挑むのは、エンタメビジネスのすべて。新領域拓くエンタメ事業部で掴む無限のキャリア

2026/07/03

ゲームの品質保証事業で急成長を遂げてきたSHIFTのエンターテインメント事業部。実はいま、大きな転換点を迎えています。 

ソーシャルゲームの流行からコンソール市場の再台頭、そして依然として業界全体を覆う「低単価・低収益構造」。 

同部の事業部長・上岡が今回の取材で語ったのは、困難な現実を直視しながらも、「ゲームテスト」という枠組みを超えて、あらゆるエンターテインメントのビジネス基盤を支える組織への進化です。 

変化の先に待つ、特定のIPや職種の枠に縛られない「無限のキャリア」とは? 

100億円投資して1日で終わる世界。「低単価」という業界の構造的不況

  • エンターテインメント事業部 事業部長 上岡 隆

    2012年12月入社。新卒でSIerに就職し、システムエンジニアとして5年間勤務。退職後、ひとり世界一周旅行へ。帰国後はコーヒーショップでアルバイトをしながら、友人とともに保育園事業で起業。2年間の挑戦の後、SHIFTへ。おもにエンタープライズ領域のグループ長として活躍後、2018年より人事領域に異動し、現在は人事本部のVPoHRを兼務しながらエンターテインメント事業部長務める。休日は自宅のある江の島の海を見て過ごす。

――まずはエンターテインメント事業部の現在地について教えてください。 

上岡:私たちはいま、ゲームのテスト・開発支援から、より広いエンターテインメント領域へと拡大しています。そこにはゲーム業界全体のビジネス構造が非常にシビアな局面を迎えているという背景があります。 

もともとSHIFTは、ソーシャルゲームの爆発的な流行とともに、仕組み化したテスト手法をゲーム業界にもち込んで急成長してきました。 

そして現在、市場の主役は家庭用ゲーム機のコンソール系へと回帰しています。 

ありがたいことにSHIFTでも大手ゲームメーカー様との取引が昨年の倍以上へと跳ね上がる見込みです。世界中で愛される大ヒットタイトルのQAにも私たちのメンバーが深くコミットしています。 

しかしコンソールゲームはソフトが発売されたら、そこで大きな開発は一旦終わり。ソーシャルゲームのように機能改修やイベントが日常的につづくわけではないため、プロジェクトの波が激しいんです。 

これはプロジェクトの波が大きく、安定した体制づくりに工夫が求められるということでもあります。 

――ゲーム会社、ベンダー、そしてそこで働くクリエイターを取り巻く環境も厳しくなっているようですね。 

上岡:はい。ゲーム業界は開発費が急騰しているのに、ヒットするかどうかが読みにくく、極めて不確実性の高い世界です。極端な話、多額の開発投資が、必ずしも成果に結びつくとは限りません。 

業界全体がそれほどのリスクを背負っているなかで、開発を支えるパートナーの価値が、まだ十分に対価へ反映されきっていない場面も見受けられます。これがゲーム業界の構造的な課題です。

――「安いけど引き受けます」という業界全体でのベンダーのありかたを変えなければいけない? 

上岡:その通りです。サービスレベルが同等なうえに、価値ではなく価格だけで競争が進むと、この業界の構造はなかなか変わりません。 世界に誇る日本のエンタメを生み出す現場の人材が、正当に評価されにくい構造のままでいいはずがありません。 

「SHIFTだからこそ提供できる価値を、しっかりと示していく」。その積み重ねで、お客様とともに業界のスタンダードを引き上げていく。それによって業界全体の健全化につなげ、クリエイターやエンジニアが正当に評価される世界をつくる。 

それが、私がエンタメ事業部長として果たすべき社会的責任だと思っています。 

――他業界と同水準の報酬をいただけるようになるには、どうアプローチしていくのでしょうか。 

上岡:ゲームのテスト・開発支援で培った信頼を土台に、お客様のビジネス価値を向上するパートナーへと進化していく必要があります。 

グループへ迎え入れたDICO、そして吸収合併を経てワンチームとなったKINSHAとのシナジーにより、2D・3Dのグラフィックデザインからプランニング、翻訳・LQAまで、ゲーム開発から販売に至るあらゆる工程に対応できる体制が整いました。

ここからチーム体制で上流から入り込む形へ変革していきます。 

そして最大の鍵は、ゲーム業界だけに依存するのではなく、私たちが本来ターゲットとすべき「エンタメ業界全体」へと領域を拡張していくことです。 SHIFTのケイパビリティがもっとも活きる、いわば“本丸”への本格的な進出を意味します。 

そのために、SHIFT本来の強みである品質保証、そしてそれを土台とした上流の開発や、他社を巻き込むPMO、コンサルティングに至るDX支援全般の実績やノウハウを、エンタメ業界へ持ち込んで事業拡大したいと考えています。

「8:1:1」から「5:5」へ。ゲームの枠を飛び越えるポートフォリオ改革

――具体的にはどんな領域へ、事業を拡大しようとしているのでしょうか? 

上岡:ゲームに閉じない「飛び地」の開拓として、注力している新領域は大きく2つあります。 

1つ目は、ゲーム会社の「非ゲーム領域」の支援です。グッズ販売サイトやSNSアプリ、チャットツール、アミューズメントなどさまざまな事業を多角的に展開するお客様が増えていることを背景に、常駐やチーム体制での開発支援を拡大しています。 

2つ目は、エンタメ企業の基幹システムや業務アプリといった「エンタープライズ領域」への進出です。

SHIFT社内ではこうしたエンタープライズ領域の品質保証、PM/PMO、コンサルティングといった支援実績が積みあがっており、ノウハウをエンタメ業界にも展開していこうと。 

――ゲームのテスト・開発支援以外の割合を増やしていくということですね。現在の事業ポートフォリオはどのような比率なのでしょうか? 

