あのとき私を救ってくれた存在に、私がなる。媒介者として目指すは「全員主役」のチーム

2023/10/18

「与えられた仕事には100%以上で返したいんです」

笑顔でそう語るのは、産業流通・サービス部のS.K。偶然の出会いに導かれ、異業種から足を踏み入れた小売業のPOSテストの世界。無我夢中で経験とスキルを重ねるうちに、いつしかPOSテストのスペシャリストになっていました。

順調にキャリアが積み上がっていくなかで沸々と湧き上がってきたのは、体力勝負の働き方に対する疑問と、成長鈍化への焦り。そんな彼女が新天地として選んだのがSHIFTでした。

コロナ禍直前の入社から3年半が経ち、いまではメンバーから一目置かれる存在に。若手のロールモデルとしてチームの信頼と評価を得ているS.K.にチームで働くうえで、大切にしていることを聞きました。

  • 産業流通サービス部 流通サービス1グループ S.K.

    スポーツ用品の小売業界から一転、未経験でIT業界へ転職。テスト実行・設計に従事後、2年で内部結合テストの管理を任され、知見者として要件定義や設計書作成に参画するまでに至る。これまでの経験を活かしつつ、違う分野の品質検査や管理を学びたいと考え、2020年2月にSHIFTに入社。

  • 23歳

    新卒でスポーツ用品小売会社に入社

    店舗での販売・受発注・顧客データ管理・売上管理などを経験

  • 24歳

    退職したが就職氷河期で仕事がなく派遣社員としてIT業界へ

    POSシステムの品質テスト作業を経験後、半年でテスト設計を担当

  • 26歳

    実力を買われ派遣先の会社へ転職

    内部結合テストの管理を担当、要件定義作成に知見者として参加

  • 31歳

    SHIFT入社

    アパレルのPOSシステムのチームに参画

目次

偶然の出会いに導かれたITキャリアの出発点

────これまでのキャリアについて教えてください。

体育大学で陸上に打ち込んでいたこともあり、大学卒業後はスポーツ用品店で接客販売を行っていました。転職を決めたのは入社後1年半が経過した頃。転職活動の時間がとれない程忙しく、次が決まっていない状態でしたが思いきって退職しました。当時は 就職氷河期だったので、派遣会社に登録して……懐かしいですね。

それでシステムの検証を行う企業に派遣され、コンビニエンスストアのPOSシステムのテストに携わることになりました。そこではじめてQAという仕事の存在を知ったほど、ITの経験も知識もありませんでした。

────まったく違う分野からの転職に戸惑いはありましたか?

販売員からパソコンとにらめっこのQAへの転身はまるで違いましたが、仕事は楽しかったです。間違い探しの感覚でバグをよく見つけていたのですが、評価をいただき、雇用契約更新を重ねていきました。

「テスト設計もやってみないか?」という話をもらい、テスト設計も担当。気づけば、派遣先だった会社の正社員になったのです。テスト設計の仕事は私に合っていたのでしょう。業務内容もどんどん広がっていきました。

その背景には、「与えられた仕事に100%以上で返したい」と常日頃から考えていたことも影響していたかもしれません。テストの実行管理、設計、他の設計者の指導に加えて、お客様の要件定義にQAの知見者として参加し、不足箇所や改善点を指摘する役割も担うようになりました。

成長鈍化への危機感と、体力勝負の働き方に終止符

────とても充実していたと思いますが、転職を考えたのはなぜでしょう?

当時、テスト設計において一番責任のある立場だったのですが、未経験からはじめた私の知識はほぼ独学。「これであってるのかな」という不安を抱えていたんです。

でも必死に残業すればなんとかまわる業務でしたし、案件が変わらないこともあり、勉強する必要性にも迫られませんでした。一方でこのまま働きつづけることへの漠然とした閉塞感と、成長が止まってしまう焦りがあって。

他には、プライベートとのバランスがとれなくなったことも大きいです。人手不足が解消されず、残業時間が伸びていきました。

また、役職につかないと昇給しない仕組みだったのですが、ポストの空きがなく、新たに増えることも見込めない。キャリアコンサルティングの仕事をしている友人から「君のスキルを考えると、評価してくれる企業もあると思うよ」と背中を押され、転職を決心しました。

────20代でのキャリアチェンジにはさまざまな選択肢があったと思うのですが、SHIFTを選んだ決め手はどんなところですか?

