人生はコールオプション。AIコンサルタントへの越境転職で引き出された、私の新たな可能性

2026/07/29

最先端のAIプロジェクトに挑戦するのはハードルが高いと感じる人もいるのではないでしょうか。 

ここに、AIの技術的なスペシャリストではないにもかかわらず、SHIFT参画後わずか3ヶ月にして3つのAIプロジェクトを牽引する人物がいます。 

大手メーカーで長年クラウドコンサルティングを牽引し、現在はSHIFTのAIサービスグループでコンサルタントを務める石井です。 

前職での60歳の役職定年を機に、安定した余生ではなく“新たな打席”を求めた彼を突き動かしたのは、「人生はコールオプション(リスクは限定的で可能性は無限大)」というビジネススクール恩師の言葉でした。 

リスクを恐れないコールオプションの精神で一歩を踏み出し、自身も知らなかった“新たな可能性”を引き出されていく、石井の挑戦の軌跡を紐解きます。

  • AIサービスグループ 石井

    大手メーカーで長年IT系のコンサルティングを牽引。60歳の役職定年を機に第一線から外れることに違和感を覚え、「最前線に立ちつづけたい」という思いから転職を決意ビジネススクール恩師の「人生はコールオプション」という言葉を胸に、AI未経験ながらSHIFTのAIサービスグループへ参画する。現在は長年培った傾聴力とPM力を武器に、入社わずか3ヶ月で3つのAIプロジェクトを牽引し、若手エンジニアとともに躍動している。

目次

能力はアップデートされているのに。60歳で新たな打席を求めた原点

――石井さんは長年、大手メーカーでIT系のコンサルティングに従事してこられました。そんな石井さんが、60歳という節目で転職を決意した原点はどこにあったのでしょうか。 

石井:役職定年がきっかけでした。60歳を迎えると役職が外れ、部下もいなくなります。しかしその一方で、会社から求められる売上ノルマは、現役時代と変わらない規模で課されつづけるのです。 

私自身の能力や気力が衰えた感覚はまったくなく、むしろこれまでの経験を統合して自身のケイパビリティは日々バージョンアップしているという自負すらありました。 

それなのに役職定年によって第一線から引きはがされる感覚に、違和感と悔しさを抱きました。さらに、年収がそれまでの半分以下にまで激減したことも拍車をかけました。 

――周囲からは、どんな声をかけられましたか? 

石井:友人たちからは「これからはゆっくり過ごせばいいじゃないか」といわれました。 

しかし、私は第一線に立ちつづけたかったのです。同じ領域に固定化され、将来の成長曲線が平坦になっていくことへの恐怖もありました。

もう一度打席に立ち、自分の立ち位置を自らの手で確保したい。そう思い、転職活動を開始しました。

心を震わせた“コールオプション”の教えと、SHIFTにあったウェルカム感

――とはいえ、日本の転職市場における年齢の壁は厚かったかと思います。そんななかで、石井さんに未知の領域へ飛び込む覚悟を決めさせたものは何だったのですか? 

石井:転職活動の前に通っていたビジネススクールで、ファイナンスの教授から贈られた一言です。 

「石井くん、人生はコールオプションだよ」。 

金融のコールオプションとは、「損失は限定的(支払ったオプション料まで)利益は大きく伸びる可能性がある」という特徴があり、これを人生に置き換えると「小さなコストやリスクで挑戦し、大きな可能性を取りにいく生き方」という意味になります。

教授は「リスクは限定的なのだから、どんどんチャレンジしなさい」とおっしゃいました。 

私の場合、子供たちは独立し、物理的なリスクは極めて限定的でした。一方で、新しい環境に飛び込んで得られるリターン(成長の可能性)は無限に広がっているはず。「失敗したって、なんとかなる」と思えたのです。

―― そこからSHIFTとの出会いに繋がっていくのですね。最終的にSHIFTへの入社を決めた最大の理由は何だったのでしょうか。 

石井:一言でいえば、圧倒的な“ウェルカム感”を感じたからです。他社は「来てもいいよ」といった雰囲気。 

一方、SHIFTの面接は全く温度感が違いました。

「ぜひ来てほしい」という温かさがあり、面接官の方からも「一緒に働けるのを楽しみにしているよ」といった雰囲気で声をかけていただくなど、歓迎されていることを強く感じました。 

また、思いがけずAI領域を打診され、「実務経験はないですよ」と正直に伝えたときも、背中を押してくれたのです。 

私をいっしょに働く仲間として迎え入れてくれる空気を感じたこと。そして、自分でも気づいていなかったポテンシャルを引き出そうとしてくれたこと。それが、SHIFTへの入社を決断した理由です。

3つのAI案件を同時牽引。自身の主戦場を再定義し、最前線で戦う

――先ほどお話に出ましたが、配属先はAIサービスグループ。配属に対して戸惑いはありませんでしたか? 

