SHIFTには、数多くの検定が存在します。
採用の選考過程で受けていただくCAT検定だけではなく、入社後に受けられるものとして、上位職へのキャリアアップがかなう「トップガン検定」(※SHIFTグループ従業員を対象とした社内制度) 、設計検定、営業検定、シン・エクセル検定など……
社内ポータルにはこうした検定の案内バナーや投稿も目立ちます。独自の検定を通じて、SHIFTは社員に何をもたらそうとしているのでしょうか。
SHIFTの検定の作り方を型化した「検定の父」であるN.H.に、検定づくりの舞台裏を聞いてみました。
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サービス&テクノロジー本部 能力・品質統括部 能力開発部 N.H.
2019年10月入社。新卒でSIerの教育部門に配属、開発言語から要件定義までの研修を企画から講師まで約10年務める。SHIFT入社後は、ステップアップ検定立ち上げから関与。現在は検定の開発から効果的な活用までのサポートを、部門、グループ会社、顧客へと展開中。普段はハンドドリップコーヒーと、学生時代に行っていた合氣道の影響で武術系のYouTube動画を見るのが趣味。
目次
やる気のある社員には昇級・昇給を。「腹をくくって」挑む
───まずはSHIFTにある検定の種類について教えてください。
N.H.:大きく分けて3種類あります。1つは選考の一環として実施する入社検定、1つはトップガン検定、残りの1つは組織内での状況を可視化するための能力診断です。
1つ目の入社検定として実施される、SHIFTの代表的な検定がCAT検定です。これはテストエンジニアとしての素養を図るために開発されました。IT人材が不足するなかで、未経験者でも活躍できる人材を見極めるもので、合格率は6.2%と難関ですが入社後の生産性の高さと相関関係がはっきりと出ています。
2つ目のトップガン検定は、 SHIFTグループ従業員を対象としたキャリアUP制度に関わるもので、合格すれば対応する上位職へのアサインが確約され、そこで成果を発揮すれば給与アップに繋がるという検定です。
3つ目の能力診断は、PM検定や営業検定などがあげられます。受験することで、現状の能力を数値化し、強みと弱みを可視化できます。、その後の教育やフォローなどの施策と併せて活用しています。
(※キャリアUP制度「トップガン」に関する詳しい記事はこちら)
───なかでもSHIFTのキャリアUP制度「トップガン」は、受検者にとっての強いインセンティブが特徴ですよね。どんな経緯で誕生したのでしょうか。
N.H.:かねてから社内の教育制度を充実させてほしいという声があり、どうせやるならSHIFTらしい制度をということで、代表・丹下からも「全員一律で研修をするのではなく、やる気のある社員に教育の場を提供したい。合格したら給料も上げてあげたい」と。その思いに応える検定であり、教育制度の内容として誕生しました。
なお、「本人の意志が大切だ」ということは検定に関する以外のシーンでも丹下が繰りかえし言っていることです。社内向けのメッセージでも「みんなにはSHIFTのためとかじゃなくて、自分のために仕事をしてほしいんだよね。自分が幸せになるために」とありましたね。
トップガンが誕生して4年目なのですが、実は当初から位置づけが少しずつ変わっています。もともとは、いわゆる「262の法則」でいう2割の優秀者が受けることを想定していたのですが、制度が定着した影響か、特に未経験者の登竜門として位置するテスト設計に関する検定は、6割の層まで含めて受検者が広がっていると感じています。
その受検者数は通期で4,960名を超え、合格率は20%程度で950名を超える方々が合格しています。
───受検は任意ですよね。それでもここまでトップガンが浸透してきた、その要因はどのあたりにあるのでしょう?
