日本中に強化魔法をかけたい。ふりかえりエバンジェリストがSHIFTに入社したわけ

2025/09/01

アジャイル開発のチームが今後の改善策を話し合う「ふりかえり」。この方法をガイドブックにまとめたり、イベントに登壇して広く啓蒙したりしている人物がいます。

ふりかえり&アジャイルエバンジェリストとして精力的に活動する森 一樹(以下、びば)です。2025年6月にSHIFTに入社し、アジャイル推進部のメンバーとしてさっそく縦横無尽に活動中の彼がSHIFTを選んだ理由とは?

かねてより交流があり、SHIFTへの入社を後押ししたDevRelグループ グループ長のチャンドラー 彩奈(以下、あやなる)が、インタビュアーを務めます。

  • ふりかえり&アジャイルエバンジェリスト 森 一樹(びば)

    黄色いふりかえりの人。みんなに強化魔法をかける人。野村総合研究所にてプロジェクトマネジメントや組織変革を推進し、プロダクトマネージャとしての経験を経て、2025年にSHIFTに入社。社内外へのアジャイル教育や、ふりかえりの啓蒙から、社内各部署や他社との連動など、支援の幅を広げ活動中。著書に「アジャイルなチームをつくるふりかえりガイドブック」など。

  • 人事本部 DevRelグループ グループ長 チャンドラー 彩奈(あやなる)

    学びの場コーディネーター。カンファレンスやコミュニティなど、エンジニアが技術を学び、交流する場を企画運営。楽天グループにてエンジニアの人材育成などに10年取り組んだ後、2024年にSHIFTに入社。SHIFTのDevRelグループ長として、エンジニアコミュニティ「SHIFT EVOLVE」の運営や技術カンファレンスの協賛を担当。

目次

組織改革の成功、チーム拡大──次の一歩はSHIFTで

あやなる:びばさんは、私がSHIFTに入社したことは、SNSなどでご存知でしたよね?

びば:DevRel(Developer Relations :自社の技術やエンジニアと、社外のエンジニアをつなぐことに特化した組織)をやっていることは知っていました。

知り合いにもDevRelは何名かいましたが、私にとって一番身近なDevRelがあやなるさんでした。

あやなる:がっつり久しぶりにお話ししたのは、2025年2月に開催されたDevelopers Summit 2025(以下、デブサミ)でしたね。SHIFTのブースにいた私に、びばさんが話しかけてくれて。

びば:実はちょうどそのころ転職活動をはじめていて、デブサミで会う知り合いたちに「転職先を探していて」って声をかけていたんです。

あやなる:私の方は「いっしょに働きたい」という気持ちはあったんです。「実はSHIFTにも興味がある」といわれたときは驚いて、すぐにカジュアル面談をセッティングしました。

正直、前職でとても楽しそうに活躍されているイメージだったので、転職を考えているのが意外でした。新卒から大手企業に勤めて、順風満帆に見えていたので。なぜ、あのタイミングで転職を決意されたんですか?

びば:ちょうどあやなるさんと出会ったころから前職の組織をアジャイルに変えていく活動に本気で取り組んで、よい組織になったという実感がありました。社内外で登壇する機会もつくれて、すごく楽しかった。

でも、その後に異動が決まって。異動先の部署で、またゼロからチームを立ちあげることになったんです。

「2年で成果を出すので私に権限をください」と宣言して、3人ではじめたチームでした。4年後には30人が関わるような規模に成長しました。

営業や企画、ゼロから育ててきたメンバーひとりひとりが、自律的に動けるようになったのを見て、「もう、私がいなくても大丈夫だな」と感じるようになっていたんです。

このまま会社に残る選択肢もありましたし、楽しい仕事だったのは間違いありません。でも、どうせならもっと日本や世界を変えるような、自分がもっとワクワクできる仕事がしたい。

そう思って、外の世界でチャレンジしようと決めたんです。

SHIFTの思想と重なった自分の原体験

あやなる:「日本を変えたい」という想いが、びばさんの原動力なんですね。

びば:ええ、日本のITをかっこよくしたい、と。それは私が社会人になったころからずっと変わりません。昔の日本のITって、ガラパゴスと揶揄されつつも、技術者が誇りをもって尖った製品をつくっていましたよね。

私はああいう世界が大好きだったんです。でも、少しずつ競争力が失われていくのを見て、日本のITをなんとかよくしたいと思っていました。

自分の力で、あるいは会社というプラットフォームをうまく活用して、日本を変えたいんです。

あやなる:最終的に、なぜSHIFTを選んでくれたのでしょうか?

びば:「大企業を変えなければ、日本は変わらない」と痛感したからです。

数百人規模の企業の組織改革を支援した経験があるのですが、私が抜けた後、親会社の人事異動でトップが代わった瞬間に、すべてが元に戻ってしまった経験が数回あります。

だからこそ、日本を変えるには、影響力の大きい大企業のなかから変えていくというアプローチも必要。

SHIFTは、これからさらに大きくなる。この規模の会社で文化を変えることができれば、ほかの企業も危機感を覚えて火がつくはずだ、と大きな可能性を感じました。

もう1つの理由は、SHIFTが掲げる「人的資本経営」が、私自身の経験と完全に一致したことです。

前職でチームを率いていた当時、意識はしていませんでしたが、私がやっていたことはまさに人的資本経営の思想に沿っていたんです。

あやなる:というと?

