「自分が携わったシステムが世に出て、生活の一部として馴染んでいる。その風景を見るたびに、底知れぬ喜びがこみ上げてきます」
こう語るのは、産業流通通信サービス部でPMOを務めるT.Y.です。2019年9月、SHIFTに入社して以来、百貨店やECサイト、大手コンビニチェーンなど、あらゆる流通システムの品質テストに関わってきました。
前職の大手物流会社では、倉庫管理システムや社内システムの開発・保守・運用を担っていたT.Y.。思わぬ場面で「品質テストの素質がある」と褒められたことが、SHIFTへ転職するひとつのきっかけになったと言います。
社会人10年目となったT.Y.に、SHIFTで働く醍醐味や挑戦したいことなど幅広く話を聞きました。
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サービス&テクノロジー本部 産業流通・通信サービス部 流通サービス2グループ T.Y.
大手物流企業にて社内SEとして開発~保守運用まで経験。当時の上長の何気ない一言がきっかけで、2019年SHIFTへジョイン。テスト実行者・設計者を経て、現在はPMOとしてお客様のテストプロセスの改善に従事。趣味はダーツ、カードゲーム、サッカー、釣りなどインドアからアウトドアまで幅広く。得意料理はたまごサンド。
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23歳
新卒で大手物流企業へ入社
社内システム・倉庫管理システムの開発~保守運用を担当
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29歳
SHIFT入社
テスト実行者からはじまり、着々と担当領域を広げる
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31歳
結婚。責任感から男の顔つきになった(かも)
仕事も順調でこのころからPMOを務めるように。現在もPMOとして顧客のテストプロセスの改善に従事
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33歳
第一子誕生予定
長期の育児休暇を取得予定
目次
転職を考えた理由。担当したシステムは仕組みとしては素晴らしいが……?
──T.Y.さんは、新卒で入社した物流会社に 6年半在籍されたと聞いています。具体的にはどのような業務を担当されていたんですか?
T.Y.:システムの開発や保守、運用を行うエンジニアとして、終盤はナレッジやノウハウを共有する社内システムを担当しました。その案件後にアサインされたのは食品メーカー向けの倉庫管理システムでした。
──エンジニアとして、開発から保守、運用まで一気通貫で担えるのは、とても恵まれた環境だったように思うのですが、転職に踏み切った理由は何だったのでしょうか。
T.Y.:大きなトリガーとなったのは倉庫管理システム案件ですね。リーダーとして2年半従事したものの、ふと今後のキャリアを考えたときに不安になる要素があって。
まず、会社独自のシステムだったので、他社に通用する汎用的なスキルには結びつかなかったこと。さらに倉庫データと倉庫管理システムをつなげるのが主な役割だったので、覚えてしまえば誰でもできる内容だったこと。
業務効率化という意味ではとても素晴らしい仕組みなのですが、エンジニアとしてスキルアップできるかというと疑問が残りました。
──では、キャリアアップに向けた転職だったのですね。どのような企業を対象に応募したんですか?
T.Y.:SIer企業を中心に活動して、何社か内定をもらいました。悩みましたが、最終的には、幅広い業界にお客様をもち汎用的なスキルを身につけられそうと感じたSHIFTへの入社を決意したんです。
報酬を上げていきたい気持ちもあったので「年間平均昇給率10%(当時)」と聞いたときは胸が躍りましたし、「従業員の市場価値を上げていきたい」「多重下請けをなくしたい」などステークホルダーを大切にしたビジョンも心に刺さりました。
でも何よりも背中を押されたのは、前職の上長のある言葉でした。
彼は大手SIer企業出身の優秀なエンジニア。何をしても到底かなう相手ではありませんでした。でもある日、ふと「一度でいいから打ち負かしてみたい」と野心が芽生えまして。上長がつくった新機能の品質テストに全力を注いでみたんです。
そうしたら、思いのほかたくさんの不具合が検出されてしまって(笑)。上長から感謝されつつ言われたのが「T.Y.はテストの素質がある!」というほめ言葉。意外でしたが、よくよく考えてみたら、もともとゲームのバグを探すのが好きだったんですよね。それでテストを自分のキャリアの軸にしてみようかと。
必要なのは理論に基づいたテスト設計。専門にしてみてわかった、品質テストの「奥深さ」
──SHIFTに入社してからの配属先、業務内容について教えてください。
T.Y.:流通サービス2グループにPMOとして4年ほど在籍しています。これまで百貨店のPOSやECサイトのサーバー移管、SAPの導入など流通に関わるあらゆるシステムに関わってきました。
直近では、大手コンビニチェーンの店舗システムを担当。店長が利用するストアコンピューターからカスタマー向けのものまで、店舗にあるさまざまなシステムのテストプロセスを改善しています。
──得意だった品質テストを専門にしてみて、ギャップはありましたか?
