あえて情シスと名乗らない。壊すことを恐れない。急成長企業を「攻守一体」で支えた変革スピリット

2024/07/22

コーポレートプラットフォーム部、通称コポプラ部。もともと情報システム部だったとは想像しにくい斬新なこの名称には「情シスを概念から変える」という米沢 毅の強い思いが込められています。 

「実は部長となった2018年から名前を変えたかったのですが、SHIFTらしい情シスになってきたという実感を得てから変えようと思いとどまり、2年前の2022年に部署名を変えました」 

いまでは、“守りと攻めを両立する情シス”として社内外から評価される同部。つねに背水の陣を敷きながら変革をリードする米沢の原動力に迫ります。 

  • コーポレートプラットフォーム部 部長 米沢 毅

    1976年生まれ。新卒でシステム計画研究所に入社、プログラマー・SEとして6年勤務。その後、フューチャーシステムコンサルティング(現 フューチャーアーキテクト)に転職し、社内BIツール開発、大手ダウンサイジング案件でアーキテクトとして従事。20149月SHIFTに入社統合型ソフトウェアテスト管理ツールCATの開発マネージャを務める。20189より情シス(現 コーポレートプラットフォーム部)を担当。基幹システム、インフラ・ITサポート、セキュリティの3領域を管掌。2児の父 

目次

‟変える”ことが大前提。急成長企業ならではの戦法で「守り」と「攻め」を両立

──はじめに、コーポレートプラットフォーム部の組織構成について教えてください。 

米沢:基幹業務のDXを推進する「基幹システム推進・統合グループ」、時代に応じた業務環境を提供する「インフラ運用グループ」、保有するセキュリティリスクをコントールする「セキュリティ統制グループ」にわかれ、それぞれ役割をまっとうしています。 

部員は約20人。SHIFT単体で7,000人以上(2024年5月末時点)の従業員を抱え、いまも急成長しつづける会社をこの人数で支えるのは至難の業なので、社内のエンジニアにも一部協力してもらっています。 

──一般的な情シスとの大きな違いはどこにありますか? 

米沢:「守り」を徹底するために、「攻め」の姿勢で業務に取り組んでいることですね。 

SHIFTではここ数年、毎月約200人の従業員が入社し、事業領域も拡大しています。

入社して10年になりますが、まさかこんなに長く伸びつづけるとは当時は想定していませんでした。 

私は前職でSIを生業としていました。システムを導入する場合、非機能な部分を含み要件定義を行ない、最善と思われるものを耐用年数を考慮して導入することが多いと思いますが、我々の環境ではそれが通用しません。 

未来が予測できない、予測してもそれが外れる可能性があることを踏まえて、情シスを運営しなくてはいけないということが部の発足当時からいまも直面している命題です。

もちろん最終的にはこうしたいというゴールはもっています。ただ、そこに繋がる道を一意に決められない。 

そのため、成長の“スピードと変化”に対応するべく、6割ぐらいの完成度でリリースし、状況にあわせて“質”を高めていく運用が求められます。

「変わる」ことを前提にした柔軟な対応がすべてにおいて求められるということ。コポプラ部ではこれを基本の行動方針としました。

その結果、会社の成長に追従でき、「攻めの情シス」につながっていると考えています。 

「SHIFTを支えてやる」という思いで部長に。予算獲得のため、トップに直談判

──米沢さんは2018年9月、当時の情報システム部 部長に就任されました。もともとCAT開発部に在籍されていましたが、どのような流れで引き受けることになったんですか? 

米沢:実は、自分から手をあげてリーダーになりました。 

部として立ち上がる前は、私が当時いたCAT開発を行う部署のなかに情シス機能が内包されていたので、実情は知り尽くしていたんです。 

その当時「このままじゃ、SHIFTの成長にあった情シスにならない」という意見が上層部であり、情報システム‟部”を任せられる人材を探す過程で声がかかり、リーダーとして立候補しました。 

「SHIFTを私が支える、それぐらいの責任感をもってやらないとSHIFTにいる意味はない」という気概で部をスタートさせましたね。 

──部長に就任して、まず着手したことは何でしたか? 

米沢:兎にも角にも予算の確保です。責任もって施策を進めるためには、予算が必要だから。しかし想像以上の労力を要しました。

最終的には代表 丹下への直談判を断行して何とかなった感じです。 

CAT開発時代も予算の立案取得はしていましたが、そもそもニーズがあってそれへの提案なのでわかりやすかったのですが、ニーズ・シーズがないところの予算獲得なので、0ベースで必要性を論じる必要があります。 

数回にわたって提案し、予算が下りました。最初に予算をとったのはネットワーク更改だったのですが、コロナ禍を乗り越えられたのはここでやりきったことが要因ですし、いまの予算取りにおける礎になっていますね。 

「情シスを支援すれば、国内企業はもっと発展する」トップが着想し、生まれた新サービスたち

──丹下へ直接予算交渉をし「情シスの実情」を知ってもらったことで、何か変化はありましたか? 

