多くの企業が「AI活用」を急ぐ一方で、単なるツール導入で終わってしまい、「定着」や効果の可視化までに至らないケースが後を絶ちません。
そんななか、SHIFTのAIサービスグループは、特定のツールに依存しない「技術中立」と、自社で使い倒した「実践知」を武器に、コンサルティングと開発ベンダーの枠を超えた伴走支援で実績を積んでいます。
本記事では、AI BPaaSサービス部 AIサービスグループ グループ長 幸加木(こうかき) 哲治にインタビューを実施。
金融領域の巨大プロジェクトの事例を掘り下げるとともに、“ゴールドラッシュ”が起こるいま、AIという“ツルハシ”をお客様に渡し、ともに未開の地を切り拓くタフで自律的な人材を求めている理由に迫ります。
-
AI BPaaS サービス部 AIサービスグループ グループ長 幸加木(こうかき) 哲治
大手事務機器メーカーで約20年間、AI、クラウド、セキュリティを含む戦略・企画・開発・統制の分野で活躍後、SHIFTに入社。多業種にわたるセキュリティコンサルティングや運用業務支援に従事。現在はAI BPaaSサービス部AIサービスグループのグループ長として、AIソリューションの外販部隊を率い、お客様に応じた組織に根付くAI活用支援など、AIに関連したDX支援を推進中。
<この記事に関連する求人>
目次
AI活用と定着を支援する、4つのサービス
――まずは、AIサービスグループのミッションや体制について教えてください。
幸加木:ひとことでいうと、AIサービスグループは「お客様組織でのAI定着を担う組織」です。お客様のコアビジネスの推進や、経営資源のコストダウンに寄与できるよう、AI導入の立ち上げから定着までを支援しています。
――具体的にはどのようなサービスを展開しているのでしょうか?
幸加木:大きく分けて4つのサービスを展開しています。
1つ目は、お客様ご自身がAI駆動開発を行うために、お客様の開発プロセスにAIを組み込む「AI駆動開発定着支援」。
2つ目は、お客様が開発するAIシステムのアウトプットの妥当性を検証する「AI特化型品質保証」。
3つ目は、お客様の業務を分解・可視化するとともに、生成AIの活用・定着を成功させるために必要な施策を体系化し、提供する「生成AI 360°」。
4つ目は、AIを導入後、どうしても人が介入しなければいけない部分(ヒューマン・イン・ザ・ループ)を請け負う「BPaaSを含めたAI定着化支援」。
最初の2つが開発現場向け、後ろの2つが組織向けで、これらの両軸からお客様に包括的なサポートを提供しています。
――SHIFT社内には他にもAIに関わる部署がありますが、それらとの違いは何でしょうか?
幸加木:例えば、AIモダナイゼーション統括部という受託開発の部署があります。彼らはお客様から開発を受託し、AIを活用して開発から納品までを担っています。
私たちは、お客様自身がプロダクトをAI駆動で開発したい、あるいは業務にAIを組み込みたいというニーズに対して伴走支援します。
開発を請け負うのではなく、お客様の組織への定着をミッションとしている点が明確な違いです。
――最近のお客様からの相談には、どのようなトレンドがありますか?
幸加木:大きく2つの傾向があります。1つは、業務にAIを導入してコストを下げ、効率化したいというニーズです。
もう1つは、「AI駆動開発のようなモダンな開発を自社に定着させたい」というご相談です。2026年に入ってから引き合いが急増しています。今後さらに売上も伸びていく領域だと感じています。
競合ファームやベンダーを凌駕する、SHIFT独自の「3つの強み」
――そうしたお客様のニーズに対して、「SHIFTだからこそ提供できる価値」は何でしょうか?
幸加木:大きく3つあります。1つ目は「技術中立」のスタンスです。私たちは特定のベンダーのように自社のツールだけを担いでいるわけではありません。
また、すでにお客様が導入しているツールがあればそれに倣います。この点では、コンサルティングファームと同じようなフラットな優位性をもっています。
――2つ目の強みは何ですか?
