「料理の世界もロジカルなんです。化学的な視点で食材や調味料、調理法を組み合わせないと、おいしくなりません。実は、プログラミングとよく似ているんですよね」
こう話すのは、元料理人のRPAアーキテクト、M.M.です。料理の世界から飛び出して、コールセンターのマネージャーや営業を経験した彼が「自動化」に出会ったのは37歳のころ。
その約3年後、2022年7月にSHIFTに入社したM.M.はめきめきと頭角を現し、いまではDevOps推進2グループに欠かせない活躍従業員となりました。
なぜM.M.は異業種からIT業界へ転身し、短期間で1人前のエンジニアに成長できたのでしょうか。そして転職先としてSHIFTを選んだ理由は──彼のこれまでの人生をなぞりながら、紐解いていきます。
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サービス&テクノロジー本部 ITソリューション部 DevOps推進2グループ M.M.
9年間料理人の修行を積み、その後コールセンターのSV経験を経て、前職のソフトウェア、インターネット関連企業でBPO業務の指揮・立ち上げや営業職を経験。その後、同社でデータソリューション部のDX担当として、画像認証モデルを用いた社内AIアプリケーションの開発において、要件定義やデータセット作成、進捗管理、制度検証などリリースまでをリード。2022年にSHIFT入社後は自動化エンジニアとしてスタートし、現在は自動化アーキテクトとしてチームを牽引している。
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18歳
料理人として鍛錬(ITとは無縁時期)
和食料亭、イタリアンレストラン、洋食レストランなど
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27歳
IT企業に転職。コールセンターSVを務める
チームマネジメントを経験
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32歳
転職。コールセンターでマネージャーを務める
複数チームのマネジメント、お客様とのコミュニケーション窓口、損益管理を経験
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36歳
社内スキルチェンジ。Webクリエイタースクールの営業
法人・個人営業を経験。自動化に興味をもちはじめる
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37歳
社内スキルチェンジ。独学で自動化をやりはじめる
DX推進チームを立ち上げ、業務自動化により年間約7,000万円の効果を実現。
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41歳
SHIFT入社。身も心もエンジニアに
自動化アーキテクトとしてチームを牽引。
目次
膝を痛めて料理人を断念。思わぬ異動が、エンジニア転身のきっかけに
──まず、SHIFTに入社するまでの経歴をお聞かせください。
M.M.:調理専門の高校を卒業後、東京の飲食店で料理人として働いていました。ターニングポイントが訪れたのは社会人10年目のとき。膝を痛め、医師から「立ち仕事は控えたほうがいい」と勧告されてしまったんです。
故郷の沖縄に戻り、転職活動してたどり着いたのはIT企業のコールセンター業務でした。当時、沖縄県ではIT企業の誘致に力を入れていたんです。
その会社には約5年在籍し、マネージャー職を経験したのちに転職。Webサイト制作やWeb広告運用を手がける企業のコールセンターに配属された後、思いがけず入稿や校閲などを手がける部署へ異動となりました。
──異動後は、どのような業務をしていたんですか?
M.M.:業務効率化に向けた、自動化ツールの開発や運用です。例えば、Webサイトに情報掲載するにあたって、内容が法律や規約違反にあたらないかを一文一文目視で確認するのは、時間もかかるし、ミスも起こりやすくなります。
そこで、作業効率化をうながすべく、AIを使った自動校閲ツールを開発し、活用するよう働きかける。またDXチームを立ち上げて、全社的な業務効率化や自動化を展開していました。
もともとはプロジェクトのディレクターとして配属されたのですが、さまざまな開発を進めるにつれて、エンジニアのリソースも不足していることがわかり、気がついたら私もエンジニアのひとりとして手を動かすようになっていて。
「はやくツールを仕上げたい」という気持ちはもちろんありましたが、何よりも、プログラミングやRPAに面白みを感じたんです。
人の手だと何十時間もかかる作業が、RPAを活用すればあっという間にできあがってしまう。もともと効率化する取り組みが好きだったこともあって、どんどん技術にのめり込んでいきました。
「もっと自動化に特化した仕事がしたい」──転職を決意したのは、エンジニアとして働きはじめて3年がたったころでした。
希望していた「品質テストの自動化」を担当。実装リーダーとしてさまざまな案件に取り組む
──数多くのIT企業があるなかで、SHIFTを転職先に選んだ理由は?
