キャリアに悩みSHIFTを飛び出した。見える世界を広げ、再び帰ってきた私たちの物語 

2024/04/26

キャリアを伸ばそうと、他社やほかの業界へと移る。そうした理由でSHIFTを離れた人たちももちろんいます。ただ、そんな彼らがSHIFTに戻る例もあります。 

大隈と河合は、その代表。二人ともキャリアに悩んで、一度はSHIFTを離れますが、数年後、再びジョインしました。 

違う会社、異なる業界を見たうえでSHIFTに戻った理由は何か。どのようにして「戻りたい」と伝えたのか。二人のケースを、伺いました。 

  • 検定開発室 大隈

    子どものころから、ジグソーパズルやレゴ、絵を描くことに夢中で、心のなかで描いた想像を形にするのを好む。美術を愛する心を胸に、学生時代は美術部で活動する。大学は芸術系に進学し、特にガラス工芸に情熱を傾ける。卒業後、映像編集の道に進む。2010年、SHIFTに転職。2014年、一度SHIFTを離れて人材ビジネス企業に転職するが、2018年にSHIFTに戻る。現在は能力開発部検定開発室に所属し、社内教育コンテンツの開発に尽力する 

  • エンターテインメント1グループ 河合

    小さいころから変わっているねわれるようなことにチャレンジするのが好き学生時代はフォークダンスサークルに所属しており、そこから今度は世界の歴史や文化に興味を。最近はVRの世界にべったり2017年新卒でSHIFTに就職。ゲーム領域のテストを手がけるエンターテインメントサービス部エンターテインメント1グループ所属する2021年、ソーシャルゲームなどを手がけるゲーム制作会社に転職。2023年、SHIFTに戻り、あらためて以前いた部署で活躍する。

目次

マスコミ業界から中途入社した私。2017年新卒入社の僕

――いま現在、SHIFTでどんな仕事をしているのでしょうか。 

大隈:能力開発部の検定開発室に所属。社内のエンジニア向けの検定開発や、採点などの運営までを手がけています。 

SHIFTのグループ従業員を対象にした社内キャリアUP制度「トップガン」も、私たちが手がけるものなんですよ。 

河合:私はエンターテインメント1グループに所属。領域はゲーム開発で、ゲームのテストを専門に手がけるチームで計画から検証まで携わっています。 

――そんなお二人は、一度SHIFTを離れた「カムバックメンバー」ですね。そもそも最初に入社された経緯を教えて下さい。 

大隈:もともと20代のころは映像制作会社にいました。いまはだいぶ変わったようですが、当時は超がつくハードワークな業界。「今日もまた帰れない……」と嘆くのが当たり前の世界でした。 

「その日のうちに帰宅できる仕事がしたい」と転職を決意。最初は医療事務になろうと社会人専門学校に通いはじめたんです。

ただ、その学校の講師の方から「医療系ソフトの検証のアルバイトがある。君やらないか?」と誘われまして。そのままSHIFTにアルバイトで働きはじめ、気がつけば社員になっていました。 

――まだSHIFTが立ち上がって間もないころですよね。 

大隈 2010年でしたから創立5年目ですね。まだ丹下さん(丹下大・創業社長)も若く、面接で「映像業界?」「どういうことやるの?」と興味津々な様子で質問されたのをおぼえています。 

入社後はシステムの検証作業を、手とり足とり教えてもらいながら覚えていきました。いまもある「テストマイスター」という肩書をつくるころで、私は第7号のマイスターの番号をもらえました。 

――河合さんがSHIFTに入った経緯は? 

河合:僕は2017年に新卒入社しました。大学院まで農学を学び、微生物の研究をしていたのですが、途中で「これから伸びそうなベンチャー系のIT企業に入りたい」と考えるように。

そうしてSHIFTを見つけ、試験を受けて、ご縁をいただきました。配属先は、いまと同じゲーム領域の検証をする部署でしたね。 

――ゲーム領域はご自身の希望で? 

河合:いえ、希望はWeb関係で出していたのですが、「適性」だと判断されたようです。 

実際、性にあっていたと思います。ゲームの世界は仕様変更も激しくスピード感もある。僕はそうした変化が苦にならないタイプでしたからね。

またネクタイにスーツ姿などではなく、ゆるい格好で働きたい希望もあったので、業界的にもフィットしていました。 

――そのフィットしていたSHIFTを、2019年に離れます。理由は何だったのでしょうか? 

