売上高1,000億円を目指す「SHIFT1000」を達成し、「SHIFT2000」「SHIFT3000」へ──。2024年9月、SHIFTはマトリクス組織から事業部制組織へと変革。新たなスタートを切りました。
「私たちは、ただ単に規模拡大を追求しているわけではありません。企業として成長すればするほど、社会への影響力は増し、社会課題を解決する力がついてくる。今回の組織再編もその布石なんです」
こう語るのは、取締役を務める小林元也。傍らでうなずくのは、人事本部本部長を務める菅原要介。ふたりとも、創業期から事業を率いてきたボードメンバーです。
なぜ、いま新体制移行に踏み切ったのか。狙いと描く未来像について、これまでの振り返りも交えながら語ってもらいました。
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取締役 第一事業本部 本部長 小林 元也
2003年 東京工業大学大学院 理工学研究科修了。株式会社インクス(現:SOLIZE株式会社)に新卒入社し設計の標準化システム開発、超精密電子・精密自動車部品・精密光学機器の設計工程改善に携わりSHIFT参画。品質保証部で業務工程改善に従事したのち、ソフトウェアテスト事業を立ち上げ、事業部長としてさまざまな管理案件に携わる。2014年以降、取締役として事業管理全般を管掌。
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上席執行役員 第一事業本部 副本部長 兼 人事本部 本部長 菅原 要介
慶応義塾大学大学院 理工学研究科修了。株式会社インクス(現:SOLIZE株式会社)に新卒入社し製造業コンサルティングを経験後、2008年SHIFTに参画。品質保証事業を本格化する折に、大手Web制作会社QA部隊の組織化コンサルを手がける。その後、事業部門全体の統轄を経て、採用・人事施策・人材マネジメントなど、SHIFTグループ全体の人事領域を管掌している。
目次
マトリクス組織から事業部制組織へ。自社がもつ“武器”をより尖らせる体制に
──はじめに、今期からスタートした新体制について、おもな変更点を教えてください。
菅原:平たくいうと、マトリクス組織から事業部制の組織に変えました。
FY2023までは営業部門・サービス部門がそれぞれに縦軸・横軸として交わるマトリクス型で、機能ごとにタッグを組みながら業務を推進していました。
今期からはインダストリーごとに事業部をわけ、同部内に営業、デリバリーが在籍。役割の違うメンバー同士が距離を近くしながら連携し、“自ら”のインダストリーにおいて事業を伸ばしていく体制にしたんです。
小林:それぞれのいち事業部が売上から採用までトータルバランスよく、まるで”企業経営”する形にしたのは、今回の大きな変更点ですね。
2024年8月現在のSHIFTの累計顧客数は3,200社以上。当然ながらインダストリーによって市況は違います。お客様と向き合い、よりよいサービスづくりにまい進するには事業部制にすることが重要だと考えました。
菅原:各事業の売上高目標は50億円~150億円。実際、事業をひとつの会社ととらえても遜色ない規模になってきているんですよね。
──今期からはソリューション本部や営業推進本部も新設されました。それぞれどんな役割を担っているのでしょうか?
小林:どちらも、各事業部に技術や知見を提供する部署になります。
ソリューション本部は、アジャイル、AIなど最先端技術を、事業部とは別軸で磨いていく部隊です。今期の注力ポイントである「武器を尖らせる」を踏まえ、SHIFTが強みとする技術を向上させる組織構造にしました。
菅原:主力事業であるソフトウェアテストはインダストリー内でグレードアップを目指します。
営業推進本部は全社の営業力向上を目的に設置されました。教育や効率化のスキームを確立させるなど、全社に知見を浸透させる役割を担います。
営業関連のトピックスとしてもうひとつあげられるのが「キャプテン制度」。
1,000人をこえる“キャプテン”に任命された現場メンバーが、営業やアカウントマネージャー※が拾いきれないお客様の現場の課題を丁寧にヒアリングしていきます。
※アカウントマネージャー
お客様単位での案件管理や、すでにお取引のあるお客様の課題に対する提案活動・折衝を行うポジション
FY2024の第2四半期から試験的にスタートし、短期間のうちに成果が出はじめ、売上向上に貢献してくれました。
小林:お客様側からすると、依頼した作業だけじゃなく“話も聞いてくれるエンジニア/PM”として印象に残るため、継続率は高くなります。
一方で、SHIFTメンバーは、お客様の困りごとをより意識して業務を推進したり、幅広い仕事にリーチできるため、アップセルやクロスセルも進み、キャリアアップにもつながるようになる……継続していくことで、さまざまな効果が生まれることを想定しています。
幹部候補の育成を視野に。各事業部がひとつの会社のごとく“経営”
──いま、この時期に大幅な組織改革に踏み切った理由を教えてください。
菅原:ここ数年敷いてきたマトリクス組織によって、営業サイド、サービスサイドがそれぞれに専門性を高め、レベルアップできたことが発端としてあります。
いまこそインダストリー別のチームに組み直し、役割をそぎ落としてシンプルにすれば、メンバーは事業にコミットしやすくなり、最大限力を発揮できると考えたんです。
小林:各事業部に一定の責任を移譲することで、経営者目線をもつ人材を増やす意図もあります。組織を厚くしていくためには、経営目線をもつ幹部が多ければ多いほどいいですから。
菅原:SHIFTは「組織が変わって当たり前」の文化。
これまでの変遷をたどってみても、品質テスト事業を確立したころはビジネスユニット制、サービス拡大期にはマトリクス組織、各分野のプロフェッショナルが入社したことで実現した専門性強化のためのマトリクス組織……と事業内容や規模にあわせて、柔軟に体制を変えてきました。
売上高3,000億円を目指すにあたっては、おそらく4、5回ほど組織を組み直すことになると思います。
──組織を変えることでこれまで生み出された副産物はありますか?
