お客様が求めているのは、単なるツール提供ベンダーではなく、システムも運用もわかるパートナー──カスタマーサクセス部がSalesforce運用支援サービスをはじめたのは2021年のこと。以来、多くの企業から反響を呼び、右肩上がりの成長をつづけてきました。
「Salesforceを導入する目的は一社一社違うため、広く伴走するためには私たち自身の経験値を上げていく必要があります。メンバーにはできるだけ多くの企業と関わってほしい。ですが、ありがたいことに『同じスタッフで契約を延長したい』と希望されるお客様が多くて……」
こう話すのは、Salesforceグループでグループ長を務めるM.R.、その隣でうなずくのはO.A.。ふたりはSalesforceの有用性を社内外に広め、いちはやくサービスを軌道に乗せた立役者です。
2022年11月には、新しく「Salesforce内製型導入支援サービス」をスタートさせた同グループ。その原動力は一体どこからきているのか──これまでの足跡と今後の展望について、二人に語ってもらいました。
-
カスタマーサクセス部 Salesforceグループ グループ長 M.R.
外資系製薬会社入社時に、グローバルのSalesforceから、Japan独自のSalesforce導入への切り変えを一から担当。システム管理者として従事。その後SIerにてPM、コンサルタントを担当しながら、サポート部署を立ち上げ。2021年SHIFT入社。カスタマーサクセス部のSalesforce部署の立ち上げ途中より参画。現在グループ化しSalesforceグループのグループ長として従事。
-
カスタマーサクセス部 Salesforceグループ O.A.
介護職・事務職等の経験を経て、前職で初めてIT業界・Salesforce領域に携わる。2021年にSHIFT入社。入社後は、Salesforceの導入・運用・保守・内製化・社員代替・顧客向けトレーニングなど様々なプロジェクトを経験。
目次
お客様に寄り添える‟ボーダレス“な支援がしたかった
──おふたりとも、以前からSalesforceに関する業務をされていたと聞いています。なぜ、SHIFTに転職したのでしょうか?
M.R.:一言でいうと「お客様に寄り添った支援」をしたかったからです。
前職のSIerは、導入支援がメイン。常時複数社を担当していました。会社の売り上げには貢献できたと思いますが、お客様に貢献できたかというと話は別かもしれません。
「導入して終わり」では、その後お客様が本当に製品を使いこなせているか、不安でした。運用支援はサービスラインナップにあったものの、いつも後ろ髪を引かれる思いで現場を後にしていました。
顧客起点の支援サービスに関わりたい──。そう思っていたときに転職エージェントから紹介されたのがSHIFT。ちょうどカスタマーサクセス部がSalesforceチームを新設するタイミングでした。
「運用目線でのカスタマーサクセス」を掲げるSHIFTでSalesforceに携わるのであれば、思う存分、運用支援に注力できる。そう思い、入社を決めました。
O.A.:私は前職である、Salesforceシステム管理者をお客様先に派遣する会社でSalesforce製品にはじめて触れました。それまでは介護職や事務職に従事。つねに「要領よく、効率的にできる方法」を追い求めるタイプで、クラウドサービスにも関心がありました。
ある日、Salesforceの運用支援業務の求人広告がたまたま目に入り、応募。思いがけずIT業界に飛び込むことになりました。
実際に働いてみると、Salesforceにはたくさんの製品があるのに、CRM(顧客管理ツール)やSFA(営業支援システム)などSales Cloudだけを導入している現場がほとんどなことに気づきました。
「もっと幅広く製品を勉強して、いろいろな製品を扱えるようになりたい」と、もどかしく思っていたところ、SHIFTと出会いました。
M.R.さんがお話ししたとおり、カスタマーサクセス部全体が「運用目線」のサービスを展開していることにも共感でき、ジョインしました。
原点は、Salesforceを活用した成功体験
──ちなみにM.R.さんは、どのようにしてSalesforce製品と出会ったのですか?
M.R.:外資系企業にいた2013年に出会いました。グローバル全体でSalesforceの導入が決まり、「Salesforceやってみない?」と依頼を受けたのがはじまりです。当時は売上管理業務がメインだったので、ふたつの役目を担いながら、社内を駆け回ることになりました。
それから5~6年かけて、エクセルなどローカルファイル上にあった社内情報、業務をすべてSalesforceに一元化しました。ペーパレス化のほか、時短、売上向上などたくさんのをメリットを生み出すことができました。
例えば
‐エクセルの手入力がなくなったことで、ミスが減った
‐承認フローを自動化できたことで、発注プロセスがスリム化できた
‐売上日計表がモバイル上で確認できるようになり、個別、グループ別、全体の日次達成率がどこにいても確認ができる など。
結果として「社員が営業に注力できる環境づくり」を実現できました。多くの企業にも私と同じ成功体験を味わっていただきたい……こうした想いがいまの仕事への原動力につながっています。
「できないとは言わない」、横連携できるカルチャーがありがたい
──運用支援に強い思い入れがあったおふたりですが、実際にSHIFTに入社してみていかがですか?
M.R.:ただただお客様のために考え、伴走できる環境に大きな幸せを感じています。なかでもSHIFTの行動指針のなかにある、「できないとは言わない、できると言った後にどうやるかを考える」を体現するカルチャーにはすごく助けられていますね。
先ほどから、私たちがSalesforceのコンサルティングパートナーであることはお伝えしていますが、先方の予算や目的によってはSalesforce以外の製品を提案し、導入や運用の支援をすることも可能なんです。
──では、Salesforceグループのメンバーは、他社製品の勉強もされているということですか?
