育休で得たもの。「協働」と「先読み」スキルで、チームで成果をだせるようになった話 

2023/06/16

育児休業。

誕生まもない子を育てる当事者からすれば、「休」という字から想像するような穏やかな日々ではありません。

一瞬たりとも気をゆるせない、張り詰めた不安な気持ち。自分のための時間もなく、つねに寝不足の体に「自己成長」や「スキル習得」を求めるのは本人を追い詰めていくよりほかありません。

しかし必死に毎日を過ごすうちに、前よりもできるようになっていることもあります。それを仕事にも活かしてみる、そんな視点をもつことは悪いことではないでしょう。

今回はそんな話をお届けしたいと思います。

  • サービス&テクノロジー本部 デジタルサービス統括部 コンサルティング部 T.H.

    銀行、コンサルファームを経て、現職。新規ビジネスの戦略策定や業務改善に向けたシステム化計画策定など「上流案件」を中心に幅広い案件を推進。“どこでも、だれとでも、はたらける”ようになるのが目標。新しいことを知るのが好きで、本をたくさん読んでいる。毎週欠かさず図書館へ行く。

目次

妻のキャリアを大事にしたい。3ヶ月の育休で目指したこと 

───T.H.さんはお子さんの誕生から3ヶ月間の育児休業を取得されたんですよね? 

T.H.:はい。1週間程度では新しい生活も落ち着かないでしょうし、育児スキルも身につかないだろうなと思って。妻の産後の体調回復や、夜泣き対応も考えて決めました。 

上司とは普段からコミュニケーションも密だったので、育休についても自然に相談をしましたね。 

育休をとりにくい雰囲気はまったくなくて、会社のカルチャーとしても自分の意思決定が尊重されますから、育休をとると決めたらとれるんだろうなと思っていました。 

───この時期に、と決めてから仕事を離れるまでは業務の引継ぎなど、どう進められましたか? 

T.H.:育休まで3ヶ月あったので、まず案件が綺麗に区切れるようにしました。コンサルティング案件は3ヶ月単位で契約を更新していくことが多いんです。 

ですから次の契約はここまでにして、そこで私は抜けます、と。新しい3ヶ月がはじまって、その次の3ヶ月をどう進めるかは、育休を取得する前提でコントロールしました。最後の1ヶ月間は後任者と一緒に業務にあたりながら余裕をもって引き継ぎました。 

───育休中はどんなふうに過ごされましたか? 

T.H.:母乳をあげる以外は、何でもするようにと思って、衣食住に関わることを全部やりましたね。オムツ換えや買い物も当然ですし、子どもをお風呂に入れたり外に連れ出したり。育児という新しいスキルを身につける一方で、家事のスキルもこれまで以上に、と意識していました。 

ただ想像以上に大変でした。夜泣きもつらいですし、奥さんの体調もなかなか元に戻らず、不安になったりわからないことが多く、モヤッとした気持ちを抱えがちになるというか。 

そんななかでも、妻のキャリアを大事にしたいと私は考えていて。短い期間で復帰したいと彼女が思えばそうしてもらいたかったし、近くに親戚もいないので繁忙期によっては夫婦のどちらかに負担が偏ることもありえる。 

将来的には、私のほうが育児に専念する方向性に舵を切るシーンがあるかもしれない。だから、一人でも何とかこなせるくらいのスキルをもっておかねばという考えでした。 

育児についてはやく独り立ちしたい。そう思っていたので、何かやり方を教えてもらったら「ちょっと手を出さないで」と。自分一人でやってみるから、必要なときだけ手伝ってと伝えていました。 

いまも妻のほうがどちらかというと忙しくて、送り迎えを私がしたりもするので、育休中にスキルを身につけておいて間違いなかったなと思いますね。 

───主体的な考え、すべてのプレパパにお伝えしたいです。(笑)実際、なんでもできるようになりましたか? 

T.H.:それなりには。ただ妻と比べるとマルチタスク力や柔軟性が……。想定外の事態になるとテンパってしまうとか、各タスクの精度が低いとかはありつつも、基礎スキルは得られたと思います。 

それに育児は最初が肝心で、そこにコミットすることで一生にわたっていい関係性を築ける土台ができたかなと思います。 

ガラリと変わったプレースタイル。チームでトライを決める 

───復帰についてはスムーズだったと伺っていますが

T.H.:そうですね。育休中は一切連絡とっておらず、直前に上長や関係者と会話して、次の案件はこんな感じとすり合わせをして。 

SHIFTのコンサルティングは「ワンプール」といって、案件が終わったらみんなが一ヶ所に戻ってくるイメージ。そこからまた案件が決まっていくので、私もそのプールに戻った感じです。 

「育児があるから働きかたはこうしたい」というよりは、もともと本社から遠いところに住んでるので基本的にはテレワークで、案件のジャンルは自分の志向に合わせて希望をだしていました。 

そうした希望を、育休の取得にかかわらずSHIFTのコンサルティング部では定期的にヒアリングしてくれます。以下のようなシートで、領域の志向性や価値観や満足度を伝えて、オーダーメイドにちかいアサインを考えてくれるんです。 

コンサルティング部・ヒアリングシートのイメージ 

───本人の希望をベースに、というのは心強いですね。育休の取得前後で、仕事のやり方が変わった部分はありますか? 