N.H.:全部署を巻き込んで、一丸となって取り組めたことが大きいと思います。経営層を含めて全員で「やりきる」覚悟で現場に思いを伝えていきました。
実際には、合格者を上位ポジションに“勇気をもって”アサインしてくれた現場のマネージャー陣のおかげだと感じています。検定に合格はしているものの、経験や実績はないわけですから。でもそこは「腹を括ってくれ」と。会社としてやるぞと言ったら、やると言ってくれる社風がありがたかったです。
そしてアサインされた方が、実際にプロジェクトで成果を出してくれたことで、結果的に検定への信頼性も増したのです。いまではキャリアアップの効率的なルートとしてステップアップ検定に挑戦する人たちがかなり増えていますし、受検は任意ではありますが、上長が受検を勧めるパターンも多いようです。
実際に成果を出せる「出口戦略」としての検定。だから勉強すればするほど、伸びる
───合格者の方は、現場でしっかりと成果を出しているんですね。そうした実のある検定を作りだすには、相当な困難もあったのではないかと思いますが。
N.H.:そうですね。現場でパフォーマンスを出せる出口戦略としての検定づくりという点は最も意識しています。
まず最初に、検定を通じてどういった効果を出したいのか、目的を明確にします。作ることが目的になってしまうと、結局は使われないことにもなりかねないので。作った検定をどう活用して、どんな効果を出したいのかをしっかり考えることがとても大事です。
そして対象となる業務を分解し、さらにその業務に必要な能力を分解するのですが、現場目線が不可欠なのでヒアリングに徹底的に時間をかけます。
そこから何ができれば活躍できるのかを整理して指標化する。ゼロから構築する場合は、ここまでで2ヶ月ぐらいでしょうか。
単純な知識問題ではなく、知識を活用する問題を作成しトライアルで対象領域の部署の方に受けてもらいます。改善をしながら実際のリリースまで4ヶ月ぐらい。もちろん、状況によって幅はあります。
まず形に(リリース)して、その後調整するなどの場合は、1~2ヶ月でリリースまで持っていくこともあります。
───スピード感ありますね!半期(6ヶ月)に1つは新しい検定がリリースされていると伺いました。その背景は?
N.H.:SHIFTの事業領域が拡大しつづけているからです。事業をスケールするために、担当者の能力をはかりたいというニーズがありますし、最近はグループ会社からの相談も増えていますね。
ちなみにトップガンの一つである「ITコンサル/シニアマネージャ検定」 は、研修(合宿)も含めた検定にしました。通常試験でははかりにくい、コンピテンシーの部分も指標の一つとして欠かせなかったから。立ち振る舞いを合宿で見ながら、ロールプレイ型の試験と組み合わせて、コンサルタントとして必要な能力をはかっています。
これはそれぞれの検定に見合った内容を都度考えているということの一例です。だからこそ合格のために勉強した内容は、実際の業務にも多いに役立つ。合格がゴールではなく、実際に個人の能力を「伸ばせる」のが、SHIFTのキャリアUP制度「トップガン」の特徴だと言えるでしょう。
人の能力も可視化できるはず。検定づくりの根幹にあるSHIFTの信念
───トップガン検定以外に、能力診断(検定)が生まれた背景はなんでしょうか?
N.H.:それぞれの検定で課題感や目的は異なるので、呼び方を変えたというのがありますね。能力の可視化という意味では同じです。たとえば、PM検定であれば、案件をこじらせてしまうことを避けるために、全員受験でスクリーニングを行ういわば健康診断のようなもの。
営業検定であれば、優秀な営業部門を創り出するための現状把握として個々人の苦手と得意を可視化し、育成に活用するため。この検定はSHIFTの営業社員に受験してもらうことが決まっていたので、コミュニケーション能力は問わないんです。すでにそこにいるということはコミュニケーション能力はあるはずだから。
全員が同じように正解する設問を用意してもあまり意味がないよねということで外しています。試験時間も有限ですから、効率化を図っています。
検定の目的に対して、本当に必要な項目だけを組み込んでいくというのが一つのスタンスですね。
───課題に対して「検定を作ろう」という発想自体が、SHIFTならではという気がします。
N.H.:経営陣の出自が製造業のコンサルタントだからというのもあると思います。現状を可視化する、ということを徹底しているし、人の能力も可視化できるはずだと。可視化して数値として見えれば判断、評価ができる、次のPDCAサイクルを回せる、分解・型化・仕組化、これは私も入社してから今までにSHIFTのDNAとして実感した部分です。
これからも、年間何千人と入社するなかで、個々が活躍できる仕組みを創り出さなければ、「穴の開いたバケツ」のようなもので離職にもつながってしまいます。「仕組化」というSHIFTにとってのお家芸を、能力開発部もデリバリー部門同様に体現する部署なんですよ。
“グループ会社含めて”、適材適所を叶える。挑戦が頻発する組織へ
───検定を通じて、能力開発部が目指すSHIFTの組織像はどんなものでしょうか?
N.H.:私が所属する能力・品質統括部は「SHIFTに関わる全ての人がハッピーになれる仕組みを作る!」を掲げているんです。
その中で、個人的にですが検定を通じて目指す組織像の1つは、グループ会社含めて「適材適所を叶えられる組織」です。グループとしても強くなり、本人も活躍できる場所を見つけることができればモチベーションも上がる、その一つの仕組みが検定だと考えています。
検定がグループ会社含めてあらゆる領域で行き渡れば、自分が挑戦したいと思ったポジションに紐づく検定を受検して合格したうえで手をあげ、挑戦ができる。そういったことが自由に行きかえばいいなと思っています。
応募を検討している方、選考途中にある方も、SHIFTに入社された暁には、ぜひ成果につながる学びを体験してもらいたいですね。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)