バリスタとして10年働いて飲食業界からSHIFTへやってきたS.N.は、現在は一児の母。
育児を理由に仕事もあきらめたくないし、責任放棄もしたくない。無理はしないが、自己成長もしたい。
育児をしながら働く私たちの多くがそう思うのではないでしょうか。契約社員から正社員となった彼女のこれまでを追いながら、その思いに触れたいと思います。
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サービス&テクノロジー本部 品質サービス統括部 エンタープライズサービス部 SAPサービスグループ S.N.
20代は飲食業(バリスタ・店長業務など)に携わる。ワーキングホリデー制度を利用し海外で働いた経験(バリスタ・現場マネージャーを経験)もある。
Ctrl+Cすら知らない状態でSHIFTへ入社。いまはもうすぐ2歳になる子どものイヤイヤ期が終わるのをまだかまだかと待っている。
目次
給与の天井が見えている業界からSHIFTへ
SHIFTにはさまざまなバックグラウンドの人がいますが、私も少し異色かもしれません。カフェの専門学校を出て10年ほどバリスタとして働きました。その間にワーキングホリデーに行ったりもしたのですが、30歳を目前にこのまま飲食業界で働きつづけるのかを考え直したんです。
体力も必要な仕事ですし、当時は結婚願望もなくて「一人で食べていく」なら、正直なところ給与も頑張った分だけあげていきたいなと。飲食の接客業はどうしても“天井”が見えてしまっていますから。
仕事を探すなかで転職エージェントからシステムエンジニアには興味あるかと提案されました。そのエージェントが開講しているプログラミング基礎講座を受講してSHIFTに応募したところ契約社員として内定をいただきました。
入社後は東京本社で品質サービス統括部の流通領域のグループに配属になったのですが、入社直後に予想外の結婚が決まって、半年後にパートナーがいる大阪へ引っ越すことに。当時の大阪拠点には同グループがなかったため現在のSAPグループへ異動させてもらいました。
また、大阪拠点へ異動するタイミングで次は妊娠していることがわかり、異動して半年ほどたったころに産育休を1年ほど取得、1年前に復帰しました。入社直後にいろいろなライフイベントの発生がありましたが、事情を考慮して対応してもらえよかったなと思います。
無理なく働きたい、という意思を踏まえたうえでの正社員登用
これまで製造業や、製薬の大手会社をお客様に、テスト実行者として案件に携わってきました。現在は朝9時から18時まで在宅で勤務しています。
直近はお客様側での単体テストを終えたSAPシステム内のアドオン機能部分について、テスト設計と実行を第三者観点で行っています。すでにベースのテストは終わっているので、アドオン機能のさらなる品質向上に向けて、スペシャリストとしての視点が必要となります。
案件によっては稼働後の障害の調査までも担っていて、実際にその原因を突き止めたこともあります。ベンダーを含めた関係者にヒアリングをして検証を繰り返しました。
こうした成果を評価してくれたのか、2022年9月に正社員登用となりました。契約社員として入社し、もちろん当時から正社員を目指してはいたものの、異動や育休取得など重なっていいづらい気持ちがあったんです。
ただ育休からの復帰後は「しばらく無理なく働きたい。でも正社員にはいつかなりたい」という意思を上長に伝えていました。するとその直後に推薦いただき登用テストを受けられることに。
無理なく働きたいという意思を踏まえたうえで、正社員として登用してくれたことがうれしかったですね。実際にハードワークの結果、評価してもらったということでもありません。
そのエピソードにも関連しますがSHIFTで働くうえで私がいいなと思う点の一つに「個人の意思を尊重してくれて、強要がない」ことがあげられます。たとえ世代が上の人であっても、「こうあるべし」という古い時代の価値観をもった人がいないんです。
もう一つは迅速さや柔軟さです。コロナ禍からのリモートワーク推奨への動きもそうですし、いまも基本的に出社はしませんが特に支障なく働きやすいと感じています。在宅勤務によって時短ではなくフルタイムで働けていますし、おかげでひいては正社員登用にもつながりました。
育児を理由にあきらめない、責任放棄もしない
私は母親だからといって、育児を優先して時短でしか働けないとか、キャリアアップを諦めなくてはいけないということもないと思っているんです。将来何が起こるかわからないなかで、子どものためにも自分のためにも、自分自身で稼げる力をつけておきたいと思っていて。子どもが小さいうちでもあきらめずに仕事をできたら、自分にも自信がつきますし。
実際の目標設定としては、「できたか・できてないか」ではなく、「やったか、やってないか」を基準に考えました。キャリアUP制度である「トップガン」検定(※SHIFTグループ従業員を対象とした社内制度)でも受検を目標にする。そうすると挑戦したことを評価してくれるカルチャーもあって、不合格だとしてもトライしたことに対する評価がもらえます。
こうした目標に対する捉え方の根底にあるのは、いまは無理に背伸びもできないし、かといって評価されないのもいやだなと私が考えているから。
家庭とのバランスをとりつつ、可能な範囲で自己成長への努力を継続する。子どもが小さいうちはこれが自分にとってベストと考えられる働きかたを、自分自身が認識することが大事なことだと思います。それを伝えることで受け入れてくれる土壌が、前述のようにSHIFTにはあるから。
育児を理由に仕事への責任放棄はしたくないとも思っています。自分のわからないことを努力なしにわからないというのは失礼ですし、徹底して調べたり知恵を絞ったりすることが大事ですよね。
SAPは領域別に必要な知識も違うので、自分の経験したことのない分野ではわからないことも多く発生します。そんなときはまわりの人にも助けてもらいながら自分にできる最大の価値を提供していきたいと思います。
大きな目標を掲げるのは苦手です。無理をすることにつながるから。だからいまは少し肩の力を抜きつつ、目の前の業務で着実に成果をあげていきたいと思っています。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)