適材適所をかなえる。独自の検定づくりと、その舞台裏に凝縮されたSHIFTのカルチャー

2025/02/13

SHIFTには、数多くの検定が存在する。

採用の選考過程で受けていただくCAT検定だけではなく、入社後に受けられるものとして、上位職へのキャリアUPがかなう「トップガン検定」(※SHIFTグループ従業員を対象とした社内制度)、設計検定、営業検定、シン・エクセル検定など……社内ポータルにはこうした検定の案内バナーや投稿も目立つ。

SHIFTにはどんな検定があるのか。そのなかでも受検者数がもっとも多く盛り上がりをみせる「トップガン検定」とは。そこに込めた想いや狙いを聞いてみました

  • 能力開発部 加瀬

    新卒で金融系システム会社に入社し、上流工程から下流工程まで幅広く担当。20245月にSHIFT入社後は、トップガン検定の運営に従事。「教育を科学する」という能力開発部のモットーのもと、動画教材がもたらす教育効果について研究中。趣味は読書で、連続読書記録に挑戦中(現在、320週継続中)。

目次

やる気のある従業員には昇級・昇給を。「腹をくくって」挑む

―――まずはSHIFTにある検定の種類について教えてください

加瀬:大きくわけて3種類あります。1つは選考の一環として実施する入社検定、1つはトップガン検定、残りの1つは組織内での状況を可視化するための能力診断です。

1つ目の入社検定として実施される、SHIFTの代表的な検定がCAT検定です。これは品質保証エンジニアとしての素養を図るために開発されました。

IT人材が不足するなかで、未経験者でも活躍できる人材を見極めるもので、合格率は6%ほどと難関ですが入社後の生産性の高さと相関関係がはっきりと出ています。

2つ目のトップガン検定は、SHIFTグループ従業員を対象とした社内キャリアUP制度に関わるもので、合格するとワンランク上のプロジェクトポジションにアサインされ、そこで成果を発揮すれば給与アップにつながるという検定です。

3つ目の能力診断は、PM検定や営業検定などがあげられます。受検することで、現状の能力を数値化し、強みと弱みを可視化できます。その後の教育やフォローなどの施策とあわせて活用しています。

(※キャリアUP制度「トップガン」に関する詳しい記事はこちら) 

社内資料の一部イメージ

―――なかでもSHIFTのキャリアUP制度「トップガン」は、受検者にとってインセンティブが大きいのが特徴ですよね。どんな経緯で誕生したのでしょうか

加瀬:かねてから社内の教育制度を充実させてほしいという声があり、どうせやるならSHIFTらしい制度をということで、代表・丹下からも「全員一律で研修をするのではなく、やる気のある従業員に教育の場を提供したい。合格したら給料も上げてあげたい」と。その思いに応える検定であり、教育制度の内容として誕生しました。

なお、「本人の意志が大切だ」ということは検定に関する以外のシーンでも丹下から繰りかえしいわれていることです。

社内向けのメッセージでも「みんなにはSHIFTのためとかじゃなくて、自分のために仕事をしてほしいんだよね。自分が幸せになるために」ともおっしゃっていましたね。

トップガンも5年目なのですが、実は当初から位置づけが少しずつ変わっています。

もともとは、いわゆる「262の法則」でいう2割の優秀者が受けることを想定していたのですが、制度が定着した影響か、特に未経験者の登竜門として位置するテスト設計に関する検定は、6割の層まで含めて受検者が広がっていると感じています。

FY2024通期の受検者数は延べ4,946名、合格率は20~25%程度で956名の方々が合格しています。単月で受検者が1,000名を超えることもありました。

社内資料の一部イメージ

―――受検は任意ですよね。それでもここまでトップガンが浸透してきた、その要因はどのあたりにあるのでしょう?

加瀬:会社一丸となって、トップガンという制度の実現に取り組めたことが大きいと思います。

トップガンは、やる気のある人を正しく評価する「評価」「営業」「教育」を組み合わせた教育システムです。 

トップガンに合格した人をその役割でアサインさせ、正しく評価するためには、私たち能力開発部だけではなく、現場、営業、人事と密な連携をとる必要があり、経営層含めて、全員でやりきる覚悟をもって、この制度の実現に臨みました。

でもそこは「腹を括ってくれ」と。会社としてやるぞといったら、やるといってくれる社風がありがたかったです。

検定には合格したが、経験や実績のないメンバーを上位ポジションでアサインすること。 勇気をもって、アサインしてくれた現場のマネージャー層には、感謝してもしきれません。 

また、アサインされた方が、実際のプロジェクトで成果を出してくれたこと。

合格者にお話を伺うと、業務と学習を紐づけて考えている人がとても多く、ただ単に「知識をつける」のではなく、実際に「知識を活用する」というところまで落とし込んでいる。

