「SHIFTに入社して、さらに成長意欲が高まりました。
これまで開発サイドにいたので、技術支援の観点から発言することがどうしても多くなってしまって。でもシステムを実際に使うユーザー部門の方々はITの専門家ではありません。
移行がうまくいかない原因を分析、解決策を立て、それをユーザーに助言し実行してもらうことを繰り返しながら、状況を改善しつづけてきました。コンサルタントとして支援するとはどういうことなのか、上司や同僚から叱咤激励を受けながら、日々学んでいます」
こう語るのは、コンサルティング部の松浦(仮名)です。新卒で大手SIに入社以来、エンジニアやPMとして多数のプロジェクトに参画してきました。
「新たなチャレンジがしたい」──転職を決意したのは、子どもが巣立ち、自分自身のキャリアを見つめなおす時間ができたころ。次のステージに選んだのは、SHIFTでした。
いちエンジニアとして、ふたりの子どもをもつワーキングマザーとして歩んできたこれまでの足跡と、コンサルタントとして歩み出したこれからについて、本人に語ってもらいました。
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コンサルティング1グループ 松浦(仮名)
新卒で入社した会社で宇宙開発部門、ITS(高度道路情報交通システム)部門に在籍しソフトウェア開発を担当。その後自動車部品メーカーに出向し帰任後はモビリティ部門に異動。
ITS部門では、センサ開発を担当。開発したアルゴリズムが車両や歩行者を正しく検知するかの検証・改良を通して、動くモノをつくるのが好き・楽しいという気持ちを強くもつ。モビリティ部門ではPMとして自動車メーカー各社様でのシステム開発を担当。
SHIFT入社後は、金融系のお客様で社内業務のDX化プロジェクト推進を担当。難易度高くミスの許されない業務を扱う新システムへの本番切替を達成。
オフには神社や温泉巡りを楽しんでいる。
目次
エンジニアとして着実なキャリアを歩みつつ、育児との両立で悩む
──はじめに、これまでのご経歴についてお話しいただけますか。
松浦:新卒から大手SIerに勤務し、開発エンジニア、PMの役割を担ってきました。
入社当時は、女性の社会進出比率はいまより圧倒的に低く、女性エンジニアも各部署に数名いた程度でした。
それでもこの世界に飛び込んだのは、自分の好きな理系分野で、しっかりと手に職をつけたかったからです。
──前職ではどのようなプロジェクトに参画してきたんですか。
松浦:エンジニアとしては、人工衛星に搭載するアプリなどの開発を8年、道路用センサの開発を17年、自動運転向けシステム開発を3年ほど経験。
PMとしては、自動車メーカー向けの基盤開発案件に複数関わってきました。構想検討など最上流工程から携わるものもあれば、テスト工程のみを担うケースもあり、さまざまでした。
──とても順調なキャリアを歩んでこられたんですね。育児との両立はどのように?
松浦:上司や同僚、夫の理解や協力があったから、ここまでこれたという感じですね。子どもたちが小さかったころは、何度もくじけそうになりました。
第一子のときは、保育園の空きがちょうどあった関係で、産後半年で復帰しました。とても身体が弱い子で、頻繁に会社を早退したり、休んだり。
その長男と5歳違いの長女は極度の人見知りで、小学校や学童などになかなか慣れることができませんでした。
「子どもの方が大切なのに、なんで私は仕事を優先させてるんだろう」と何度、自分を責めたことか。
……いまこうして話していても、あのころを思い出してつらくなります。でも、会社を辞めるという選択肢は、私のなかにはなかったんですよね。
現場に駆けつけられない──悶々とした気持ちを胸に、社内公募へ応募。人生のターニングポイントに
──これまでのキャリアにおいて、最大のターニングポイントは何でしたか?
松浦:長男が1歳半のとき、意を決して社内公募に応募したことですね。先ほどお話しした道路用センサ開発は、自らの意志で参画した案件でした。
SHIFTに入社したときは「私が転職なんて」と自分に驚きましたが、随分前に社内転職ともいえる大きなチャレンジをしていたんですよね(笑)。
当時担当していた事業の先行きが不透明だったこと、そして仕事上のある“もやもや”が応募の動機でした。
私たちが開発していたのは、人工衛星に搭載するアプリ。打ち上げ直前になると、部署のメンバー全員で現場のある種子島へ向かいます。
しかし、私だけ子どもを置いてはいけず。仲間から少し外れたポジションにいることに、いつも悶々としていました。
一方、自ら志願した異動先の現場は首都圏の道路。ヘルメットをかぶり、安全チョッキを着て測量。データをとりながらセンサをうまく稼働させるよう尽力する……とても泥臭い仕事でしたが、メンバーと協力しあいながら国家プロジェクトにまい進する毎日はとても充実していました。
結局、この部署には約17年在籍し、メインで扱っていたセンシング技術は、私のキャリアを語るうえで欠かせない技術となりました。
同じSIer出身の面接官に共感し、転職を決意。「お客様から受け入れられた」手応えで苦境から脱出
──SHIFTには、2023年2月に入社されました。はじめての転職、しかも大手企業のポジションを手放すことに不安はありませんでしたか?