幸加木:圧倒的な実践知です。SHIFTは自らを「AIネイティブなSIカンパニー」と位置づけ、社内のあらゆる業務でAIを使い倒しています。
自分たちで実践し、失敗も成功も経験しているからこそ、机上の空論ではないリアルなノウハウをお客様にお伝えできるんです。
関連コンテンツ
――そして3つ目が「伴走支援」ですね。
幸加木:はい。コンサルはあるべき姿を語り、ベンダーはツールの導入や使い方を教えることにとどまりがちです。しかし、私たちはAI活用の基準づくりから、実際の運用までフルオーダーで伴走します。
「技術中立」「実践知」「伴走支援」の3つが揃っているSHIFTは、いわば開発ベンダーでありコンサルであり、日本有数のAIのヘビーユーザーといえます。
こうした強みをもとに提供を開始したのが、「アドバンスドFDE(フォワード・デプロイド・エンジニアリング)」です。
従来のFDEは、自社プロダクトの導入・定着支援がゴールとするケースが一般的です。しかし、繰り返しになりますが、私たちのサービスは特定のプロダクトに縛られません。
これは、お客様ごとに最適なAI技術を選定し、業務や開発現場における本質的な課題解決を推進するという、私たちの覚悟のあらわれでもあります。
関連リンク: https://service.shiftinc.jp/news-index/14295/
大手金融系事業会社の支援で証明された、現場解を導くためのタフネス
――その強みが活きた具体的な成功事例があれば教えてください。
幸加木:大手金融系事業会社様の支援事例ですね。SHIFTのエンジニアやコンサルタント、PMがプロジェクトに参画し、その結果、先方の外注体制を大幅にスリム化しながら成果を出しました。
――むずかしかった点はありましたか?
幸加木:今回のプロジェクトの特徴は、Carnotの「Jinba」という新しいAIワークフローツールを採用した点にあります。まだ市場で十分に活用事例が蓄積されていないツールを導入することには、一定のリスクがあります。
私たちはこれを技術中立の立場から受け入れましたが、実際の感覚としては「ベンダーやお客様とともにAIワークフローツールを育てながら、お客様に最適化された形になるまで品質と機能をつくり込む」というものでした。
一般的に、AIワークフローはクラウド利用を前提としています。どこからでもアクセスでき、使いやすいというメリットがある一方で、金融領域で求められる閉域網での利用には適さないというデメリットもあります。
今回は、閉域網で利用可能なオンプレミスのAIワークフローとしてインフラを構築し、その上にJinbaを実装する必要がありました。そのため、通常以上のリスクを伴うプロジェクトとなりました。
特に、パフォーマンス、品質面がボトルネックになることは明らかであり、この要件を実現できる人材も限られていました。
――技術的ハードルが高くプレッシャーの大きい挑戦だったのですね。現場は相当大変だったのではないでしょうか。
幸加木:お客様が選んだツールを前提に、SHIFTがツールベンダーと直接やりとりを行い、不具合や課題に対してクイックに修正や改善を重ねる。このような流れでお客様の要求にアジリティ高く応えていきました。
このプロジェクトには、入社2〜5年目の若手エンジニアが8名ほど参画していたのですが、彼らが大いに活躍してくれました。
私は日ごろから、個人の力だけでなく、「チームとしてプロジェクトにコミットし、お客様と向き合う姿勢」が何より重要だと思っています。 今回も、営業担当のすさまじい突破力や、技術組織の知見など、SHIFTとして総力をあげて臨みました。
そうした後押しがあったからこそ、若手メンバーもお客様の前で堂々と発言できたのだと思います。彼らの目覚ましい成長ぶりには、涙が出そうになるほど感動しましたね。
――今後はどのような展開を予定していますか?
