家庭の事情で、職場を離れざるを得なくなった――。そうした理由で、やむなく離職を選ぶ方は多いものです。
今回話を聞いた吉田と根岸は、まさにそれでした。
もっとも、いまも二人はSHIFTのSAPサービスグループとトレセン室で活躍。それぞれのもち場で存在感を発揮しています。
なぜか? 彼らは一度、SHIFTを離れながらも、戻ってきたカムバックメンバーだからです。
二人はどのような思いで、SHIFTを離れ、また帰ってきたのか? 「あらためて実感している」というSHIFTの強み、働きやすさとは? ざっくばらんに伺いました。
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SAPサービスグループ 吉田
1970年生まれ。米国生まれ米国育ち。大学卒業。2011年シカゴの通信系企業から、北欧系通信会社の日本支社に転職して来日。2019年SHIFT入社。2021年、米国に戻る事情ができSHIFTを離れて米国の通信会社へ。2023年再びSHIFTに戻る。
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トレセン室 根岸
1986年生まれ。米国でIT関連の学部を専攻。帰国後、米軍基地、サービス業を経て、SEとしてキャリアを積む。その後、大手研修会社で新人向けの研修講師や運営を経験。2020年、SHIFTにジョイン、社内外の研修を手がける能力開発部トレセン室へ。2021年に退職するも、翌年にSHIFTに復帰。現在に至る。
目次
外資系ベンチャーの雰囲気と、「超人」に近づける環境
―――お二人は同じ時期、アメリカにいたことがあるそうですね。
根岸:そう、面識はなかったんですけどね。さきほど聞いて驚きました。私は2000年代にアメリカの大学に留学して、会社の出張でワシントン州のシアトルにいた時期がある。ちょうどそのころに、吉田さんもいらっしゃったんですよね。
吉田:ええ。妻の母と父がシアトルにいて、私もそのころ、近くに住んでいたのです。根岸さんと面識はなかったのですが、どこかで会っていたかもしれませんね(笑)。
―――そんな二人が、もう一つ共通しているのがSHIFTを離れて、また戻ってきたカムバックメンバーであることです。そもそも最初にSHIFTに入った経緯から伺えますか?
根岸:私はアメリカの大学でITを学びました。帰国後はまず日本の米軍基地で就職し、サービス業なども経験した後、SE職に。さらに企業向けの研修会社に転職、新卒学生など初学者向けにIT研修の仕事をしていました。
SHIFTにきたのは、そのあと。きっかけはコロナ禍でした。自分を見つめ直す時間ができたこともあって、「転職して新たな挑戦をしたい」と思うようになったんです。
ちょうどそのころ、ニーチェの著作「ツァラトゥストラかく語りき」に触れて自分を磨けるような環境に身を置きたかった。
転職エージェントに相談すると、SHIFTを紹介され、入社したのです。それが2020年ですね。
―――当時の配属先は、いまと同じ能力開発部トレセン室だったのですか?
根岸:はい。社内向けにITスキルを磨く講習をする部署です。私は講師として主にオンライン講習の講義と、企画などを担当。同時に、社外に向けた研修なども手がけています。
超人に近づけたかはともかく(笑)、前職よりも濃密な仕事を手がけられ、責務も重かったので、満足でした。
―――一方の吉田さんが、最初にSHIFTにジョインされたきっかけは?
吉田:アメリカで生まれ育ち、大学を出たあとはイリノイ洲のシカゴで通信関係の仕事をしていました。
ただ12年前、2012年に縁あって北欧の某通信会社の日本支社から声がかかり、転職。そこで日本での暮らしをはじめたのです。
しかし、1年半ほど経って事業としてもあまりうまくいかず、規模を縮小することになったのです。
そのころ、SHIFTから「うちに入らないか」といわれ、ジョインし、いまと同じくERPシステムのSAPの導入・支援を手がけるようになりました。
―――ずっと外資系でキャリアを積んでこられた吉田さんにとって、日系企業のSHIFTに違和感はありませんでしたか?
吉田:それが、まったくなかったんですよ。 日本とアメリカ、両方のカルチャーに接して、ワークスタイルや価値観が違うことも理解していたことが理由のひとつ。
もとよりSHIFTがグローバルなベンチャー企業に近い社風でしたからね。従業員と丹下さん(代表取締役社長)との距離も近くて、一人ひとりの裁量も大きい。
加えて、私のように海外で育った人、帰国子女の方もけっこういる。「欧米の企業よりも、外資系っぽいんじゃないか」と感じるほどでした。
―――話を伺うと、お二人とも、SHIFTはすごくフィットしていたように思えます。なぜ一度、SHIFTを離れることになったのでしょう?
根岸:私の場合は「家業を継いだから」なんですよ。
ほかと違う強さと魅力が、SHIFTにはあった
―――ご実家は何をされていたのですか?
根岸:リサイクル業です。両親が2人だけで営んでいたのですが、売上が下がっていました。
そこで自分が入ってなんとか立て直そうとSHIFTを離れて、家のリサイクル業を手伝うことに決めた。それが2021年の10月でした。
具体的には私が入ってから、リサイクルのなかでも「買取専門」と銘打ち、専業の業態に切り替えて再出発したのです。
―――吉田さんの方は、SHIFTをいつ離れたのでしょうか?