T.Y.:ほとんどありませんでしたね。入社前に代表の丹下が「開発者と品質テストを担当する人間は、そもそも資質が違う」と発言していたインタビュー記事を読んで、納得して入社した経緯もありますし、実際に品質テストの根本は前職と変わりません。
ただ、業務領域が広くなった分、視野も広げなければならない、と痛感する場面は圧倒的に多くなりました。
例えば、店舗への自動釣銭機の導入時。テスト設計は、可能な限り不具合を想定して作成していきますが、「お金が詰まる」という事象ひとつとっても、さまざまなパターンがありますよね。
詰まらせ方や紙幣と硬貨などの組みあわせなど、細やかな想定を目の当たりにしたとき、「この仕事は広く深い視点が必要なんだ」ということを改めて思いました。
──品質テストに必要な、広く深い視点とは?
T.Y.:極端にいうと、モンキーテストみたいなランダムな操作をして不具合を出すのではなく、「こういう構造だから、こういう場合に不具合が起きる可能性がある」と理論的に予測を立てなければならない。感覚だけでは太刀打ちできない点がとても奥深いと感じたんです。
関わるシステムのユーザーも、任されるプロジェクトの規模も格段に広がった
──先ほど、「SHIFTに入って、業務領域が広がった」と伺いましたが、具体的にどのような広がりがあったのでしょう。
T.Y.:担当する案件がB to BだけでなくB to Cにまで広がったというのは大きいですね。自分が携わったシステムが暮らしに馴染んでいる風景が見られるのはすごくうれしいですし、間違いなくやりがいにつながっています。
マネジメントの領域でいうと、前職でリーダー職に就いていたとき、チームは4名で、お客様は一人の担当者の方が窓口でした。一方、いまPMOを務めている大手コンビニチェーンの案件では、20名のマネジメントをしていて、お客様先の担当者から決裁者まで幅広い立場の方に対してコミュニケーションをとっています。
この案件は、途中からプロジェクトに参画して、業務の切り分けや計画を立て直すところからはじめました。人の配置を考えたり、スケジュール管理、客先との調整など、いわゆる一般的なPMOの業務ではありますが、これまでとは圧倒的に規模が違う。SHIFTに入ってからいまが一番のがんばりどころです。
──たしかに、20名のチームをまとめていくのは至難の業だと思います。どんなことを意識して、マネジメントしていますか。
T.Y.:どんなに辛い局面であっても笑顔を絶やさないようにしています。チームで仕事をする上で、最も大切なのは「悪い情報を迅速に報告してもらう」こと。リーダーが怖い顔をしていると、メンバーもなかなか話しかけづらいでしょうから、とにかく笑顔で。
加えて、メンバーからの意見やアイデアは、可能な限り取り入れるようにしています。私自身、気合いで頑張って乗り越えようとするタイプなので、論理的な意見が出ると、むしろありがたく感じますね。
品質保証のプロというアイデンティティ、キャリアの方向性
──T.Y.さんは、とてもフラットなチームづくりをされているのですね。
T.Y.:SHIFTには、背伸びさせてくれるカルチャーがあるんです。自分の実力以上の仕事を任せてもらえるので、周囲に助けを求めていかないと越えられない高い壁が立ちはだかるんですよね。そして、その壁を越えられた先には必ず成長が待っている。
うちのメンバーはほとんどが20代と若いのですが、ありがたいことにかなりビジバシ言ってくれます(笑)。一番前に立っている自分が一番頑張らなければと思う反面、自分が苦手なことははっきり伝えて、ひとりで抱え込まずフォローしてもらっています。
SHIFTに入るまでは、リーダーが1から10まで考えないといけないと思っていたんですが、いまは骨格だけ考えて、細部を整える部分はメンバーに任せられる。とても建設的だし、やりやすいです。
──最後に。今後、SHIFTでどのようなキャリアを積んでいきたいと考えていますか。
T.Y.:品質テストを専門にしたことで「自分は何者か」というアイデンティティがもちやすくなりました。技術を高めていく方が向いているんじゃないかと思う反面、マネジメントの立場でSHIFTのサービスを広げていくことにも興味があるので、正直言って悩んでいます。
とはいえ、自分が選んだほうに進ませてもらえる会社なので、こうして悩める時間があるのはある意味で贅沢だな、と(笑)。
ひとつだけ言えるのは、年功序列の会社のように、「先輩の姿=未来の自分」ではないということ。成果主義だからこその可能性を感じ、将来に希望がもてています。
──T.Y.さん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)