エンジニアとしての経験や視点を活かし、AIを活用した業務改革のソリューションを提案する。そんなポジションを、現在AIサービス部で募集しています。
「技術者としての自分に提案ができるだろうか?」そう感じている方にこそ、今回のインタビュー記事を読んでほしいと思います。
もともとは、アジャイル推進部のエンジニアとして、「人が真心を込めてコードを書くべき」と信じていた本記事の主人公・三浦。その彼が異動をきっかけにAIと向き合い、いまでは「ラブAI」と笑顔で語るまでに。
三浦は、いかにして変化を受け入れ、新たなキャリアを「天職」だと語るようになったのでしょうか。三浦へのインタビューを通じて新しいエンジニアキャリアが見えてきました。
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AIサービス部 三浦
新卒でオービックに入社し、ERPの基盤開発に従事。新機能開発や性能改善を経験後、2020年にSHIFTへ入社。要件定義~テスト自動化まで一貫した品質保証サービスを推進し、金融・通信・エネルギーなど多業種でPM/テクニカルリードを歴任。100件超のテスト自動化により工数を60%削減するなどの成果を上げる。現在はAIサービス部の中心メンバーとして生成AI導入支援を主導し、RAGを用いた検証PoCで精度70%超を達成するなど、AI領域でも実績を重ねている。
目次
AIには懐疑的だった私。ひたすらさわり見えたAIの便利さと、活用の在り方
――三浦さんは今年、アジャイル推進部からAIサービス部へ異動されたそうですね。現在の役割を教えてください。
三浦:プリセールスとしてお客様のお引き合いに対して、課題を整理し、提案を行い、契約まで進めて売上を立てることが主なミッションです。
AIサービス部のプリセールスは、AIを活用してどのように業務改革できるかを切り口にお客様に提案をします。
それ以外にも、組織を大きくしていくために中途採用の面接官を担当したり、メンバーの評価を行ったりと、業務内容は多岐にわたります。エンジニア時代とは大きく変わりましたが、非常にやりがいを感じています。
――「AI」という領域への挑戦について、異動当時は率直にどう思われましたか?
三浦:不安がなかったといえば嘘になりますが、振り返ってみるとワクワクする感情の方が大きかったですね。どこにいても自分のやることは同じ。
組織で何が求められているかを考え、そこでバリューを発揮するだけだと。なので、自分が役に立てるかという不安より、どんなバリューを発揮できるだろうかという期待の方が大きかったですね。
――すでにAIにはふれていたのでしょうか?
三浦:いえ。実をいうと、異動前はむしろAIには懐疑的だったんです。当時の私にとってAIは、プログラミングを補助するもの、という程度の認識しかなくて。
「人が真心を込めてプログラムした方がよい」と本気で思っていました。
でも異動が急に決まって、当時話題だったCursor、Windsurfから入り、ClaudeやChatGPTなどさまざまなAIをひたすらさわりました。
お客様にAIの便利さを伝えるためには、まず自分自身がその価値を深く理解しなければいけませんし、そのうえSHIFTでは特定のツールを背負った提案はしません。
どんなツールにも対応できるよう、との想いで実際に使っていくなかで、「こんなに便利なんだ、ここまでできるんだ」と、AIの真価に気づかされましたね。
――「人が真心を込めてコードを書く方がいい」という気持ちにも変化がありましたか?
三浦:そうですね、それは半々です。便利なものはどんどん使っていくべきだという考えに変わり、アンチAIからいまではすっかり「ラブAI」になりました。
ただ、AIとの向き合い方には、非常に気をつけるべきだとも思っています。
AIが生成したものを100%信頼するのではなく、人間がきちんと確認するプロセスが不可欠です。組織やチームにAI活用を定着させるという目的も忘れてはいけません。
――AIをただ使うだけでなく、組織としてどう活用するかが重要だということですね。
三浦:その通りです。各企業には、組織として目指すべきプログラミングの形があるはずです。AIはあくまでそれを実現するための強力なツール。
人間が責任をもって品質を担保するという意識が、開発の現場では必要だと改めて感じています。
技術のわかる私がお客様と直接会話する。SHIFTで見つけた天職
――そもそもエンジニアからソリューション提案をする役割に変わったことは、ご自身のキャリアとしてどう捉えていますか?
