「技術一直線で突き詰めてもいいし、ビジネスやデザインにはみ出してもOK。いろんなはみ出し方ができるのが、DAAE戦略部のエンジニア職の醍醐味です」
こう話すのは、グループ長として主にDAAE(ダーエ)戦略部のエンジニアリング領域を牽引する北原 俊です。
次期収益の柱となる事業開発の専門部署として、役員直下で立ち上がった同組織には、日々さまざまなテーマでのプロダクト/サービス開発要望が寄せられており、10名弱のシニアレベルのエンジニア陣がさまざまな形で具現化を進めているとのこと。
どのような哲学をもって開発を進めていて、具体的にどんなエンジニアリング施策を走らせているのか。今回は、北原とメンバーの櫻井にそれぞれ話を聞きました。
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DAAE戦略部 DAAEグループ グループ長 北原 俊
大学卒業後、ソフトウェアエンジニアとしてヤフーに入社し、ふるさと納税やネット募金など公共・決済領域に携わった後、2018年にPayPayの立ち上げ初期にテックリードとして関わる。その後、PwCコンサルティングに転職、SHIFT入社は2022年9月。現在はDAAEグループ長として、エンジニアメンバーのマネジメントはもちろん、複数プロジェクトにテックリードとして参画もしている。
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DAAE戦略部 DAAEグループ 櫻井
在学中からフリーランスの音響エンジニアとしてイベント音響やレコーディングスタジオでの録音業務に従事した後、ITエンジニアへと転向し、自治体向けシステムや各種基幹システムのバックエンド開発、およびマネジメントなどを担当する。その後2022年3月にSHIFTへと転職。現在はDAAEグループにてモバイルアプリのエンジニアとしてクライアント案件に参画している。
目次
ビジネス・クリエイティブ・テクノロジー。三位一体の面白さ
――今回はプロダクトを高速開発するDAAEのエンジニア職の働き方ということで、まずはお二人がSHIFTを選んだ理由について、前職からの流れも含めて教えてください。
北原:前職は外資系のコンサルティング企業で、テックストラテジー領域のコンサルタントとして、プロダクトの構想からリリース、エンハンスまでを高スピードで進める“垂直的”なプロダクト開発方法を考え提案していました。
SHIFTをたまたま知り、これほどの会社の規模感で、丹下のような意思決定のはやいリーダーのもとであれば、コンサルタント時代に練ってきたプロダクトマネジメントやエンジニアリングを実践するいい場所になるぞと思い、転職してきたんです。
いまはDAAEグループのグループ長として、いろんなプロダクトにテックリードとして参画しつつ、技術戦略やシステム設計、エンジニアメンバーのマネジメントなどに従事しています。
櫻井:私の場合、15年前くらいから開発系のキャリアで、後半10年ほどはお客様先に常駐し、金融系のバックエンド開発などに従事していました。
多くのシステム会社と同様、年次があがっていくにつれてメンバー管理業務がかなり増えていきまして。
本当はもっと手を動かして開発をしたかったのですが、ほとんどが管理業務になっていったので、どこかいいところがないかと探していたなかでSHIFTのDAAE戦略部に出会いました。
ビジネスとクリエイティブとテクノロジーが三位一体となって、小さいチームでグルグルとプロジェクトを進めていく。それが面白そうだなと思って転職しました。
現在は、中部電力ミライズ様の新規事業であるEV充電事業「treev(ツリーブ)」の開発支援プロジェクトで、モバイルアプリのエンジニアとして参画しています。
とんでもない数の要望や事業アイデアを、咀嚼して形にする
――実際に、DAAE戦略部で開発に携ってみていかがですか?
櫻井:先ほどお伝えした通り、ビジネスとクリエイティブとテクノロジーで小さいチームになって密に連携できるので、どのサイドに対しても自分の思いを提案しやすいと感じています。
一般的には、例えばデザインに関してはデザイナーが決めるといった感じで役割分担が明確になされると思うのですが、DAAE戦略部では口出し大歓迎。
開発メンバーであってもデザインをいっしょに考えていくような進め方が基本になっています。
北原:手を動かす醍醐味としては、プロジェクトに横断して参画することになるので、とにかくやることの幅の広さがあると思います。
私自身もバックサイドエンジニアをやることもあれば、IoTデバイスをつくって回路図を書くこともあります。
こんなこと、ほかの事業会社ではまずないでしょ、といった役割を経験できますね。いろんなものに手を出したい私のようなタイプの人間にとっては最高の環境かなと思います。
――DAAE戦略部でマネジメントサイドに立つことの醍醐味もお願いします。
北原:DAAE戦略部は役員陣の直下にある組織なので、とにかくとんでもない数の要望や事業アイデアが落ちてきます。
現状プロダクト数としては10個弱で、一方でエンジニアは私含めて8名(いずれも2024年5月時点)という状況。
全員がシニアレベルのエンジニアなので、いかに一人ひとりの特性をプロジェクトに当てはめていき、グループ会社のリソースとあわせて最適にアサイン/運用していくかというのが、やっていてシビれますね。
――経営陣から降りてくる要望って、どんな粒度感なのでしょうか?
