2023年10月。新卒入社5年目の多田健将が、SHIFTグループ・ヒューマンシステムの社外取締役に就任しました。
新卒で入社し品質保証エンジニアとしてキャリアをスタートさせた多田。
実績が認められ、2年目からはPM、PMOとなり、3年目にはアカウントマネージャー(※)に抜擢……と、華々しさが目立つ多田のプロフィールですが、インタビューで発した一言ひとことには、並々ならぬ努力の跡が見え隠れしていました。
多田はどのような姿勢で仕事と向きあってきたのでしょうか。アカウントマネージャー、そしてグループ会社の社外取締役を兼務するいま、本人の話から紐解いていきます。
※アカウントマネージャー:お客様単位での案件管理や、すでにお取引のあるお客様の課題に対する提案活動・折衝を行うポジション
-
アカウントビジネス推進本部 金融・公共事業統括部 アカウントマネージャー兼 ヒューマンシステム 社外取締役 多田 健将
2019年SHIFTに新卒入社。金融領域の品質保証エンジニアとしてテスト設計・PMを担ったのち、アカウントマネージャーに。現在はSHIFTグループであるヒューマンシステムの社外取締役としても奮闘中。 趣味は鮨を握ること。本社カフェ内へ鮨カウンターの設置を密かに狙っているとか。
目次
たとえ現場でつまずいても。自ら考える姿勢を貫く
──多田さんは、新人研修では自らリーダー役を買って出るなど、はやい時期から目立つ存在だったと聞いています。入社当初はどのような気持ちで仕事にのぞんでいたのでしょうか。
多田:1年目は「何かの分野で1番になる」ことを目標にしていました。国内トップクラスの国立大学や情報系学部出身の同期たちと比べると、自分には強みになるような要素が見当たらなかったんです。
ただ、巻き込み力やコミュニケーション能力はあると思って、新人研修をとりまとめたんです。自ら動いて何でも吸収していきたいと、社内イベントの幹事や全社総会の実行委員なども率先して引き受けていましたね。
出鼻をくじかれたのは、2ヶ月間の研修を終えたあと。現場に入りましたが、当初は理解が追いつかず立ちすくんでしまう瞬間もありました。
ひと通りの知識は学んだものの、いざ実践に入るとテスト設計にどう手をつけたらいいのかわからなくなってしまったんです。
でもだからといって、ただ焦って五月雨式に聞くのは先輩たちに失礼。わからないなりにも自分の頭で考えて仮説を立て、テスト設計の方向性を見出してから、質問することを徹底しました。
仮説の根拠を示すために相当の時間を費やしましたが、苦労した分、先輩たちからの信頼を得ることができ、現場に馴染むスピードがはやまったと感じています。
結果、FY2019のSHIFT AWARDで新人賞を受賞することができました。頑張りや成果を見てくれているようでうれしかったですね。
──「1番になりたい」という気持ちのほかに、ご自身を支えていたものはありましたか?
多田: 各企業が内製でやっていた品質保証を、SHIFTが第三者として担うというのはそれまでの業界の常識を変えるものです。
そうした点に惹かれて入社した経緯もあり、「品質保証のプロとして技術を身につけたい」という意欲は人一倍強かったと思います。
テスト設計者だったころ、特に意識していたのは、SHIFTの品質保証ナレッジであるSQF(SHIFT Quality Framework)の活用です。実践のなかで、この会社がもつ“武器”がどんなものなのかを一つひとつ理解していきました。
相手と対等に渡りあうために。欠かさない綿密な準備
──翌年からはPM、PMO職に就きました。ポジションが変わったことで、どんな変化がありましたか。
多田:テスト設計者時代は主に社内に対する視点をもって仕事していましたが、PMやPMOになると、お客様と同じ視点に立つ必要があると感じました。それがもっとも大きな変化でしたね。
「ナレッジをフル活用してほしい」「社内の品質保証チームを強化したい」など、お客様がSHIFTに抱く期待はさまざまです。
ニーズを正確に把握し、きっちりサービスへと落とし込む。一つひとつのプロセスを丁寧に踏んでいく大切さを知りました。
──プロジェクトを進めていくうえで、もっとも苦労したことは何ですか。
多田:PMOになりたてのときは「どうしたらお客様や協力会社、チームメンバーに自分の意見を聞き入れてもらえるか」が最大の悩みでした。当時は新卒2年目でしたし、年齢や経験の壁がとても厚く感じられました。
