傍観せず仕切る側に──「証券×IT」で、変革の時代をリードできる若手を育成する 

2018/11/14

「時代の流れを先どりし『売れるサービスづくり』を実現するためにも、若手社員の育成は急務であると考えています」

保険・証券サービスグループでグループ長を務めるK.D.は、強い口調でこう語りました。いま、同グループでは、証券チームの若手社員に向けた育成プログラムを構築中です。

SHIFTならではの資産やカルチャーを活かしつつ、若手の力を高め、“証券×IT”の事業可能性を広げるのが目的だといいます。

一体どのような取り組みなのでしょうか。詳しい内容や狙い、根底にある想いについてK.D.に語ってもらいました。

  • サービス&テクノロジー本部 金融サービス部 保険・証券サービスグループ グループ長 K.D.

    前職は大手証券会社のIT部門に所属しBA、PMを多種プロジェクトで務め、複数の案件においてIT担当役員表彰を受賞。また過去においては損害保険会社(営業部門)、信託銀行(ファンド管理)など多くの金融業務を経験。これらのキャリアを活かし、現在はSHIFTにて保険・証券サービスグループのグループ長を務めている。 

目次

起点は「シニア社員がもつ知見を、組織に活かしたい」という思い 

──はじめに、保険・証券サービスグループの業務概要とメンバー構成について教えてください。 

K.D.:保険や証券関連のITシステムを対象に、品質テストやPMO、社員支援・社員代替事業を展開しています。グループは保険チーム、証券チームの2つにわかれており計約130名が在籍しています。 

人数はほぼ半々なのですが、各チームの年齢構成は大きく異なります。保険チームが若手から中堅社員が大半であるのに対して、証券チームはベテランやシニア社員が4割強。その多くが証券会社や証券会社系SIerの出身者で、ITの知識のみならず証券に関する実務にも精通しているのが特徴です。 

──今回のテーマである若手育成プログラムは、証券チームから着手している取り組みだと聞いています。その理由は? 

K.D.:証券チームの資産であるシニア社員の知見を集合知にし、いちはやく若手社員に浸透させたかったからです。保険チームについては、証券チームのメソッドがある程度完成した時点で、とりかかりたいと考えています。 

専門的な業務に一日もはやく慣れてもらうために。考え抜かれた、3つの取り組み 

──ではあらためて、証券チームの若手育成について概要を教えてください。 

K.D.:証券業界未経験者でもスムーズに馴染める環境をつくりたいと、3つの軸で整備を進めています。 

1つ目は、業界の基礎知識を早期に身につける動機づけをすること。具体的には、株式や債券、投資信託などの案内や勧誘をするうえで必要な「証券外務員資格」を、社内の資格取得支援制度のなかに加えました。 

2つ目は、品質テストにおける証券システム固有の知見を各自で学べる教材をつくること。 

証券システムは口座開設から注文・取引、バックオフィス業務など、関与する業務が多岐にわたり、また幅広い商品・サービスに対応します。 

システムのテストにおいては業務フローや商品特性を理解した上で設計に取り組む必要があります。したがって、これらがわかっていないと、テストのシナリオをしっかり組めないし、不具合のケースも洗い出せない。一方で各社のシステムの土台は、基本的にはほぼ同じです。 

一度パターンを理解すれば、担当するお客様が変わってもテストをするシステムの構成や機能がおおよそわかるようになります。 

新入社員は社内研修で基礎技術を習得してからテストの現場に入るのですが、証券システムは前述のとおり機能が多岐にわたるため、戸惑うこともしばしば。そこで、不明点をさっと検索できる教材を作成することにしました。いままさにサービスマネージャーやシニア社員が中心となって知見やスキルを書き出し、体系化しているところです。 

3つ目は、若手・シニア社員をペアにする業務体制とし、仕事の本質をつかんでもらえるようにすること。 

どんな若手でも、一度現場に入って3~4ヶ月経てば、専門用語の意味を大枠では理解し、クライアントや同僚と“表面上の会話”は成り立つようになります。 

しかし、例えば口座属性に登録された情報に基づき取引に各種制約が発生するようなケースがあります。これらについては上流工程の設計書に基づきテストシナリオを書き上げることは可能です。 

但し、これらの業務的理由や背景を理解することはむずかしい。本質を頭に刷り込む、つまりOJTを完結させるためには、熟達者に教えを乞いやすい環境をつくることが一番の近道であると考えました。 

