「ものづくりの楽しさは感じつつも、エンドユーザーの顔が見えない。自分の仕事に疑問を抱いたとき、『それならば、目の前のお客様に価値を届けよう』と決意したんです」
こう話すのは、コンサルティング部のO.T.です。2021年、SHIFTへの入社と同時にエンジニアからコンサルタントへと転身しました。電力会社をご支援するプロジェクトを経て、2023年からは大手飲食チェーンのDX事業を担当しています。
向こう5年つづく長期プロジェクト。O.T.はどんなやりがいをもって、日々の業務に取り組んでいるのでしょうか。そして将来、いちコンサルタントとして成し遂げたいことは?本人に直撃してみました。
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サービス&テクノロジー本部 コンサルティング部 コンサルティング4グループ O.T.
2021年6月入社。独立系SIer、ヘルステック系スタートアップにて、要件定義・開発・運用など、上流工程~下流工程まで幅広い業務を経験。SHIFT入社後は、電力会社のシステム更改案件を経て、現在のDX推進案件を担当。 趣味は宿泊サイトのセールを眺めること。
目次
強い緊張感のなかで示した、迅速性と実現力
──最初に、いま担当している大手飲食チェーンのDX事業について概要を教えてください。
O.T.:お客様企業のIT部門を中心に、SHIFT3名、開発会社10名で構成されるチームのなかで、DXにおけるすべてのフェーズの牽引役を担っています。
私たちが最初に着手したのは、超上流工程であるロードマップ作成。「構築期」「活用~拡大期」「補強~高度期」「デジタル企業期」と段階にわけた2028年までの施策を構想しました。
「構築期」のいま、SHIFTの主な活動範囲は「全体DXの戦略立案とそれらに紐づく個別施策の立案と実行」「ITガバナンスの策定と実行」「IT部門への全般的なサポート」の3つです。
──そもそもなぜ、SHIFTにこの案件が依頼されたのでしょうか?
O.T.:「全体最適」の視点からDXの戦略立案ができる企業を探していたところ、SHIFTにたどり着き、ご依頼いただいたと聞いています。
お客様先の担当者によると、実はDX推進は試みたことがあるものの、部分最適の施策がほとんど。例えば、「店舗と工場のやりとりが主に電話で、接客やラインの現場を離れなければならない」という課題に対して、チャットやメールを使うといったような……。
抜本的なDXを求める、その期待に応えるため緊張感は、すさまじいものがありましたね。「少しでも価値を感じてもらわなければ」という一心で、メンバーで意識したのは迅速なリアクション。
会議であがった課題に対して、その日中に解決案をまとめ、翌日に書類として提出するなど、とにかくスピードにはこだわりました。
努力の甲斐あって、スタートから3ヶ月で情報管理ルールの策定やセキュアなファイル送信システムの導入、依頼された製品調査レポートの提出など、多くの成果を示すことができました。
「短期間で期待値を上まわる支援をありがとう」と、担当役員の方から直々に評価の声をいただいたのもそのころでしたね。
システムを「つくる人」「現場で使う人」の認識合わせが、DX化の第一歩
──SHIFTのメンバー3名の役割やバックグラウンドについて教えてください。
O.T.:全体をとりまとめているPMは、前職でグループ全体のIT戦略の立案や実行を推進していたベテランです。ITガバナンスのメイン担当は、経理や営業経験があり、バックオフィス系のシステムや業務効率化の知識に長けています。
私はSHIFTに入社するまでは、ITエンジニアでした。このプロジェクトでは主にDX施策の立案と実行を担当しています。
──まさに三者三様の得意分野が強みだと思いますが、メンバー内で日々意識していることは何でしょう?
O.T.:「お客様に寄り添う」ことを第一に取り組んでいます。
飲食店を経営するお客様にとって大切にしていきたいのは「料理」と「接客」。 ITを活用することで、人が「真価」を発揮させていけるような DXを展開するのが私たちの役目だといつもメンバー間で話をしています。
ただ便利にするデジタル化ではなく、来店客がどう感じるか、どんな体験をしてもらえるかを中心に据えた施策を練っています。
──こうした考えのもと、具体的にO.T.さんはどのような業務を?