上岡:現状は、ゲームテスト・開発関連が8割、ゲーム会社の非ゲーム領域が1割、エンタープライズ系が1割、つまり「8:1:1」の割合です。将来的には、これを「5:5(ゲーム:それ以外)」に変革していくのが目標です。 

ゲーム業界よりも高い単価でビジネスができるエンタープライズの強みを移植することで、事業部全体の利益構造を劇的に改善します。 

他にも新規事業として、国内の有力IPの使用権を得て、我々がゲーム開発を行って海外でパブリッシング(配信・販売)を展開するという可能性もあります。 

――かなりチャレンジングですね。 

上岡:むずかしいところに飛び込んでいく話ではあります。他社がリスクを恐れて足踏みをするようなむずかしい領域へ、自ら飛び込んで新しい道を切り拓く。 それがSHIFTの面白さでもあると思っています。

IPにも、職種にも縛られない。「自分が会社」と気概で臨む仕事

――事業がそれだけダイナミックに拡張するとなると、働くメンバーのキャリアの景色も変わりそうですね。 

上岡:事業ポートフォリオの変革は、働くメンバーのキャリアにも大きな影響を与えます。

ポートフォリオが広がるということは、社員が特定のIP(Intellectual Property:知的財産)や既存の業務に縛られず、新しいビジネスや役割を次々とつくり出せる“無限のキャリアパス”が生まれるということだからです。 

特定のゲームタイトルをつくりたいという方は、その事業会社を目指す傾向にあります。しかし、SHIFTで働く魅力はそこではありません。

一つの会社で同じIP、同じルーティンを何年もつづけるのではなく、新しい領域やさまざまなお客様とお付き合いするなかで、自分の力を試してみたいという人にとっては、これ以上ない環境だと思います。 

――横への広がりということですね。 

上岡:ええ。そうした案件の幅だけでなく、役割も固定しません。 

SHIFTには、役割や職種を固定せず「やりたいと手を挙げた人に任せる」というカルチャーがあります。

例えばデザイナーやプランナーとして入社しても、その職種の枠に閉じる必要はありません。自ら課題を見つけてコンサルティングや新規事業へと役割の境界線を越えていける環境です。 

ただ誤解してほしくないのは、会社がそうした仕事やキャリアをお膳立てしてくれるわけではない、ということです。SHIFTでは「自分と会社」という区別された構造ではなく、「自分が会社」というマインドで動く人が活躍します。 

もし環境がつまらないと感じるなら、それは「自分がその環境に甘んじているのではないか。だったら状況を変えるにはどうしたらいいか」と当事者意識をもって日々を過ごしてほしいですね。 

――実際に、そのように自ら殻を破って、キャリアをつかんだ実例はありますか? 

上岡:例えば新規事業開発などで活躍しているある仲間は、もともとはIT企業の開発出身で、SHIFTでもお客様先に常駐してテスト実行・設計を行うところからSHIFTスタートしました。 

そこからPMを経験し、営業をバリバリとこなし、いまでは新規事業開発という、社内でも異色のミッションをこなす部長として活躍しています。彼はエンタメ業界のクリエイターという枠を超え、次世代のビジネスをつくるビジネスパーソンへと自らを変化させています。 

ちなみに私も入社して最初は、お客様に常駐する3人のテストチームのリーダー兼テスト設計者からSHIFTでのキャリアをスタートしました。

圧倒的な価値を示す。SHIFTの成長が、日本のエンタメと国力を底上げする

――最後に、上岡さんが、この組織で成し遂げたい大きなビジョンをお聞かせください。 

上岡:「日本のエンターテインメントは強い」というのは、世界の共通認識です。 

事業会社だけに業界の維持を背負わせるのではなく、私たちのようなパートナー企業も力をつけ業界全体を底上げしていくことに貢献していきたいですね。 

事業成長がうみだす熱量は、組織を癒し活力を与えてくれるもの。従業員のキャリアや給与を押し上げるのも事業成長があってこそです。成長しない組織では、誰も幸せにできません。だから僕は、売上と利益の拡大にこだわっていきたいんです。 

SHIFTはどこまで行っても「夢がある会社」です。伸びつづける会社だからこそ、新しい仕事、新しいサービス、新しいキャリアが次々と生まれる。

業界が長年抱えてきた常識をともに見直し、共に日本のエンタメ業界を変えていく。このビジョンに共感し、熱い覚悟をもった仲間を待っています。

――本日はありがとうございました!

\ちょっと余談。AIについてはどう向き合っていく?/

上岡:ゲームやエンタメの世界はクリエイティブな世界であるがゆえに「人の手でつくるものこそ価値がある」という意識が根強くあります。それに例えばゲーム領域はスマホや家庭用ゲーム機を使うため、まだ完全なテスト自動化にはハードルがあるのも事実です。 

ただ、どこか一社、世界的なメガプレイヤーが「開発・QAをAIに全面シフトする」と宣言した瞬間に、世界のルールは一瞬で変わるだろうとも私は感じています。 

SHIFTは今、全社を挙げて「Native AI」企業への変革を劇的に進めている最中。私たちが目指すのは、単なる生産性向上ではありません。 

たとえば10%のコスト削減ができたからといって、それは原価上昇の波に一瞬で飲み込まれます。私たちが仕掛けるべきは、Native AIの世界への劇的なシフトです。 

今日お伝えした、業界が抱える構造課題。それに立ち向かうためには、技術の劇的な変化から目を背けず、むしろ誰よりも早く味方につけるしかありません。

テクノロジーを武器に新しい価値を生み出し、エンタメ業界で働く人が正当に評価される世界を、一緒につくっていきたいですね。 

(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです​) 

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