「AWSといえばSHIFT」を目指す。全AWS資格をもつインフラアーキテクトの新たなる挑戦

2024/05/13

「お客様の課題解決を継続するのはもちろん、今年からは新たに、“AWSといえばSHIFT” という企業認知に向けて本格的に動きだします」 

このように強調するのは、上流から下流、経営コンサル的な立ち位置からシステムインフラエンジニアまで数々の経験を有する寅野です。 

つねに学びの姿勢をもってお客様の課題に向き合ってきたインフラエキスパートとしての経験をフル稼働させ、今度は、AWSの資格を“全部”取得した社内メンバー4人とともに、新たなる社内プロジェクトを動かしはじめたとのこと。 

その思いの丈を、これまで歩んできたキャリアの内容とあわせて、ざっくばらんに聞いてきました。 

  • インフラサービスグループ 寅野

    新卒から一貫してIT業界に従事独立系SIerでアプリケーション及びインフラエンジニアや大規模PMOを経験した後アクセンチュア株式会社でアウトソーシングコンサルタント、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社(現: Amazon Web Services, Inc.  クラウドインフラアーキテクトなど、ITに関するさまざま経験を経て、2021年8月にSHIFT入社。現在はAWSのプロフェッショナルとして、お客様へのアーキテクチャ検討からデリバリーまでを一気通貫で担当しつつ、社内では「AWSができる企業」の発信プロジェクトを牽引している。 

目次

お客様の課題を、適切な技術を使ってクリアしていく 

―――寅野さんのプロフィールを拝見して、本当にさまざまなIT企業で経験を積まれてきたんだなと感じています。上流から下流まで幅広く担当されてきたかと思いますが、仕事選びにおいてどんなポイントを重視されているのでしょうか?

寅野:ITエンジニアとして一貫して大事にしているのは、お客様の課題を、適切な技術を使ってクリアしていくことです。その姿勢を崩さず、一方で会社が変わるごとに、その時々で学びたいことも変わっている感じです。 

―――IT商社でのインフラエンジニアからキャリアをスタートされ、そこから外資系コンサル会社へと転職されていますが、このときはどんな「学びたいこと」があったのですか?

寅野:もう20年近く前の話ですが、端的にお伝えすると「顧客思考」を学び直すためですね。

転職した2007年ごろ、ちょうど世の中的に「顧客思考」の重要性が認知されはじめていたのですが、どうもSIerとコンサルファームが考えるそれは違うようだと感じていました。 

提示された要件/仕様書に基づいて確実につくりあげていくことこそが「顧客思考」だと捉えていたSIerに対して、コンサルファームでは必ずしも仕様書にこだわる必要はないと。 

お客様にとって必要だと判断したら、仕様書にはない要件や機能を積極的に提案していく。この違いを確かめるために転職をしました。

結論としては、当時高くなっていた鼻を完全にへし折られ、「お客様のために考え尽くすとはこういうことだ」と叩き込まれた4年間でした。 

―――なるほど。さまざまな会社を経てSHIFTに入社されたわけですが、なぜSHIFTに入ろうと思われたのでしょう? 

寅野:前職では経営コンサルに近い立場で超上流工程をメインに携わっていたのですが、プロジェクト期間が短期スパンだったこともあり、エンドのお客様との関係構築がなかなか難しくてですね。 

自分としては得意なインフラまわりでもっと手を動かしながら、中長期的にお客様と関係構築をしていきたいと思っていました。

そんななか、まさにインフラアーキテクト案件が増えつつあるSHIFTのことを知り、面談に進んだら技術の話がすごく弾んだんです。こりゃ楽しそうな会社だと思い、SHIFTへの入社を決めました。

インフラ領域も2週間ごとのスプリントで区切り、アジャイルスタイルで進めてみた  

―――SHIFT入社後は、どんな案件に携わってきましたか?  

寅野:この2年半でいろいろとやってきました。金融系企業のCRM領域再構築や、国内メーカーでのグローバル統合認証基盤のPoC、パッケージシステムのSaaS化支援などさまざまです。 

また、社内でも、AWSを利用する提案のサポートや、進捗の芳しくない案件のクラウド部分の技術支援、社内向けトレーニングコンテンツの作成なども行っています。 

―――濃密な2年半! そのなかで「特に印象的だったものはどれか」といわれたら、いかがですか?  

寅野:悩みますが、あるパッケージシステムをご提供しているお客様での、オンプレからSaaS化への実装支援案件ですね。これはかなり面白かったです。 

何が面白いかというと、そのお客様ではスクラム体制を組んでいて、2週間ごとのスプリントで区切ってプロジェクトを進めていました。

ここまでは至って普通だと思うのですが、そのプロジェクトにインフラアーキテクトとして途中からジョインして、インフラ機能の検討や設計、実装についても全部、ほかのタスクと同じようにアジャイルスタイルで進めていったのです。

―――インフラプロジェクトでアジャイル、ですか。 

寅野:インフラまわりは、通常ウォーターフォールな形で進みますよね。最初に可用性などさまざまな要件を決めて、それに対して必要な機能を洗いだし、方式設計、構築、テストという感じで、ある程度の期間を前提に組まれるかと思います。 

でもそのお客様先では、インフラまわりについても2週間ごとのスプリントで区切り、バックログやJiraなどを駆使しながらタスク管理をしていました。 

―――インフラでそういう進め方をするのは聞いたことがないですね! 

