定年退職を間近に控えた59歳7ヶ月。Y.M.は大手金融機関からSHIFTへ籍を転じました。
「当初は前職を辞めるつもりなどなかったんです。エージェントに登録したのは、自分の市場価値をいま一度確かめたかったから。まさか退職金を満額もらわずに転職するなんて、思いもよらなかった(笑)」
プロジェクトマネージャーとして活躍してきたY.M.の経歴は実に輝かしいものです。テレホンバンキングやインターネットバンキング、銀行合併に伴うシステム統合対応、海外システム……
34年の長きにわたり、時代を反映したプロジェクトの企画、開発、要件定義、推進支援といった上流工程を実践してきました。
彼がSHIFTに入社したのは2020年11月。以来、金融サービス部に所属し、金融機関のシステムプロジェクトに関わっています。
数多ある企業のなかから、なぜSHIFTを選んだのでしょうか。いまの仕事のやりがいは、そしてやり遂げたいことは?……62歳となったY.M.に直撃しました。
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サービス&テクノロジー本部 品質サービス統括部 金融サービス部 金融BA・PMグループ Y.M.
大手銀行に入行。融資業務を2年経験後、システム企画・開発部門に約30年従事、その間海外支店勘定系システムの更改、テレホンバンキング・インターネットバンキングシステムの構築、投信窓販システムの更改などPM•POとして推進。その間銀行の合併・システム統合対応を複数回担当した。メガバンクグループの金融機関ではシステム統括部門のリーダーとして中期経営計画を策定・実行、IT関連経費の削減を推進。 2020年11月SHIFTに入社、LIBOR廃止、ラップサービス拡大、AMLシステム更改、IT部門の体制強化などをご提案しご支援、現在に至る。趣味は、ゴルフ、妻との晩酌。
目次
社会への最後の奉公だからこそ、実務と密接した仕事に
社会への最後の奉公として、別の企業でがんばってみるのもいいかもしれない──当初、転職を考えていなかった私が、エージェント登録を経て最終的に出した結論です。
奉公するには、自分がもつノウハウやスキル、実績を活かせる場所でないと意味がありません。大手コンサルティングファームからも複数オファーをいただきましたが、背景に理想は高いが・・・そういった提案は、おそらく私の性に合わない。転職活動を進めていくうちに、「実務に即した仕事がしたい」という想いがどんどん強まっていきました。
そんなタイミングで出会ったのがSHIFTでした。ソフトウェアテスト、品質保証、DX、セキュリティサービス……幅広い領域で事業を展開しているこの会社なら、プロジェクトマネージメントやコンサルティングといった私のスキルを駆使できると思いました。何よりも、SHIFTに入社して仕事をする自分の姿が容易にイメージできたのです。
SHIFTに「人を大切にする」カルチャーがあることも大きな決め手となりました。面接や二次選考中に開かれたワークショップでは、真摯かつ丁寧に私のことを知ろうとしてくれる姿勢がうかがえましたし、提出した課題についても「こういう点は事業に活用できる」など高評価・フィードバックをいただきました。こうしたやりとりを繰り返しながら、徐々に信頼感や安心感を高めていった気がします。
「お客様の困りごと」を把握し、対処できる充足感
SHIFTに入社して2年半。金融機関をお客様にもつ金融サービス部に配属され、大小さまざまな金融システム、プロジェクトに関わってきました。
個人的に思う金融サービス部の強みは「金融機関とベンダーの間に立ちながら、事業会社目線で支援ができる」という、独自のポジショニングを確立している点。メガバンクのIT部門にいた私は、クライアント、ものづくり双方の視点を経験しています。それがいまの業務に活かされていると感じています。
根底には、金融機関ならではの組織体制や文化、監督官庁への理解、これまで積み重ねてきた失敗事例があります。失敗と聞くと、ネガティブなイメージを抱かれるかもしれませんが、その経験があるからこそ、「お客様がいま一番困っていることは何か」を、対処できるんです。