菅原:特にマネジメント層は、事業サイドからソリューション部門など、別の領域に異動してもらうことも多々あります。
そうすると、本人の経験値が高まるだけでなく、その下につく部下たちも上司から幅広い知見やスキルを得られ、従業員の能力が全体的に底あげされていくんです。
また、別々のチームを同一の部署にすることで、“隣”の領域に対する知識が深まり、互いの業務効率があがる。こうしたケースも数多く見られますね。
「SHIFTが成長すれば、社会もよくなる」という未来をつくるために
──今期より小林さんは第一事業本部の本部長に、菅原さんは同事業部の副部長を兼務しています。創業期から事業を牽引する立場として、普段からどんなことを意識されていますか。
菅原:それこそ、創業期につくったクレド(行動指針)の体現はつねに意識していますが…‥‥。
小林:もしかしたら、私たちが会社を引っ張っているというよりは、「法人格としてのSHIFTに引っ張ってもらっている」という表現が正しいかもしれません。
例えば、売上高。3,000億円、5,000億円、1兆円と目指す目標値は毎年高くなっています。まだ見ぬ景色にどうすればたどり着くのか、ずっと考えながら走りつづけているような。
菅原:代表である丹下の視座が高いからめまぐるしいスピードで会社の器が大きくなっていて、その勢いに私たち自身が引っ張られているんでしょうね。
丹下は「上場したら、あとは安定志向で」などと立ち止まらず、つねに成長を見据えています。
いまあらためて振り返ってみると、彼は創業当時からずっと、社会のひずみをヒントに事業化のアイデアを練っていました。目標とする売上規模と、企業として解決できる社会課題をリンクさせながら。
──SHIFTとして企業規模と社会への影響度の関連性をどのように捉えているのでしょうか。
小林:あくまでもこれはイメージですが。ニッチな産業でナンバー1になれば、売上高100億円を達成できる。業界のトップラインに並べば、1,000億円。一流のプライムベンダーになると5,000億円。
1兆円規模になると、従業員だけでなく取り巻く広範囲の人々、つまり社会になくてはならない存在になります。
私たちは1兆円企業になりたいのではなくて、社会のインフラになりたいんです。そうなりたかったら、結果として1兆円の価値を生み出していかないと意味がない。
菅原:どちらが先か、という話ですよね。
小林:そうですね。1兆円企業になる過程でも、エンジニアが働く環境をもっとよくしようとか、少子高齢化で減りつづける労働人口問題に着手するとか、日本の国力をどう上げていくかなど、取り組むべき課題はいまより断然大きくなるはずです。
菅原:この壮大な目標に立ち向かうSHIFTの“本気度”を示すことと、従業員1万人から3万人、5万人に増やすことはリンクしています。
私たちの想いに共感してくれたいい人材が集まり、お客様によりよい価値提供ができるようになり、結果的に売上が3,000億円、5,000億円、そして1兆円へと伸びる。
SHIFTが成長すれば、社会がよくなる。こんなイメージを抱いてもらえるような会社になりたいですね。
求めるのは、あらゆる変化のなか自分なりの楽しさを見出せるひと
──これからどんなひとに仲間になってもらいたいですか?
菅原:“どんなときも自分なりの楽しさを見つけて、テンションをあげられるひと”ですね。レイヤー問わず。
2,000億円、3,000億円の売上をつくるまでの道のりをどれだけ楽しめるか。こんなエキサイティングな環境はほかにはないと自負しています。
理想をいえばキリがないですが、結局は一人ひとりの熱量の高さがお客様によいサービスをもたらし、組織の活性化にもつながるんじゃないかと。
小林:大きな目標に向かって、個人でも、チームでも変化を起こしチャレンジをする。それを楽しみたい方にはうってつけの場所だと思います。
菅原:会社が掲げる目標が変わるごとに、自分自身が脱皮している実感はあります。そうしないと会社の成長スピードに遅れをとってしまうから。
小林:ここまで読んで「我こそは!」と思った方は、ぜひご応募ください。ともに挑戦していきましょう。
※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです