有名国立大学を卒業後、大手SIerに入社。システムエンジニアとして社内、お客様に向けた幅広い業務を経験しながら、育児も両立するワーキングマザー──まさに、“女性活躍”を体現した経歴のもち主。コンサルティング部 田辺(仮名)が、SHIFTに入社したのは2022年3月のことでした。
「長い間、転職なんて考えたこともありませんでした。きっと居心地がよかったのでしょうね。部署の数だけ、幅広い経験やスキルを得ることができた。
しかし時代とともに会社の形が変わり、徐々にこれからのキャリアの可能性が狭まってきたように感じて。そろそろ外に出るタイミングが来たのかな、と」
転職にいたった背景と、これまでの“キャリアのつむぎ方”について本人に詳しく聞きました。
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コンサルティング1グループ 田辺(仮名)
1994年4月、新卒で外資系SIerに入社し製品サポート部門に配属。その後、主に金融のお客様のシステム更改案件でPL/PMO/PMに携わる。また、社内の品質管理部門に約8年在籍し、提案/デリバリーのレビューアーや研修講師を務める。2022年3月にSHIFT入社後は、流通小売業のお客様の横断統制グループの中の環境統制業務に関わった。趣味はドラマ鑑賞、そして舞台やライブにも多く足を運んでいる。
目次
技術サポートを経て、デリバリーへ。システムエンジニアとして順調なキャリアを歩む
──まず、これまでのプロフィールについてお聞かせください。
田辺:大学では生物学を専攻して、同級生の大半は大学院に進みましたが、私は企業への就職を選びました。研究者は自分の性にあわないと考えたからです。
数ある職業のなかから、興味をもったのがシステムエンジニアでした。前職の大手SIerを選んだ理由は、福利厚生が充実し、女性が働きやすい職場だと聞いていたから。
私自身、子育てしながら長く働けたところを見ると、その評判は本当だったと思います。
入社して最初に担当したのは、自社製品の社員向け技術サポートでした。未経験からの出発でしたが、この4年間でエンジニアリングの基礎をびっちり叩きこまれました。
そのあと、金融機関のお客様をメインとしたデリバリー部門へ。自ら「現場を知りたい」と希望を出し受け入れられました。
在籍中は、2~3年かけて行う長期の基盤構築プロジェクトを複数担当。チームリーダーやPMOなどマネジメントも経験しました。
──順風満帆なキャリアを歩まれてきたんですね。
田辺:実はこのあとにターニングポイントが訪れまして(笑)。デリバリーから品質管理部門への異動を告げられたんです。
当時は開発の最前線でバリバリやりたかったので、はじめはお断りしてしまったぐらい、ショックでしたね。
でも、異動してから私の人生が大きく変わりはじめたんです。
「急がず、着実なステップを」──想定外の異動、出産が、人生を見つめ直すターニングポイントに
──具体的には、どのような変化があったのですか?
田辺:まず、子どもに恵まれたことがライフワークバランスを見直すきっかけとなりました。
家事は得意なほうではないし、親は近くに住んでいないから頼れない。かといって関連のサービスを活用するのも苦手で。ひとりで育児をこなすのになかなか慣れず、はじめは本当に苦労しましたね。
仕事中心から子育て中心の生活になったことで、時間の使い方やキャリアに対する考えが少しずつ変わっていきました。
若いころは「何が何でもプロジェクトを完遂させる」と力ずくで仕事をするきらいがありました。
しかし、出産を経て「暮らしのうえに仕事がある」と思うようになってからは、急がず、着実なステップを踏もう、と。
地固め、足固めをしながら、できることを増やし、可能性を広げていければいいとゆったり構えるようになったんです。
──品質管理の仕事を経験して、変わったことは?
田辺:これは、デリバリーに戻って気づいたのですが、プロジェクトを俯瞰する力が自然と身についていました。
品質管理部門の主な業務は、プロジェクトをレビューすること。在籍中は、第三者視点でプロジェクトを眺めながら、PM、PMOとしての自らのスキルを棚卸し、不足している知識について勉強していました。
8年在籍したあと、ふたたび現場に入ってみて、自らの変化に気づいたんです。「プロジェクトを遂行する“当事者”でありながら、第三者視点で物事を考える」、以前とは違う私がいたんです。
最初は気が進まない異動でしたが、結果的には自己成長につながりました。
“ずっとやりたかったこと”を実現したいから、転職を決意した
──前職では、環境を活かしキャリアの幅を広げてきたようにお見受けしますが、転職にいたったきっかけは何だったのですか?
