
SHIFTのゲーム業界への参入、それはテスト事業からスタートしました。
近年はプランナー/ディレクター/プロデューサーを支援するため、開発上流フェーズでの課題解決サービスが立ち上がり、いまやQA領域だけではなく、全方位でゲーム開発支援ができるようになってきています。
自社開発企業ではないからこそ生まれる「新しいゲームづくり」。今回のインタビューではSHIFTらしいゲームづくりへの挑戦ストーリーをお届けしたいと思います。
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アカウントビジネス推進本部 エンターテインメント事業統括部 エンターテインメント事業部 K.R.
前職は国内最大規模のソーシャルゲームのメインプロジェクトマネージャーとして、新規開発/運用管理~予算策定/管理まで幅広く経験。ゲーム会社での経験を活かしつつ、よりビジネススキルを積みたいと決意しSHIFTへ2021年12月に入社。現在はSHIFTが関わるゲーム会社のお客様の開発全工程において、先を見越したソリューション構築に大きく貢献。また、プロデューサーサポートという新たなサービスも立ち上げ、拡大にむけ奔走中。
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アカウントビジネス推進本部 エンターテインメント事業統括部 エンターテインメント事業部 S.D.
アニメーション制作会社を経てコンシューマーゲーム制作へ。プロデューサー・ディレクターとして複数タイトルをリリース。その後スマートフォンゲーム会社にてマーケティング・ライセンスマネジメントなどの業務に従事。フリーランスとなってからはゲームだけでなくエンタメ系のコンテンツを広く手がける。2022年9月に入社。
目次
心が折れ、業界を去っていく人たちを見て
───第2弾記事では、「プロデューサーサポート」という、開発最上流のところから入り込んでお客様のプロジェクトの課題に合わせて解決策を提案・推進していくサービスの立ち上げの話をK.R.さんに伺いました。改めてサービスを立ち上げた背景を教えてもらえますか。
K.R.:僕はもともとゲームの開発・運用の現場に十数年身をおいていました。ただ、大手の会社であっても、ヒットタイトルづくりにおいては、まだまだ改善点があると考えていました。
高品質なアセット・複雑化した開発体制のもと、長期化した開発期間のなかで各分野のプロフェッショナルが品質向上のために努力をする。そういったプロフェッショナルが集まった大所帯のチームほど、現場レベルでの意思決定やフローに関しての些細な課題は多く存在し、少し目を離したすきにとり返しのつかない事態に発展してしまっていることも多々あります。
僕が転職を考えていた2021年ごろ、SHIFTでは上流工程の「売れるサービスづくり」に寄り添い、ヒットタイトルの創出に貢献しようと、新たな事業戦略を展開・拡大しようとしている最中でした。SHIFTならば僕が長年感じてきた業界の課題感に対して、自分の経験・知見を活かしつつ、新しいチャレンジができるのではないかと思って入社しました。
その新しいチャレンジがまさに「プロデューサーサポート」です。ゲーム開発に携わる人たちを支援していきながら業界を盛り上げていけるようにと、サービスを立ち上げました。

───プロデューサーサポートが立ち上がったおかげで、SHIFTがゲーム開発においていままでにはない関わり方ができるようになっていますよね。S.D.さんはK.R.さんの約1年後に入社していますが、K.R.さんが感じてこられたような開発の課題感を同じく感じていたのでしょうか?
S.D.:そうですね、私はゲーム会社に在籍していたこともありますが、SHIFTに入る直前はフリーランスとしてさまざまなゲーム会社とお仕事をさせていただいていました。そういったなかで昨今のゲーム開発の課題感は感じていました。
1タイトルに何億円もかけたプロジェクトがうまくいかず、心が折れてしまいゲーム業界がつまらないなと去っていた方を何人も見てきました。それはとても寂しいことですし、いろいろなタイトルがちゃんと売れて、つくっている人たちに幸せが広がるといいなと思っていました。
SHIFTに出会い、プロデューサーサポートを知り、このようなサービスがあればゲーム会社さんも楽しくゲームがつくれると思っていたので、SHIFTの考えに賛同して入社を決めました。
───SHIFTのエンタメ領域は『ゲーム開発にかかわるすべての人を幸せに』というミッションを掲げていますもんね。共感してもらえて、とてもうれしいです!