寅野:私もはじめてでした (笑)。そもそも、アジャイルの考え方やプロセスがインフラエンジニアとしてはじめてだったので、ちゃんと本を買って読んで、アジャイルのプロセスや専門用語とかを一から覚えていきましたよ。 

1日でタスクが完了するように設計するのももちろんはじめてだったので、何が大事なのかをすごく考えるようになりましたし、結果としてものすごいスピード感で進めることができました。 

準委任契約だからこそ、お客様のビジネスパートナーとして提案できる  

―――素朴な疑問なのですが、インフラで1日ごとのタスク設定とかしていったら、部分最適の効率性は高まりますが、一方で全体最適を見失いそうになりませんか?

寅野:まさにそこは、やりながら課題に感じたときがありました。最初からプロジェクトに参加していたスクラムオーナーが全体を見ていたので、少しでも見失いそうなときは、都度相談をしながら軌道修正をしていましたね。 

―――お客様からの評価はいかがでしたか?

寅野:非常にポジティブだったと思います。お客様に頼っていいところは頼って、自分たちとしてはしっかりと期待値を超えたご提案ができるように、技術としてあるべきストーリーを作り込むことに注力していました。 

プロジェクトが終わった後の終了報告で、お客様がAWSのリファレンスに基づいて構築された仕組みに対してインフラ目線でアドバイスをさせていただいたのですが、「あれはすばらしかった」とフィードバックいただいています。

―――お話をしていて非常にのびのびとお仕事をされている印象なのですが、SHIFTという職場環境で考えると、どんなポイントが「いいな」と感じますか?

寅野:まず、基本的なカルチャーとしてお客様との関係が「準委任」契約であることがすばらしいと思います。

「請負」だと決まった仕様書に対して粛々と実装/構築をしていくことが前提になるのですが、準委任だとお客様に対していろいろな提案をすることができます。 

違うなと思ったらしっかりとお伝えし、軌道修正なども打診する。そんな感じで、ビジネスパートナーとして協働できる点が非常にいいなと感じています。 

あと、手をあげれば、チャレンジに対していつでもリーダーシップの立場をとれる点もいいですね。

もちろん売上との両立が必要になってきますが、自分がやるべきことさえしっかりとやっていれば、やりたいことへの挑戦を止めない文化があります。

―――寅野さんが所属しているインフラサービスグループの魅力としてはいかがでしょう?  

寅野:各分野のベテラン/スペシャリストがたくさんいることに尽きますね。入社したときは20人くらいしかいなかった自部門も、いまでは100人を超えています。

ITソリューション部全体では500人を超えていますよね。多くのベテラン層の採用を進めていったので、困ったら誰かしら相談先があるのは非常に心強いです。

この前も、OIDC(OpenID Connect)について、詳しいメンバーに相談してきましたよ。 

お客様と同じ方向を向いている人であってほしい 

―――今後、どんな人といっしょに働きたいですか?

寅野:技術スタックとか経験とかいろいろとあるのでしょうが、大前提として、お客様と同じ方向を向いている人であってほしいと思います。

受注元と発注元という関係性ではなく、お客様がやりたいことと同じ方向を向いて、同じ気持ちで問題解決していく。 

そういうマインドじゃないと、いいものができないと思っています。そのうえで、技術についてしっかりと真摯に調べて、チャレンジしてほしいと思っています。

技術はそれこそ日進月歩なので、Web検索して探しただけのような対応ではなく、しっかりと手を動かして確認するような姿勢でいてほしいと思います。

―――最後に、寅野さんが今後チャレンジしてみたいことを教えてください。 

寅野:継続的にお客様の課題を解決していくのはもちろんなのですが、それに加えて、「AWSといえばSHIFT」という知名度をしっかりと上げていきたいと考えています。 

実はそのためのプロジェクトチームも立ち上げていまして、AWSの資格を“全部”取得した社内メンバー4人で、SHIFTのパートナーランクを上げるための施策や、外部発信の強化を企画しています。 

―――AWSの資格を全部取得って、すごいですね! 

寅野:ここは本当にチャレンジだと捉えていて、それこそパートナーランクについては、ここ2年ほどの間で一気に駆け上がらないと達成はむずかしいだろうと思っています。 

私自身、そういった取り組みははじめてなのでワクワクしています。先ほどのインフラ領域のアジャイルアプローチについても発信していく予定なので、楽しみにしてください! 

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)