「障がいの有無に関わらず、一人ひとりの才能や能力を活かして、みんなが活躍できる社会をつくりたい」
そんな理想を実現しようと、真摯に向き合っているのがビジネスサポート部、通称「ビジサポ」です。障がい者雇用を推進している部署として、熱い想いをつづった記事を以前お届けしました。
ビジサポでは、障がい者雇用枠を希望し就業している方が中心となって仕事をしています。その人数はなんと185名(2024年6月1日時点) 。
驚くのは業務の多様性です。庶務やソフトウェアテスト実行だけでなく、アート制作・Webコーディングや映像制作など、さまざまな仕事を担ってくれています。
今回の記事では、そんな多種多様な業務内容をお伝えするとともに、入社当時にもっていたであろう不安がいかに安心に変わっていったか、メンバーの声をお届けします。
目次
「発信が苦手」から、「相談できるから大丈夫」に
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アーティストチーム 串田
在宅で絵を仕事にすることを目指して就労移行支援事業所にお世話になっていたころ、SHIFT Challenged Art 公募展を知り応募、入選する。かなりの気合を入れて挑んだため、入社の声かけがあった際の喜びはいまでも鮮明に覚えている。面接対応がとても親切で、この会社でなら安心して働けそうという期待感や安心感をもち、2023年5月入社。
―――SHIFT入社後はどんな仕事をしていますか?
主にテレワークでの絵画制作で、個人の作品やイベントなどの企画に沿った作品を制作しています。
作品がグッズになったり、休日も創作がどうしてもやめられない根っからの創作好きとしては、たまらないお仕事だと日々感じております。
―――入社当時の不安が、どんなふうに安心へと変わったか教えてください。
発信が苦手な私は、入社当初、発信がうまくできないことによる不安を感じていました。また私の特性上、音声コミュニケーションがむずかしく、わからないことをそのままにしてしまって失敗することもあったんです。
でもマネジメントメンバーがその不安を汲みとり、発信のタイミングや伝え方を丁寧に教えてくれたおかげで、安心して発信ができるようになりました。
その結果、些細なことでも発信することで、事務対応におけるミスや不安による体調不良がほとんどなくなりました。
SHIFTに入社する前は、誰にも相談できずに体調を崩し、やむなく仕事を辞めて落ち込むことが多かったのですが、安心して相談できる環境があることで、自分でも仕事をつづけられるという自信につながりました。
―――成長や、やりがいを感じるのは?
月に一回行われる作品共有会で、作品に対して定期的にフィードバックを受けられる機会もあるので、個人で創作活動をしていたころに比べて成長を実感できる機会が増えました。
企画イベントなどで作品づくりを通じて、コミュニケーションがむずかしい私でも人とのつながりが増え、内にこもりがちだった自分がようやく社会に参加できるようになったことに喜びを感じています。
庶務からWebコーディングへの挑戦。人生の楽しみ、ともいえるやりがい
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WEBコーディングチーム 宮坂
音大で作曲を学んだ後、大学院にてメディアアートを専攻。在学中にサウンドクリエイターとして活動する。その後、自身の障がい特性(ADHD)の強さを自覚し、障がい者枠での就労を希望し、2019年2月SHIFT入社。第19回東京障害者技能競技大会ワード・プロセッサ部門金賞。ワークライフバランスのよさを活かしメディアアーティストとしても活動中。
―――SHIFT入社後はどんな仕事をしていますか?
生成AIを活用して、社内の各部署からあがる音声・動画資料の文字起こしや社外向けWebページの校閲に携わっています。
また、HTML・CSS・JavaScript・WordPressを使用して、社内向けWebサイト「シフトモ」の記事のコーディング、学生向け募集ページや新卒研修システムのデザインを担当しています。
さらにExcel VBAやPowerShellで、Webの入稿作業やWebの訪問者数を集計するためのデータ転記作業を自動化するためのマクロ、1万を超える数の従業員の顔写真をリサイズ・リネームし、管理するためのスクリプトを開発しています。
―――入社当時の不安が、どんなふうに安心へと変わったか教えてください。
4年前、コロナ禍がはじまって緊急事態宣言が出た直後のことです。ほとんどの業務がストップしてしまい、当然ながらビジサポも、在宅で可能な業務以外を切り出せない状況になりました。
そのような状況でも、代表の丹下と人事部長は「私たちが、みなさんを守ります」と宣言し、自宅待機している私たちを一人も解雇せずに、フルタイムの給与を支給しつつづけました。
もしSHIFTが資金的に体力のない企業だったら、絶対に実現できないことだと振り返ります。
―――成長や、やりがいを感じるのは?