幸加木:4月からはインフラとJinbaの運用に加え、AIワークフローを現場で活用していただくための支援がスタートします。
具体的には、このAIワークフローと ChatGPT Enterpriseをお客様社内の方々に活用いただくだけでなく、各部署が自ら開発し業務で活用する市民開発を推進・支援していきます。
ゴールドラッシュにおける「ツルハシの渡し方」と、求める人材像
――そうした高難度のプロジェクトを乗り越えるには、やはり高度なAI技術をもった人材が必要なのでしょうか?
幸加木:技術力は必要ですが、「AIをやってきました」「AIをやっています」というだけではなく、課題に対する理解力があり、お客様と適切にコミュニケーションをとりながら、現実解を導き出すタフネスがもった人材が望ましいですね。
私たちに求められているのは、技術そのものを開発することではなく、その技術を活用してお客様の課題を解決することです。
――なるほど。お客様はそうした新しい技術をどう使えばいいのだろう、という点で頭を悩ましているわけですからね。
幸加木:そうなんです。いまのAIブームは、ある種のゴールドラッシュを引き起こしています。
誰もが「金を掘りたい、利益を得たい」と考えていますが、その掘り方がわからない。そこに「最新のツルハシ(AI)」をただ渡すだけではダメなのです。
私たちの役割は、ツルハシの調達方法から、どこをどうもち、どう振ればうまく金が掘れるのかまでを示し、お客様が確実に利益を得られるように導くことです。
AIの真価やパワーをまだ十分に実感できていないお客様を、「ワンランク上の世界へ連れて行く」こと。
これは私自身がAIサービスグループに来て本当によかったと感じる最大のやりがいでもあります。そうした熱意をもち、最後までやりきるタフネスを備えた人材を求めています。
――具体的には、どのようなバックグラウンドやスキルをもつ方が活躍できるのでしょうか?
幸加木:コンサルタントとエンジニア、両方の視点を行き来できる人材ですね。
コンサル出身の方であれば、単にROIを示すだけでなく、お客様の業務を深く理解し、AIをどのように有効活用できるのかを納得感をもって説明できる、あるいは実際のデモや成果物を提示できる力が求められます。
エンジニアであれば、単にシステムを開発するだけでなく、結論からロジカルに伝え、お客様に納得していただく説明力が求められます。
ただし、最初からその両方を完璧に備えている必要はありません。私自身、「コンサルとエンジニアの間に垣根はない」と考えています。
まずはご自身の強みを活かして応募していただければ十分です。単なる身体的・精神的なタフさや個人主義ではなく、プロジェクトにコミットし、くじけずお客様と向き合いつづけられる方であれば、必ず活躍できると思います。
求めるのは能動的な姿勢。アジリティ高く変化しつづける「自律的な組織」の未来
――最後に、幸加木さんが描くAIサービスグループの未来の組織像を教えてください。
幸加木:世の中の動向に対して、アジリティ高く対応できる組織にしたいと考えています。AIの領域は流行り廃りが激しく、次々と新しい技術が登場します。
だからこそ、指示を待つのではなく、主体的に新しい技術情報をとりにいき、「これは使えそうです」と提案できること。そして、チーム内で「これをこう活用すればお客様に刺さるのではないか」とチーム内で議論をはじめられること。
そのような自律的な組織が理想です。
――先ほどの若手の大活躍も、そうした自律的な動きを支えるフラットな環境が社内にあるからこそなのですね。
幸加木:はい。SHIFTには好奇心旺盛なエンジニアの学びを支援する仕組みや、最新技術をとりに行くのが当たり前という文化的な土壌があり、最新の知見をもった優秀な仲間がすぐそばにいます。
困ったらいつでも誰かに頼れる、フラットな環境は整っていますよ。
――これから応募を考えている方へ、メッセージをお願いします。
幸加木:いま必要としているのは、自ら先陣を切って未開の道を拓いていく人です。
新しいことに挑戦するからには、お客様も不安ですし、私たちも苦労をすることもあります。一人ではなく、チームで戦っていきましょう。
自律的に動き、私たちといっしょにワンランク上の世界を目指してくれる仲間をお待ちしています。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)