それにより本人がトップガンの価値を実感し、さらにそれを見た周囲の人にもトップガンの価値が浸透していっているなと感じます。

いまでは、キャリアアップの効率的なルートとして検定に挑戦する人たちがかなり増えていますし、社内ではトップガンを受けることが「当たり前の文化」となりつつあります。

実際に成果を出せる「出口戦略」としての検定。だから勉強すればするほど、伸びる

―――合格者の方は、現場でしっかりと成果を出しているんですね。そうした実のある検定をつくりだすには、相当な困難もあったのではないかと思いますが

加瀬:そうですね。SHIFTでは、検定づくりにおいて、以下の3点を特に重視しています。 

1. 業務分解から能力指標を定義 
2. 能力指標に基づく問題と評価 
3. 検定の出口戦略(活用方法と効果)を重視 

特に、3つ目、現場でパフォーマンスを出せる出口戦略としての検定づくりという点はもっとも意識しています。

まず、検定を通じてどういった効果を出したいのか、目的を明確にします。完成した検定をどう活用して、どんな効果を出したいのかをしっかり考えることがとても大事です。 

そして対象となる業務を分解し、さらにその業務に必要な能力を分解するのですが、現場目線が不可欠なのでヒアリングに徹底的に時間をかけます。

そこから何ができれば活躍できるのかを整理して指標化する。

単純な知識問題ではなく、知識を活用する問題を作成し、対象領域の部署の方にトライアルで受けてもらいます。

また、ひっかけ問題は出題しない、ということもトップガン検定をつくりはじめたときから意識していることの一つです。

指標整理まで約2ヶ月、トライアルから実際のリリースまで約4ヶ月。状況によって幅はありますが、6ヶ月程度の時間をかけながら検定を作成しています。

とにかくリリースして、その後調整するなどの場合は、1~2ヶ月でリリースまでもっていくこともあります。

まさに、直近で新規開発した検定は、2ヶ月程度の期間でリリースいたしました。

―――制度の運営開始から5年、トップガン検定が目指す未来を教えてください。

加瀬:上述のとおり、トップガンは、合格することでより上位のポジションに挑戦できるという制度です。

そのため、実際の現場で活きるスキルに注目して開発してきました。制度の運営開始から5年、SHIFTの事業も大きく変化しています。

年々あがるお客様からの期待値にも応えるために、トップガン自体の進化も必要となっています。

もともと掲げていた「やる気のある従業員を正しく評価し、適切なポジションにアサインすることで、従業員の成長と組織の強化を図る」という理念は変えず、現場のニーズに応じた検定を提供すべく、トップガン自体の成長が不可欠だと考えています。

受検者の受検環境も、ここ数年で大きく変化しました。24時間365日、いつでも受検ができる環境を提供しています。

また、設問生成、採点自動化、受検者に応じた個別フィードバックなど、トップガンに関わる各種工程に生成AIを活用し、さらなる価値提供をしていきたいと考えています。

人の能力も可視化できるはず。検定づくりの根幹にある、SHIFTの信念

―――トップガン検定以外に、能力診断(検定)もありますよね?

加瀬:トップガン検定と、能力診断(検定)は、「能力を可視化する」という意味では同じで、それぞれの検定で課題感や目的に応じて、呼称を変えています。

能力診断とは、現時点での能力を数値化し、強み弱み分析・タイプを可視化するというもので、「健康診断」のようなものだと考えています。

例えば、多くの従業員が受ける「PM検定」や、営業全員が受ける「営業検定」などの能力診断があります。

多くの従業員が受ける能力診断だからこそ、その検定が何を問う検定なのか、目的に応じ、本当に必要な項目だけを組み込んでいく、ということを徹底しています。

時間は有限なため、能力診断こそ効率的に受けられるべきですよね。

―――課題に対して「検定をつくろう」という発想自体が、SHIFTならではという気がします

加瀬:経営陣の出自が製造業のコンサルタントであること、また、SHIFTのDNAとして、物事を徹底的に分解することが根づいていることが影響していると思います。

現状を可視化する、ということを徹底しているし、人の能力も可視化できるはずだと。

可視化して数値として見えれば判断、評価ができる、次のPDCAサイクルをまわせる、分解・型化・仕組み化する。

SHIFTのDNAとしてお伝えした「物事の分解」ですが、入社者が最初に受ける研修でも、重要テーマとして取り扱われていますので、全従業員がつねに意識しているのではないかと思います。

“グループ会社含めて”、適材適所をかなえる。挑戦が頻発する組織へ

―――検定を通じて、能力開発部が目指すSHIFTの組織像はどんなものでしょうか?

加瀬:私が所属する能力開発部は「SHIFTに関わる全ての人がハッピーになれる仕組みを作る!」をモットーとして掲げているんです。

いま、SHIFTでは、「実のある学び」として、トップガン検定がうまく運用されている状態となっていて、ハッピーな世界観に近づきつつあると感じています。

それが、グループ会社にも広がったら・・・SHIFTグループ全体が「適材適所をかなえられる組織」となるのではないかと。

グループとしても強くなり、本人も活躍できる場所を見つけることができればモチベーションも上がる、その一つの仕組みが検定だと考えています。

検定がグループ会社含めてあらゆる領域で行き渡れば、自分が挑戦したいと思ったポジションに紐づく検定を受検して合格したうえで手をあげ、挑戦ができる。そういったことが自由に行きかえばいいなと思っています。 

いま現在、応募を検討している方や選考途中にある方も、SHIFTに入社された暁には、挑戦しつづける文化にふれていただきたいですね。

※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです