「価値提供できるのであれば、やることの中身は問いません」
このように強調するのは、DAAE(ダーエ)※を推進する部署に初期から在籍し、現在もPMとして活躍している新井です。
※SHIFTが提唱するモノづくりの概念。デザイン(Design)、迅速性(Agility)、組み合わせ(Assembly)、経済品質(Economic quality)に由来
SHIFT入社前は、まったく違う業界である玩具メーカーでWebディレクターをやっていたという新井は、現在はDAAE専属のPMとして、多様なシステム開発案件に参画してプロジェクトを切り盛りしています。
Webディレクターの経験を活かし、PMにチャレンジするなか、お客様からの信頼を得るために凡事徹底を体現する新井。
DAAEのPMとしてのプロフェッショナルマインドをもち、自分自身に厳しい目を向ける彼のこれまでを聞きました。
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アプリケーション開発テクノロジーグループ 新井
エステサロンなどのWebサイトディレクションからキャリアをスタートし、ショッピングサイトの広告営業代行、玩具メーカーでのWebディレクターなどを経て、2020年7月にSHIFT入社。DAAEを推進する部署に配属され、PMとして業種業態を問わずさまざまなシステム開発案件に参画している。
目次
Webディレクターから、「システム開発PM」への転身
―――前職では玩具メーカーでのWebディレクションをご経験されていたと伺っています。なぜ転職を考え、また、まったく異なる業種業態のSHIFTへの入社を決められたのでしょうか?
新井:10年近く玩具メーカーに勤務し、チームリーダーなどそれなりにやらせていただいていたのですが、ふと立ち止まったときに、「何かにチャレンジする」という意識が自分のなかで希薄になってきたと感じていました。
そのときすでに40歳を超えていましたが、環境を変えるために見つけたのがSHIFTでした。
当初はテストの会社という印象が強く、私としては候補外だったのですが、ちょうど「DAAE」という新しい部署の立ち上げを進めていると。
売れるサービスづくりに携わるPMを募集しているということで、Webディレクションで培った経験も活かせるのではと考え、後に上司となった面接官へ直感的な魅力を感じたことも相まって、入社を決めました。
―――当時はまだDAAE発足から半年ほどのタイミングでしたね。
新井:はい。そこから4年強で、10件ほどの案件にPMとして参画しています。
アウトプット出すことから逃げない
―――新井さんがPMとして活躍されるようになる過程で、どんな工夫をされてきたのでしょうか?
新井:お客様からのどんな要望に対してもゼロ回答にはしないこと。アウトプットを「とにかく出してみる」ことを徹底してきました。
それに対してフィードバックをもらい、修正したうえで、再度アウトプットし改善点をみせる。そんなアプローチをつづけていきました。
―――迅速性(Agility)が由来のDAAEっぽいサイクルですね!
新井:そうですね。お客様に説明する際は、改善を心がけたポイントがズレていないことを確認したうえで、どのようなところに改善の結果を反映させたかを説明するようにしています。
もちろん、100点満点はむずかしいですが、できること/できないことを切りわけたうえで、できることについて善処していることをお伝えするようにしています。
それから知識面では、関係資格の勉強と取得を通じてキャッチアップを進めていきました。
実際、入社以降スクラムマスター、PMP、AWS SAAなどを取得したので、対外的にも私の対応可能な領域が可視化できてきていると感じています。
―――一歩一歩着実に前に進むために、凡事徹底されてきたんですね。
「いいPM」になるための4つのポイント
―――新井さんが考えるDAAEの「いいPM/目指すべきPM」とは、どんな姿だとお考えですか?