M.M.:SHIFTで働く環境や待遇がとても魅力的だったからです。
もっとも響いたのは、DevOps推進2グループと私の目指す方向性が同じだったこと。面接でいまの上司から「品質保証テストの自動化を進めたい」という話を聞いたときは、胸が躍りましたね。
品質の担保はものづくりにおいてもっとも重要なプロセス。その部分を自動化して迅速な対応が可能になる取り組みに共感しました。
加えて、給与水準が高く、評価制度が確立されているのは大きな安心材料になりました。
実は、SHIFT以外にもSES企業、DXを推進するIT企業の2社から内定が出ていました。後者の会社からは新規事業の責任者としてオファーされていましたが、最終的にはSHIFTを選びました。
──SHIFTに入社してから、具体的にはどのようなプロジェクトにたずさわってきましたか。
M.M.:少し前に、大手自動車部品メーカーのDX推進案件を担当しましたが、そのほかはすべてテストの自動化案件ですね。最初は実装のいち担当として、官公庁の文書管理アプリ案件からスタート。
そのあとリーダーとなり、メガバンクの為替のシステム、医療系ECサイトの決済システムなど、さまざまな業種、多様なシステムの品質管理を支援しました。
いまは大手半導体メーカーのSAP移行案件を担当しています。チームには3ヶ月前から加わっていて、リグレッションテストの自動化に着手しています。
──さまざまな案件を通じて、どこにSHIFTの強みを感じますか?
M.M.:テストを主軸にしながら、さまざまなサービスへと派生させている点でしょうか。DX推進案件を担当してみて、お客様の困りごとをつぶさに見つめて、丁寧な提案をしている印象を受けました。
技術力も知識も深めたい。だから、切磋琢磨できるカルチャーがありがたい
──自動化ツールは、ケースによって種類も異なると思うのですが、どのようにキャッチアップしながら実務に活かしているんですか?
M.M.:上司や同僚に聞くこともありますが、基本的には自分で調べ、実際に手を動かしながら確かめていくことが多いですね。
いまの担当案件で使用しているツールは、ネット上に公開されている事例が圧倒的に少ないんです。苦労はしていますが、試行錯誤していると「こんなやり方もあるんだ」というような発見があって楽しくて。
一見、まわり道をしているようですが、結果としてお客様にとって最適なサービスを提供できていると自負しています。
──M.M.さんは、普段から勉強熱心で、最新技術のキャッチアップを怠らないと聞いています。
M.M.:勉強している意識は全然なくて、ただ好きでやっているだけなんですよね。プライベートの時間でも自動化とはまた別の領域のプログラミングをしたり、Webサイトをつくったり。ブロックチェーン活用のコミュニティにも参加しています。
AIも好きなので、新しいモデルやツールは積極的に触っています。オープンソースのツールでバグを見つけたら、開発元に問題提起することもたびたび(笑)。
──すごく楽しそうですね。SHIFTでも頻繁に勉強会が開催されていますが、参加されていますか?
M.M.:ちょうど昨日、アーカイブを視聴しました。AIモデルでよく使用するLangChainというPythonライブラリがテーマだったので、興味が湧いて。
私が使っているAIのツールもLangChainが使われていたので、基本構造や機能などが知れてとても有意義な時間となりました。
SHIFTは勉強会をはじめ、メンバー間で切磋琢磨する雰囲気があり、チャットでの情報交換も活発です。
一時期は別部署の開発メンバー4人で業務時間外に集って、SHIFT内に蓄積されたナレッジを検索できるプロトタイプをつくったこともあります。
こういうチャレンジが気軽にできるカルチャーがありがたいし、これまで使ったことのない言語にも触れられて、経験値があがりました。
「何事もやってみる」がモットー。提案活動やコンサルティングも視野に、さらに前へ
──かつては料理人だったM.M.さんですが、あらためていまの仕事やメンバーについてどう感じていますか?
M.M.:料理の世界で、終盤は副料理長としてチームをまとめながら仕事をしていたものの、料理人は基本、ひとりでやる作業が圧倒的に多い。おそらく自分はそのほうが得意なんですが、チームで動くと量も質も高まることをSHIFTで働き、実感しています。
リーダーとして心がけていることは、メンバーが迷子にならないよう、ゴールを明確にすること。私のまわりには愚直に仕事を完遂させる真面目な方が多く、チームとして力を発揮しやすい環境です。
──今後、SHIFTでやっていきたいことは何でしょう?
M.M.:お客様に対して、自動化に関する提案やコンサルティングサービスを提供できるようになりたいですね。そのためにはより広い知識や知見、そしてお客様が置かれている状況を正確に把握し、どんなことを提案するか判断できる力が必要です。
個人的には、自動化による成果を数値としてしっかりと出すことが喜び。そのために、トップガン検定(※)など社内の資格制度も活用しながら力をつけ、お客様の工数削減や利益率の向上など、業務効率化や生産性向上に貢献していきたいです。
(※)SHIFTのグループ従業員を対象とした社内キャリアUP制度
──最後に、M.M.さんと同じく業界経験が短いなかでSHIFTへの転職を考えている人に向けて、メッセージをお願いします。
M.M.:興味があっても、いざ新天地に進むとなると二の足を踏んでしまう。そういう人は少なくないと思います。でも実際はやってみないとわからないんです。
私の座右の銘は「何事もやってみて、できるかできないかを判断する」。SHIFTはチャレンジを受け入れてくれる会社ですし、万が一失敗しても周囲が助けてくれるカルチャーもあります。
勇気をもって、ぜひ一歩踏み出してみてください。
──M.M.さん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)
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