河合:入社2年目のそのころ、「将来に不安」を感じたためです。 

「キャリアの幅を広げる」ため、飛び出した

――その不安とは何だったのでしょう? 

河合:2年間、ゲームのテストを専門にしていたので、これから60歳以降も仕事人生をつづけていくと考えると、「このままでいいのかな」と不安になったのです。 

仕事自体には満足していたのですが、もっと違う領域に挑戦したくなった。そこでゲームを「つくる」経験を積みたいと考えたのです。いまならSHIFTには、ゲーム制作まで踏み込む部門もあるけれど、当時はまだありませんでしたからね。 

SHIFTを飛び出すことを決め、当時のお客様のひとつに「そちらに入れてもらえませんか」とアプローチしたら、受け入れてもらえたのです。 

――なるほど。SHIFTには、キャリアチェンジの要望をどのようにいったのでしょうか? 

河合:正直にそのまま伝えましたね。「ゲーム制作の現場を見たい」と。 

「なら仕方ないね」と温かく送り出してもらいました。拍子抜けするほどすんなり、と(笑)。 

大隈:そこは時代を感じますねえ。私がSHIFTを離れたときは、けっこう強い引き止めがあったので(笑)。 

――大隈さんは、いつどのようにSHIFTを離れたのですか? 

大隈:私が一旦、SHIFTを離れたのは2014年です。きっかけは河合さんと似ていて、「キャリアを積むうえでこのままでいいのかな」と悩んでいたことでした。 

入社後はテストの設計業務をしながら、リーダーとして、ほかのマイスターさんの管理などを手がけていました。私も仕事に不満はなかったのですが、次第に「テストだけではなく開発の部分から手がけたい」と思うようになりました。 

長い間、ひとつのお客様に常駐。そのお客様の開発会議にまで声をかけられて参加するようにまでなっていましたからね。 

そんなときに、そのお客様から「開発によりそったQA活動をしてほしい。うちへこないか」とお声がかかった。「ぜひ!」と二つ返事で承諾しました。 

――ところが、強く引き止められたと。 

大隈:立ち上げ初期のころからのメンバーでもありましたからね。 

直属の上長にまず説得され、その後、30分くらいずつ上の役職の人があらわれて「やめないでくれ」「必要だ」といってくださったことを覚えています。 

ただ私も正直に「いまは先方のプロダクトづくりに心が動いてしまって……」と伝えました。また「もしかすると戻ってくるかもしれませんし」と加えましたね。 

私自身、申し訳ないことをしたという思いが、ずっと心の奥底にありました。 

SHIFTにあった、圧倒的な心理的安全性

――そのようにして、二人とも違う世界に挑戦されたわけですね。実際に飛び込んでいかでしたか? 

大隈:有意義でしたね。人材ビジネス会社だったのですが、自社プロダクトの企画や仕様要件などまでつくらせてもらえました。

外国籍のスタッフも多い会社で、多様な人たちと「次はどんな機能をのせるか」と議論するのも、楽しかった。

いままでやったことがない開発の領域までやらせてもらえたので、満足していましたね。 

――河合さんは、ゲーム制作会社での仕事をされてみた感想は? 

河合:「向いてないな」と気づかされましたね(苦笑)。 

すでにあるプロダクトやアイデアへの肉づけは得意なんです。けれど、0→1で、新しいものを生み出し、形にする能力は圧倒的に足りてないなと痛感しました。 

ゲーム制作の現場は圧倒的に、そうしたクリエイティブが求められる。まわりは、その才に長けた人ばかりでしたからね。

企画のアイデア出しなどでも、まったく刃が立ちませんでした。最初のころは1日が終わるたび「今日も逃げ切れた……」と安堵していたほどです。 

それでも「2年はがんばろう」と決めていたのでつづけていました。 

――そして実際、2年後にSHIFTに戻られました。他社に移ろうとは考えなかったのですか? 

河合:考えませんでしたね。どこかに新卒の私を受け入れてくれ、さらに「ゲーム制作を挑戦したい」と快く送り出してくれたSHIFTに恩返ししたい思いがあったんです。 

というのもゲーム制作の現場に入ったおかげで、「なぜゲームにバグが生まれやすいのか」「どこにリスクを一番感じているか」といったお客様の気持ちが肌感覚でわかるようになっていた。

この経験はSHIFTに戻ってテストで活かせるなと、どこかでいつも考えていたんです。 

――戻りたいという意向は、どのように伝えたのですか? 