O.T.:いま、注力しているのは店舗全体の効率化に向けた施策の立案です。
店舗内では、調理や接客担当などさまざまな役割のスタッフが大勢働いています。それぞれがどういう動線でどんな業務をしているのかを、ヒアリングや資料から把握し、時系列で整理。作成した業務フローを洗い出し、効率化に適した4~5つのシステム導入を提案中です。
──提案に至るまでにどんな苦労がありましたか?
O.T.:実際に業務改善が図れるかを検証するために、店舗管理部署のみなさんにシステムの導入後の業務フローの確認をお願いしたのですが、スタート当初はなかなかスムーズに運ばなかったんです。
例えば、スタート時の打ち合わせ内容に勘違いがあったり、システムの試用を記載変更するにも、業務が属人化していて個人ごとにフローが異なっていたり。
原因を探ってみると「システムに対する認識」に大きな違いがあるのだとわかりました。私たちIT部門はシステムを中心に業務フローを描いていますが、店舗スタッフの方々は本来やるべき業務があって、それに付随する形でシステムを使っているんですよね。
そのことに気づいてからは実務とシステムの稼働を照らし合わせつつ、業務課題の認識を合わせていくよう努めています。
お客様のそばで「品質」ありきの支援。ともに未来をつくる楽しさがここにはある
──いまの仕事のどんなところに楽しさを見出していますか。
O.T.:さまざまな支援を通じてお客様企業がよりよくなる、いっしょに描いた未来に向かって進んでいると実感できる瞬間が一番楽しいです。
例えば、ロボットの導入やAIの活用で、省人化や人員配置の最適化を図ることで、その事業を伸ばすだけでなく、他の事業にも注力できる環境づくりに貢献できる。可能性を広げられることにも喜びを覚えます。
──あらためて、O.T.さんがコンサルタントを目指した経緯を教えていただけますか。
新卒入社した金融システム特化の開発会社では、SEとして金融取引システムの運用保守やデリバリーを担当しました。
エンドユーザーだけでなく証券会社側の利害も考えながらものづくりをしなければならない状態に悩んだ結果、「システムを使っている人の近くで仕事がしたい」という欲が高まっていき、転職を決意。
2社目で健康管理システムのフロントエンドエンジニアになったものの、エンドユーザーの声を直接聞く機会はほとんどありませんでした。
メイン担当として関わったスマホアプリがリリースされたタイミングで、エンジニアとして技術を突き詰めていくのではなく、コンサルタントとして目の前のお客様に価値を届ける道を選びました。
──コンサルタントとして活躍できる企業はほかにもたくさんあったと思うのですが、なぜSHIFTに入社を?
O.T.: SHIFTのイメージは、「品質保証の会社」。コンサルティングでも品質にこだわったサービスを提供でき、お客さまに喜ばれるだろうと想像できたんです。
外資系やベンチャーのコンサルティングファームにも応募しましたが、元エンジニアということもあって「品質」というSHIFTの強みが一番響きました。
加えて、組織にも興味がありました。2021年の入社当時、コンサルティング部は発足してまだ1年。当時は100名弱の部署でした。おそらく成長するであろうこの組織の景色の変化を、内部にいる当事者として見れたら面白い経験ができるんじゃないかと思ったんです。
いまは250人以上が在籍。案件が増え、業種や業務領域の幅は格段に広がっています。今回お話ししたような、超上流工程からの支援は全案件の大部分を占めるようになりました。
新たな拠点を立ち上げ、「組織に還元できる」存在になりたい
──いちコンサルタントとして、今後やりたいこと、目指していきたいことを教えてください。
O.T.:まだ経験年数が浅いので、まずお客様に価値提供できるコンサルタントになることが大前提ですが。将来的には、お客様への提案を自ら行い、新規案件を獲得していくことで 会社に影響力のある数字をもたらし、組織に対しても価値提供できる存在を目指していきたいです。
ひとつの目標に据えているのは、地方拠点の立ち上げです。自分の経験やスキルを組織に還元できるうえに、新たな雇用を生み出せます。代表の丹下大が「雇用を生み出すこと自体が社会貢献だ」と発言していたことは間違いなく影響しています。
私自身は起業できなくとも、SHIFTという会社の力を借りて、「コンサルタントとして働きたい」と思っている人たちの実現の場をつくることはできるかもしれない。いつか必ず、実現したいです。
──O.T.さん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)