石井:本当に想定外の打診でしたから、驚きましたよ。しかし入社から3ヶ月が経った現在、私はまったく性質の異なるプロジェクトを3つ同時に牽引しています。 

1つ目は、お客様社内のAI開発を統合・統括するCoE(Center of Excellence:目的や目標を達成するために、優れた人材、技術、ノウハウなどを集めた組織・グループ)のPMO支援。

2つ目は、金融機関における業務整理とAI導入に向けたコンサルティング。 

そして3つ目が、大手メーカーのシステム子会社における「SHIFT DQS for リバースエンジニアリング(ソースコードを基にシステムの内部仕様と外部仕様をAIで可視化し、ドキュメントを生成する)」のプロジェクトマネジメントです。 

―― AIの技術的なスペシャリストではないご自身が、この最前線のプロジェクトにおいて、どのような強み(ケイパビリティ)を期待されてアサインされたと認識していますか?  

石井:自分の主戦場である“上流工程の課題抽出”に対する期待だと思います。現在のAI市場は技術の基礎研究フェーズから、いかに企業の既存業務に組み込んで利益を創出するかという“実用化・成熟期”へシフトしています。 

つまり、お客様が直面している本質的な課題は、技術そのものではなく「自社のどの業務を、どう整理してAIに落とせば、期待する効果が得られるのかがわからない」という上流工程のプロセス不全。 

本当に必要なのは、お客様の業務を構造化し、課題を分析・分類して、プロジェクトのゴールを指し示してあげることです。このプロセスにおいて必要とされるのは、長年のキャリアで培ってきた傾聴力とPM力です。 

もちろん、技術的な知識も習得しますが、お客様の真意を言語化することに徹するようにしています。

ニーズよりペイン(お客様の困りごと)をいかに引き出すか、nice to haveではなくmust haveを見出していくことが重要だと思っています。

若手の技術力×シニアの大局観。互いをリスペクトしあって生まれる、最強のシナジー

――大企業からSHIFTへ移って、組織の推進力や文化の違いは感じますか? 

石井:もっとも驚いたのは、スピーディーな意思決定でした。前職では、1つのAI案件を立ち上げようとしても、要件定義や稟議に時間がかかり、最終的にドライブがかからず実を結ばないケースもあって。 

さらに、小さな案件にリソースを割くことに慎重になることで、お客様が本当に困っている細かな課題をこぼし落としてしまいがちでした。 

――SHIFTのアプローチはそこが全く異なると。 

石井:はい。SHIFTは「まずは短期・少額でスモールスタートしてみる」という柔軟なアプローチをとっています。 

まずは1〜3ヶ月という短いスパンでお客様のオフィスで、文字通りお客様の隣に座って伴走するのです。これによりプロジェクトがスピーディーに立ち上がります。 

特に変化の激しいAI領域やアジャイル開発においては、この「まずは一緒にやってみる」というスタイルが有効に機能しています。営業・アサイン・デリバリーが役割分担されている仕組みも、大企業にはない強みですね。 

――AIサービス部は若いメンバーも多いですよね。どのように協働されているのでしょうか。 

石井:20代の若いエンジニアたちとの間に、補完関係を構築するように努めています。 

彼らの技術力には、目を見張るものがあります。お客様の要望に対してすぐに手を動かしてプログラムやプロンプトを組み、目に見える形でお客様にパッと提示してみせます。 

私の役割は、彼らがディテールに没頭しすぎたり迷い込んだりしたとき、「いまそのリスクは考えなくていいんじゃない?」とか、「今回のプロジェクトのゴールはここだから、このプロセスは大胆に端折ろう」と、大局的にプロジェクトをみながら推進のための勘所をおさえていくこと。 

技術の最前線で手を動かす役割は若手が担い、全体の視座を引き上げ、お客様と相対する際の傾聴力やPM力を私が担保する。この役割分担があるからこそ、SHIFTでお客様の課題を切り崩していけるのだと考えています。

眠っていた潜在能力が引き出される快感。キャリア後半戦に挑む同志へ贈りたい言葉

――石井さんがこれからSHIFTで実現したいことを教えてください。 

石井:短期的な目標としては、AIサービスグループのなかに業務改善とプロセス分析を軸としたコンサルティングチームを新しく立ち上げ、若手を育成していきたいと考えています。

AIを真にお客様の利益に変えるためには、上流の業務プロセスを整理できる人間が不可欠だからです。 

そして長期的な展望としては、お客様企業のCIOクラスの片腕となり、経営戦略とIT戦略をシームレスに結びつけるアドバイザーとしてのポジションを確立していきたいですね。

――かつての石井さんと同じように、定年前後でこれからのキャリアの身の振りに悩んでいるビジネスパーソンへ、メッセージをお願いします。 

石井:50代、60代まで企業で一線を張って生き抜いてきた方なら、本人が気づいているかどうかにかかわらず、どの会社に行っても活きる強みや人間力が必ず備わっていると思います。 

ただ、それが何なのか。自分のどんなスキルが他者から高く評価されるかは意外とわからないものです。私自身、AIソリューションの門を叩くことになるとは想像すらしていませんでした。 

しかし、一歩を踏み出してみたことで、自分の潜在能力が引き出される快感を味わえています。 

「人生はコールオプション」です。限定的なリスクを認め、未知の可能性へ向かって大胆にスイングしてみませんか。 

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)

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