「長年、事業会社に在籍していたため、コンサルタントへの転職は一抹の不安を感じました。しかし、実際に業務を進めていくなかで、達成感がその不安を上回って。これまでの経験が直接的な“価値”としてお客様に提供できることが、モチベーションの源泉です」。
こう語るのは、セキュリティサービス部のチーフシニアコンサルタント、M.Y.です。
35年にわたり大手複合機メーカーに勤務し、セキュリティエンジニアとしてソフトウェア開発のセキュリティやCSIRT(※)の推進に尽力したM.Y.。
転職のきっかけとなったのは、セカンドライフの選択でした。定年再雇用で会社に残るか、あるいは新たなキャリアに挑戦するために転職するか。
定年70歳のSHIFTを選び、2022年1月に入社したM.Y.の“いま”を追いました。
※CSIRT(Computer Security Incident Response Team)は、組織内で発生するセキュリティインシデントを検知、調査、対応、復旧し、組織の情報セキュリティを維持・強化する専門チーム。
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サービス&テクノロジー本部 セキュリティサービス部 セキュリティサービス1グループ M.Y.
大手複合機メーカーに新卒入社し、約35年間在籍。研究部門で複数の研究プロジェクトを担当した後、新規サービス立ち上げに伴い開発部門に異動。自社が開発するアプリケーションソフトウェアのサイバーセキュリティ対策チームと、全社を統括するコンピュータセキュリティインシデント対応チーム(CSIRT)の構築と推進を行った。2021年にSHIFTへ転職後は、セキュリティサービス部に所属し、セキュリティ対応態勢の構築支援、セキュアソフトウェア開発支援などの案件を担当している。
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24歳
大学院を卒業後、大手複合機メーカーに入社
技術開発部門に配属
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35歳
研究部門にて主任研究員となる
本業の傍ら出身大学/大学院にて5年間、兼任講師を務める
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48歳
規クラウドサービス事業の立ち上げに伴いシステム開発部門に異動
サイバーセキュリティ担当マネジャーとして、開発部門が扱うソフトウェア製品/クラウドサービスに関するサイバーセキュリティ対応態勢を構築
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54歳
本社部門を兼務し、全社CSIRT体制を構築
JEITAのセキュリティ関連委員会の委員長を歴任
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58歳
日本シーサート協議会の運営委員に選任される
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59歳
SHIFT入社
数多くの案件を担当
目次
セキュリティのプロとして活躍。定年を目前に、転職活動をはじめた理由
──まず、SHIFTに入社するまでの経歴を教えてください。
M.Y.:新卒で入社した大手複合機メーカーで、20年間に渡って研究所に所属していました。携わったのは人工知能開発言語、ハイパーメディア、ユビキタスコンピューティング、そしてセキュリティ関連の研究です。
その後、ソフトウェア開発部門に異動し、セキュリティ対策チームを立ち上げました。当時は社内にセキュリティエンジニアが少なかったため、さまざまなソフトウェア製品とデジタルサービスのセキュリティ向上に尽力しました。
さらに3~4年後、社内の関連部門と協力してCSIRTを構築。全社レベルでのセキュリティインシデントの対応にあたりました。
──新卒から長きにわたり勤務してきた会社を辞め、転職に至った経緯は?
M.Y.: 定年を目前に控えてからは、「定年再雇用の道を選ぶか、転職により新たなキャリアパスを模索するか」という選択を迫られました。過去に一度も転職を考えたことがなかったので、転職についての不安は大きかったです。
しかし、行動を起こさなければ何も変わらないと思い、転職の道を探すことにしました。
まずは、どれくらい自分に転職の可能性があるのか。転職サイトに登録しましたが、年齢が壁となったのでしょう。声をかけられることはほぼありませんでした。
そこで、もう少し可能性を拡げるために別の転職サイトに登録したところ、人材紹介エージェントと面談することになり、70歳定年制のSHIFTの存在を知ることとなりました。
選考プロセスで「しっかりと自分を見てくれている」と確信
──当時、SHIFTのことは知っていましたか?