例えば、途中参加した証券会社の案件では、リーダークラスの優秀人材を親会社から出向で供出してもらう、という大胆な提言をさせてもらいました。
その案件は2ヶ月後には新規顧客向けにソリューションを提供するプロジェクトでした。 当初の要件では、PMOとテストの効率化でしたが、お客様側のプロジェクトマネージャーが不在であることが参加後に判明、PMOどころではなくなりました。
案件の特性を考えると、プロジェクトのメンバーはもちろん、経営陣に対しても強力に影響力を発揮できるプロジェクトマネージャーが必要と判断。しかし残念ながら私は新参者、人脈もなく2ヶ月では短すぎると焦りが大きくなるばかり……
一筋の光は、お客様の親会社とは、以前から仕事をしてきたご縁があったことでした。その親会社も本プロジェクトを心配していると伺い、たいへん失礼と思いながらその親会社の部長にその方の名前入りの体制強化をご提案しました。
最初は逡巡されましたがご担当の執行役員にエスカレーションしてもらい、社内で検討の結果、プロジェクトマネージャーの出向を即断されるにいたりました。その後、課題の洗い上げ、解消計画策定をご支援、無事予定通りサービスを開始することができました。
“私にしかできない職務”をまっとうできる職場
SHIFTの行動指針のひとつである「できないとは言わない、できると言った後にどうやるかを考える」はまさに私のスタイルそのものです。たとえむずかしい案件であっても、前向きに取り組みたい、お話ししたいと考えています。
加えて、金融機関とベンダーの媒介者となりながら、数々のプロジェクトの進行役を担うなかで、つねに私が意識しているのが、誰に対しても対等な立場でいること。
それがお客様であっても、パートナーさんであってもつねに同じ高さの目線でプロジェクトを進めていきたいと考えています。
自らのスタイルや信条を貫き、いまこうして「私にしかできない職務」をまっとうできているのは、間違いなくSHIFTの土壌によるところが大きいです。事業会社目線でプロジェクト支援するという独自のポジショニングもそうですが、とりわけ目を見張るのはスピード感。お客様からの質問に素早く回答できるうれしさを、日々噛みしめています。前職では長くて3~4ヶ月かかっていましたから、まさに夢のようです(笑)。
はやいのはレスポンスだけではありません。SHIFTはあらゆる問題に対して迅速に対処します。原因を究明し、再発防止策を素早く練り、全社に浸透させています。実際、過去の好事例、教訓をもとにルールを迅速に取り入れ社内に適用しています。
ご提案、プロジェクトの推進を円滑に進め、自ら律していくための道しるべとしてとてもよいカルチャーだと思います。
成長にゴールはない。これからも自分の市場価値を高めつづける
いまは、ある基幹システムのプロジェクトのことで頭がいっぱいです。正直いって、いままで経験したことのない課題が山積のとてもむずかしい案件です。リスクが高いうえに、SHIFTや私自身に期待されていることも大きく、起爆剤のような存在を目指して日々奮闘しています。
実際、気合を入れていかないと目的は達成できないでしょう。ただしキャパを超えて倒れてはかえってまわりに迷惑をかけてしまうので、背伸びのしすぎも禁物。老け込んではいませんが、若いともいえないので。とにかくいまもっている力を少なくも100%発揮し、ときには120%をモットーにのぞんでいきたいと思っています。
成長にゴールはありません。おそらくあと2年はかかるであろうこの長期プロジェクトをうまく成功裏で終えられたら、スキルアップにつながり、私のマーケットバリューは間違いなく高まると信じています。このプロジェクトが生きがいとなるべく取り組みたいと思います。
本当はもっとクールに格好よく、壮大な目論見などをお話ししたかったのですが(笑)、現場に密着した、泥臭い生き方、働き方が私ですので。
あえて今後の展望に触れるとしたら……50歳、60歳、70歳になっても成長意欲がある、アグレッシブな仲間を増やして、ともにSHIFTを盛り上げていきたいですね。
外部協力:福嶋 聡美(執筆)
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)