テストのプロフェッショナル集団。
「それがSHIFTに抱いていた入社前のイメージです。品質について定型的なアプローチが重要視され、どのお客様に対しても同様にアプローチしているんだろうと思っていました」
そう語るのは本記事の主人公、S.A.。SHIFTはテストのプロであることに加えて実は、「ひたむきな努力家の集まり」だったことが入社後に見えてきたといいます。
しかし話を聞いていくと、S.A.が「ひたむきな努力家」であるように思えました。彼のこれまでの努力を追っていきましょう。
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サービス&テクノロジー本部 品質サービス統括部 ネットサービス部 コンテンツサービス2グループ S.A.
新卒時代は通販会社の社内SEとして、ECサイトや業務システムの開発/運用保守業務にリーダーとして従事。要件定義からシステム導入、運用保守まで務める。2020年4月にSHIFTに入社。新規のQA案件の立上げを経験した後、ECサイトをメインとした品質向上提案を行う。
目次
下流工程でのテスト実施から、上流工程からの品質改善へ
課題解決とプロジェクトマネジメント。双方のスキルを磨きたいと思ってSHIFTに入社しました。
大手化粧品メーカーのECサイトや、BtoB向けのSaaSシステムなど約3年間で複数のプロジェクトを経験し、プロジェクトマネジャー(以下「PM」)から、複数のPMをまとめるサービスマネージャー(以下「SMG」)を担うようになりました。
現在は、5社8プロジェクトを統括するSMGとして、配下メンバーが考えるテスト方針や計画のレビューが主な業務ですが、新規のお客様への提案も実施しています。
特に上流工程から品質管理の視点をもって伴走するための提案にも注力。お客様の開発体制の構築やプロセス改善、テスト戦略の策定といった上流工程での品質改善に踏み込みます。
とはいえ、はじめからうまくいったわけではありません。お客様のご要望としてまずは下流工程でのテスト実施が最優先。それを終えてからご提案するものの、お客様は差し迫ったリリースに手一杯という状況だったのです。
「そもそも、長期で伴走するイメージをもっていただけていないのかもしれない」。
短期プロジェクトを経て、長期プロジェクトとして定常化する。初回の提案で、これらを見越した動きが不足していることに気づきました。
そこからはお客様の立場で考え抜くことにこだわりました。私自身が、前職の事業会社でまさにお客様と同じ立場を経験していたので、当時の経験や視点を活かすことができました。
例えば、業務フローが全員にわかる形で明示できていないという課題や、システム知見が豊富でないビジネスサイドの関係者と認識を合わせるにはどうしたらいいのかなど、お客様のペインポイントは想像ができたんです。
そこから目の前のお客様の具体的な状況を把握し、よりよい提案に落とし込みました。ECサイトであれば実際に購入して、モノが届くまでを体験してみる。決済、実出荷、ラストワンマイルなどバリューチェーンのなかで登場する人物を整理する。こういった行動と仮説立てを何度も繰り返しました。
提案を積み重ね、下流工程でのテスト実施から、上流工程からの品質改善にプロジェクトへ参画フェーズが徐々に変化してきているんですよ。
意思決定の経験が、自信につながる
SHIFTに入社後、自分の成長を感じたプロジェクトがあります。
BtoB向けの広告分析プロダクトを扱うお客様で、ソリューションの幅を広げるべく、新しいプロダクト開発の真っ最中でした。参画当初は1つの既存プロダクトの開発。約4ヶ月後には、そのプロダクトを拡張する形で別プロダクトが2~3開発されていきスピード感が非常に早いプロジェクトでした。
私はそのプロジェクトに、SHIFT入社後2ヶ月でPMとして参画したのですが、当初2名体制だったところ最大5名、現在は3名ほどがアサインされています。
BtoB向けの広告分析プロダクトですので、ECサイトのように利用者イメージをもちづらい。そのため非常に難易度が高いと、社内でも認知されていました。
このプロジェクトを成功に導くためには、私は「各メンバーがドメイン知識を、スピード感をもって習得すること」が、重要ではと考えたんです。
そこでまずはプロダクトごとに専任担当者を配置。それと同時に業界の理解を深めてもらおうと、広告効果や広告出稿についての情報を咀嚼してメンバー全員に伝えていました。
また顧客ビジネスの理解も不可欠です。 事業成長に寄与するためには、どういった観点で品質を担保するべきなのかを伝えるだけでなく、プロダクトの利用方法やビジネス面から重要となる品質を理解し、テストを行ってもらいたい。そんな思いで、プロダクトがどう使われて、どういう売上構造でビジネスを確立しているのかという視点をメンバーにもってもらおうと考えて行動してきました。
そのなかでメンバーが作成した設計書へのフィードバックを通じて、テスト観点の整理と、各項目の重みづけを繰り返し行いました。こうしたことから、SHIFTのPMの面白みは、自分の考えやアイデアをアウトプットできる隙間や余白があるということにも気づけましたね。
地道な積み重ねの甲斐もあって、不具合の勘所をメンバーが徐々に掴みはじめてくれました。
「広告効果の予測値や分析精度が大きく変わってしまっていないか」こうした議論が増えて、チームとして機能しはじめたことを実感しました。お客様からもお褒めの言葉をいただき、とてもうれしかったことを覚えています。
これまで、品質向上のためには「システムの目的、利用者のベネフィット、売上や利益といったビジネス面を意識する」ことが重要であると考えていましたが、本プロジェクトを通してこれらが確信に変わりました。そしていまはその確信が大きな自信に変わり、自分を支えてくれています。
第三者としてのポジションが生み出すカルチャー
冒頭でお伝えしたように、私のまわりには「ひたむきな努力家の集まり」が多くいます。
お客様ごとに抱えている品質の課題が多岐に渡り、個別性が非常に高い。画一的な対応で終始するのではなく、最適な提案をつねに模索し、走りつづけています。
こういったカルチャーの裏側には、SHIFTが第三者検証というポジションで数多くの品質保証を手掛けてきたことが関係しています。
お客様やベンダーとは違う、第三者の目線。
「何をつくりたいのか」という入り口ではなく、「利用者は最終的に何を達成したいのか」。
言葉にするならば、お客様以上に利用者の姿を想定し、必要な品質を突き詰めるということです。 その必要な品質を実現するために、コミットしてきた人がこれまでにたくさんいる。
「ひたむきな努力」を重ねる人の集合体が、カルチャーの醸成に繋がっているように感じます。 このカルチャーに共感し、SHIFTを次の環境として選んでくれる方が増えることを願っています。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)