河合:上長とはずっとLINEでつながっていたので、「帰っていいですか?」と伝えたら「いいよ」と。そこも快くスピーディに受け入れてくれたのは、ありがたかったです。 

――一方の大隈さんは、なぜSHIFTに戻ろうと? 

大隈:私の場合は、実は結婚と出産のために、一度、完全に仕事を辞めた時期があったのです。生まれた子どもが双子だったこともあり、働きながら育てるのは私には少しハードかなと思い。 

ただ2018年に子どもたちが2歳半くらいで保育園に入るタイミングで、「また働きたい」と思いはじめました。そのときに真っ先に浮かんだのがSHIFTだったんですよ。 

――職場復帰する場所として、真っ先にSHIFTが浮かんだ理由は? 

大隈:前の会社もすばらしかったのですが、SHIFTは圧倒的に「心理的安全性が高い」なと感じたこと、ですね。 

いい悪いではなく、やはりプロダクトの開発現場はヒリヒリとした緊張感が溢れるもの。ミスなどが起きた場合のストレスは尋常ではありません。

もちろん、SHIFTでも、緊張感はありますが、仮にミスがあったとしても人を責めずに「どう解決するか」「改善していくか」に向かっていくカルチャーがある。 

あとは単純に経営陣をはじめ、いる人がみんな優しい。SHIFTにあるその際立った心理的安全性は、とても魅力的で、私には働きやすさの象徴だとあらためて感じたのです。実のところ、結果や成果には厳しいところがあるのですが(笑)。 

――大隈さんの場合は、どのようにして「戻りたい」と伝えたのでしょう? 

大隈:辞めたあと、申し訳ない気持ちをずっと抱えていた一方で、同僚とはずっとSNSを通してやりとりをしていたんです。人事からも、「またテストに興味出てきたら、声かけてね」とカジュアルに誘われてもいました。 

そのときは「子育てで忙しくて…」と断っていたのですが、先程いった2018年に子どもたちを保育園に入れるタイミングで「あの話って、生きてますかね?」と私からアプローチさせてもらいました。 

――実際に戻った感想はいかがですか? やめてから4年以上たったSHIFTに変化は感じました? 

大隈:驚きましたね。本社のフロアがものすごく広くなって、前職が名だたる企業という方も多くて、「ココ、どこだろう?」と思いました(笑)。 

ただ、そこまで大きくなって、人材のレベルもあがっているのに、いい意味でベンチャーっぽさが残っていた。

みんなフラットで距離が近く、やはり互いに助けあうカルチャーが残っていたのは本当にいいなと感じましたね。 

河合:たしかに、役職や部署も関係なく、何でも遠慮なく相談できますよね。 

あと僕は新しい挑戦に寛容というか、新しいことをやらねば、という機運があるのも好きなんです。

私もNFTやVRに関するテストを積極的に手がけるなど、個人の提案から形になって業務領域を増やした経験がありますしね。 

――そういえば、河合さんはSHIFTに戻ってから、実際に前職の経験が活きたところはありますか? 

河合:ありますね。お客様との打ち合わせで「昔、ゲームをつくっていたので…」「こういう問題ありますよね」と話にはさめるので、信頼度が違うというか。

「自分たちの側に立って提案してくれる人だ」と思っていただける。以前より提案がお客様に“刺さりやすくなった”のは感じますね。 

大隈:わかります。私は主に社内相手ですが、「大手SIerに30年いた」といった業界経験豊富な人がいまのSHIFTにはいる。

そんな方とも気負いなく、また過不足ない知識をもってコミュニケーションをとれるのは、一度、飛び出して企画、設計の世界を見た結果だなと日々感じています。 

――お二人とも、一度離れて、遠まわりしてきたからこそ、さらに高いレベルでいま仕事できているわけですね。だからこそ、今後SHIFTでさらに挑戦したいことなどはりますか? 

河合:自分はいま、ゲームばかりを手がけているのが、もう少し広義の、映画や舞台といったエンターテインメント領域でもSHIFTのテストを広めていけたらなと思っています。 

大隈:私は検定だけではなく、従業員の方々のすばらしい知見を整理して共有できるような型(かた)というか仕組みをつくってみたいなと。

まだ形は見えないのですが、本当にすばらしい人材が揃っているので、そうしたシステムをつくることはSHIFTの一人ひとりはもちろん、お客様、また世のなかにとっても価値あることだと感じていますからね。

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、公開当時のものです) 

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