米沢:社内で仕事がしやすくなったことがまずあげられますが……想定外だったのはDX推進や各社の情シスに向けた新サービスが社内でぞくぞくと生まれたことですね。 

丹下からの、「各社の情シスは、日々の業務に忙殺され本来やるべき作業にしっかり手をつけられていない。

その点、SHIFTはこの成長スピードのなかでやれているので、なにか答えをもっているはず」という号令のもと情シスを支援するサービスが立ち上がりました。 

──具体的には、どのようなサービスが誕生したのですか? 

米沢:SaaSのアカウントの利用状況をリアルタイムで把握できる「ワスレナイ」や、企業の情シス担当者の相談やBPOを実施する「情シス特化型運用支援サービス」があります。

ワスレナイの構築には私も意見出しさせていただきましたし、運用支援サービスにおいては、ともにセミナーを開いたり、該当部署の若手を私の部署でOJTして、その後、お客様先の作業にあたったり、連携をとりながら我々も支援しています。 

私たちのこれまでの取り組みをきっかけにサービスが生まれたことは率直にうれしいですね。 

壊すことを恐れない。既成概念にとらわれない。“高い意識”が充実感を生み出す

──どんなスキルや経験をもった人がコポプラ部で活躍できると思いますか? 

米沢:現場の作業を担うメンバーは、やはり真面目でコツコツ作業できる人がベストです。一方、リーダー層は、私に似た経歴の人がイメージに近いかもしれませんね。 

前職ではITコンサルとしてお客様の困りごとを聞くだけでなく、ベストなソリューションの提供から運用まですべて自社でやり切っていました。私も多くのフェーズに絡みました。 

SIerの共通チームのリードや、もしくはITベンチャーでCTOやCIOを務めてきた人も同様かもしれませんが、自ら手を動かしリスクコントロールしてきた経験は必ず活きると思います。 

──仕事に取り組むにあたって心構え的なものはありますか? 

米沢:自分がつくったものに対してもちゃんと評価できること、そして壊すことを恐れない。そんなマインドをもつ方が理想的ですね。 

繰り返しになりますが、私たちはあらかじめ変化を想定して、60%の完成度でシステムをリリースします。

でも社内にいるユーザーは、100%を求めますよね。私たちがつくったものに対してはさまざまな意見がくるわけです。 

私たちが実践するものづくりとは何かをちゃんと理解して、既成概念を壊し、従来型のシステムづくりとは“あえて”違うことをやっているという理解をしないと、「ずっと中途半端なものをつくっている」という思いにさいなまれてしまうかもしれません。

大義名分をしっかりもつことと、できていないところを客観的に区別することが大事です。 

──達観しながら、業務を進めていくことが大切なんですね。 

米沢:「会社全体の構造や目的・コストを把握したうえで、リスクをコントールしている」という大義名分と、それを実現するためのエンジニアリング力が重要でもあります。 

我々は小さな失敗には寛容です。小さい失敗をしながら大きな目標を達成する。

最初は歯がゆさを感じるところはあるとおもいますが、目標が達成したときの達成感は、やみにつきになるとおもいます。

机の下でガッツポーズした経験ありますか。あの体験が何度もできます。そういう職場であると考えています。 

外部からの称賛を励みに、“頂上”目指して一歩一歩前進していく

──これまでの6年間を振り返って、どんな所感をもっていますか? 

米沢:「会社と共に成長できてよかった」、この一言に尽きますね。 

ここ数年はセミナーやブログ、動画など積極的に情報を外部に発信しています。セミナーとかで実際他社様のお困り事を聞く機会が多くなってきましたが、私たちの取り組みを説明すると、みなさん、一様に称賛してくださります。

その都度「我々のやり方は間違っていなかった」と感じる瞬間でもあり、わたしたちの考え方が世の中で通じる瞬間でもあります。 

私はよく、コポプラ部の仕事を「山登り」にたとえて話をしています。 

濃い霧に覆われているけれど、頂上だけはよく見えている、目の前のこの山をどう登っていくか。

結局のところ、足元を見ながら前に進むしかないんですよね。

ときに危険を察知して後ずさりしたり、ひと休みすることもあるかもしれないけれど、一歩一歩前進していけば、いつかはてっぺんにたどり着く。私たちの仕事はそんなイメージですね。 

──最後に、採用候補者に向けてメッセージをお願いします。 

米沢:SHIFTはこれまで常識を疑うことで、多くの着想を得て、事業をつくり、成長を遂げてきました。

私たちも同様に「情シスの概念を壊し、新しい情シスの概念を構築する」という難題に取り組んでいます。SHIFTという環境はそれを支援してくれるはず。 

具体的な取り組みや業務内容については、各グループ長が語る記事の内容をぜひ読んでもらえたらと思います。 

そして急成長しつづけるSHIFTを支えるコポプラへ、「我こそは!」と思った方、ぜひご応募ください。 

──米沢さん、本日はありがとうございました!  

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)