
‟百年に一度の変革期“の真っただなかにあるモビリティ業界。
「お客様は『変革を求めるならSHIFTを採用せざるをえない』状況です。いかに品質を担保し、海外メーカーに追随する開発スピードを出せるか。
その前に立ちはだかる壁を越えるためにSHIFTにお声かけいただきますが、私たちが思い描くビジョンは品質保証だけにとどまりません」
そう語るのはモビリティ事業部の事業部長を務める白木です。業界が抱える課題と、それに対するSHIFTの提供価値、そして5年後を見据えたビジョンとは――。白木へのインタビューを通じてお伝えします。
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モビリティ事業部 事業部長 白木 武
2020年4月、エンタープライズ向けに事業の拡大期に入りはじめたSHIFTへ入社。広域営業担当として関東以西の全産業を担当。食品やエネルギーなどさまざまな業種のお客様との取引開始に貢献した後、自動車を中心とした製造業を担当するアカウントチームを立ち上げ。入社4年目、特に成長著しいモビリティサービスのお客様を中核とするモビリティ事業部を立ち上げ。現在は280名規模の組織管理および組織拡大に従事。
目次
なぜお客様はSHIFTを「採用せざるを得ない」のか
――いま、モビリティ業界は大きな変革期にあるといわれていますが、その実態はどのようなものでしょうか?
白木:“百年に一度の変革期”といわれはじめてから数年が経ち、その変化が具体的にみえてきています。
まず車両の開発スピードにおける格差。欧米や中国企業は、単なるプロセスだけでなく車の構造や品質要求の見直しなど、さまざまな変化を取り入れた結果、2年程度での開発ができる体制になっています。
日本の自動車メーカーもこれに追随しないと競争力が落ちてしまう。日本製ならではの高い品質も維持しながら、エンジニアリングプロセスを中核としたさまざまな仕事の進め方を変革することが急務となっています。
――ビジネスモデル自体も変わりつつあるそうですね。
白木:ええ。ディーラー経由の販売だけでなく、これからはソフトウェアと連動したライフサイクルビジネスへの転換が求められています。
金融やエンターテイメント、はたまた医療といった自動車外の領域をふくめた暮らし全般に関わるサービス開発。そのチャレンジおよび成功事例を生み出すことが自動車メーカーには求められています。
――そんななか、お客様はどのような課題感をもってSHIFTに相談されるのでしょうか?
白木:従来の業務プロセスを大きく変える必要があるなかで、レガシーなアプリケーションの再構築も必要です。
しかし20年以上前の開発についてわかるメンバーはもはや不在、大規模プロジェクトの経験者も不足してしまっています。
しかしプロジェクトが数年遅延……なんてことは海外競合に遅れをとってしまうため許容できません。
ITベンダーがどのようなプロセスで開発しているのかを理解し、正しく開発が進んでいるかどうかを把握したうえで、問題があれば別のやり方を検討する必要がありますが、長年ベンダーに頼ってきたこともあり自社のノウハウが不足しているという課題を抱えているのです。
――SHIFTなら解決できる、とお客様も期待を寄せてくださっている?
白木:はい。まずはPMO支援、ソフトウェアテストの支援依頼をいただくことが多いですね。SHIFTはもともと製造業のコンサルティングを行っていたという原点があります。
非常に論理的で理にかなっているノウハウをベースとした提案に、お客様にも「SHIFTのサービスを採用せざるを得ない」と感じていただいています。
具体的には、開発プロセスを整理したうえで、それをどう立て直すかをサービスとして定型化していますし、テストケースの作成や観点抽出、実行結果の評価も体系化され、それらが“説明可能”であることもお客様を惹きつけています。
先ほどお伝えしたように開発プロセスの見える化がお客様にとって重要だからです。
またMaaSのような新しい事業開発においても、クロスインダストリーの知見が求められます。
SHIFTはさまざまな業種のお客様に対する支援実績があるため、他事業部とも連携しながら安全にチャレンジしていただくご支援ができる、そういったところにもご期待をいただいていますね。

失敗するであろう開発を放っておかない。変革のため必要な提言を行う
――実際の支援を通じての、お客様からの評価はどうでしょうか?
白木:求められた要件を求められたコストと納期でつくり込むかでなく、上流工程から「こういうことをやっていかなければいけない」と提言することに注力しているので、「ここまで提案してくれるのはSHIFTだけだ」という評価をいただいています。
私自身、SHIFT入社前は、失敗するとわかっていながらも受け入れざるを得ない、そんな場面にも出会ったことがあります。でもSHIFTは一歩前に出て、お客様に改善を促していくという姿勢でお客様を支援できています。
――つまり、あるべき開発の形を提言している、と。
白木:その通りです。プロジェクトが失敗する主な原因は、システムの要件定義に入る前の超上流段階で必要な準備が整っていないことです。
我々は経験豊富なメンバーを集め、システム開発が可能な状態をつくり込むためにやるべき要素は何かを考え、お客様に提示しています。これにより、お客様は安心して新たなチャレンジに取り組めるのです。
――具体的な成功事例を教えていただけますか?