新井:端的にお伝えすると、「決定したことを積み上げて問題解決に導く」存在だと思っています。
例えば会議体のファシリテーションをする場合、1回の打ち合わせで決定したい事項をゴールと定め、事前に検討軸やステークホルダーの状況を整理し、空中戦にならないようにディスカッションペーパーを用意する。
ここでも当たり前のことを徹底して、効率的な会議運営を心がけています。その場では決まらない点についても、「問題解決のアクションにつなげる」ことを目指しています。
―――そのために大事にされているマインドや行動指針などがあればぜひ伺いたいです。
新井:大きくは4つ、「チームコミュニケーション」「品質」「スピード」「お客様貢献」があるかなと思います。
いましがたお伝えした会議体でのファシリテーションの内容は、「チームコミュニケーション」の観点が特に大事かなと。
例えば会議において参加メンバーが多いと意見が発散してしまい、終了時間に近づいても当初の目的から外れて迷走してしまうことがあるかと思います。
一人ひとりの意見は尊重しつつ、決められた時間内にどういう形で話を帰結させ、価値を創出できるかを参加メンバーに思い出してもらう。
このように「PMとして意義ある場をつくる」ことを意識しています。
また次の「品質」ですが、先日テスト計画の作成に携わりまして、その計画をもとに日次でテスト実施進捗を追っていました。
その際、ブロッカーとなる課題が出たときにどうやって代わりの手段でテストを継続するか、そのための要員の動き方とテストデータの投入について事前に関係者と合意しておくことが重要だなと改めて感じました。
―――テスト事業で培ってきたSHIFTのノウハウ、その活用のしどころですね。
新井:3つ目の「スピード」については、自分のボールをとにかくはやく打ち返すのはもちろん、「人から求められることには鮮度がある」ということを特に意識して日々動いています。
重要度が相対的に低くても、このタイミングでアクションをしないと効果が薄くなってしまうと考えたことは、優先して打ち返すようにしています。
―――たしかに、重要度が低く思えても鮮度が高いうちに働きかけることによって、相手の熱量が上がってくることもありますよね。
新井:おっしゃる通りです。そして最後、「お客様貢献」も重要なポイントと位置づけています。
これまでにお客様に貢献できたことは何だったかを後から振り返って整理しようとしても、時間の経過とともに頭から抜けていることも多いですよね。
だからこそ、雑談含めお客様から受けた相談内容をメモで控えておき、それに対するアクションと結果をなるべく定量的な形で残すようにしています。
これを積み重ねることで、日ごろからお客様貢献を見据えた思考ができるようになると考えています。
DAAEのメンバーは全員、自分がどの領域で価値提供できるかを自覚/定義できている
―――新井さんが考えるDAAEの強みと、メンバーの好きなところを教えてください。
新井:SHIFTがもつ品質保証という強みをベースに、高い技術力を武器として高品質な開発ができるのがDAAEの強みだと思っています。
プロジェクトの進め方や開発のやり方など、品質を上げるための考え方が圧倒的なレベルだなと、毎回案件にアサインされたときに感じています。
あとメンバーの好きなところですが、自分ごと化のプロである点。「その件はどこそこに聞いてみて」で終わらず、いっしょに解決への道をつなげようとするので、組織としての一体感を感じますね。
それから、それぞれが自身のセールスポイントをブランドのキャッチコピーのように定義できていることもすばらしいなと思っています。
自分がどの領域で価値を提供できるかを自覚していて、求められた環境で最大限能力を発揮する。
存在意義に則って仕事をしているところが、DAAEメンバーとしてのプロフェッショナル性なんだなと日々感じています。
―――ちなみに、新井さんがPMとしてもっとも価値発揮できているところはどこだと、ご自身ではお考えですか?
新井:そうですね、PMに求められるスキルは技術や課題解決力、交渉力など多岐にわたりますが私が特に力を発揮できているのは、ファシリテーションですかね。
まわりの意見を集約して、全体としてもっていきたい方向にもっていく部分には自信がありますし、お客様からもご評価いただけていると自負しています。
―――最後に、新井さんとして今後チャレンジしていきたいことを教えてください。
新井:変化の大きい環境なので、正直、1年後に何をやっているかはわかりません。わからなくていいと、いまは思っています。
価値提供できる存在にこだわっていきたいと思っていて、逆にそれができれば、中身は特に問わなくていいと思っています。
そのためにも、技術革新など会社を取り巻く環境が劇的に変化していく時代なので、とにかく自分の幅を広げることに注力していきたいと思っています。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)