アジャイルPM勉強会!多国籍チームを動かすコミュニケーション術

2024/04/24

SHIFTのアジャイルサービス部がアジャイルPM勉強会を実施しました。
今回の勉強会テーマは「多国籍チームを動かすコミュニケーション術」について。 

グローバルなメンバーが集うアジャイル開発の現場で、コミュニケーションに課題を感じるPMの方はいませんか?

勉強会には、10年以上にわたって多国籍開発チームをマネジメントしてきたラインマネージャーとアジャイルPMが登壇。これまでの経験に基づく、多国籍チームをうまく運営するためのコミュニケーションの秘訣を語りました。 

3つのテーマでお送りしたトークセッションの内容と、実際に参加者から寄せられた質問のなかから、いくつかピックアップしてご紹介します。 

  • アジャイルサービスグループ ラインマネージャー 村瀬

    AIを利用した社内システム開発のプロジェクトを推進。仕事を楽しくしたいという思いのもと、異業種からSHIFTに入社。 API自動テストのリーダーからPMを経験し、ゼロベースでWFからスクラムの立ち上げを行う現場に出会ったことでアジャイルの考えに共感。スクラムマスターとして活動。現在はラインマネージャーとしてアジャイル開発サービス導入から運用を行っている。「働くことへの価値観を変える」という志のもと日々に励んでいる。楽しいこと大好き。趣味は競馬で毎週末競馬場に出没している。

  • アジャイルサービスグループ アジャイルPM ユ

    SEとして台湾や日本でシステム開発を経験した後、10年以上にわたってさまざまなグローバル開発プロジェクトのマネジメントに従事。最大で7ヶ国30人ほどの多国籍チーム(中国、日本、韓国、スロバキア、インド、カナダ、ブラジル)のプロジェクトを推進。また前職では、自社サービス開発にスクラムを導入するなど、アジャイル開発の推進を積極的に行なう。2021年にSHIFTに転職。現在は、スクラムマスター兼アジャイルPMとして、お客様のプロダクトオーナーをサポートしながら、ベンダーチームのタスク管理などを行なっている。趣味は、ゲーム(電源不要、デジタル全般)、TTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)。

第1部 SHIFT×アジャイル開発

村瀬:SHIFTはソフトウェアテストだけでなく、自社事業のアジャイル開発・お客様に対するアジャイル支援も積極的に取り組んでいます。後者の“アジャイル支援”を担っているのが、私たちが所属するアジャイルサービス部です。

名前の通り、アジャイル専門部隊で約300名(2023年12月現在)が所属。アジャイル開発をやりたい、もっと広めていきたい、と考える多種多様なバックグラウンド、スキルをもつメンバーが揃っています。

次は具体的なサービス内容にうつります。スクラムマスターやアジャイルコーチ、開発エンジニア、アジャイルQAなど、基本的にアジャイル開発に必要とされるものは、SHIFTのサービスとして提供しています。

村瀬:また、私たちはアジャイル教育支援にも積極的に取り組んでいます。導入から定着までにとどまらず、お客様の組織内でアジャイル開発を横展開する際も、SHIFTが支援しているのです。

チームごとに存在する組織文化という壁を乗り越えて、どうやってアジャイル開発を浸透させていくか。このようにアジャイル開発をより広範に推進したいというニーズに対しても、SHIFTがハブとなってつなげています。

第2部 従業員トークセッション

ユ:私は現在、IoT設備からの情報を処理、利用するシステム開発を担当しています。チームメンバーの国籍は3つ、4つ程度で、日本人、中国人、イスラエル人がいます。

案件によりますが、外国籍のメンバーが参加可能な場合でも、国籍を意識したアサインは少なく、さまざまなメンバーが集まるようになってきています。

村瀬:そのような多国籍チームであっても、お客様やステークホルダーはみな日本人です。これまでどのようにチームを運営してきたのか、具体的な方法を教えてください。

──多国籍チームを動かすためのコミュニケーション技術① その人ごとの「情報のフィルター」を知る

ユ:チームビルディングの初期段階では、アイスブレイクが必要です。そこでは仕事の話をできるだけ避けるようにし、趣味や流行りのゲーム、子育てなどの話題で雑談することが多いですね。

まずは相手が安心して話せるような、信頼関係を構築することが大切だと思っています。もちろんチームビルディング後も継続して雑談の場を設けていますよ。

村瀬:まずは人柄を知ってからチームをつくっているのですね。そのアプローチは具体的にどのような効果を発揮してきましたか?

ユ:私個人の意見ですが、人間は情報を処理する際、無意識にフィルターをかけてしまう傾向があると思っていて。

例えば仕事の話をするとき、情報が取捨選択・一部がフィルタリングされると、最初の情報とは異なる形になってしまいます。このフィルターを透明化するのはとてもむずかしいことです。

ですが、雑談を通じてメンバーの価値観や思考を理解することは、その人がどのようなフィルターをかけて情報を処理しているのか、把握するために非常に有効です。それにより、相手の意見や行動をより深く理解できると思っているからです。

まずは他愛のない会話からはじめることで、メンバーがどんなことを気にしているか、どのような話題を避けていのか、徐々に認識できるようになります。

だからこそ雑談は、相手を理解し、よりよい関係性を築くためにとても大切な手段だと思います。

──多国籍チームを動かすためのコミュニケーション技術② 「ワーキングアグリーメント」を活用し、チームの価値観やルールを明示する

ユ:チームで仕事を進める際には、全員が共通認識をもつことが必要です。そのため、各プロジェクトごとにさまざまなルールが存在しますよね。

なぜルールが必要かというと、メンバーそれぞれが自身の経験をもとに、「こうするべきだ、こうしたほうがいい」などの考え方をもっているので、お互いの意見がぶつかることもあるからです。

そこで一番大切なのはワーキングアグリーメントです。これは、個人の価値観を一旦置いて、チームにとって最善の方法、チームの価値観をつくりだすこと。

村瀬:ワーキングアグリーメントとは、スクラムチーム結成時やチームビルディング開始時にチームのルール、規範を決めることを指します。例えば、10分悩んだらメンバーに必ず相談する、というのもその一つです。

一方、仕事を進めるなかでワーキングアグリーメントが形骸化するケースもありますよね。そこに対する工夫はありますか?