三浦:一言で言うと、とても満足しています。実は、私が5年前にSHIFTに転職した一番の動機が、「お客様と直接話をしたい」ということだったんです。
前職ではエンジニア組織に属していて、お客様とのコミュニケーション窓口は別の部署が担当していて。お客様と直接対話し、技術がわかる自分が介在することでビジネスを広げていく。
そんな働き方で組織への貢献をかなえたいと考えての転職でした。異動によって、ようやくその夢がかなったと感じています。
――それはうれしいですね。ようやく夢がかなったというその仕事ぶりをより具体的に伝えるために、案件事例をあげてもらえますか?
三浦:大手金融機関様の案件をご紹介します。「Dify」というローコードAI開発プラットフォームの導入案件で、最終的に億単位という大きな契約となりました。
提案の過程で苦労したのは、工数の妥当性を見積もるところでした。
SHIFTの得意領域は、お客様の課題に対して最適なツールを組み合わせてソリューションを提供することですが、この案件ではアプリケーション構築だけでなく、インフラ構築まで求められたんです。
チームの有識者にも相談しながら工数やタスクを洗い出し、なんとか妥当性のある見積もりを立てて、無事に受注することができました。エンジニア出自の私が、大規模な提案に挑んだ、印象深い案件です。
――そもそもなぜ数あるツールのなかで「Dify」を選んだのでしょうか?
三浦:私が「Difyを推進したい」と強く提案したのですが、その根拠はアジャイル推進部時代にテスト自動化やRPAに携わった経験にあります。
「Dify」は、処理のブロックを並べていくことで、RPAのように直感的にAIアプリケーションを構築できます。
世の中の流れとしては、「Dify」のようなツールの需要が爆発的に伸びるだろうと。過去のRPAの普及を見てきた経験からの確信でしたが、エンジニアである上長も納得してくれましたね。
PDCAは、ACAサイクルに。新しい技術を無我夢中でキャッチアップする人を求む
――ほかにも、これまでのエンジニアとしての経験が活きていると感じることはありますか?
三浦:考え方の部分ですね。AIは、我々の業務を高速化するための1つの手段にすぎません。
本当に重要なのは、AIを使う以前の問題として、システム全体の構成、つまりアーキテクチャーがどうあるべきかを理解しているかです。
AIの真価を発揮させるには、人間が設計図を描けなければいけません。これまでエンジニア自身がプログラミングしてきた経験は、一切無駄にはならないんです。
――AIが出力したものが正しいかどうかの判断も、基礎力がないとできませんよね。
三浦:AI時代はPDCAがACAサイクルに置き換わると考えています。Plan(計画)、Do(実行)、Act(改善)はAIに任せられるようになる。しかし、「Check(検証)」だけは、どうしても人間が担当しなければなりません。
検証を正しく行うためには、AIに頼らずとも自分自身で作業ができるだけの地力が不可欠です。だからこそプログラミングスキルは、これからますます重要になっていくと考えています。
――AIサービス部には、どのようなマインドをもった方がフィットすると思われますか?
三浦:AIサービス部は、会社からも非常に期待されている部署です。求められる成長率に対して「どうやって達成しようか」と楽しめるマインドをもっていることが必須ですね。
採用面接で特に重視しているのは、AIに対して熱意や興味をもち、実際に行動しているかどうかです。仕事で使っていなくても、プライベートでさわっているか。
SHIFTは特定のツールに依存しないため、お客様の環境に合わせて未知の技術を素早くキャッチアップしなければならない場面が頻繁にあります。
SHIFTには「強制的に技術力が身につく環境」があるとも言えますが、それに対応できるのは探究心があってこそ。
新しい技術を無我夢中で学べる人、それによる自身の成長を楽しめる方にとっては、最高の環境だと思います。
――最後に応募を検討するみなさんにメッセージをお願いします。
三浦:これだけAIの存在感が増す世になっても、自社に適した業務効率化の具体的なアイデアをもつ企業はそう多くはありません。目的と手段が入れ替わってしまっているケースもあります。
私たちの強みは上流工程から下流工程まで一気通貫でお客様を支援できること。幅広いご相談が寄せられるなかで、課題を解決できるサービスがあれば提案し、なければ考える。
エンジニアとしての視点を活かしてAIの活用提案という新しいスキルを磨き、自らのキャリアを拓いてもらえたらと思います。
――本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)
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