数千人の適材適所を叶えたい。多様性をちからに価値を生む「SHIFTの屋台骨」がもつ組織力 

2023/08/10

SHIFT全体での売上のうち、おおきな割合を占める品質保証事業 

本事業をけん引し、現在はサービス&テクノロジー本部のVPoE(Vice President of Engineering)を務めるのが本記事の主人公、松川清史です。彼は独立系SIerで、金融系業務システムや鉄道会社の基幹システムの開発・導入に携わり、品質観点での課題から激務の日々を過ごしてきました 

松川が2016年にSHIFTへの入社を決めたのは開発の上流工程への課題感」「新しいことにチャレンジしたい」という2つの情熱からでした。 

品質保証という、市場規模5.5兆円のブルーオーシャンへ、非エンジニアが活躍できる環境をつくって徹底的に攻める。5年後10年後のビジョンが明確で、ピュアにすごいと思った」と当時を振り返ります 

以来、品質保証事業を担う部署のメンバーは加速度的に増えしつづけ2024年にはマイスター※も含めると3,500人規模の巨大な組織へと成長。多彩なバックグラウンドと、松川同様に「課題は上流にある」と秘めた情熱をもち集結してきたメンバーは、SHIFTの強力な屋台骨となっている。

※アルバイトメンバーに対するSHIFT社内の尊称 

急激に拡大した組織を一人としてバラバラにすることなく、むしろSHIFT独特の「組織力」へと、まとめている松川。VPoEとして、人材についてどのように考え、どのようにマネジメントしているのか。入社当時から変わらない確固たる想いと基盤となる考え、そして品質保証事業の変遷を語る。 

  • サービス&テクノロジー本部 VPoE 松川 清史

    前職は独立系SIerにて、金融系業務システム開発・PM、鉄道会社基幹システムPM、火消し隊として活躍。その後システム統括長として100150名を束ねること5年。 

    20169月にSHIFT参画。入社後は、主に金融保険、流通産業、通信、ネットメディア、ERPなど幅広い領域の組織を担う。現在はサービス&テクノロジー本部にてVPoEを務める。 

目次

創業から根付くSHIFTの存在意義をお客様に明示すること 

一般的な“品質保証サービス”といえば、システム開発の下流でテストのみを実施するという印象かもしれません。しかしSHIFTはそれだけにとどまらず、お客様の開発プロジェクトの運営チームの一員として、上流からの参画にも食い込んでいます。 

プロジェクト全体をみるPMO、各ベンダーのテスト進捗や品質管理を行うPMO、テスト全体をマネジメントするPM、そして実際に現場を任される品質保証チームという体制で、お客様のプロジェクトチームに直接加わり、業務を遂行しています。 

品質やテストはすべての企業が必要としているものであり、その企業が成長する限り、付随してニーズも高まりつづける。これはシステムの種類や業界に関係なく、日々私が実感しているマーケットの規模感です。 

私たちはモノを売るのではなく「品質」というサービスを提供しているので、事業会社があり情報システム部門があれば、そこにはSHIFTが役に立てる余地が必ず生まれるというわけです。 

ちょうど2016年頃、SHIFTはWebサービスの品質テスト中心の事業から、エンタープライズ領域の業務システムについても品質を担保しようと拡大へ舵を切るタイミングがありました。それでSIerや大手企業でIT経験ある人材を一気に採用したんです。私もそのひとりでした。 

入社して、まず驚いたのはお客様への“終了報告”の内容と厚さでしたね。創業メンバーをはじめ、1案件ごとにSHIFTがどのように貢献したかを、徹底的に定量的に報告するんです。業界内では一般的に、テスト完了後はそのまま保守に移行するだけなので、これは目からうろこでした。 

SHIFTの存在意義、付加価値をお客様にプレゼンテーションしていく。「SHIFTが何に尖っているのか」を伝えることでお客様の期待と信頼を獲得し、テストによる品質保証だけでなくより上流へと支援領域を広げていく。いまもつづいているこのスタイルが、他社との大きな違いです。

個のプレイや誠意に頼らない。組織力で信頼を獲得し、メンバーを助ける 

もうひとつSHIFTが他社と一線を画すのは、徹底した分業制である点。マネージャー、PMO、テスト設計者、実行者などの役割ごとに求めるミッションやスキルが明確で、完全に分業化されています。これがはまっているからこそ、事業が着実に伸びているのだと感じています。 