悩み抜いて出した結論は、とにかく準備を怠らないこと。一瞬でも「若手だから、思いつきで話している」と思われたらその先はありません。何を質問されても困らないくらいの材料を揃えて、提案や説明にのぞみました。
──その後、アカウントマネージャーに抜擢。アカウントマネージャーといえば、個別プロジェクトの枠を超え、お客様の課題をヒアリングしながら解決に向けご提案を行うポジションです。1年が経ちましたが、いまどのように仕事に取り組んでいますか。
多田:それまでは、契約関係にあるお客様に対して、いかに期待以上のサービスを届けるかに注力していましたが、アカウントマネージャーに求められるのは課題を見出す力と、提案力。
SHIFTがもつソリューションをどう売っていくのか。そして「結果としてお客様に何を提供できるのか」を考え、拡大戦略を練る……熟考すればするほど、自分の視座が上がっていくのを実感します。
一方で、担当領域は入社以来ずっと金融業界なので、ポジションは変わりつつも経験の積み重ねを実感できる瞬間もあって。業界の常識やトレンドはもちろん、小さなところでは例えば、お客様向けの資料作成。
成果物は関係部署や上層部、関係省庁にも展開される可能性が高いため、正確性や完全性を重視した資料づくりを心がけるようになり、それがそのままいまのポジションでの活動にも活きています。
「支援できていないことが、相手に失礼」逆境にも果敢に立ち向かう
──なかなか契約をとれなかったお客様とも成約できたそうですね。
多田:実は……あいさつに伺って、SHIFTの強みをお話ししたら「もっと聞きたい」といってもらえたんです。
詳しい話をするのはむずかしいかと思っていたのですが、ふたを開けてみたら“いま”のSHIFTのことを知ってもらえていなかっただけ。 過去に一度契約したことはあったものの、距離が遠のいてしまっていたようでした。
有利だったのは、先方の他の課とはすでに取引があり、近しい事例が山ほどあったこと。そのときの提案先である部署の課題感と照らし合わせながら、解決策を提示していき、そのまま成約に至りました。
──マイナスからのアプローチは大抵腰が引けてしまうと思うのですが、なぜ果敢に挑戦できたのでしょうか。
多田:率直に、SHIFTのサービスを提供できていないことが失礼だと感じて。先方はSHIFTの成長を支えていただいた大切なお客様。なぜその部署のご支援ができないのか、原因を突き止めて解決したかったんです。
私がどんな状況下でも物怖じせずに提案や説明の場をつくれるのは、間違いなく2年目というはやい時期から、お客様に伴走しプロジェクト管理を進めてきた礎があるからだと思います。
若手というハンデはありましたが、だからこそ準備を万全にしながら、どんな立場の人とでも対峙できる自分になれたんだと思います。
“若手の”という枕詞をとるために。経営メンバーとしても成果をあげたい
──さまざまな経験を経て2023年10月からはグループ会社であるヒューマンシステムの社外取締役にも就任しました。いま、あらためてSHIFTの強みは何だと思いますか。
多田:経営理念が仕組みを通じて現場まで浸透していることですね。
例えば、会社が掲げる目標のひとつに「IT業界の多重下請け構造の改善」がありますが、その施策が現場できちんと実施されています。
SHIFTがプライムベンダーとなって、直接開発会社へ発注し、中間階層を排除しているからです。
さらに、独自のポジショニングを築いていることにより、給与も業界高水準をキープしています。明確なビジョンを掲げ実践していることが、私を含む従業員の満足度につながっているんじゃないでしょうか。
──最後に、今後の抱負について聞かせてください。
多田:社外取締役の辞令を受けて、驚いたと同時に「SHIFTを選んだことは間違っていなかったんだ」と心から思えました。
いまは周囲からの期待に全力で応えていきたいという思いだけです。上司や同僚たちもこの昇進をものすごく喜んでくれたんですよね。
若手でも経営層として活躍できる会社であることを示しながら、後につづく道をつくりたい。そして中長期的には「若手の」という枕詞がとれるくらいの成果を残していきたいです。
──多田さん、本日はありがとうございました!
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)