組織に新風を吹き込む──この言葉を体現するリーダーがいます。エンタープライズサービス部で副部長を務める新井充昌です。
同部署ではERP支援サービスを展開しています。ERPが国内ビジネスで活用されはじめてから約20年。
導入や運用を支援する各社の役割が明確化していること、後発で業界に参入したことなどから、「プライム案件の比率をより高めていくこと」がエンタープライズサービス部全体の目標となっていました。
2023年1月、SHIFTに入社した新井は、その目標にむかって組織を牽引。約1年かけて大手専門商社からのSAP S/4 HANAのグループ会社導入案件の直接受注に成功しました。
「組織が次のステップへ登る、この面白いタイミングで大手コンサルやSIerでコンサルタントとして活躍されている方にぜひきてほしいですね。挑戦を後押しするのが私たちの部。
組織やプロジェクトのしがらみから叶えられなかったことがある方、明確な意思がある方には、存分に力を発揮してもらえるのではないかと」
これまでさまざまな規模の企業に属し、ERP事業立ち上げの経験もある新井。基幹・ERP事業部のいまをどう捉え、どんな組織にしたいと考えているのでしょうか。本人を直撃しました。
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基幹・ERP事業部 部長 新井 充昌
前職、前々職から一貫してSAPを中心としたERPビジネスに従事。コンサルタントとしては販売、購買領域を専門とし、プロジェクトマネジメントにおいては小規模案件から複数ベンダーを統括する大規模プロジェクトのマネジメントまで幅広く経験。一方で20代後半から現在まで20年以上一貫して管理職としてエンジニア部門の組織マネジメントを担当し、人材育成から新規事業の立ち上げなどビジネス拡大に向けた取り組みを得意としている。SHIFTには2023年1月に入社。
目次
自ら課したミッションは「部としてできることを増やす」
──まず、現在の担当業務について教えてください。
新井:部長として部全体の動向を把握しつつ、SAP事業に重きを置いて動いています。ファーストキャリアから20年以上たずさわってきたSAPは、いうならば私のバックボーン。経験や能力を一番還元できるため、現段階ではこの1点に集中しています。
力を入れている取り組みは、主にふたつあります。
ひとつ目は、プリセールス活動。営業やアカウントマネージャー(※)から寄せられるお客様の“困りごと”に対して私たちが支援できる具体策をまとめ、積極的に提案しています。
(※)アカウントマネージャー:お客様単位での案件管理や、すでにお取引のあるお客様の課題に対する提案活動・折衝を行うポジション
冒頭でも触れましたが、私がこうした活動に参画しているのは、より多くのプライム案件を獲得するためです。
想定しているのは中小企業のお客様。国内企業のほとんどを占め、日本経済を支える重要な役割を担いながらも、大手企業のようなERP支援サービスを享受できていない──
こうした中小企業の現状を踏まえ、ローコストで業務改善を実現できるクラウドERPの導入を提案し、運用保守までワンストップで支援していきたいと考えています。
ふたつ目は、中長期的な事業・組織を見据えた活動です。社内・社外問わず、さまざまなステークホルダーと話をしながら、日々プランを練っています。
メーカーや協力会社の方々と情報交換しながら「どの領域であればSHIFTが参入できるのか」「どのようにアライアンスを組めるのか」といったサービス設計を考えたり、サービスを実行するための組織体制を考えたり。
総じて「基幹・ERP事業部としてできることを増やすために、必要なことは何か」を動きながら探っています。
幅広い事業と多様性ある組織、「自己肯定感」の醸成が成長には不可欠
──なぜ「部としてできることを増やしたい」のでしょうか?
新井:幅広い事業、そして多様性ある組織こそ、成長性が高いと考えているからです。
例えば、私たちはいまプライム案件を受注することに注力しています。SHIFTが掲げる「DX事業を推進する」「二次請け、三次請けがはびこる業界構造を変える」というミッションのもとで取り組んでいますが、テストをはじめとする一部分のサービスに偏ることは避けなくてはなりません。
ERP業界では導入が花形とされていますが、不況に強いのは断然、運用保守です。導入は先延ばしにできても、一度動かしてしまったシステムの運用保守はどんな状況下であっても手を抜けないからです。
時世に影響されず、収益を確保しつづけるためにはどちらかひとつではなく、上流工程から下流工程すべての工程をフォローできる体制が望ましい。バランスのいい事業ポートフォリオを実現させていきたいんです。
また、事業領域が広がると、メンバー一人ひとりが希望する職務、働き方を叶えやすくなります。部内には「上流工程を極めたい」という人もいれば、「テスト領域で専門性を磨きたい」と思っている人もいるでしょう。
SHIFTにはもともと、さまざまなバッググラウンドをもった従業員がいます。考え方も目指す方向性も違うメンバーがそれぞれに輝ける場所をつくることが、組織の拡大を促します。
──話は少し変わりますが、「1年かけてプライム案件を受注できた」と冒頭でお聞きしました。そのために新井さん自身が力を注いだことは何ですか?
