変化が激しい世の中において、アジャイルでの開発ニーズが急速に高まってきています。それにあわせて急拡大してきているのが、SHIFTのアジャイルサービスグループです。
開発・ITガバナンス・プロダクトデザインなど、すべての局面でお客様の困りごとを「アジャイル手法」を通じて解決していくSHIFTの先鋭部隊なのですが、そんなプロフェッショナル集団をグループ長として牽引するのが、谷岡 俊祐です。
「新しい挑戦も多くあって目まぐるしい日々ですが、みなさまのご協力もあって確実に組織としての実力が高まっています」
極めて冷静沈着なイメージのある谷岡ですが、マグマのように内に秘めた情熱の塊が、ときとして強烈な推進力となってさまざまな施策を推し進めています。
今回は、そんな冷静と情熱のあいだを体現するようなマネジメントスタイルについて、じっくりとお話を聞きました。
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アジャイルサービス2グループ グループ長 谷岡 俊祐
大学院にて社会空間システム学を専攻・卒業した後、地元のSIer企業に入社。自治体向けシステムエンジニアとして6年ほど従事した後、2017年4月にSHIFTにジョイン。自動化の基盤構築やQAマネージャーなどを経て、2021年よりアジャイル推進2グループ(現アジャイルサービス2グループ)長としてグループ全体のマネジメントを行いつつ、サービスマネージャーとして複数のアジャイル案件のマネジメントも担当している。
目次
適切なタイミングで適切なサービスを提供できる体制を構築・維持
――まず、アジャイルサービスグループとはどんなことをする部署なのかを教えてください。
谷岡:組織の成長にあわせてテーマも発展しつづけていまして、いまは「あらゆる人に対してアジャイルを当たり前にしていく」ことを掲げて活動しています。
昨今の変化が激しい世の中に対応するためにもアジャイル開発に取り組みたい、といったご要望が出てきたお客様に対して、SHIFTグループとして適切なタイミングで適切なサービスを提供できる体制を構築・維持する。
私のイメージとしては、アジャイルのコンビニのような存在として、お客様がほしいときに声をかければすぐに手に入れることができるよう、サービスの拡充をしているところです。
――谷岡さんがSHIFTに入社されたのは2017年です。この7年、「アジャイル」との出会いからご自身の歩みを教えてもらえますか?
谷岡:QAマネージャーとして担当した案件のお客様が先進的にAIを活用していまして、強化学習用のデータ作成システムなどの品質保証を担当していました。
そのお客様先がアジャイルで開発をされていたので、理解を深めるためにCSM(Certified ScrumMaster®)の資格を取得して対応をしていたら、「谷岡さん、スクラムマスターもいけそうですね」と打診いただき、そこから2年ほどはスクラムマスターに転向して活動していました。
そんなこんなで、2021年3月にはアジャイル開発推進第2グループ(現アジャイルサービス2グループ)長補佐に、9月にはグループ長になっていましたね。
セールス支援でカードゲームもつくっちゃう柔軟さ
――グループ長のほかに、複数の案件を管理してお客様への提案にも携わるサービスマネージャーを担っていると伺いました。複数の軸でマネジメントを実行されている谷岡さんの、日々の業務内容を教えてください。
谷岡:ヒト・モノ・カネの3軸でお伝えすると、まずヒトの部分に関しては、一人ひとりのキャリアの相談を受けるとか、目標設定など評価がらみの対応をしています。主に組織のマネジメント部分ですね。
次にモノの部分に関しては、担当領域のサービス拡充や、それにともなう宣伝やブランディングなどへの取り組みですね。
例えば「異世界アジャイル」というカードゲームをつくってアジャイルへのハードルを低くするという取り組みを行っているのですが、こちらはグループ長補佐が主となって取り組んでくれています。
――こちらの取り組みですね! 面白そう! 活動の幅が柔軟ですね。
谷岡:最後のカネの部分としては、売上を立てるためのアサインや、それに付随する社内調整やセールス支援、採用面談などになります。
先ほど述べたサービスマネジメントは、進行中の各プロジェクトに対してトラブルなどがないかを横断して見つつ、更なる課題も見つけて提案もしますので、このセールス部分に該当する取り組みですね。
あと、「アジャイルクイック診断」というサービスの開発も、セールス支援の一環として取り組みました。
――アジャイルクイック診断。どんなサービスですか?