田辺:分社化したことで、関われる領域が狭まってしまったこと、自社以外の製品も販売するマルチベンダーに転換したことなどが主な理由でした。
“この会社らしさ”みたいなものが時代とともに薄れてしまってきたというか。
だんだん「ここでなくても自分のやりたいことを実現できるかもしれない」と思うようになり、外に出る決心をしました。
──はじめての転職先として、SHIFTを選んだ理由は?
田辺:この年齢ではじめて行った転職活動、正直不安だらけだったのが実状です。
そんななかSHIFTはベンダーからの転職組が多いと聞いていて「馴染みやすい環境かな」と期待していたのですがその通りでした。
面接官からも業務全般についてフランクに話を聞けて、SHIFTで働く自分の姿もイメージできました。
さらに、コンサルティング事業を拡大していること、自分自身がコンサルタントとして働けることも魅力に映りました。
前職ではシステム開発を構築する下流工程を担当することが多く、「いつか上流に携わりたい」という気持ちがずっとあったんです。
もちろん、自分の経験が活かせる品質テストを主軸事業としていることにも背中を押されました。
尊敬する先輩たちをお手本に、チームビルディングに力を注ぐ
──あらためて、いま担当している業務について教えてください。
田辺:入社してからずっと、流通のお客様を対象に複数の案件を統括するチームに属しています。
現場の作業がスムーズに進むよう、多方面から調整するのが主な業務で、受けもつステークホルダーの数は常時10~20人。
SHIFTだけでなく、ほかの協力ベンダーとともに取り組むプロジェクトなので、人数が多く、組織も複雑に絡みあっています。
はじめは勝手がわからず、かなり苦労しましたが、少しずつ慣れてきました。いまでは工夫を重ねながら楽しく仕事に取り組めています。前職と重なる業務もあり、それなりに経験を活かせています。
──日々、どんなことを意識していますか。
田辺:チームの状況をつぶさに観察し、よい方向に向かえるような立ち振る舞いを心がけています。これは、尊敬する先輩たちの影響ですね。
前面に出てチームをまとめる人もいれば、一歩引いて脇を固めていく人など、タイプはさまざまだったんですが、いずれにしても最高のパフォーマンスを発揮していたのが共通点。
彼らをお手本にしながら、チームの活性化を目指しています。
新しい環境がうながした自己成長。今後は後進育成にも力を入れたい
──SHIFTのカルチャーに対してはどんな印象ですか?
田辺:組織がフラットで、全体的に動きがはやいですね。やりたいことを声に出せば、実現しやすい土壌もあります。
バックグラウンドがさまざまで多様性があるのも特徴的です。個人的にはコンサル出身のメンバーから得るものが多いです。
私がこれまでやってきた開発畑とはまったく違う視点で仕事を進めているので、学びや刺激になります。
業務以外でも勉強会を開催して経験やスキルをシェアしてくれる人も。お互いに補完しあえるいい関係です。
総じて、前職にはなかったよさがありますね。入社して2年たちますが、あらためて外に出る決心をしてよかったです。
新たな業務内容、人間関係に刺激を受け、自分自身に幅が出たような気がしています。
──最後に、今後やっていきたいことをお聞かせください。
田辺:業務コンサルなど、いまとは違う仕事にもチャレンジしたい。コンサルタントとしてはまだまだ半人前。いつでも手をあげられるために、引きつづきスキルを蓄積させていきたいです。
繰り返しになりますが、チームビルディングは今後も意識していきたいことのひとつ。具体的には、一人ひとりの価値観、仕事観を尊重しながら、適切な働きかけをする。
特に若手メンバーに対しては、育成にも力を入れる──自分より若い人たちがぐんぐん成長していく姿をみると、こちらも励みになるので!
──田辺さん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)