新卒で独立系中堅SIerに就職し、ソフトウェア開発業務に従事してきたM.N.。
プログラミングから要件定義はもちろん、サービス提供企業へ転職後はオフショア開発、ベンダーコントロールなど、上流工程から下流工程まで幅広く経験してきました。
さらに前職では仙台に拠点のある事業会社で、ソフトウェア開発部の執行役員として新製品の開発やERPの導入にも携わっています。
若いころから、より大規模な案件に、より上流工程からかかわりたいと求める気持ちは強くあったというM.N.。根底にあるのは、「システムを発注するお客様も、そのシステムを使うユーザーも幸せにしたい」という想いでした。
2022年5月に執行役員の座を退いて、SHIFTに転職したM.N.が、仕事のやりがいや自身の新たな成長に向けての想いを語ります。
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サービス&テクノロジー本部 ITソリューション部 DAAEテクノロジーグループ M.N.
2023年5月入社。SIer、事業会社を複数社経験し現職。司法書士の資格を保有し、司法書士としての勤務経験、ISPにて事業企画職などシステム開発以外も経験。前職では、開発責任者として、自社開発プロダクト刷新プロジェクトのPMを担当。現職においてもさまざまなプロジェクトのPMを担当する。
目次
ものづくりをする人間として、純粋に「いいシステム」をつくりたい
―――SHIFTに転職を決めた理由を教えてください。
M.N.:少し話を遡らせて話します。私が新卒で開発の現場に飛び込んで思ったのは、プロジェクトの成功により関与するには上流工程へいくしかない、ということでした。
どんなに実装を頑張っても設計に問題があればよいシステムにはなりませんし、よい設計ができても企画が悪ければ使われるシステムにはなりません。ですが、当時は多重下請け構造が色濃い時代。
自分の所属する会社が下請けである限り、上流工程の仕事はできないし、報酬の上限も決まっていました。
それもあって上流工程から関われる場所へと身を移してきました。何度かの転職を経て、前職では事業会社の執行役員を任されました。開発の責任者でしたが、会社としてはウォーターフォール型開発が中心。
私自身は、本来の提供価値の見極めからスモールスタートで開発していくリーン開発(アジャイル開発)の重要性を感じていたのですが、実現できませんでした。
そんななか、SHIFTが提唱するDAAE※という開発概念に共感し、SHIFTへの転職を決めたんです。
※DAAEとは:デザイン(Design)、迅速性(Agility)、組みあわせ (Assembly)、経済品質(Economic quality)の頭文字を組み合わせた、SHIFT独自の開発概念
―――M.N.さんが、DAAEを重視されるのは、どのような点からですか。
M.N.:ものづくりをする人間として、純粋にいいシステムをつくりたいんですね。システムの発注者であるお客様もシステムを使うユーザーも、かかわる人みんなを幸せにしたい。
私自身も、自分がつくったシステムが無駄になるのは悲しいですし。みんなを幸せにするシステムをつくるためには、より上流工程のお客様に近いところで、プロダクトの企画段階からかかわることが前提です。
そのうえで、DAAEという開発スタイルは、お客様が本質的に求めるプロダクトを生み出せる、もっともいい方法だと考えています。
各領域の専門家が、社内に多くいる。見つめなおす「自分の強み」
―――事業会社で執行役員まで務められたM.N.さんの目から見て、入社後のSHIFTの印象はいかがでしょうか。
M.N.:ソフトウェアテスト、品質保証サービスのノウハウの蓄積がすごいですね。私が過去に在籍した企業より案件規模も大きいし、優秀な人材が多いと感心しました。ただ開発ナレッジはこれからもっと整えられると感じています。
ITソリューション部は、私の所属するDAAEテクノロジーグループと他6つグループにわかれています。DAAEテクノロジーグループは若い方が多く勢いがあり、 他グループは比較的ベテランが多い印象です。
部全体として「開発環境をよりよく、もっと整えていこう」というマインドの方が多く、みんなで協力しながら切磋琢磨しています。私自身、もともと若手の成長支援をしたいという気持ちが強いのですが、整っていない環境だからこそ、優秀な方々をふくめ「協力しあって成長していこう」というカルチャーはSHIFTらしいですね。
―――現在のプロジェクトはどのようなものですか?
M.N.:いまはプロジェクトマネージャーとして、SHIFTと業務提携している企業のプロジェクトに携わっています。小売店の購買データを扱うWebシステムを開発しており、フロントエンドはTypeScript、バックエンドはPython、そしてクラウドインフラを使っています。
業務提携するくらいSHIFTに期待してくださっているお客様なので、企画のスタート段階から、お互いに遠慮せず意見もいいやすいです。そもそもSHIFTに対する信頼が厚いのは強く感じます。
―――開発を進めていくなかで、過去の経験と比べてSHIFTが特徴的だと思うことはありまか?