M.Y.:実はSHIFTのことをまったく知りませんでした。
会社説明会に参加してSHIFTがソフトウェアテストの分野で急成長を遂げていることや、セキュリティ部門の立ち上げメンバーを募集していることなどを知り、ソフトウェア開発やセキュリティに携わってきた自分のこれまでの経験を活かすことができる可能性を感じました。
そして、はじめての転職の採用試験です。CAT検定(※)、一次面接、二次面接といくつかの選考段階があり、正直なところ、気が重くもありました。
しかし楽しむ心もちで臨んで、ひとつずつ選考プロセスが進むにつれて、徐々に達成感を得るようになって。さらに、面接官や人事担当者とのやりとりを通じて、SHIFTは自分のことをしっかりと見てくれている、と感じるようになりました。
SHIFTが目指すセキュリティ関連の事業と私の経験やスキルがマッチしていると確認できたことに加え、この年齢で事業立ち上げに参加できるチャンスはめったにありません。
定年退職となる60歳まであと1年近くあったのですが、思い切ってSHIFTへの入社を決心しました。
とはいえ、この年齢で転職することはリスクも伴います。定年再雇用とSHIFTに転職する場合とでのそれぞれの雇用条件、会社の業績や将来性、年収予測などを家族に説明し、理解を得たうえで最終的な決断をくだしました。
※SHIFTが独自に開発した、ソフトウェアテスト業務に必要なスピードや正確性などのスキルを測ることができる検定試験
お客様に喜ばれ、自己成長も実感。想像を超えたやりがい
──あらためて、セキュリティサービス部での業務内容について教えてください。
M.Y.:現在は、チーフシニアコンサルタントとして、多様な業種のお客様を支援しています。主な業務内容は、セキュリティ上安全なソフトウェアを開発し運用するための施策や体制構築のコンサルティングです。
具体的には、ソフトウェアアーキテクチャの設計上の弱点を洗い出す「脅威モデリング」、セキュアなソフトウェアを開発するための開発プロセスの策定とその運用の定着化、ローンチしたサービスや製品のセキュリティ運用を担当するPSIRTやDSIRTなどのセキュリティ対応態勢の構築支援などがあげられます。
それぞれのプロジェクトは数名とチーム体制を組み、つねに3~4件の案件を担当しています。そのなかで私がプロジェクトリーダーを務めることもあれば、プロジェクトメンバーとして参加することもあります。
実は、転職活動をしていたころ、希望職種として「コンサルタント」は避けていました。
前職で外部のコンサルタントと仕事をしてきた経験から、ハードワークのイメージが強く、それをこなせる自信がなかったからです。
しかし、実際にコンサルタントとして働いてみると、大変さよりも「自分の知識を拡げ、お客様の課題を解決できる喜び」の方が大きく感じられるようになりました。
──それはいつぐらいのタイミングから?
M.Y.:SHIFTに入社してから3~4ヶ月後、2つほどの案件を終えたころから感じはじめました。
お客様が抱えている課題や悩みは、私が前職で経験してきたものと共通することが多いのですが、一方、業種特有の課題や、新しい技術特有の課題に対応する場合もあります。
そのようなプロジェクトを通じて学習することで「自己成長」を実感しています。
お客様が抱えるさまざまな課題に対して、「この課題はどうやったら解決できるのか」と考える。
その過程で新たな知識を得るチャンスが生まれ、自身のスキルセットが増え、それにより、提供できるサービスの質も向上するという、好循環が生まれているように思います。
年収は驚くほどにアップ。この場所で「70歳まで働けること」に感謝
──セキュリティサービス部の強みをどんな点に感じていますか。
M.Y.:セキュリティサービス部での私たちの強みは何かと尋ねられれば、それぞれが事業会社やコンサルティング会社、セキュリティベンダーなどの第一線で働いてきた経験豊富な同世代のメンバーが集まっていることだといえます。
それぞれが積み上げてきた実践経験が私たちのサービスの売りになっています。
私たちの部署はまだ設立から2年半と若いですが、すでに「互いを尊重するカルチャー」が根づいています。多くが長年の会社経験をもつメンバーで構成されているため、協調性が高いのも特徴です。
さらに、SHIFTならではの強みとして、よいと認められたアイデアは迅速に実行に移せるというカルチャーをあげることができます。
SHIFTは中途採用者が多いため、さまざまな会社のカルチャーとベストプラクティスを融合し、スピード感をもって実行しているように思います。
──転職後の年収面については、どうですか?
M.Y.:転職後の年収については、入社時には前職よりも若干少ない額でしたが、それ以降は思いもよらないペースで昇給しています。
しかし、それ以上に私が感謝しているのは、「70歳まで働ける機会」を得られたことです。
──最後に。今後挑戦したいことについて教えてください。
M.Y.: 今後、私が挑戦したいことは、70歳の定年までの残り約10年間で、セキュリティサービス事業の拡大に全力を尽くすことです。
国内には、アプリケーション開発のセキュリティ対策に頭を悩ませている企業が数多く存在します。
SHIFTがこれまでにソフトウェアテスト事業で培ってきたお客様との関係を活かし、セキュアなソフトウェア開発を支援することで、SHIFTならではのセキュリティ事業を展開していきたいと考えています。
さらに、将来、事業を海外展開する機会があれば、貢献したいと思っています。実は、業務がほぼ在宅勤務で行われているため、1年前からオンライン英会話をはじめました。
前職でも英語を使用し海外の拠点と仕事を進める経験がありましたが、そのスキルをさらに磨き、会話力を高めることが必要だと感じています。
──M.Y.さん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)
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