白木:トヨタコネクティッド様とのプロジェクトが、象徴的だと思います。コネクテッドサービスのモデルイヤーが変わるたびに貢献させていただいており、他企業のご支援にも広がっています。
関連リンク:https://service.shiftinc.jp/case/toyoconne/
さらに発展した例として、最近は純正カーナビの普及によって自動車会社は利用者の行動データを把握できるようになりました。
例えば、ある人がどの車に乗っているか特定し、販売金融やポイント、レンタカーでの優待など、すべてを関連づけるサービスが展開されています。
このエコシステムの鍵となるのがID情報です。
SHIFTは、お客様との案件で培った経験をベースに、販売店や販売金融、レンタカーといった領域でID情報を統合し、一連のサービスを一つのIDで使えるようにするプロジェクトで品質評価をリードしています。
つまり、コネクテッドサービス単体での成功に留まらず、顧客のエコシステム全体にサービス提供を広げているのです。
――支援領域がどんどんと広がっているんですね。
白木:はい。新しいサービス企画の段階からコンサルティングや、コネクテッドデータを活用した業務プロセス改革、その他実証実験など。超上流からの支援がどんどんはじまっています。

5年後にはすべてのお客様にとって「なくてはならないパートナー」に
――現状がよくわかったところで、描いているビジョンについてお聞かせください。どのような組織にしていきたいですか?
白木:モビリティ事業部が立ち上がって約2年。8割以上の国内主要メーカー様の支援をさせていただき、ようやく業界内で認知していただけるようになれました。
今後は3年から5年の間に、すべてのお客様に「SHIFTはなくてはならないパートナーだ」と認識いただき、つねに選ばれるという関係性を築いていきたいと考えています。
新しいチャレンジや未来の事業戦略をともに描くパートナーとして、超上流の企画検討の段階から参画し、プロジェクトの立ち上げから関わることが当たり前になればと。
お客様のビジネスの成功を責任をもってサポートする、そんな組織になっていきたいですね。
――ビジネス共創のパートナーという位置づけですね。
白木:その通りです。お客様の最大マーケットは北米やインドなどの海外市場であり、最近はグローバルなプロジェクトのお声かけも若干ながら増えてきました。
コネクテッドサービス領域では、日本で仕様をかためて海外で開発したり、日本で開発したものを海外の法律やユーザーニーズに合わせてカスタマイズしたりすることが求められます。
SHIFTも米国に子会社を設立しましたので、将来的にはまず北米からサービス提供していければと思っています。グローバルな経験をもつ人材や、多国籍メンバーも我々のチームには加わってくれているんですよ。
――そういったメンバーが加入してくれるのは力強いですね。いま特に業界知見と開発経験の豊富なメンバーを求めていると聞きました。
白木:ここまでのお話とリンクしますが、システム開発を深く理解しながら、あるべき姿を描ける方にぜひ応募いただきたいですね。
超上流においてもしっかりとコミュニケーションをとり、お客様といっしょに試行錯誤できる方々に集まっていただきたいです。
実際に入社いただいている方々は、SHIFTで働く魅力を「社会貢献性」にある、と異口同音に話してくれます。開発そのものを受託するわけではなく、お客様のプロジェクトがうまくまわるよう変革を支援する。
お客様への価値貢献ができ、それが社会貢献につながると考えてくださる方が多いですね。
資源の少ない日本において、外貨を稼ぐためには輸出が不可欠。最大の輸出品目は自動車ですから、この産業が強くなればなるほど日本の国力が向上し、人々の社会生活も安定していきます。
モビリティ業界を支えることは、自分が住む街や生活の安定化においても非常に重要な要素であり、社会貢献とビジネスが直結している仕事だと私自身、実感しています。
――非常にやりがいのある仕事ですね。最後に、働く環境としてのSHIFTにもふれたいと思います。白木さんが入社してから、SHIFTらしいカルチャーとして印象的だったことはありますか?
白木:一般的に大手企業では、新しいことにチャレンジする際、リスクを潰し込んだうえで社内コンセンサスがないと前にはなかなか進めないことも多いかと思います。
それももちろん大切なことではあるのですが、SHIFTではまず「やってみたい」という気持ちと「それが価値あることか」から議論がはじまります。
リスクは走りながら、お客様と議論しながら対処していきます。クレドにある「できないと言わない、できると言った後にどうやるかを考える」が浸透しているなと感じますね。
――仕事の進め方が、SHIFTに入社して変化したんですね。
白木:はい。SHIFTは部門の壁が非常に低いことも大きな特徴です。何か困ったことがあったときに、お互いのビジネスを自然に助け合えます。
プロジェクトで人手が足りなくなっても、まわりのサービス部門や人事が全力でサポートしてくれます。これがSHIFTの大きな強みだと思います。
――最後に、候補者へのメッセージをお願いします。
白木:モビリティ業界の支援を通じて、日本そして人々の生活を支えていきたいと考える方々をぜひ歓迎したいと思います。私は事業部長として、メンバーが安心感をもってはたらける組織にすることにも注力していきます!
※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです