
「AIを活用することで、モダナイゼーションは大きく前進します。AIにはない‟責任”と“愛”をもつ人に仲間になってもらって、多くの困っているお客様を助けていきたいんです」
こんな熱のこもった発言が、繰り返し飛び出した今回のインタビュー。
SHIFTが新設したAIモダナイゼーション統括部は、AIという強力な武器を手にレガシーシステムの扱いに苦慮するお客様を救おうとしています。
部を牽引する細田 俊明と佐藤 章太朗が語る事業の狙い、そして彼らが求めるAI時代に真価を発揮するPM像とは。
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AIモダナイゼーション統括部 統括部長 兼 上席執行役員 細田 俊明
2017年1月にSHIFTへ入社し、同年10月に執行役員就任。品質技術部門やコンサルティング部門の新設を主導し、組織基盤の拡充に貢献。2021年9月からはアカウントビジネス推進本部長(当初はデジタルビジネス事業本部長、2023年2月に改称)として、金融からゲームまで幅広い業界の事業を統括。現在は上席執行役員として全社を見渡す立場に加え、新設されたAIモダナイゼーション統括部 統括部長として、AI活用による事業変革と新たな価値創出を牽引している。
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AIモダナイゼーション統括部 副統括部長 兼 戦略営業統括部 統括部長 佐藤 章太朗
2015年5月にSHIFTへ入社。エンタープライズ分野での新規営業を経験をしたのち、金融・流通業界の営業責任者、新規営業組織の立ちあげ、グループ営業推進や、複数グループの会社の社外取締役などに従事。
その後営業戦略推進部 部長として、複数の新規ビジネスの立ちあげに取り組み、そのなかで、SaaSアカウントIT資産の一元管理ツール「ワスレナイ」では、ソリューション営業の責任者として、サービスリリース1.5年でマーケットシェアトップを獲得。
現在は戦略営業統括部を統括するとともに、AIモダナイゼーション統括部 副統括部長として、AI技術を活用した事業拡大と組織変革を牽引し、SHIFTの新たな成長領域を切り拓いている。
目次
DX停滞の打開策、AIを活用したモダナイゼーション
――早速ですが、今回「AIモダナイゼーション統括部」を立ちあげた経緯を教えてください。
細田:みなさんご存じのとおり、経済産業省が2018年に、いわゆる「2025年の崖」を公表しました。
しかし2025年となったいまも、多くの企業がレガシーシステムを刷新できない、投資に踏み出せない状況が続いています。

――その課題を、AIが解決しうる?
細田:生成AIが登場してから、「AIを活用すれば生産性高くモダナイゼーションできるのではないか?」という機運が高まってきたんです。
そこでSHIFTとしても、この分野に本格的に乗り出すことにしました。
社内には「AIサービス部」もあります。AIサービス部は、お客様の「AIを活用したい」というニーズに対して、バックオフィス生産性向上、品質向上など技術的に支援する部署です。
一方、私たちは、「システムの可視化、モダナイゼーションにAIを活用」して、生産性向上を目指しています。
私たちにとってAIは、お客様のこうした課題を解決するための、1つの強力なツールなんです。
――AIモダナイゼーション統括部は、SHIFT全体のなかでどのような位置づけになるのでしょうか。
佐藤:当部の立ちあげはSHIFTとしての強い「意思表示」です。
これまでテスト事業を軸に成長してきましたが、1兆円企業を目指すうえで、開発の基幹領域に改めて私たちが乗り込んでいく。そのための部署だと捉えています。

細田:代表をはじめ経営層も、AIモダナイゼーション統括部がSHIFTの次の成長の一つの軸であると捉えています。
案件ごとの規模もマーケットも大きい、ビジネスを大きくするための、重要な一手ですね。
「誰がやるのか」に応える覚悟で、お客様にとっての救世主に
――SHIFTが提供するモダナイゼーションサービスでは、どんなふうにAIを活用されているのか教えてください。
細田:特に上流工程においてレガシーシステムの構造を可視化するツールを内製開発したのが特徴です。
AI登場以前からはどの企業も人力で可視化を支援していたわけですが、AIにより圧倒的なスピードで可視化ができます。
要件定義や設計・開発においてもDevinやDQS(SHIFT独自の開発標準)を用い、ソフトウェアテストでは弊社が開発するテスト設計・テスト管理ツールにAI機能を搭載しています。

――新たなレガシーシステムを生まないよう、部分的に改修のしやすい「マイクロサービス化」も重要ですよね。
細田:まさしく。ビジネス環境の変化に合わせて、システムも柔軟に変えられるようにつくり替える。
我々のいう「モダナイゼーション」は、「マイクロサービス化を実現する」というメッセージも込めたものです。
30~40年前のシステムは、巨大な一枚岩(モノリシック)のまま放置されてきました。つくり変えるなら、ビジネス変化にも対応できる柔軟な構造にするのがよいと考えております。
その点、先ほど紹介したAI可視化ツールによってマイクロサービスの設計も可能です 。適切なマイクロサービス粒度の検討と、各サービス間の依存関係の切り離し検討が行えます。
これはつまりモダナイゼーションの戦略やプランニングがよりしやすくなったことを意味しています。
またマイクロサービス後、将来構想としてはAIエージェントの活用も視野に入れています。