私はもともと庶務関連の業務に取り組んでいましたが、コーディングにも関心があったことからWEBチーム発足時の初期メンバーになりました。関心のある分野に存分に取り組めることが一つの成長であり、やりがいです。
もう一つは、私が開発した自動化マクロによって作業工数を短縮し、仲間が本当に打ち込みたい創造的なデザインの工程に十分に時間を割けるようになることもやりがいです。
メンバーとの会話のなかで「やりたい仕事についに専念することができるようになった」という喜びの声を聞くことが私の人生の楽しみです。
社会人経験のなかった私、恩返しをしたいという想い
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テストチーム 羽入
個人ブログ運営の経験を活かしたい思いから、IT企業への就職を目指し、「求める人物像」に共感をしたSHIFTへ2022年12月入社。向上心を高くもちながら、ほかのメンバーと和気あいあいとした雰囲気で共に成長を目指していけると感じたこと、自分の関心ある分野で、社風があうと感じていたことも入社を決めた理由。
―――SHIFT入社後はどんな仕事をしていますか?
テストチームの一員として、テスト実行を担っています。アプリやWebサービス上で見つけたバグを報告していきます。
この報告を簡潔、かつ素早く行えるように、普段から自分の報告内容の振り返りに力を入れています。
そのほか、データ入力やマニュアル作成を中心に庶務業務も行っています。テスト実行で培ったスピード感や、わかりやすい報告を心がけ努力した成果を発揮したいという気持ちで取り組んでいます。
―――入社当時の不安が、どんなふうに安心へと変わったか教えてください。
社会人経験がないため、ITスキルに不安がありました。入社当社はTeamsやExcelを使うたびに、「何か失敗したらどうしよう…」と緊張していたことを覚えています。
チームのメンバーに優しく使い方を教わったことをきっかけに、「自分もメンバーに恩返しをしたい」という気持ちから、社内検定で学習をはじめました。
エクセル検定に合格したことで自信がつき、いまではテスト案件で集計のお手伝いする機会も増えてきました。
―――成長や、やりがいを感じるのは?
テスト実行でやりがいを感じる瞬間は、大きく2つあります。1つ目は、特定の条件下で発生するバグを発見したときです。
「なんとしてでもバグを見つけたい!」という強い思いから、試行錯誤を重ねながらアプリを徹底的に操作します。通常の操作では起こりにくい現象に遭遇したとき、自分の努力が実を結んだとやりがいを感じます。
2つ目は、自分が報告したバグが修正されていることを確認したときです。お客様やエンドユーザーに貢献できたと実感できるため、テスト実行を担ってよかったなと心から思える瞬間です。
自分のもてる力をすべて出せる。クリエイターとしてうれしい環境
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映像チーム 冨賀見
営業事務を担っていた前職勤務中に、障がいが発覚し退職。就労移行支援事業所で自身の障害の傾向や対策を学びつつ趣味の創作活動をつづけた。 SHIFTには、高いクオリティを担保するうえで必要不可欠なテストに焦点を当て物づくりを根本から支えているという点に惹かれ、2024年3月に入社。自身の創作経験を活かせる環境があることも応募を後押しした。
―――SHIFT入社後はどんな仕事をしていますか?
動画クリエイターとして、依頼者のやりたいことや叶えたいことをチャットやミーティングを通して把握し、それを形に起こしています。
完成した動画はイベントなどで活用してもらい、多くのリアクションをいただけることが喜びです。
元々趣味で行っていた動画制作の経験や知識を発揮し、依頼者に喜んでいただけるこの仕事は自分にとって天職だと感じています。
―――入社当時の不安が、どんなふうに安心へと変わったか教えてください。
私が障がい者雇用枠で就労するのはSHIFTがはじめてで、当初は不安だらけでした。しかし映像チームのメンバーみんながとても歓迎してくれたので、不安感は徐々に薄れていきました。
質問にもしっかりと回答してくれますし、私のことを気にかけてカバーしてくれる仲間のおかげで、最初はあふれるほどあった不安感もいまではまったくありません。
―――成長や、やりがいを感じるのは?
要望に応えるために、新しい編集技法や表現方法などのインプットを欠かさず行っているので、編集能力は入社時より向上したと思います。
依頼者と話をするときには、伝わりやすく円滑に進める方法を意識して話すようにしています。その結果、ミーティング時の話し方やまとめ方、作成した作品のクオリティについて高い評価をいただけるようになりました。
教育プログラムと無理のないステップアップで、自ら仕事を創り出すまでに
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業務改善サポートチーム 平原
大学卒業後、事務を1年間経験した後、就労移行支援に通う。一般就労に限界を感じ自分の長所を活かせる職種として開発職への転職を目指した。SHIFTは元々同じ就労移行支援出身の先輩が2名働いており、支援員から社風があいそうだとおすすめしてもらったことをきっかけに興味をもち応募。面接の雰囲気がとてもよかったため、直感でSHIFTに決め2022年10月入社。
―――SHIFT入社後はどんな仕事をしていますか?