びば:私はどんな立場の人とも、例えば派遣社員やパートナーの方とも1on1をしていました。1人ひとりの特性を理解し寄り添い、やりたいことや成長したいという想いと、事業の方向性をすり合わせていました。

みんなが各自やりたい事業を見つけてつくり、組織全体の方向を構築していくということをしていたんですね。

SHIFTという大きな会社が、私とまったく同じような考え方で動いている。それなら、ここで私が日本のために好きなように動けば、結果的に会社への貢献にもつながるだろうと確信しました。

あやなる:エンジニアが輝ける社会にしようという想いがSHIFTにはありますからね。

「日本のITをよくしたい」──変わらぬ原動力で“喜びあふれる現場”を全国に

あやなる:びばさんが「人」にこだわるのには、何か理由があるんですか?

びば:私が「日本のITをよくしたい」というときの「よい」は、ただよいプロダクトをつくることだけじゃないんです。過去問題が発生しているプロジェクトに参画していたとき、すごくつらい思いをしました。

「また明日ね」と挨拶した仲間が、心や体に限界がきて翌日来られなくなる。そんな光景を何人も見てきました。

あんな現場を、もう二度と残したくない。働いている人たちがいきいき・ワクワクできる世界、私が「喜びあふれる現場」と呼んでいる場所を、日本中に増やしたいんです。

あやなる:いいものをつくるだけではなく、その過程や人間らしさといった点がびばさんにとって重要になってきたんですね。

びば:前職に入社して早々、同期に技術力のあるとんでもない人たちと出会って、彼らと同じステージで戦おうとしても勝てないなと思ったんです。

そこで私は、技術がわかる立場として、ビジネス側とエンジニア側をうまくつなぐ役割をずっと意識してやってきました。

コミュニケーションでつなぐということを自身の強みとして伸ばしてきましたし、境界線を越え、対立構造と思われがちな関係を解消することで、日本の多くの人たちがハッピーになるのではないかと、実体験から確信しています。

だからこそ、SHIFTが掲げる「多重下請け構造の打破」というビジョンにも、強く共感しました。

あやなる:いろいろな理由が重なってSHIFTを選んでくれたんですね。それから「選考スピードがはやかったのもよかった」って前に教えてくれましたよね。

びば:そうそう、なかの人を何人か知っていたので生の声を聞いていたのと、最後の決め手は、圧倒的な選考スピード。そこから感じた、人を大事にする姿勢ですね。

カジュアル面談から内定まで、体感では2週間もかからなかったと思います。人と向き合う熱量が伝わってきました。

あやなる:私のときも、役職者がすぐに時間を調整してくれて、採用担当者含めて熱意をかんじましたね。

びば:採用にこれだけの力をいれていることから、会社の伸びる理由と明確なビジョンが見えて、成長性を節々から感じました。

SHIFT全体に“強化魔法”を。発信×変革でSHIFTを進化させたい

あやなる:実際に入社してみて、外から見ていたイメージとのギャップはありましたか?

びば:勢いがあって、裁量をもって動けるという期待通りの環境でした。ただ、「もっと外の世界との接点をつくらなければ」と は思いました。

もっと外の世界を知り、得た知識を社内外に発信していく循環をつくらないと、ブレイクスルーは起きにくいのではないかと感じていますので、今後そのようなよい循環をつくっていきたいですね。

あやなる:そういう課題があるからこそ、変えていく面白さがありますよね。

私も最初、事業会社とSIerの違いに苦労していました。

私はもともと事業会社にいたので、自分たちのサービスやプロダクトをつくっていく考え方と、SIerとしてクライアントのためにつくっていく働き方では、さまざまな制約などがあり、大きな違いでした。

いろいろな事業やお客様に関われる面白さもある反面、つねにクライアントに合わせなければならない部分もあります。自分のミッションであるSHIFTの技術をどうやって外に発信していくか、最初はかなり悩みました。

でも、さまざまなエンジニアの方々とブランディング活動を共創できたことで、SIerならではの表現の仕方を見つけられた実感があります。

最後に、これからSHIFTで成し遂げたいことを教えてください。

びば:私は、会社全体、そして日本全体に「強化魔法」をかけたいですね。全体のパフォーマンスを何倍にも引き上げるような働き方をしたい。

すでに入社1ヶ月で、社内外への「ふりかえり」の普及活動や、事業計画の策定など、全方位で動きはじめています。

まずは自ら情報発信をする背中を見せることで、SHIFTのメンバーをどんどん外の世界に連れ出したい。私の挑戦はまだはじまったばかりです。

――本日はありがとうございました!

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)