現状、資格支援制度以外は、鋭意整備中です。一日もはやく実施できるよう、時間と知見を持ち寄りながら奮闘しています。 

DX推進も、売れるサービスづくりも。必要とされるのはBA支援ができる高度人材 

──K.D.さんやシニア社員のみなさんが多忙な合間を縫って、若手育成のために力を注いでいるのはなぜですか。 

K.D.:近い将来、金融システムはこれまでにない転換期を迎えると予測しています。変革のときに備えて、高度人材を育てておきたいというのが、この取り組みの最たる目的ですね。 

日本は、“大相続時代”に突入したといわれています。 

資産の動きに伴って、金融機関の顧客構成も様変わりしていくでしょう。また、証券会社2社の「国内株式の取引手数料を0円にする」というニュースは記憶に新しいところですが、業界の常識がひっくり返るようなできごとはこれからも起こり得ます。 

加えてSHIFTは近年、「DX推進」や「売れるサービスづくり」など品質保証の枠を超えた支援を強化しています。 

DXを推進するということは、新たなITサービスの導入とあわせて業務フローそのものにもメスを入れるということ。会社の目指す方向性に進むためには、高度な顧客社員支援、特にBA(ビジネスアナリスト)支援ができる人材の育成が不可欠です。 

とはいえ、いまメインで展開している品質テストやPMO事業をさらに高レベルで提供できるような“足元を固める”教育も大切。目線の近いところ、遠いところをそれぞれ意識しながら、育成内容を精査しています。 

──ずばり、「証券×IT」のプロになるためには、日々どんなことを意識すればよいのでしょうか。 

K.D.:情報収集をしながら、先を読む力を養う。つまりは勉強ですね。証券会社の現状や業界全体の課題をメンバー一人ひとりが語れないことにはプロフェッショナルとはいえません。 

新入社員には、経済紙を読むようにアドバイスしています。例えば、いち企業が大々的経営戦略の転換を発表する裏にはITによる業務の代替があるかもしれない。すなわち、多くの発表にはIT戦略の裏づけが有ると考えます。アンテナを張りながら情報に接していくと、だんだんと物事の関連性に気がついたり、将来の方向感を予測する力がつく。すると「いま、何をすべきか」が見えてくるんです。 

会社も個人もさらなる強みをもつために。変化をチャンスに変える 

K.D.:さらにいうと、品質に対する徹底したこだわりは証券×ITのプロフェッショナルにとって必携だと思います。どんなに業界や事業領域を広げても、SHIFTが立脚しているのは、品質という2文字です。 

金融業界に従事して25年以上経ていますが、一番大事なのは、やはり品質です。お金を扱っていることもあって、障害が起こるととてつもないリカバリーコストがかかりますし、ステークホルダーからの信用もガタ落ちになります。私はこれまで何度も窮地に遭遇してきました。そんな経緯もあって、「品質向上」を主軸事業に据えるSHIFTに共感し、転職したんです。 

──K.D.さんは2020年に入社されましたが、SHIFTの良さはどんなところにあると感じていますか。 

K.D.:ずっと事業会社にいたので、当社にきてからさまざまな会社のシステムに触れられるのは、うれしいですね。同じ証券システムで根本は同じながらも、会社によって考え方が違う。触れながらそのことを実感するたびに面白味を感じます。 

保険会社、信託銀行、証券会社と籍を移してきて思うのは、SHIFTは本当に風通しがよく、横連携がしっかりしているな、ということ。やりたいことがある人にとっては、最高の環境なのではないでしょうか。私自身は、どこにいても好き勝手やっていましたが、それはおそらく業界では非常に稀なタイプなので(笑)。 

──最後に。SHIFTへの入社を検討している方たちへメッセージをお願いします。 

K.D.:私はメンバー一人ひとりの年収、市場価値を高められることが第一だと考えています。 

若手の育成をしっかり行なうことで、市場価値が高まり受注単価がアップし、会社の売り上げに貢献し、年収が上がる。さらに実績の集合体ができあがると、証券業界におけるSHIFTのプレゼンスを放つことができます。

繰り返しになりますが、金融、証券業界はいま、変革のときを迎えようとしています。IT化が進んでいくさまをただ傍観するのではなく、先に答えを出す。そして“仕切る側”にまわることで、会社だけでなく、個人も強みを持てるようになります。まさに、変化はチャンス。 

興味のある方は、ぜひ一緒に「証券×IT」で飛躍しましょう!

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)