―――SHIFTが提供するAIモダナイゼーションサービスの一番の強みは?
佐藤:可視化から開発、そしてテストまで、全工程を網羅的に支援する点です。
システムの構造を可視化できる企業、モダナイゼーションの理想形を提案できる企業はほかにあるとしても、お客様からすれば「じゃあ誰がつくってくれるんだ?」と不安になりその先に進めない。
それに対してSHIFTは最後までやるという一気通貫のビジネスモデルです。
――実際に営業をされているなかで、お客様の反応はいかがですか?
佐藤:いま、多くのお客様が最後まで責任をもってくれるパートナーを求めています。
それまで関係のあった大手SIerも人手不足から支援ができないという状況で、お客様は本当に困っているからです。
そんななか、SHIFTが「モダナイゼーションをやりきります」と提案すると、すごく感謝される。必ず聞かれるのは、「このプロジェクトは具体的に誰が見てくれるんですか?」というもの。
そこで「まだPMは決まっていません」と回答すると、絶対に受注できません。
PM自身が「私が最後まで責任をもちます」といって、はじめてお客様は安心してくれる。お客様が本当に信頼しているのは、現場で泥臭くプロジェクトを完遂させるPMなんです。
「AIは責任を負えない」、だからPMが輝く
――その重要な役割を担う人材を、いままさに求めているわけですね。具体的にはどのような職種でしょうか。
細田:プロジェクト全体を率いる「PM」以外にも、システムの構造を設計する「アーキテクト」、そしてAIを活用しながら設計・開発を行う「AI駆動開発エンジニア」といった職種があります。
もちろん、これらの領域をまたいで活躍したいという方も大歓迎です。
――どんな方を、SHIFTは特に必要としていますか?
佐藤:私がいま一番会いたいのは、SIerで働きながらも「このままでいいのか」とキャリアに悩み、外資系コンサルティングファームへの転職を考えているような、優秀な若手・中堅のPMやSEです。
客観的にみれば世界トップクラスの仕事をしているにも関わらず、誇りをもてず、「他社のほうが給料もいいし、 キャリアチェンジしようかな」と思っている人も多いのではないでしょうか。
PMとして正当に評価されていると感じられない。でもPMって本当はめちゃくちゃかっこいい仕事なんですよ。
――AIによって、仕事のありかたも変わりつつありますよね。
佐藤:提案だけであればAIができますよ。お客様の悩みを生成AIに入力すれば、一瞬で問題を構造化して的確な提案が返ってきますから。
細田:コーディングもAIがやってくれる。
そのとき、必要とされる職種は、AIがつくったものを確認する品質保証エンジニア、AIを使いこなすシステムエンジニア、プロジェクトの「責任」を負うPMです。

――AIには「責任」はとれない、と。
佐藤:その通りです。どんなにAIが優秀になっても、プロジェクトを最後までやり遂げるという「責任感」は、人間にしかもてません。
そして、その責任感の源泉は、技術やお客様に対する「愛」だと思うんです。
自分の給料や評価のことばかり考えている人間に、お客様はついてきません。
ベクトルが、お客様や業界に向いている人を私たちは求めています。
――しかし、PMの仕事は激務で、なかなか報われないというイメージもあります。
佐藤:だからこそ、私たちはビジネスモデルを変えなければいけません。無駄な作業はAIにやらせて生産性を上げる。
そうして提供できる価値で、PMがもっと輝き、結果的に稼げる世界をつくるんです。プロジェクトをやり切れるPMが増えることで、日本のシステム開発の成功率はもっと上がるはずです。
細田:AIという武器があるからこそ、PMは本来の価値を発揮し、プロジェクトの舵取りに集中できる。そういう世界が、もう目の前にきています。
――お二人の熱い思いが伝わってきました。最後に、この記事を読んでいるみなさんへメッセージをお願いします。
佐藤:もしあなたがいまのキャリアに悩んでいるなら、「本当にキャリアチェンジするのがいいのか」「キャリアチェンジ後の仕事はAIに代替されないか」と自問してほしいです。
お客様のビジネスに最後まで寄り添い、責任をもってシステムを完成させる。命を懸けてプロジェクトをやり遂げることができるのは人です。
PMとして誇りをもてる、そんな仕事を我々は準備して待っています。
細田:AIの登場で、モダナイゼーションはもはやベテランにしかできないというものではなくなりました。
若手でもAIを使いこなすことで、巨大なプロジェクトを動かせます。大切なのは、お客様と向き合い、的確にプランニングし、やり抜く力。
佐藤:AIに代替されない「責任」と「愛」をもったかた、私たちといっしょに、モダナイゼーションという巨大なポテンシャルを秘めた領域にチャレンジしませんか。ご応募おまちしています!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)