析の領域を支援しています。
参画当初は1つだった実証事業も2つに拡大。SHIFTは双方に参画を果たしています。
──SHIFTが実証事業に参画するのは、よくあるケースなんですか?
S.T:珍しいケースだとは思います。もともとこの実証事業には他社のテストベンダーが入っていたのですが、品質面でお客様の期待値を上回ることがむずかしかったため、実証事業3年目のタイミングでSHIFTへ依頼いただきました。
愚直な提言を繰り返し、お客様にたしかな変化をもたらす
──どのようにしてお客様と信頼関係を構築していったのでしょうか。
S.T:お客様から「原因はよくわからないけれど、品質は悪い」という“もやっとした不安”があると聞いていたので、徹底的に細かな点まで網羅するテストケースを設計しました。具体的には、他社では100件だったというテストケースを300件に。
そうしたなかでもこだわったのは可視化です。数値を分析して、根拠とともに結果を示す。さらにシステムの専門用語をわかりやすく、いい換える配慮をしながら説明したとき、お客様の表情がだんだん柔らかくなるのを感じました。
入社したての自分がSHIFTの強みだと感じたのが、テストの標準化です。計画から設計、実行、報告までガイドラインができあがっているので、やり方さえマスターしていれば、誰が担当しても一定以上の水準で品質担保ができる。
こうしたSHIFTならではの仕組みも、お客様に安心感を与えたのではないでしょうか。
──プロジェクトに参画してから3年目に入りましたが、これまでもっとも苦労したことは何でしょう。
S.T:1年目で、不具合の原因が海外製パッケージの仕様であることを突き止め、スクラッチ開発への移行を提言したのですが、はじめはなかなか受け入れてもらえなかったんです。
テストで不具合を発見しても「これは仕様だから」、「半年後にリリースされる新しいバージョンで対応します」といった反応……。
根気強く不具合分析と報告をつづけ、3年目から海外製パッケージの利用は中止となったのですが、そこに行き着くまでが大変でした。
データや代替案を示しながら、「このままでは状況は好転しない」という事実を少しずつ認識いただいた形です。
──こうした粘り強い働きかけによって、いまどのような効果が表れていますか。
S.T:不具合を修正していただくスピードが各段に上がりました。ものにもよりますが、それまで半年、1年かかっていたものが、はやければ2、3日、遅くとも1週間で完了しています。
スクラッチ開発への移行でコストは上乗せされたと思われるものの、お客様の開発に対する姿勢はこれまで以上に前のめりになったと感じます。
目に見える成果とともに、「SHIFT社は品質におけるプロセスや手法を熟知されている。必用な観点なども、その都度ご提案いただき、品質改善に貢献してもらえた」という言葉をいただけたときは非常にうれしかったですね。
思いきり問題解決に取り組める。いまの立場で働けることがやりがい
──SHIFTで働く醍醐味について教えてください。
S.T:改善点が見つかったとき、ただお客様に提言するだけではなく、自ら手を動かしながら問題解決できる立場であることは、間違いなく自分自身のやりがいにつながっています。
新卒で入社したSIerでは、品質管理部門にて電力や金融システムの品質保証をしていました。年齢が若かったこともあり、開発についてお客様に提言する機会はありませんでした。
「お客様と向き合いながら問題解決に取り組みたい」と監査法人に転職したものの、実際の業務は、開発プロジェクトの資料を確認しながら「事実に基づいて記載されているか」「ほかのプロジェクトに比べて進捗内容はどうなのか」といった評価が中心。
独立性が必要な監査法人では、改善に向けて自身で手を動かす場面はほとんどなかったんです。
──SHIFTに対して入社する前から関心があったと伺いました。
そうなんです。実は前々回の転職活動の際にもSHIFTの選考は受けていました。当時はもう少し知見を広げたいと思い監査法人を選びましたね。
それでも、どこかのタイミングでSHIFTには入社するだろうなって考えていました。事業内容や目指す方向性、特にお客様との関わり方が自分の目指すキャリアと合致すると直感していて。一員となってみて、それが確信に変わった感じですね。
プロジェクトの数、規模を拡大するために。経験豊富な仲間を増やしたい
──SHIFTで今後やっていきたいことを教えてください。
S.T:プロジェクトの数、規模を拡大させたいです。
数に関しては、今回のプロジェクトで得られた知見をほかのお客様に横展開することで増やしていきたいと感じています。スタートアップやベンチャー企業のみならず、生活インフラ系の大手企業など。
得た知見を最大化していくと同時に、本業界に対してSHIFTのポジショニングを表現していくフェーズを楽しみたいですね。
規模に関しては、テスト+他領域の支援という好事例を増やしていきたいと思います。
先述の実証事業のプロジェクトも、実はテストからはじまりました。いまは制御システムの稼働を確認するためのデータ分析も任せてもらえているほか、他部署による情報システム部門への支援もスタートすることに。
実際、私が担当しているエネルギー領域は、昨対比の売上高135%の成長率を誇っております。開発全体のPMOなど上流工程からの案件も増加、部としてさらに発展するためにも採用が急務になっています。
──これからどんな人といっしょに働きたいですか?
S.T:SEやコンサルとして上流工程から下流工程まですべての工程を知る経験者に入っていただけたら、とても心強いですね。
この部署のいいところはひとつのチームで上流工程から下流工程まで一気通貫で対応できるところ。社内の意見がまとまりやすく、お客様へのレスポンスも迅速に行えます。
興味のある方はぜひご応募ください。
──S.Tさん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)