谷岡:端的にお伝えすると、アジャイルチームの健康診断サービスです。健康であること、課題としてあげられることなどを第三者視点で可視化します。
いろいろなお客様にプリセールスをしていると、既存のサービスだけだと完全にマッチしないことも多く、また予算のタイミングなどでなかなか前に進まないこともあります。
それであればいまの状態を診断して、ウィークポイントがあればそこをまず改善していくような打ち出し方ができないかというセールスの相談を受けて構築したものです。
とにかく考えやビジョンを伝えつづけるしかない
――グループ長として、現在どんな点で苦労されていますか?
谷岡:組織として目指している「あらゆる人に対してアジャイルを当たり前にしていく」ことって、私一人では実現できないことなので、仲間といっしょにやっていく必要があります。
でも当然ながら全員考え方が違うので、共通認識をもって取り組まないとスピード感をもって、案件も組織としての改善施策も前に進めることができないなと感じているところです。
――そこは組織マネジメントの命題だと思うのですが、具体的な打ち手としてはいかがでしょう?
谷岡:とにかく考えやビジョンを伝えつづけるしかないと考えています。月一でグループ会をやったり、リーダー陣とは朝会をやったり。
こちらが伝えたと思っていても、実際は伝わっていないことって結構ありまして、質は量に比例していくかなと考えているので、理解を助けるためにもまずは伝える回数を増やすようにしています。
――SHIFTのように組織の成長がはやいと、その分コミュニケーションの課題も出てきそうですね。
谷岡:おっしゃる通り、従来は組織の階層がいまよりもシンプルで、グループ長が案件まわりのマネジメントを受けもつこともありました。
でも次第にそれではまわらなくなっていき、リーダー層を設けることになりました。
そうなると当然、グループ長とリーダー陣の見る方向性をあわせていく必要がありますし、サービスと各メンバーの役割も紐づけていく必要があります。
――サービスと役割を紐づける…。
谷岡:組織が目指す方向に対して、それぞれのメンバーがやりたいと思っていることが違うと、施策としてのスピード感がでません。
一人ひとりのキャリアがブレてしまうリスクもあり、こちらからのコミュニケーションが不足すると「自分の頑張りが何に繋がっているのか」が言語化できない人が多くなってしまう。
ですから特にリーダー陣とは朝会などを通じて密なコミュニケーションを行い、各メンバーの役割と「アジャイルを当たり前にする」ためのサービスの紐づけを粛々と進めています。
もちろんリーダー陣だけでなく、私やグループ長補佐、そのほかサービスマネージャーでも少なくとも半年に4回は各メンバーと面談等を実施して、とにかくその人が考えていることの理解を深めることに注力しています。
――対ヒトへのパワーがすごく熱いですね。
谷岡:マネジメントはそこに尽きますね。それこそマニュアルなんてないので、最初は何をすればいいのかわけがわからない状態でグループ長になったのですが、今年で3年目ということで、やっと少しずつ、自分の役割と力を入れるべきところがわかってきたところがあります。
サーバントリーダーシップのマインドが何よりも大切
――アジャイルサービスグループの業務を通じて感じられるやりがいを教えてください。
谷岡:お客様を含めていろんな人とコミュニケーションできるところが面白いと感じています。
実は入社したときは「ITコンサルみたいに動きたい」と思っていたのですが、課題解決に向けた動き方として、マネジメントも本質的にやっていることはいっしょだなと思っています。
――グループ内では、どんなメンバーが活躍していますか?
谷岡:得意領域はそれぞれ違いますが、共通しているのは、お客様の課題をしっかりと捕捉できている人かなと思います。
サービスの給仕者として、困りごとをキャッチして打ち返す。まさにサーバントリーダーシップを発揮できている人ですね。
技術とかスキルとか経験も大事ですが、そういったマインドをもったメンバーが活躍していますね。
――今後、どんな人にジョインしてもらいたいですか?
谷岡:アジャイルの基本は知っておいてほしいと思います。あと、分野は問いませんが、システム開発経験も最低限必要かなと思います。
その前提で、先ほどお伝えしたサーバントリーダーシップのマインドがあることが大事になってきますね。
自分で動き方を考えない/決めることができない人は、ちょっとむずかしいかなと思います。
――最後に、グループとしての中長期的な目標を教えてください。
谷岡:冒頭でお伝えしたとおり、まずはアジャイルが当たり前の世の中に向けて、サービスの“型化”を目指し、それに対して各メンバーの志向が紐づいている状態をつくりたいと考えています。
一人ひとりがスペシャリティを発揮しつつ、組織としては属人的にならずに、良質なアジャイルサービスを提供していく。
新しい挑戦も多くあって目まぐるしい日々ですが、みなさんの協力があってはじめてできることだと思うので、全員に納得してもらいながら進めていきたいと思います。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)