T.H.:ガラッと変わった点でいうと、過去には自分でやったほうが効率的と思って、パッとやっちゃうこともあったのが、「ともに働く」ということを意識するようになったことです。 

育児中、自分でサッとミルクあげて奥さんに伝えてないと二重にあげちゃうとか、モノがどこにあるかわからなくなるとか。情報や状況をきちんとシェアしないと混乱するということ、協力したほうがリスクがさがるということを学びました。 

それにいままでは何よりも「スピードが一番」と思って、ミスしてもそこで修正すればいいと思っていた節があるのですが、子どもって予想外の行動の連続で、ケガに至ったり。ここ危なそうだなと先読みする癖がついて、それも仕事に活きてると思いますね。 

「あ、テーブルの角だ・・・、子どもが頭ゴツンしないように注意しなきゃ」とアンテナをたてるのと同じノリで、「お、この人この前こんな勘違いしてたからフォローしておかないと」と自然に先回りできるようになって、未然に防げたトラブルもけっこうあります。 

───協働すること、先読みすることでリスクを減らすようになったんですね。

T.H.:そうですね。それと個人的には毎日パッと終わらせること、そのために生産性を極限まで高めることにいままで以上に価値を見出しているとも思います。 

例えばちょっと調子いいから長く働いて一気に貯金をつくっておこうというより、夕方5時には保育園に迎えに行かなきゃいけないから、この2時間で可能な限りコスパ高く働こうと。 

全体の計画や3ヶ月のなかでのゴールを明確にするのはこれまでと同じ。ただ1日単位でやるべきことの精度が高まりましたね。 

───そうした結果、チームでの成果にもつながっている? 

T.H.:そうですね。最近はチームメンバーの人数も増えたのですが、より大きな成果をだせるようになってきました。あたりまえですが、自分ひとりでできることには限界があるけど、チームでやることで何倍もの成果がだせるんです。 

ラグビーで例えると、ひとりでタックルするより、スクラムを組むとものすごい強い力になるのと似ていますね。いままでは個人で全部やって自分でトライを決めていたのが、チームで成果だすということのやりがいを感じています。 

雰囲気も、育児が特別というのではなくて各々がもつプライベートの事情があって当然で、成果にはコミットしつつお休みや中抜けは状況に合わせていきましょう、という感じ。 

仕事とバランスをとりたいものがあったら、自分の裁量の範囲と責任の範囲でやるカルチャーがあります。マイクロマネジメントでギチギチにやる、ではなくて「自分でうまく考えて自分でまわしてね」というのが、結果的にパフォーマンス向上につながっていると思います。 

過剰最適はせず、自然な流れや広がりを楽しみたい 

───今後のキャリアについては? 

T.H.:子どもがまだ小さいので、急に明日アクセルをガンガンに踏んでワーカホリックになる志向はあんまりなく、うまくライフステージに応じて自分のやりたいことを見つけられたらと。 

一時的なタイミングに過剰最適しちゃうと、3年間それが足かせになる、ということもありそうですし、目の前のことにフォーカスしようと思っています。 

SHIFT自体がどんどん変わるので、新規サービスはじめたところに片足を突っ込むような機会も今後あるかもしれないし、いろんな広がりがあると面白いですね。 

───出産や育児というライフイベントを迎える候補者へ、メッセージをお願いします。 

T.H.: SHIFTでの育休取得に、大きな不安はもたなくていいということをお伝えできればと思います。私のまわりにも育休を取得して、その後も活躍されている方が何人もいます。 

なにより育休は絶対にとった方がいいと思いますね。人生の大きな節目ですし、当然、家族のためにもなること。 

「育休は絶好の成長機会」だととらえて過ごすことをおすすめします。お伝えしたように、私も仕事に役に立つスキルが得られましたし、その後の成果にもつながっていると感じています。 

評価という観点でも本人のデメリットになるものではないんですよ。もちろん休んでいた分、自動で給料があがるということはありませんが、復帰後にまた違う案件で成果を出したら給与は上がります。 

ぜひ育休取得中の経験を、これからの活躍に役立ててもらえればと思います。 

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)

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