北原:例えば櫻井さんが参画している案件などはやりたいことが最初からクリアだったのですが、なかには「とりあえずなんかつくってみて」というケースもあります。しかも、来週までに形にしてみせて、といったスピード感です。
――新しいアイデアをひねり出す後押しになると思いますが、スピード感がすごいですね。実際に手を動かすメンバーも大変じゃないですか?
北原:そこはもう、自分のなかでなんとか咀嚼して、自分が納得してから依頼するようにしています。
自分が納得しない限り、メンバーには業務として下ろさないですね。この辺りの咀嚼力は、コンサルタント時代の経験が活きているなと感じます。
――なるほど。それにしても、それくらいプロダクト数が増えてくると、アサイン以外にもいろいろと工夫が必要そうですね。
北原:そのために、いま力を入れて取り組んでいるのが「標準化」です。例えばプロジェクトごとに採用技術が全然違うと、それだけでとんでもないことになってしまうので、ある程度「これがここにある」といったゆるい共通ルールみたいなものをつくるようにしています。
知見を貯めるために開発をするという、主従を逆転させた発想
――標準化って、やりすぎるとエンジニアの自由度が損なわれるリスクがあると思うのですが、そのあたりのバランスはどうされているのでしょうか?
北原:そこはまさに、日々考えているところですね。エンジニアリングは大きく「思想部分」と「実装部分」にわかれると思っていて、思想部分については基本的な考え方を提示することで、ある程度幅をもたせつつ無理のないテンプレート化ができると考えています。
この辺りは櫻井さんの方でも、積極的に標準化タスクを進めてくださっていますよね。
櫻井:そうですね。先ほどお伝えした中部電力ミライズ様でのモバイルアプリ開発で進めている開発基盤の内容を、先方独自の要素を抜いて抽出し、チームメンバーへとフィードバックして、コアな部分の標準化施策として進めています。
――個別に標準化専任の人がいて標準化タスクを進めるのではなく、エンジニア一人ひとりが標準化に向けて取り組んでいるんですね。
北原:基本的に自分たちの思想や過去の思考がたくさん入ったものをボトムアップ的に組みあげていくことで、各自にとって使い勝手のいい標準化ツールになると思っています。
ですから、実案件から引き出していくことが、いまの時点では大事かなと思っています。
――なるほど。
北原:各案件で全員がフルアクセルを踏まないとまわらないシーンも多々あります。
とはいえ、そのプロジェクトだけにしか使えない知見で終わってしまうのは非常に勿体ないので、「じゃあこれを一般的にどうするのがベストなのか」という観点で、私含めてメンバーにはメモ書き程度でTipsとしてドキュメントに残してもらっています。
さらに、それを生成AIを使って整形してブログ記事にして公開していくことでアウトプットに取り組んでいます。
開発のために知見を貯めるのではなく、知見を貯めるために開発をするということで、主従を逆転させる発想で取り組んでいます。
DAAE戦略部としての、エンジニアリングの思想を固めきる
――DAAE戦略部だからこそ叶えられるエンジニアキャリアって、どんなものでしょうか?
櫻井:いってしまえば、何でもできます(笑)。特定の技術に強くなりたいでもいいですし、デザインに関わりたいでもいいです。
自分がやりたいことを上長や経営陣に相談すれば、だいたいできる環境かなと思います。
北原:とんでもなく意思決定のはやい経営者のすぐそばで仕事ができるので、エンジニアリングの外でかかる制約というものがほぼないと思ってもらって結構です。
変なブレーキがかからないので、フルアクセルを踏んで開発に没入できます。もちろん、領域を突き詰めるだけではなくて、ちょっとビジネスやデザインにはみ出してもOKです。
いろんなはみ出し方ができるのが、DAAEのエンジニアキャリアの魅力かなと思います。
――今後、お二人としてはどんなことにチャレンジしていきたいですか?
櫻井:いまはどのプロダクトもまだ試作段階に近い位置づけですが、今後しっかりと社会課題を解決できるレベルにまで大きくしていきたいです。私の場合は、それが中部電力ミライズ様の案件かなと考えています。
北原:標準化の文脈で、「DAAE戦略としてのエンジニアリングの思想」を固め切るのが、当面のToDoと捉えています。
また、それらの思想をしっかりと体系立てて発信することで、SHIFTの技術ブランディングにも貢献していきたいです。
ちゃんと技術の会社なんだよということで、DAAE戦略部が主体となって発信していきたいですね。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)