性別を枕詞にしない子育て支援。誰もが情報にアクセスでき、相談しやすい体制をつくる 

2023/06/16

SHIFTで働く、高校生までの子どもを育てる社員は約800名。

なかでも出産というライフイベントを迎える社員が2022年度から増え、産育休の取得者数は2023年期100人に迫る勢いです。ベビーブームともいえるSHIFTには、どのような支援体制があるのでしょうか。

自身の育休から復帰後、「子育て何でも窓口」「パパママコミュニティ」を立ち上げたF.Mに話を聞きました。

  • 人事本部 人事総務統括部 コーポレート人事部 エンプロイーサクセスグループ F.M.

    新卒でWeb制作会社にて営業を務めたのち、2014年8月、人事としてSHIFTに入社。 中途採用の立ち上げ、初年度で100名強の採用を一人で行い、営業、バックオフィス、エグゼクティブ層の採用、また第二新卒採用の立ち上げなど幅を広げる。2018年~組織長を務めた後、2019年12月~2020年8月 産育休を取得。復職後は、グループ会社の人事制度構築、本社での制度企画業務に携わる。

目次

個別の事情に応じて相談ができる、「子育て何でも窓口」 

私は2020年に出産し、同年8月に育休から復帰しました。産育休に関連する社内整備がミッションとなったのですが、まずは情報を集約しようと決めたんです。 

行政のサイトや書類をあちこち調べないといけないことや、社内の情報が散らばっていることは多忙な社員にとってストレス。労務にも数多くの問い合わせが来て業務をひっ迫していましたし、今後も出産・育児をする社員が増えることも見込んでいました。 

その矢先に、制度を周知することや相談窓口の設置を義務化する法改正もあったことが動きを加速させましたね。 

2022年9月、「子育てなんでも窓口」という社員向けサイトが立ち上がりました。妊娠・出産・育児に関する相談に応えたり、産育休や給付金などの申請手続きに関するフローやチェックリストも公開しています。 

立ち上げて半年あまりですが、これまでに寄せられた相談件数は100件を超え、特に多いのは申請関連で「ざっくりと概要をおしえてほしい」「自分の場合だったらどうなるの」というもの。 

忙しく働くなかで、必要な情報を手に入れたい、そして自分がおかれた状況を加味して「損をしない」育休のとり方や給付金の申請方法が知りたいというニーズを感じますね。 

これらに対しては出産予定時期、家庭の事情、案件のアサイン状況など個別の事情をふまえてお答えしています。 

一部の社員からは、育休取得後のキャリア形成についての相談もあります。 

なかには時短勤務になったら評価はどうなるの?といったものも。これについては勤務時間に応じた目標設定・評価となっているので、時短だからといってデメリットがある設計にはしていませんので安心してもらえればと思います。 

社内に存在する、ロールモデルを知ってほしい 

私たちSHIFTの子育て支援は、目立った制度があるというよりも4児の父でもある代表の丹下からのメッセージや、社員の子どもに向けたイベントなどによる「育児しながら働きやすい」風土づくりに特徴があると思います。 

社内のどんなシーンを切り取っても、SHIFTでは男性・女性といった言葉を枕詞にすることはありません。子育て支援においても、重要なのは誰もが平等に情報アクセスができ、相談しやすい体制や雰囲気をつくることだと考えているんです。 

前述した「子育てなんでも相談窓口」もまさにその表れ。社内のチャットツールにも「パパママコミュニティ」があり、プレパパママ含めて160名ほどが参加しています。 

在宅ワークが中心となっている当社では、個人の時間の調整がしやすくなっている一方で、以前と比較すると他部署のメンバーのことを知る機会が減っているのも事実です。 

自分の部署や身近にロールモデルがいなくても、社内には実は存在するということを知ってもらい、「子育てしながら働くイメージがつかないので辞めます」といったことがないようにしたい。なんでもいいから悩みを打ち明けられる場所を、と思いコミュニティを運営しています。 

そこでは例えばプレパパから「育休中に自分がやるべきこと」や、小さな子どもを育てる社員からケガの手当てについての質問、小中学生の塾・教材選びの質問なども投稿されています。同じ会社に勤める者同士、安心して聞ける雰囲気がありますよ。 

全社納会において、趣味チャンネルとして「パパママ納会」が配信されたこともあります。 

生後5ヵ月~高校生までのお子さんをもつ社員、なかにはフランス国籍のメンバーも登壇。親として「もっとも気になるランキング」上位に挙がった、教育費や生活費・買うべき育児グッズ・子どもの健康などをそれぞれの視点から語りました。 

「配偶者の転勤に伴って会社を退職し無収入になった」「ベビーベッドは買わなくてよかった」「ふるさと納税でオムツを返礼品に選んでいる」といった実体験から、「わが子が起きたら息をしていない。パニックを想定して準備しておくこと」など、シリアスなトピックにまで話が及びました。 

イベント冒頭に「この配信で、プレパパママが何とかなる気がしたと思ってもらえたら大成功」と発言がありましたが、SHIFTには育児仲間がいるという心強さを感じてもらえたのではないかなと思います。 

“放談”と題されたカジュアルな雑談に、SHIFTらしい風通しのよさも感じられたイベントでした。 

自由と責任のバランスをとりながら、自らの意志でキャリアをつくる 

最後になりましたが、多くのワーキングペアレンツが直面する突発的・恒常的な「時間の融通」という面で、SHIFTは非常に柔軟であることも挙げさせてください。 

育児を理由にした短時間勤務は、子が小学校5年生になる進級式まで可能です。基本的には在宅ですし、勤務時間の繰り上げ・繰り下げや時間単位での有給取得にも対応していますよ。 

SHIFTはルールで縛るというより自由に行動できる会社。ですが、その裏には当然、「自分で決めたことに責任をもつ」という意味が込められています。時間の使い方についても能動的に決めるということではありますが、個人商店のような集まりかというと、そうでもありません。 

自分自身のキャリアを見据えたうえで、周りと協働し、どうサポートしてもらいたいか自分の意志を伝えることまでを含めた自己責任と捉えてもらえればよいかと思います。 

「子育てしながらも、自分のキャリア形成を考えることを忘れないでほしい」 

私はそう願っています。子どもがいるからキャリアを積めないという発想はせずに、いつか子どもが巣立った将来までを考えながら、SHIFTでいきいきと毎日を過ごしてもらえるように、これからも人事としてできるだけの支援や風土を醸成していきたいですね。 

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)

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