新井:社内、特に連携する営業メンバーのマインドを変えることですね。それまでERP事業では品質保証テストのほか、データ移行、PMO支援など一部分を担うことが多くて。
プライム案件に対して確実性ある提案内容を固められるかどうか、そしてSHIFTがプロジェクトをやり遂げられるかどうか、自信をもてない人が多かったんです。
そこでまずは「プライム案件を提案する」を“日常化”することに。実践を経て徐々に「お客様からのリアクションが悪くない」「我々も受注できるはずだ」と自信が。
最終的には「提案して、勝つ」というマインドセットに醸成されていきました。つまり、プロセスを通じて、一人ひとりの自己肯定感をあげていったわけです。
経験豊富な人がそろっていたとしても、どんな組織も最初からいきなり実績がある状態でスタートすることはできません。
組織・個人双方の自己肯定感が高くないと「リスクを負ってでもやろう」という気持ちにはなれないし、受注そのものを遠ざけてしまう恐れもあります。
SHIFTは、「2027年問題」という成長機会を活かせる場所
──あらためて、新井さんはなぜSHIFTに転職したのでしょうか?
新井:平たくいうと、SHIFTがもつ成長可能性に惹かれました。
SAP業界ではいわゆる「2027年問題」が話題になっています。2027年末に、基幹システムパッケージの代表格「SAP ERP6.0」が保守サポート終了期限を迎え、ユーザー企業は新バージョンに移行しなければなりません。
SAP事業に従事する身からすると、絶対に受注を逃せない成長機会なんです。
迫りくるチャンスに向けて、ベンダーとしてどう受け入れ態勢をつくれるか──これが、私が転職先を選ぶひとつの軸となりました。
具体的には、採用力、M&A推進力ですね。加えて、SHIFTの経営層の視点がずば抜けてすばらしいことも背中を押されました。この3つは、いち従業員の努力ではどうにもならない経営資源なので、重視せざるを得ません。
もうひとつ。SHIFTが発展途上段階であることも魅力に映りました。私自身、アイデアを出しながら現状を変えていくプロセスに面白味を感じるタイプ。
大手SIerやコンサルといったスキームが完成されたところに入って、オペレーションに徹するイメージがまったく描けなかったんですよね。
──ここまで話をうかがってきて、企業や組織、人をすごく俯瞰してみている印象を受けたのですが、これまでどのような経験をされてきたんですか?
新井:立ち上げメンバーとしてベンチャー企業に新卒入社したので、かなりはやいタイミングから組織マネジメントに関わってきました。ですから、私の経歴は特殊かもしれませんね。
特に創業当時のそのベンチャーは、いつ潰れてもおかしくない状況だったので「どうしたら会社が存続できるか」をつねに考え、策を打っていました。会社を俯瞰してみるようになったのは、おそらくこのころからです。
エンジニアになりたくてIT業界に入ったのに、ファーストキャリアがベンチャーだったことでマネジメントの道を歩むこととなり……そしていまもその道を突き進んでいます(笑)。
自分の価値に気づいている“伸びしろのある人”と働きたい
──新井さんは日ごろからメンバーに対して「やりたいことがあったら教えてほしい」と伝えていると聞きました。その狙いは何でしょうか。
新井:狙いというほどではないんですが(笑)。「自分の人生は、自ら決めて歩んでいってほしい」ということを暗に伝えるために質問しています。私からの問いかけで「人生に対して責任を負うこと」の意味を考えるきっかけになれたらいいなと。
今後、どんなスキルを身につけて、どういう働き方をしていきたいのか。数年後はどんな自分になりたいのか。進むべき道は各自で決めてほしい。自ら決めることによって、結果への捉え方もかなり違いますから。
もちろん、メンバーの希望に対して、部長としてできる限り支援するスタンスではいます。
──最後に。今後どんな仲間と巡りあいたいですか?
新井:自信をもてることがひとつでもある人ですね。「人と話をするのが好き」でも何でもいいんです。自分には価値がある、強みがあると思っている人は、確実に伸びます。
逆に、自らを全否定する人と仕事をするのはむずかしい。繰り返しになりますが、一人ひとりの自己肯定感が、組織の成長に直結するんです。
加えて、大手コンサルやSIerでコンサルタントとして活躍されている方。企業規模を問わず課題感を抱いているお客様に対して「業務改革を支援したい」「成長に貢献したい」と考えているコンサルタントにとってSHIFTは最高の環境だと思います。
ひとつの歯車に留まることなく、主体的な提案に力を発揮してもらえるのではないかと。
──新井さん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容は、取材当時のものです)