事業目標と絡めた戦略立案、コンテンツたちあげなど
───実際、おふたりはどのような支援をしているのですか?
K.R.:私は開発中・運用中問わずゲームタイトルの事業目標に沿った戦略立案や、戦略に基づいた施策立案のサポートを行っています。例として事業目標とデータをもとに、プレイヤーにどういった遊び方でファンになってもらうか、というコンセプト部分から固めていき、それに必要な施策や機能をまとめたロードマップ作成のお手伝いをさせていただいています。
S.D.:私がいまメインで進めているのはIPの立ち上げで、いわゆるタイトルやゲームの立ち上げではなく、コンテンツを立ち上げるところに携わっており、コンテンツを形にしていくうえでのクリエイティブづくりと周辺のプロモーション、どう広げていくかの横展開も含めて担当しています。
経験がないと何から手をつければよいかわからない…というケースはよくある話で、まずはモチーフになっているコンテンツを立ち上げて、世界設定やどうしたらそのコンテンツやモチーフが面白くなるのか、モチーフの育て方や展開の仕方を検討しながら話を進めています。
経営層を説得していくうえではビジネス展開まで含めた話が必要ですので、そのようなところまでもサポートしているイメージです。

再現性の高い経験をもつひとたちが、チームで取り組む強さ
───プロデューサーサポートのサービスの立ち上げ以降、メンバーも増えていったかと思いますが、具体的に変わったことはありますか?
K.R.:お客様の課題に対して解決の幅が広がり、提供できるサービスの質が上がりましたね。数年前は中身が一緒で皮が違うIPでも売れていたのですが、いまは違う要素としてゲームのシステムそのものを変えたり、新しいチャレンジしていかないと売れない時代になってきていると感じます。
一方で1つのタイトルで3、4年、何十億円とかけていて、開発もかなり複雑化している。例えば、絵だけでも3Dとかエフェクトもあってボイスもついてとか。オープンワールドでいうとものに対するリソースも増えているし、開発に対しても高負荷な状態でも処理するバックグラウンドもあるし…
そのため、さまざまな領域のプロフェッショナルが揃っていないとゲームをつくることがむずかしくなっているのが現状です。だから専門知識はもちろんのこと、ヒットタイトルを出すためにどれだけ試行錯誤したか、再現性の高い経験をしてきた方々が必要です。
いまの私のチームのメンバーは、プロデューサーやディレクターの経験はもちろんのこと、バックボーンや強みもさまざまで、スキル・経験の幅は多種多様。開発フェーズやジャンルに応じて対応ができるようになってきました。
ゲーム業界においてはフリーランスで開発支援をするようなケースもありますが、一人ではなく、組織・チームとして取り組むため、チームにノウハウがたまっていくのが、SHIFTの強みでもあるとも思っています。
「SHIFTと一緒にタイトルをつくると面白いものができる」
───今後のビジョンを教えてください。
K.R.:まずは、ゲーム開発で困ったらSHIFTを頼ってもらえるという立ち位置を確立して、中長期的には、開発に困っていなくてもSHIFTに相談がくるようにしたいですね。
私たちが提供するさまざまな開発支援のサービスを通して、「SHIFTと一緒にタイトルをつくると面白いものができる」と思っていただけるようになって、開発の中心にいる存在になれればと思っているんです。
業界内でのキャリア形成においては、通常1本のタイトルを出すうえで3~5年かかることが普通で、経験をつむためにかかる年数がどうしても長くかかりがちですが、SHIFTにおいては経験の有無にかかわらず社内のナレッジを活かすことで難易度の高い業務にチャレンジでき、成長スピードをはやめていくことが可能です。
例えばリリース直前のところで案件に参画し、リリースに向けてβテスト時のプレイヤーの反応やKPIを見てタイトルの方針を決断する一員になることも可能です。通常のゲーム会社ではこの業務に参画するには、たしかな実績を積んでいないとチャレンジする機会すら得られません。
もちろん大変な場面も多いですが、その経験を活かして、半年後には別のタイトルで前線を張るなど、短い期間で濃い経験を積んでいただけると思っています!

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)