吉田:私も2021年ですね。理由も、いわば根岸さんと同じで「家庭の事情」です。
実は9年前、12歳からシアトルの日本語補習校で幼馴染だった女性と結婚し、日本で生活を共にするようになりました。
私にとってドリーム・ガールだったので、すばらしいことだったのですが、彼女の両親、私にとっての義父母がアメリカでの生活をつづけていたため、離れ離れになっていたんです。
義父母は、体のケアも必要な年齢。「実家の近くに住んだほうが安心だよね」と夫婦で話しあい、悩んだ結果、アメリカに戻ることを決めたのです。
―――アメリカに戻ってからは、どんなお仕事を?
吉田:某大手クラウド系企業に声をかけられて、そこに転職しました。ちょうど義父母の家から車で20分ほどの位置にあったことが決め手でしたね。
―――あらためて米系企業に入って、どのように感じられました?
吉田:いまだからいえますが、たった一人で大量の仕事をこなさなければいけない重圧とワークスタイルに疑問を抱いていました。
グローバルな仕事なので各国のさまざまなタイムゾーンに対応しなければいけない。マネージメントも任されてクライアントも本当に多かった。
そのうえでSHIFTともっとも違うな、と強く感じたのはあくまで個人主義なことです。私がどんなに忙しくても手を貸してくれるような同僚がいないんです。
日々、疲弊して、プライベートの時間もとれず、仕事の質もあげられないことにフラストレーションはありましたね。
―――なるほど。そしてお二人は、また再度SHIFTにジョインされます。なかでも根岸さんは、半年後には戻られましたね。
根岸:思いのほか、はやかった(笑)。実は事業承継したうえで鞍替えした実家のリサイクル買取業が思ったほどうまくいかず、経営が行き詰まってしまったのです。
キズが深くなる前に、事業をたたんで、2022年3月には「SHIFTに戻りたい」と前の上長にLINEを送りました。
―――他社への転職などは考えられましたか?
根岸:考えませんでした。事業承継することがなければ、SHIFTに居つづけていたでしょうからね。
それだけに円満退社で、買取専門店をオープンしたとき、上長にお花も送っていただいたくらいにいい関係がつづいていました。だから上長にも「戻る?ぜひ!」とすぐに受け入れてもらえました。
―――吉田さんがSHIFTに再度ジョインされるのは退職から2年後でしたね。戻られた理由は、何だったのでしょうか?
吉田:2022年に義父が亡くなったことです。「このタイミングで、お義母さんに帰国してもらい、日本でいっしょに住んだほうがいいのでは」と話が進みました。
「日本での仕事をどうするか」と考えたとき、実はいくつか他社も面接させていただきました。いいお話は多かったのですが、カルチャーの面で、SHIFTを超えるものがないなと僕は感じたんです。
―――コーポレートカルチャーが、SHIFTほど魅かれなかった?
吉田:インターネットでどんな方がどのように働いているかをリサーチしました。感覚的なものですけれどね。SHIFTで感じたような自由さ、そして互いを高めつつ支えあうチームの雰囲気をさほど感じとれなかったんです。
悩んだ結果、根岸さん同様に、私も元いた部署の同僚とつながっていたので、LINEで「もしよかったらまたいっしょに働きたい」と送って、「ぜひぜひ!」と。
余談ですが、実は彼も私と同じカムバックメンバーだったんですよね。
SHIFTというステージでの、新たなる挑戦
―――戻ってからSHIFTでの仕事は、いかがですか?見え方が変わった部分はありますか?
吉田:変わったというよりも、あらためて感動した面はありますね。
繰り返しになりますが、SHIFTの「チームを大切にする」スタイルは、本当にすごいなと。
まさに昨日のことですが、ほかの業務が立て込んで、お客様に提出すべきドキュメントに手をつけられないでいると、チームメイトが「吉田さんが忙しそうだから、やっておきました」と。
こうしたお客様のためのチームプレイが自然にできる。質の高い仕事につながるのは、本当にこの会社のストロングポイントだなと思いますね。
―――根岸さんはいかがですか?
根岸:私の場合は、数ヶ月しか離れていないので、それほど変わっていないのですが(笑)。
ただ、働きやすさはとても感じますね。特に私の部署は在宅勤務を働き方として推奨しています。
他社の話を聞くと、意外と「1週間のうちこの日は出社しなければダメ」「1ヶ月のうち数日は本社に出社しないといけない」という縛りが多い。
それこそ私たちのように家庭の事情や、ライフステージの変化によって働きづらくなるような方も、いまならば辞めずとももっと柔軟な解決策がある気がします。
―――復帰したSHIFTというステージで、新たに挑戦してみたいことなどはありますか?
根岸:いまは研修事業に専念していますが、教えている私こそが、とても勉強になり、スキルアップさせてもらっている自負があります。
この培ったスキルを活かしてPMなどさらに挑戦的な仕事もやってみたいなという思いが最近芽生えています。
吉田:海外の取引先からもSHIFTの雰囲気やすばらしいメンバーが集まりつづけているのをみて「SHIFTっていい会社だね」といわれることが多くあります。
その意味で個人的にはSHIFTの海外支社を、具体的にはSHIFT USAをつくれたらいいなと思っています。SHIFTのよさを、もっと多くの方に感じてもらいたいんですよね。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、公開当時のものです)