プロローグ:彼を数年間、口説きつづけた理由
――AIモダナイゼーション統括部 統括部長 佐藤 章太朗・談
私が大倉に声をかけつづけた期間は、実に数年にも及びます。「なぜそこまで」という疑問に対して、答えはシンプル。彼の能力を誰よりも見込んでいたからです。
当時SHIFTは、DAAE※組織の立ち上げや新規事業、M&Aなど急拡大の真っ只中。unknownな領域へ挑む組織をつくるため、「いままで出会った誰よりも優秀な人間を引っ張ってくるしかない」と私は考えていました。
そのとき真っ先に頭に浮かんだのが大倉だったのです。
彼とルームシェアしていたころ、彼は忙しい最中にも少しの時間をみつけては机にかじりつき、難関資格を取得するなど、はたからみてもとんでもない勉強量をこなしていました。
たびたびの声掛けを経て、石橋を叩いて渡る慎重な彼がSHIFTを選んでくれたことは、この会社に確かな可能性がある証左でもありました。
そしていま、創業メンバーや経営層と渡り合っている姿をみると、高い能力だけでなく、私の想像を超えた人間力があったのだと実感しています。
私は彼以外にもSHIFTへの転職を勧めてきました。「この会社に来れば、もっと突き抜けた世界がみられる。人生をベットする価値がある」と本気で思っているからです。
成熟企業での出世レースではなく、道なき道をともに切り拓き、まだみぬ景色をいっしょにみたい。そんな情熱があったからこそ、何度断られても私は彼を誘いつづけたのです。
※DAAE…SHIFTが創ったビジネスを構築するための上位概念。デザイン(Design)、迅速性(Agility)、組みあわせ (Assembly)、経済品質(Economic quality)に由来。
外資系コンサルティングファームで年間数十億円規模の案件を担当し、順調なキャリアを築いていたある人物。
「10年後の自分の姿が、想像できてしまったんです。外の世界をみるなら、いましかないと思って」
AI BPaaS事業部 事業部長 兼 経営戦略統括部 統括部長 大倉 奨貴。順風満帆なキャリアのなかで、彼はなぜSHIFTへと飛び込んだのでしょうか。
彼が、「むしろSHIFTへの転職はノーリスクだった」といい切る理由。そして、代表取締役の丹下とも対峙しながらの事業づくりの面白さとは。
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AI BPaaS事業部 事業部長 兼 経営戦略統括部 統括部長
大学卒業後、富士通、PwCコンサルティングを経て、2022年9月にSHIFT入社。前職では、主に自動車メーカー、小売業の新規事業/DX戦略~企画、実行の伴走支援に10年弱、30件超の案件に従事する。入社後は、DAAE統括部長として、自社プロダクトの企画立ちあげやセールスマーケティング、資本業務提携先のバリューアップ、M&Aなどを通じた新規業務の推進などを担ったのち、現職。
目次
10年後の天井がみえて。盟友の誘いは、ノーリスクだと感じた
――大倉さんは前職の外資系コンサルティングファーム時代、非常に大きな実績を上げられていたと聞いています。順風満帆なキャリアのなかで、なぜ転職を検討されたのでしょうか。
大倉:確かに客観的な評価や数字だけをみれば、何の不満もない環境でした。当時の私は、コンサルタントとして達成すべきKPIはスムーズにクリア、やり遂げたという満足感もありました。
しかしだからこそ「10年後に自分がどんな仕事をして、どんなポジションにいるのか」が、読めてしまったんですよ。“コンサルしか知らない人間”になる前に外の世界をみるなら、30代半ばのいまだろうなと思ったんです。
―――ファームを辞めるリスクは感じませんでしたか?
大倉:私の捉え方は真逆でした。賭けのようにみえるかもしれませんが、実際にはノーリスクだと確信していたんです。
これまで培ってきた問題解決能力や事業構築の地力は、SHIFTへ移ったところで何一つ失われません。前職で実績をつくれていたからこそ、万が一のことがあってもコンサルタントとしてのキャリアにはいつでも戻れる、とも思っていました。
失うものがないのであれば、成長企業に飛び込んで自分の可能性を試す方が、リターンははるかに大きい。そう考えると、ためらう理由がありませんでした。
丹下に感じた異次元さ。彼の元、事業を推進する“当事者”へ
――代表・丹下との出会いも、決断を後押ししたそうですね。
大倉:はい。2017年頃から私をSHIFTへと誘いつづけてくれた佐藤さんに引き合わせてもらいました。丹下さんは、ある種、次元が違っていましたね。
初対面の場で丹下さんが語り出したのは、売上1兆円企業へと至るまでのビジョンでした。私を驚かせたのは、その右脳的な巨大構想をぶつけてきた直後に、超左脳的な思考へとギアを切り替え、数値指標を精緻に詰めはじめたことです。
私自身、コンサルタントとして右脳と左脳を行き来することは、徹底的に叩き込まれてきています。しかし、あそこまで極端に振り切って高速往復させる経営者を、私はみたことがありませんでした。
「この人が描くのは夢物語ではない。信じるに足るトップだ」と直感しました。
――コンサルタントという立場に、当時もどかしさを感じていた部分もあったのでしょうか?SHIFTなら解消できると思えた?