未経験の人事や事務にもチャレンジしたい気持ちもありましたが、その友人に「収入を上げるならこれまでの知識と経験を活かした方がいい」とアドバイスされたのは大きかったですね。

私の場合、もともとIT全般の知識が豊富でこの世界に入ったというタイプではなく、偶然出会ったQAに特化したタイプ。さまざまな領域のテスト事業を手がけるSHIFTなら自分のキャリアを活かしながらも、違う分野の品質検査や管理の方法を学び、幅を広げられそうだと考えたのです。

自分が経験した「もどかしさ」をメンバーが味わう必要はない。

────入社直後にコロナ禍となり、戸惑いもあったと思いますが、どのように乗り越えてきたのでしょうか。

乗り越えられたのは、あるメンバーの存在が大きかったですね。

入社後まずはアパレル企業のPOSシステムのテストを行うチームに参画したのですが、お客様先に通いはじめて間もなく緊急事態宣言が発令され、すぐに在宅勤務になりました。わからないことを対面で聞くことができたのは1ヶ月ほど。その後は聞きたいことをすぐに聞けないことが非常にもどかしかったんです。

チャットって、仲よくならないとすごく聞きづらいと個人的には感じていて。私、接客経験があるからコミュニケーションが得意だと勘違いされることが多いんですが、実はそんなことなくて。元来めちゃくちゃ人見知りで、緊張してあがっちゃうタイプ。そんな自分には当時の環境はなかなかハードでした。

でもチーム内にいた同年代の女性メンバーがフォローしてくれて。いろいろな方と話すのが得意な彼女は、メンバーに対して、私のことを親しみを込めて紹介してくれたり。彼女づてで、わからない部分をメンバーに質問できたり。徐々にオンラインにおける距離感を掴むことができ、スムーズにコミュニケーションがとれるようになりました。

この経験はSHIFTに入って一番自分に影響を与えた出来事だと思います。「彼女のような存在に自分もなりたい」と強く思いました。振り返ると、相手の立場で考え抜くことの土台はここからスタートした気がします。

現在は新しいメンバーを迎え入れる側として、「相手が聞きづらいことは先にこちらから伝える」「最初は出社して、すぐに聞ける状態をつくる」など自分がもどかしかったことを教訓とし、心理的安全性をいちはやく生み出すようにしています。

また設計書レビューの際は、答えだけでなく、考え方も共有するように心がけています。例えば、「○○の機能が追加される場合、運用を見据え○○の観点でのテストが必要」など。応用も可能ですし、結果的にメンバーの成長をはやめることに繋がります。成長したメンバーが、他のメンバーに考え方を共有している姿をみるとうれしいですよね。

自分だからこそ担えるPMの姿を目指して

────FY23 SHIFT AWARDでは、「幅広くチームをフォローしてくれる人」として「 縁の下の力持ち賞」を受賞されましたね。

テストを実施していると、設計リーダーのもとには実行者からさまざまな問い合わせが寄せられます。実行者は何十人もいますが、素早く答えないと実行者の手が止まり、進捗にも影響するので、ここでも相手の立場で行動しています。

自分が気づいたことは上司に必ず伝え対応策を考えます。これ以外にも放置されがちな細かな仕事を拾い上げていたことで、担当外の質問や設計者からの相談もくるようになって。受賞したときは驚きましたが、こうした点が評価されたのかもしれません。

────設計品質を支える立場として、どんな点に仕事のやりがいを感じていますか?

手をあげたらやらせてくれる点と、任せてもらえる業務がどんどん広がっている点ですね。

例えば私が担当しているアパレル企業はグローバルに展開しており、テスト対象も数十ヶ国に渡ります。しかし、私が入社したときは国ごとにテスト設計書が異なっていました。そのため、上司から了承を得たうえで、バラバラの設計書を1本に集約したんです。こうした方がいい、ということを忖度なく提案できるのは、もっと頑張ろうというやりがいにつながっています。

入社当時は1テスト設計者だった私も、現在は10数人いるメンバーのテスト設計状況を管理する立場として、設計書のレビューを行っています。最近ではテスト設計管理と並行して品質改善チームにも加わり、リグレッションテストのケース数をどう減らすかという課題にも向き合っています。少しずつ向き合う課題が大きくなっていくのも、やりがいの一つです。

────チャレンジしてみたいことや今後の展望について教えてください。

今後はPMにチャレンジしたいです。一方で、PMってすごい人が多いし、「私に務まるのかな」という不安から悩んでいた時期もあって…。それでも、テスト設計管理、品質改善チームの取り組みを通して、さまざまな人の立場を考えながら行動してきた自負がある。「そんな自分だからこそ担えるPMの姿があるのでは」と前向きに考えるようになりました。

だからこそ、誰よりも相手の立場で考えることは忘れず、チームを盛り立てていきたい。幅広くチームをフォローできる人を増やし、チームから縁の下の力持ち賞を受賞する人を増やしたいと、いまでは思えています。自分の信念を伝播し、チーム全員にスポットライトをあてることができるようなPMに成長できれば。そんな想いを胸に、今後も成長していきます。

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)