ユ:プロジェクト管理ツールなど、全員がいつでも見えるところにワーキングアグリーメントを掲示していますね。

また、作成したワーキングアグリーメントがうまくいかなかった場合がありますが、それはこのチームにとって適切でないということになります。

ルールが機能していないと判断した場合は、見直しと修正が必要です。その際は時間をかけてじっくりと全員で話し合う場を設けています。

そして、チームの状況に応じてもワーキングアグリーメントのアップデートが必要です。トライ&エラーを行うことでチームにとってよりいいものになっていきますよ。

村瀬:日本人同士であっても、価値観が異なるケースはよくありますよね。多国籍チームであれば、なおさら起こり得る可能性が高い事象だと思います。

そのため、スプリントをまわしていくなかで、リーダーやスクラムマスターがリードしながら、全員でワーキングアグリーメントについて考えることが大切ですね。

──多国籍チームを動かすためのコミュニケーション技術③ 言語の壁は、絵や画像で「視覚的に伝える」ことで乗り越える

ユ:私が日本語だけで情報を伝えようとしても、相手に正確に理解してもらうのはむずかしいかもしれません。そのため、絵や画像を用いてコミュニケーションをとるようにしています。

実際、人間は言葉よりも画像でイメージして、それを記憶する傾向があります。最初から情報を可視化、画像化してあげると覚えやすいですし、理解が深まります。

村瀬:多国籍チームには言語という壁がつきものです。絵や画像で視覚的に伝えるのも大事ですね。

ユ: そうなんです。そして、最近のプロジェクト管理ツールには、簡単に画像を貼りつけられるようになっています。私のチームでは、プロダクトオーナーも開発メンバーもみんなその機能を使用しています。

外国籍メンバーには、簡単な図を用意したり、その場で直接描いてみたりすることで理解が深まると思っていて。

説明される側もたとえば「これってこういうことですよね?」と図をなぞって体感することで、作業のイメージがより具体的になるのです。絵や画像を用いて情報を伝えるという手法は、コミュニケーションの強力な武器になると思います。

第3部 質疑応答

ここからは参加者から寄せられた質問のなかから、いくつか紹介します。

──プロジェクトがはじまったばかりのときなど、メンバーと距離感がまだあるときはどのように共通の話題を探していますか。

ユ:アイスブレイクの手法はいろいろありますが、私がよく利用する方法は、事前にサイコロの各面にトークテーマを設定しておいて、振って出た面の内容についてトークする、というものです。

最初から相手との共通話題を探りすぎてもよくないと思っているので、ゲーム感覚で楽しめるものがおススメです。

村瀬:私の場合はラインマネージャーという立場なので、メンバーが私との距離を感じないよう、積極的に自己開示しています。マネージャーと雑談って何話せばいいのかな、と不安に感じる方もいると思うので、そこはリードが必要です。

また言語と文化の壁がある方にはなおさら、自分をさらけ出してコミュニケーションをとるように心がけています。そうすると徐々に心を開いてくれて、共通の話題が見つかるのではないでしょうか。

──雑談の頻度はどのくらいですか?

ユ:これはスクラムマスターが工夫すべきポイントですね。チームの雰囲気やメンバーの性格に応じて、雑談の頻度を調整しています。

最初は週に1回、1on1を15分~30分程度実施したり、メンバーを集めてコミュニケーションを深めるゲームを行っています。チームの状況を都度確認し、どのような活動が必要かを判断しています。

──外国籍メンバーと日本語以外でコミュニケーションをとることはありますか?

ユ:英語を使ってコミュニケーションをとることがあります。たとえば、イスラエル国籍のメンバーと会話をするとき、日本語では意図が伝わりづらいと感じた場合、英語を使っています。

村瀬:英語が話せない、あるいは日本語だけという状況においては、先ほどトークセッションでも申し上げた通り、画像や絵を用いてうまく補完しながら話を進めるようにしていますよ。

ユさん含む外国籍メンバーから、日本語で頑張ってしゃべろうという意思がすごく伝わってきます。そのため、私も彼らの気持ちをしっかり受けとり、ひとつひとつの言葉を丁寧に聞き、理解するように努めているのです。

コミュニケーションは言葉のやりとりだけでなく、相手に対する想いも大切な要素だと思います。

──対面/在宅勤務の比率はどのくらいでしょうか?

村瀬:私がいま担当中のプロジェクトですと、完全リモートもあれば、週に2、3回出社しているケースがあります。対面でのコミュニケーションを希望されるお客様もいらっしゃるので、そこはご意向に合わせる形で対応します。

──よく使うコミュニケーションツールはありますか?

ユ:案件にもよりますがTeamsやSlackが中心です。最近ですと、バーチャルオフィスを使用する場合もあります。

──よく使う翻訳ツールはありますか?

ユ:以前はGoogle翻訳でしたが、現在はChatGPTを利用しています。

村瀬:私も同じくChatGPTです。

その後もたくさん質問いただき、多くの参加者にSHIFTのアジャイルサービス部に興味をもってもらえたのかと思います!

最後に採用担当からアジャイルサービス部の採用に関するお知らせがありました。

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(※本記事の内容は、イベント開催当時のものです)