M.R.:社内に他社製品の専門部隊があるので、適宜連携しながら動いています。提案に同行してもらうことも結構あります。横の連携を取りやすく、ナレッジを共有しやすいのは間違いなくSHIFTの強みです。
おすすめできる製品や社内組織にしがらみがなく、仕事の幅をどんどん広げられるのは、本当にうれしいことです。
O.A.:グループが開設された2年前はメンバーも5名ほどしかおらず、SHIFTがSalesforceのサービスをはじめたことについて、他部署の方々はほとんど認識していなかったと思います。
「横展開するためにはまず知ってもらわなきゃ!」……M.R.さんの掛け声で、説明会を開催したりイベントに登壇したり、ブログの執筆をはじめたり、営業会議に参加させてもらったり。「とにかくSalesforceって聞いたら連絡ください!」と伝えてつづけて、いまに至ります。
動けば動くほど応えてくれる仲間がいる。私自身、動きたがりなので(笑)、こういうカルチャーが性分に合っていると思います。
自社での導入・運用をアシストするサービスは「信頼」から生まれた
──チーム一丸となって精力的に仕事の幅を広げられているようですが、ここであらためて、「Salesforce内製型導入支援サービス」について教えてください。
O.A.:「自社でSalesforceの導入・開発をするためのアシスト」を行うサービスです。私たちは説明やアドバイスをするのみ。すべてクライアント先のエンジニアに手を動かしていただきます。
M.R.:そもそものきっかけは、大手SIerから「ある一般社団法人のシステムエンジニアに、Salesforceの導入方法を教えてほしい」と相談されたことでした。聞くとその方々は、Salesforceの知識が一切ないとのこと。しかし基本を知らないと、導入設定後の活用がかなりむずかしくなります。
こちらからは、まずTrailheadというSalesforceの自己学習ツールを各自でこなしていただくようお願いしました。
「管理者向けの知識が知りたいわけではない」と当初は難色を示されていたものの、重要性をご理解いただけるように丁寧に説明を重ねていきました。このことが信頼獲得につながり、その後もスムーズにプロジェクトが進むきっかけになったのではないかと思います。
──お客様がSalesforceを導入する目的は何だったのですか?
O.A.:名刺管理ソフト、エクセル、Outlookメール、Teamsなど、各自バラバラに管理してきた情報をSalesforceに一元化したいという意向でした。
実際の導入にあたっては、アジャイル開発とノーコードとの相性もとても良く、想定以上にうまく行きました。ただ最後にテスト環境から本番環境に移行を行うフェーズで、Salesforce特有のやり方があってクライアントが困惑される場面もあり、そこはがっちりとサポートさせていただきました。
また、SHIFTのメイン事業であるテストについては、設計をSHIFTで、実行をお客様自身で実施したことで、より改善点がクリアになったとの声もいただきました。
期間を半分以下に、費用を2/3に抑えられる理由
M.R.:最終的には一般的なSIerでの導入支援に比べて期間は半分以下に、費用は2/3に抑えることができたんですが、これにはアジャイル開発以外にもさまざまな要因がありました。
通常はあらかじめライセンス内容を決めてから構築をはじめるのですが、今回は逆パターン。最低限のライセンスから構築をはじめて、導入作業を進めながら、さらにランクの高いライセンスを購入するかどうか判断していただきました。
私たちが提案したのではなく、Salesforceの構造や機能を理解したうえで、必要なライセンスを選択し、無駄なく購入された。とてもよい事例になったと思います。
もうひとつ。導入と運用を同一のエンジニアが行うと、プロセスを区切ることなく、導入が完了した部分から順次運用をスタートできます。お客様自身が導入を行うことで、すべての構造を理解しているからです。段階的にリリースできると、社内の使用開始も、全機能のリリース時期もはやまります。
このように、このプロジェクトで得られた知見はとても多く、「Salesforce内製型導入支援サービス」として提供を開始することになりました。
「最新情報をキャッチアップし、自走できる人」が理想の仲間
──新しいサービスもはじまり、さらに採用を強化されると聞いています。どのようなスキル・マインドをもった人がSalesforceグループに合うと思いますか?
M.R.:前提として、Salesforceの基礎知識をもっている人が望ましいので、Salesforceの認定資格保持者は優先的に採用させてもらっています。
あとこれは、Salesforceに限らずですが、積極的に新しい情報をキャッチアップできる方。特にIT業界では、お客様へ適切なアドバイスをするためにはつねに最新情報を把握しなければなりません。
──グループとして、今後挑戦したいことは何でしょう?
M.R.:社内の普及活動により一層力を入れていきたいです。横連携がSHIFTの強みなので、Salesforceが好きな人や興味がある人をどんどん巻き込みながら、事業を大きくしていきたい。
いま、メンバーは32人。27歳の娘と同世代の社員も大勢います(笑)。
楽しく前向きに働ける場をつくっていきたいという気持ちはいまも昔も変わりません。失敗を恐れずに、みんなで新しいことにどんどん挑戦していきたいですね。
外部協力:福嶋 聡美(執筆)
(※本記事の内容および取材対象者の所属は、取材当時のものです)
▼本記事に登場するO,A,はSHIFT AWARDでSHIFTER賞を受賞しています。どんな点が評価されたのでしょうか。彼女の仕事ぶり、仕事へのスタンスに迫るべく、本人にインタビューしてみました。
※SHIFT AWARDとは:クォーター(3ヶ月)ごとに開催される社内表彰制度。なかでもSHIFTER賞は、クレドの体現者に贈られるもの。