松浦:不安だらけでした(笑)。前職は安定はしていたし、あと数年在籍していれば、退職金も満額もらえたはずで。
ただ、当時アサインされていたプロジェクトがピークを越えて業務が少しルーティン化しているなと感じたことにくわえて子どもが成人したタイミングだったんですね。
それで新しいことにチャレンジするのもいいかなと思ったんです。
実はSHIFTにははじめ、別のポジションで応募したんです。でもコンサルティング部からのオファーを受けて、自分の可能性を広げられそう!と。
なによりSHIFTの採用面接が“すごく楽しかった”んですよね。とにかく面接官が元気で溌溂としていて、楽しそうに仕事の話もしてくれて。
同じSIer出身ということもあって、とても話が盛りあがりました。
純粋に「この会社、何だか面白そう!」と思えるSHIFTは、私の理想の場所かもしれない──ちょうど、就活中で内定をもらったばかりの娘からは「お母さんも新しい環境に踏み出したら?」。失敗したらそのときにまた考えよう、と入社を決意しました。
──あらためて、松浦さんのいまの業務内容について教えてください。
松浦:入社してから1年半、金融系のお客様を担当してきました。役割はプロジェクトリーダー。
社内業務のDX案件を推進しており、業務切替が完了したいまは、運用サポートをしています。
プロジェクトを開始するにあたって「新システムへの移行時に、データの精度向上と正確さを両立できるか」というのがお客様の最大の懸念事項。
私たちは「数値の誤りは絶対に許されない」という金融業界特有の背景を理解しつつ、業務を移行する意義を伝えながら粛々と新システムへの移行作業を進行してきました。
──転職して前職とはまったく違う業界のお客様を担当することになったわけですが、どんな苦労がありましたか?
松浦:やはり最初は、難解な専門用語に戸惑いましたね。自分用の用語集をつくり、ひたすら覚える日々がつづきました。
どこの現場も同様だと思いますが、お客様の社風やルールに慣れるのも一苦労でした。とにかく、何もかもがはじめてのことばかりで……。
壁を突破できたと実感したのは、スタートから半年ほどたったころ。「お客様から受け入れられた」という手応えがあったんです。
可能な範囲で業務を巻きとりながら、こちらの“本気度”を言動で示してきた甲斐があったなぁと。断然、仕事が楽しくなりました。
相互補完できる経験豊富なメンバー、1on1の達人たち……人に礼を尽くしてきたからこそわかるSHIFTの強み
──仕事の流儀や大切にしている価値観があれば教えてください。
松浦:最近つくづく思うのは「自分は動くものをつくるのが本当に好きなんだな」ということ。
これからも引きつづき世の中に「正しく動くもの」を提供することで、人の役に立っていきたい。
こうした思いから個人として「信頼をベースに、人々の生活をより便利に豊かにする」というパーパスを掲げています。
日々働くなかで大切にしているのは「必要だと思ったことは愚直に実行する」、「人には礼を尽くして振舞う」の2点です。
──経験も実績もあり、確固たる価値観をおもちの松浦さんから見て、SHIFTのよいところは?
松浦:バックボーンも得意分野も違う中途入社の従業員が大半なので、メンバー同士で相互補完できるのは組織の長所だと思います。
個人的に、刺激になっているのはコンサルファーム出身のメンバー。自分にはない俯瞰力、説得力にはいつも感心させられます。
さらに、リーダー層に1on1の達人が多いのには驚かされました。仕事がうまくいっていないときはしっかり励まし、前進させてくれますし、メンバー同士で意見が割れる場面では、原因を深掘りしつつうまく合意形成させる力がある。
働くロケーションがさまざまな環境だからこそ、必要とされ、また活かされる技術なんだと感じました。私自身、1on1にはかなり助けられてきました。
コンサルスキルを伸ばしつつ、会社の成長源である後進の育成にもあたりたい
──最後に、今後やっていきたいこと、展望をお聞かせください。
松浦:開発工程のプロジェクト支援やPMOの経験を重ねて力をためながら、将来的には上流工程を担当したいですね。
とにかくいまは、自らのコンサルスキルを向上させていきたい。
また、今後も案件内でさまざまなメンバーとのご縁があると思いますが、若手メンバーの育成には力を入れていくつもりです。
チームメンバーには、例えばお客様とシビアな調整ごとをする際に「お客様の立場では、どういうふうに説明すれば納得してもらえるか」など、踏み込んでアドバイスするようにしています。
大勢の先輩に揉まれながら学んできた私だからこそ、できる教育があると思うので。
──松浦さん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)