部署内外の社内システムの開発や、デザインを行っています。例えば労務関連で、健康診断の受診状況をグラフや表を用いて統計表示し、未受診者・結果未提出者へのリマインドを自動送信するアプリ作成を行いました。
経理では問い合わせ管理、外部サイトへの転記作業を自動化するツールの開発を行っています。
部署内では月次共有事項を作成・公開し、既読状況を管理するアプリや、社内広報サイト(ビジサポポータル)の作成を行いました。
―――入社当時の不安が、どんなふうに安心へと変わったか教えてください。
未経験からの転職だったため、業務についていけるか不安でした。入社したところ、使用ツールの教育プログラムが整っており、業務にアサインされる前に先輩が丁寧に教育してくれました。
また、案件の難易度も段階的に設定してもらえ、無理なくスキルアップできたと感じています。
とりまとめを任せてもらった後も、相談したらチームのメンバーが毎回助けてくださるので、安心感をもって働けています。
―――成長や、やりがいを感じるのは?
成長したのは、ミスに必要以上に落ち込まなくなった点です。同じミスを起こさないようになるべく精神論以外の対策を練ることにフォーカスできるようになってきました。
やりがいは、クレドにもある“楽しいと思えることを提案し、自ら仕事を創りだす”ことができる点です。
例えば、部署の社内広報サイト(ビジサポポータル)は、自チームのことを社内に広めるサイトを作成したいという提案をしたところ、部署全体の広報サイトを作成しようという話になり、担当者として推進することができました。
他アプリについても自動化できる部分を提案し、改修につなげています。誰かの役に立てていると実感できることがやりがいにつながっています。
2年半のブランク。相談できる仕組みがあるから、肩の力を抜けた
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オフィスサービスチーム 今久
前職では9年間、携帯販売に従事し、お客様対応/人材育成/イベント運営など業務も幅広く経験。その後、業務過多により精神疾患を患い2年半の療養を経て、2024年2月入社。
―――SHIFT入社後はどんな仕事をしていますか?
麻布台オフィス内のカフェスタッフをしています。通常の店舗同様に、飲食物のご提供(テイクアウト/社内デリバリー)がメインです。
カフェのコンセプトとして、「ストレスや日々の喧騒から離れて心身ともに安心を得ながら、集中できる場所」を掲げていますので、従業員の憩いの場として、気持ちよくご利用いただけるように笑顔で元気よくを心がけています。
まだ新しくできたポジションですので、自分たちで考えて調整をしていけるのがとても魅力です。
―――入社当時の不安が、どんなふうに安心へと変わったか教えてください。
2年半のブランクがあったので、入社後に安定して働けるか不安でした。入社後は、実際に体調不良や精神疾患の影響で調子を崩してしまうことがありました。
不調があった際に、上長とお話する機会をつくる仕組みを利用してしっかり相談をすることができました。結果、少し肩の力が抜けて相談できたことへの安心から落ち着いて働くことに注力できるようになりました。
―――成長や、やりがいを感じるのは?
Officeソフトの操作スキルです。
前職でPCを使用することはありましたが、Officeソフトはほとんど使用していませんでしたので、入社後は上長やチームメンバーにアドバイスを求めたり、自分で調べたりを繰り返してOfficeソフトを少しずつ活用できるようになりました。
いまは、反対にチームメンバーから質問をいただくほどになり、私が力になれるというやりがいも生まれました。
社会人経験のない私が見つけた、花卉栽培という仕事
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ビジネスサポート1チーム (花卉栽培担当)荒金
社会人経験がないなか翻訳や経理といった事務系業務を探していたところ、花卉栽培というめずらしい仕事に惹かれ2024年4月SHIFTに入社。
―――SHIFT入社後はどんな仕事をしていますか?
代表・丹下の故郷である広島県の神石高原町で、花卉の栽培をしております。
社内イベントの装飾や、従業員への福利厚生的な施策にもちいる花たちを届けるため、草とりや農薬散布、土を耕したり、種をまいたりといった作業を行っています。
―――入社当時の不安が、どんなふうに安心へと変わったか教えてください。
社会人経験がもともとなく、できないことがあったときに落胆されないか、自分のことを受け入れてくれるかどうかと不安でした。
実際には快く受け入れてもらえ、話もしっかり聞いてくれるので、傷つくことなく安心して業務にあたれています。
―――成長や、やりがいを感じるのは?
相手に向かって委縮することなく自分の意見を伝えられるようになったこと。
また反対に相手の意見に対しても、まずは受け止め、否定から入らない姿勢をもてたことです。花をとどけて喜んでもらえることが、何よりのやりがいです。
以上、いかがだったでしょうか?ビジサポチームが担う業務が多種多様であること、それぞれの担当者が無理なく、さらにはやりがいをもって働いている様子が伝わればいいなと思います。こうしたカルチャーはビジサポチームに限らず、SHIFTの他領域でもいえることかもしれません。ぜひ入社後、みなさんの目で確かめてみてくださいね。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)