M.N.: 上流工程の仕事自体は、これまでも経験がありました。もっとも大きな違いはリソースの厚みです。優秀な人材が多いといいましたが、つまり各領域の専門家が自社内にいるんです。コンサルティングやマーケティング、デザインもUIUXを設計できる人もいるし、とにかくどの領域にもプロフェッショナルがいます。
SIerに勤めていたときも事業会社のときも、社内に専門家がいませんから、その場合はアウトソースするか、自分が勉強するかのどちらかしかありません。プロジェクトのスタートは、依頼できる人材探しからはじまるというケースもありました。
SHIFTでは、何か困ったことがあってもまわりに相談すれば、「何かしら必ず解決できる」という安心感があります。一方で、専門家が多いので、自分の強みはどこか、存在意義は何かと考えるようになりました。
―――考えて、あらためて自分の強みについて答えは出ましたか。
M.N.:まだ消化しきれていないというのが本音です。ただ最近気づいたのは、自分の強みは、技術やマネジメントなどのわかりやすいスキルではないということ。
自分でいうのは恥ずかしいのですが、複雑な状況や課題を整理し、物事を推し進めていける推進力が強みだと思うようになりました。技術や知識が高くても、意外とこれができる人材は少ないなと。
いい意味で、いままでは井のなかの蛙だったかもしれません。世の中にはいくらでも優秀な人材がいる。SHIFTはそれに気づきやすい環境なんだと思います。とはいえ、まだまだ模索中です。SHIFTのなかで「これだ!」と断言できる自分の強み、専門性を明確にしていきたいですね。
リモートでの働き方、家庭との両立
―――働き方という視点では、入社前後で変化はありますか。
M.N.:私自身がSHIFTに入るまでリモートワークの経験がなかったので、それは新鮮でした。コミュニケーションのむずかしさに当初、戸惑いは感じました。
仲よくなったり打ち解けたり、本音で話すという関係性にどうやってアプローチすればいいか……。出社しているなら、職場で席を立ったときやランチタイムなどにさりげなく話しかけて雑談することもできますが、オンラインではそれがない。
リアルでは会ったことのない、オンラインのみの方の場合は、特にむずかしさを感じましたね。
でも少しして、みんなも戸惑っているんだと気づいたので、自分から積極的に働きかけるようにしました。私はプロジェクトマネージャーなので、朝会などの際に雑談を増やそうと話したり、本音で話せる場を設けたりもしました。
考えに賛同してくれる方たちが、同じように振る舞ってくれるようになると、場の空気は自然にコミュニケーションがとりやすいように変化していきましたね。
―――リモートワークの利点はプライベートと仕事の両立もあると思います。小さなお子様がいて、育児休暇を取得したともうかがいました。
M.N.:ちょうど担当していたプロジェクトが完了したタイミングで1ヶ月間、育児休暇をとったのですがスムーズに承認されました。社内に男性の育休取得者もいますし、上司もメンバーの育児休暇時の対応に慣れていて、周囲に嫌な顔されるわけでもなく、ごく自然でした。
―――育児と仕事の両立は、どのようにされていますか。
M.N.: リモートワークかつ裁量労働制なので調整はしやすいですね。私たちの仕事はクライアントワークなので打ち合わせなどはありますが、忙しいときでも一旦定時で仕事は切り上げて、家族と食事をしたり、子どもをお風呂に入れたり寝かしつけたりもできます。
人生において、やはり家族がもっとも大事だと思っているので、人生のなかで仕事の占める割合は大きいですが、こうしたバランスがとりやすいのも、いまの働き方で満足している点ですね。
「仙台にいながら東京の仕事、東京の給与」が実現できている
―――仙台でITエンジニアとして働いている方々に、SHIFTで働くことをおすすめするとしたら、どのようなポイントになりますか。
M.N.:まず給与が地方水準よりも高いこと。仙台にはまだまだ多重下請け構造が残っていて、プライム案件に携われる会社もIT系の事業会社もほとんどありません。大規模案件は大手IT企業がすでに受注済みで、それらのプロジェクトに加わるにも、地場の下請けになるしかない。
SHIFTに入社して、私は実際、東京の案件にアサインされ上流工程の仕事ができていますし、給与や報酬にも恵まれています。
先に話したとおり、さまざまな領域の専門家が大勢いるので、自分の視野を広げたい、もっと成長したいと考えている人には、SHIFTは格好の環境だと思いますよ。
優秀な専門家たちがこぞって協力して、若手を成長させようというカルチャーがある会社ですから。もちろん私もどんどん若い人たちの力になりたいですね。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)