大倉:そこが最大のポイントでした。当時、私は大手クライアントの新規事業立ち上げ支援を統括していましたが、その企画が実際に世に出るまでには、数年もの歳月を要しました。
自分の感覚からすれば半年でローンチできそうと思えた企画でも、大企業特有の社内調整や合意形成に1年半以上の時間が費やされる。そんな時間の使われ方に、自分の人生としてももったいなさを感じていました。
「自分が当事者として動いたほうが、はるかにはやく事業がつくれるはず」--自分の腕を試したいという気持ちが強くなっていました。
そんな話をしたとき、丹下さんが「うちは大丈夫だよ。僕が全部その場で意思決定するから」 といい切ったんです。
事業推進においてネックになりがちな意思決定を、トップ自らが引き受けるといっている。しかも彼とすぐそこの距離で仕事ができる。そのことが私の覚悟を固めてくれました。
報告も選択肢も不要。研ぎ澄ました企画で経営陣と対峙する
――実際に入社されてから、ファーム時代とのギャップはいかがでしたか?
大倉:待っていたのは、ファーム時代の作法が一切通用しない、丹下さんからの“とんち”のようなお題に、圧倒的なスピード感と実行力で応えていく日々でした。
最初の試練は、入社直後の金曜日。当時進行していた急速な円安を受け、「この市場環境はSHIFTにとってどんなビジネスチャンスになるか」というお題が、突然丹下さんから降りてきたんです。
「月曜日の朝に議論しよう」といわれてアイデアを練り上げ、プロトタイプを構築。そこから誕生したのが、現在も多くのお客様に提供されているSaaS・IT資産一元管理ツール「ワスレナイ」の原型でした。
これを皮切りに、入社1年目はDAAEの新規事業立ち上げに奔走。その後も、全社的なAI戦略の主導や社内AIプロダクトの開発など、目まぐるしく押し寄せる経営直下のアジェンダに対応しつづけました。
そして現在は、AIを活用してお客様の業務プロセス全体を請け負う次世代ビジネスアウトソーシング「AI BPaaS」の事業推進を責任者として担っています。
――入社以来、まさにSHIFTの変革の渦中に身を置いてこられたわけですね。どのプロジェクトにおいても共通といえる、仕事の進め方の変化はありますか?
大倉:ファーム時代の仕事は、「クライアントの意思決定を支えるために、どれだけ緻密な分析を行い、完璧な説明資料をつくれるか」に頭と時間を費やしていました。
しかし、SHIFTの経営陣に対してそのようなアプローチは1ミリも必要ありません。丹下さんからよくいわれるのは、「報告しに来るな、ディスカッションをしよう」ということ。
とはいえブレストベースの10個のアイデアや選択肢をもっていっても一蹴されてしまいます。
求められるのは、最初から正解を当てにいくことではありません。いくつもの仮説を試し、現場でぶつけ、修正を重ねる。その試行錯誤のなかから、「これは効く」「ここに本質がある」という発見を一つでも多く掴んでいくことです。
――選択肢を絞り込む力以上に、試行錯誤を重ね、そのなかから本質的な発見を掴み取る力が求められている。
大倉:経営者というよりは投資家に対して事業案を壁打ちしている感覚に近いですね。実際、丹下さんは投資家としての確かな視点をもっており、本質を突いたフィードバックをくれます。
自分が提示したアイデアがその場で採択され、翌日には組織が動き、ダイレクトに企業の売上や株価へと反映されていく。「自分の手で企業価値をダイレクトに動かす手応え」をリアルに味わえます。
これこそが、SHIFTでしか得られない事業づくりの格別な醍醐味ですね。
企業価値と、自分の市場価値もひきあげる
――不確実なカオスのなかで、なぜそこまで自由に挑戦しつづけられるのでしょうか。
大倉: SHIFTは「これをやったら怒られるかな」ではなくて、「やっていない方がだめ」な会社です。自分が正しいと信じた方向であれば、まずは走ってみる。間違えたら、方向転換してまた走ればいい。
それにたとえ新規事業の立ち上げですぐには成果が出なくても、失敗を恐れず挑戦した“ナイストライ”を評価するカルチャーが根付いているんです。
――一人で孤独に戦うのではなく、支えてくれる仲間もいるのですね。
大倉:ええ。丹下さんからの難解な“とんち”をどう解くか、経営陣も各部署のキーマンも、垣根を越えていっしょに悩んでくれます。
だからこそ不確実な環境であっても安心して脳を解放し、自分の意思と時間をつぎ込んだ勝負ができるんです。
――大倉さんがSHIFTで挑戦をつづける原動力は何ですか?
大倉:やはり、本気で「売上1兆円」を目指しているという、その未来の可能性です。
これは決して夢物語ではありません。私が入社してから今日に至るまで、会社の規模も景色も目まぐるしく変化しつづけています。
組織の形ですら、状況に応じて頻繁にドラスティックに変化します。常識よりも本質的なことはなにかを重視しているんですよね。
売上1兆円という目標に向かって疾走する企業に身を置き、当事者として企業価値を引き上げていくことこそが、結果として自分や仲間の市場価値をもっとも高める方法なんです。
この成長の真っ只中で立ち止まってしまうのは、積み上げたものを無駄にするようで本当にもったいない。だから1兆円を達成するまで走りつづけますよ。
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)