役割における遂行すべき事柄が明白なので、どのポジションにいても自分自身の付加価値の提供に集中できます。 

SHIFTは、お客様の信頼を勝ち得るために必要なのは、多様な個人のリソースを適材適所で発揮して、組織として対応しサービス提供することだと考えています。けっして個人の誠意などに頼る「個のプレイ」ではなく、「組織のプレイ」で取り組んでいく。“組織力”自体も、SHIFTの付加価値を増幅させる要素です。 

なにしろ母体が大きいので個人の責任にせず、組織で対応する姿勢は重視しています。 

そのために必要なのは、マネジメント陣が「現場」についてもよく知っていること。その点、上層部も含め全員が現場を知るというのがSHIFTの特徴です。 

「お客様の課題は何か」「解決できる人材は誰か」。課題とサービスをマッチさせるためには、核心を見極めないとお客様には響きません。自らも現場に入り込んでいくという思想が社内に浸透していて、SHIFTには名ばかりのマネージャーは一人としていないんです。 

日頃、私自身が大切にしているのは「他責にしないこと」。部下のパフォーマンスが出ないときは、私が動き環境や体制面でサポートします。組織力を重視している理由は、それが弱ったメンバーを救うことにもつながると思っているからです。 

もっと活躍できる場はどこだろう?見つかるまで適材適所をあきらめない 

「一度、失敗したからダメだ」という文化は、SHIFTにはありません。 

これも組織力を高める要因のひとつ。たとえ失敗しても「むしろ、もっと活きる場があるはずだ」と本人に次々とチャレンジの機会を与えて、環境をどんどん変えていきます。 

それは「正しいポジションってどこだろう」と探りあてるまで続きます。一般的に人材の大量採用はリスクがあるかもしれませんが、SHIFTは選考段階で受験してもらう通過率6%の「CAT検定」を用いて、テストエンジニアとしての素養があると思われる候補者に入社いただいています。 

つまりSHIFTで伸びる可能性が高い方を採用しているのだから、どこかで活躍できるはずだ、と。さらに入社後にも成長を促すべく、キャリアUP制度「トップガン」をはじめ、独自の教育制度が整っています。 

他にも半期ごとに定量的な成果をみて絶対評価をする、人事評価制度もSHIFTならでは。相対評価と違い、部下を一人ひとり正しく評価できるからです。社内には「部下について多くを語れるマネージャーが、いいマネージャーだ」という空気感もありますね。 

本人と組織が期待する成長に達することができていない場合には、何かしら方法を変えて成長を促す。マネージャー層には、特にこの点を意識してもらっています。 

SHIFTは中途採用者が大半なので、キャリアもバックボーンもスキルも多種多様。だから“多様性を活かす”という点も、一貫して大切にしているポイントです。多様性を見極め、一人ひとりに“武器”となる強みを持たせていく。 

その結果、各々が自分の現場で、ひとりでも多く付加価値を提供してもらえれば、それが自然にSHIFTの組織力につながっていくと考えています。 

品質保証を起点にキャリアアップを 

あらためて思うのは、テストはプロセスの下流であっても、問題は上流から起きているということ。 

SE経験者の大半が「やっぱり品質って上流に課題がある。テスト工程だけでは物足りない。上流からどんどん品質をあげていこう」とSHIFTを選んでいます。SHIFTは、品質を担保しながら、テスト工程で得られたノウハウをフル活用してPMOが全体をマネジメントする。だからこそ、単純にテストだけをやる会社と思われたくないという自負は、誰もがもっています。 

私たちが相手にしているのは「生きもの」だとも思っています。マーケットは常に変化するし、人間が関連すればミスは起こりえます。常に安全な状況なんて一切ありません。SHIFTは、「攻める会社」なので、柔軟に変化しながらこうした状況に向き合っていきたいですね。 

SHIFTのなかで、品質保証事業は会社の「土台」です。メンバーには、ここを起点に他部門も含め、どんどんキャリアアップしてほしい。部内で閉じるのではなく、さまざまな分野で活躍する人材が出てくると嬉しいなと。 

マーケットもまだまだ成長するし、新たな領域に入り込めるチャンスもあるでしょう。SHIFTの業績ももっと伸びていくし、そうなれば人も増えていく。常に変化しながら支え続け、人材の起点にもなる。品質保証事業を担う部署は、そんなSHIFTの屋台骨でありつづけたいですね。 

外部協力:新川 五月(執筆)

(※本記事の内容は、取材当時のものです)